ドライバーとして働いていくなら、普通自動車免許はもちろん、車のサイズによって中型、大型の自動車運転免許の取得はマスト。さらに、付随する業務の資格を身につけることで、仕事の幅が広がり、キャリアアップ、賃金アップにつながる可能性が高まります。また、運転手として長く勤務することも魅力のひとつですが、ステップアップして内勤などの他の業務や管理職になるキャリアも大変魅力的です。
では、今後もトラック業界で仕事をしていくうえで有効に働く、取得すると有利な資格とは、どんな資格でしょうか。これからドライバーを目指す方、ドライバーとしてキャリアアップを目指す方、必見です!
ドライバーなら全員必要、普通自動車運転免許
普通自動車免許は最も一般的な自動車免許です。ほとんどの人が最初に手にする免許ではないでしょうか。顔写真付きの身分証明書の提示を求められるほとんどのケースで有効とされており、日本では日常的に車を運転するドライバーでなくとも、所持していれば便利です。
普通免許試験は18歳以上から受験でき、取得すれば車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の車が運転できます。
オートマ限定免許でもトラックドライバーになれるのか
オートマ限定があるのは普通自動車免許のみ。最近ではトラックでもオートマ車が徐々に生産されていますが、いまだにマニュアル車が主流です。今後、トラックドライバーとしてのスキルアップを見据えて中型、大型の取得を検討しているなら、運転に慣れるという意味でもマニュアルを取得したほうがいいかもしれません。
最近では、ドライバー不足解消のために、免許の取得をサポートしてくれる制度を設けている会社もあります。自分の働きたいスタイルに必要な免許を把握したら、サポート体制が整っている会社も探しやすくなりますね!
トラック運送業界の出世コース、運行管理者
運行管理者とは
お客さまを乗せて走るバスやタクシー、宅配便や引越しの荷物を運ぶトラック等、「自動車を利用した事業を行う会社」は、営業所ごとに「運行管理者」を置くことが法律で定められています。
運行管理者の業務は、乗務割の作成やドライバーの交代要員の配置、休憩時間などの管理、過積載などの危険運転の防止など、つまりドライバーたちの現場監督です。ドライバーが事故を起こした場合、安全管理を怠ったとして会社が訴えられるケースもあり、その役割はますます重要になってきていると言えます。
運行管理者になるには
運行管理者になれるのは、国家資格である「運行管理者試験」に合格した人です。受験資格は、運行管理に関する業務経験を1年以上有するか、国土交通大臣の認定する基礎講習を修了することとされています。
運行管理者になるには、一般的にキャリアアップの流れとして一番有効と考えられる運行管理者になることをまずは目指しましょう。
運行管理者は国家資格で、国土交通省大臣指定試験期間が実施する「運行管理者試験」を受験し合格しなければなりません。試験は年2回、3月と8月に実施されていて、合格率は約30%程度となっています。
なお、受験資格には、①実務経験が1年以上あること②国土交通大臣が認定する講習実施期間で基礎講習を修了することのいずれか1つに該当しなければなりません。受験するためのハードルは決して高くないため、自己啓発のためにも、ぜひともチャレンジしてみましょう。
運行管理者は試験が不要な場合もある
5年以上の実務経験を有し、講習を5回以上(うち少なくとも1回は基礎講習)修了すれば、試験を受けずに資格を得ることができます。
運行管理者(配車マン)になるためのキャリア
運送事業の運営を適正かつ合理的に運営するために定められた「貨物自動車運送事業法」では、配車マンとよばれる運行管理者1人につき、管理できるトラックの台数は30台未満と定められています。そのため、トラックが30台以下の会社では配車マンは1人しか必要はなく、配車マンになるためには競争を勝ち抜かなければなりません。それ相応の知識・経験・人脈を備えた人物しかなることはできず、またそのために必要な資格を取得しなければなりません。
しかしながら、現状ではトラックドライバーに対し、内勤職や配車マンが不足しているのも現状のため、トラックドライバーになったのであれば、チャレンジしないと勿体ない業務といえます。
一般的には、ドライバーからスタートしてその後事務的な内勤を経験してから配車マンとよばれるドライバーを管理する中間管理職に就き、その後さらに上の管理者などになることが通常のキャリアパスといえます。
工事現場や特殊作業なら、特殊自動車運転免許
街中や工事現場などで目にする様々な機能の車。その中でも、特殊な形状を持っているものが「特殊自動車」です。最高速度やサイズによって、大型と小型に分かれます。
除雪車や農耕トラクター、ショベルカーなどがあります。大型は18歳以上、小型は16歳以上から、普通自動車免許がなくても受験できます。
バス等のお客様を乗せる旅客ドライバーには第二種運転免許が必要
タクシーや路線バスなど、お客さまを乗せて運賃を払ってもらう旅客ドライバーに必要になるのが「第二種運転免許」です。
自動車免許のうち、大型・中型・普通自動車免許に第二種免許があります。受験資格も、21歳以上で、いずれかの一種免許を取得後3年が過ぎているか、他の二種免許を取得していることと、一種の取得を前提により厳しいものになっています。(大型特殊、けん引にも二種免許があります)
なお運転できる車は、第二種も第一種と変わりません。貨物自動車・自家用・タクシーなどの回送・幼稚園の送迎バス、介護施設等の無料送迎なら、第一種を持っていれば十分です。基本的に運賃が発生しなければ第一種です。その時は無料でも、契約していて後からお金が入るなどは第二種が必要になります。
クレーンを運転するならクレーン資格・玉掛技能者
建設現場や工場などの作業に欠かせないクレーン車。クレーン車を、車として道路を走行させるだけなら自動車免許でできますが、本領発揮となる重量物・大型物の吊り上げには、万一操作を誤ったり、作業に不手際があったりすると、人の生死にも関わる重大な事故が起きかねないことから、別の資格が必要です。
まず、クレーンの運転に必要な免許ですが、こちらはクレーンの機種によって区分されています。最上位の「クレーン・デリック運転士(限定なし)」は、吊り上げ荷重5トン以上のものも含め、全てのクレーンの運転ができます。
また、クレーンで運ぶ荷物をフックに取り付けたり外したりする作業のことを「玉掛け」と言いますが、これにも別の資格が必要です。「玉掛技能講習」または「玉掛特別教育」を修了することで玉掛作業者の資格を得られます。両者の違いは、荷の重さ1トン以上を扱えるかどうかです。
大量輸送をするなら、けん引免許
運転車両の後部に自走できない車を連結し、木材や重機などを運んでいる光景を高速道路で見たことがあると思います。この後ろにひかれている部分が750キログラムをこえる場合に必要なのが、けん引免許です。
大型自動車免許と組み合わせることで、大量輸送が必要な現場ではより重宝される可能性があります。受験には、大型・中型・普通・大型特殊自動車免許のいずれかを所持していることが必要です。
多くの現場で大活躍、フォークリフト
小回りがきくのに大量の荷物を運べ、工場や倉庫などで大活躍のフォークリフト。物流だけでなく、食品、建設など多様な業界でニーズがあります。免許と合わせてこれらに必要な資格を取得していれば、大きな強みになります。
「フォークリフト運転技能講習」または「フォークリフト運転特別教育」を修了することで運転が可能になります。違いは、荷の重さ1トン以上を扱えるかどうかです。
会社の健康管理・衛生管理担当、衛生管理者
衛生管理者とは、国家資格で労働安全衛生法における労働者の健康障害を防止するために職場全体の衛生全般の管理をする人です。衛生管理者は、全ての業種において常時従業員50人以上を使用する会社では選任することが義務づけられています。
資格には第一種・第二種衛生管理者がありますが、運送業では、有害業務を含む危険度の高い職場でも業務が行なえる「第一種衛生管理者」の取得が必要になります。
試験資格は、大卒で1年以上、高卒で3年以上、学歴問わず10年以上の労働衛生の実務経験が必要になります。合格率は40%台と比較的高く、取得すれば業種を問わず従業員50人以上の会社では必ず必要になるため、将来的にも有効に活用できる可能性のある有意義な資格といえます。
タンクローリーに多い、危険物取扱者
危険物取扱者とは、消防法で規定する危険物の取扱いや定期点検などの監督を行うために必要な国家資格です。実は、人手不足といわれるトラック業界の中でも、人員確保が難しいと言われているのが化学物質を運搬する運転手です。
化学物質のなかには有毒ガスを発生させるものもあるため、この化学物質を運搬するためには「危険物取扱者」の資格を取得していなければその業務に就くことはできません。
危険物取扱者の資格には、甲種・乙種・丙種の3種類がありそれぞれで権限が異なり、甲種を取得すると全ての危険物を取り扱うことができます。なお、乙種・丙種については特に受験資格はありませんが、甲種に関しては乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、実務経験を2年以上有したものなどの一定の資格が必要になります。
運送業業界内でももちろんですが、他の業界でも求められる価値の高い資格といえます。
可燃物やガス運送をする会社なら必要、消防設備士
消防設備士とは、消火器やスプリンクラー等の消火設備などや、自動火災報知機などの警報設備の設置工事や点検・整備を行うことができる国家資格です。ある一定量以上の可燃物や高圧ガスを運送するなど、道路運送車両の保安基準代47条の条件にあてはまるトラックは、運搬する荷物に対応した消火器を適切なところに搭載しなければならないとされています。
消防設備士には甲種・乙種の2種類があり、甲種は消防用設備の工事、整備・点検ができ、乙種は整備と点検のみが可能です。実際、この消防設備士の資格を取得している社員が少ない会社も多く、キャリアアップのために有利に働くケースも大変多い資格です。
自動車には様々な機能や使用方法があり、それぞれのシーンで求められる技能や資格がたくさんあります。これらを知り、学ぶことで、業務の選択肢を広げ、賃金のアップなども望める可能性が高くなります。ぜひ、ドライバーの皆様のスキル設計の参考にしてください!
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