運送業や工場などで働いた経験のある方なら、フォークリフトの動いている姿を見たことがある人も多いはずです。人の手では到底持ち運べない荷物でも、レバーひとつで持ち上げることができます。今回はフォークリフト免許の取り方について詳しく解説していきます。
フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習修了証)とは?
フォークリフト運転技能講習の修了証を取得すると、最大荷重1t以上のフォークリフトを、公道以外で使用、走行することができます。
また車の免許との大きな違いがあり、フォークリフト免許は厚生労働省の管轄で、車の免許は国土交通省の管轄になります。さらに免許についての法律では労働安全衛生法が適用されますが、車の免許では道路交通法が適用されます。
フォークリフトの特別教育とは
正式には『フォークリフトの運転に係わる特別教育』というもので、試験などもなく学科講習と実技講習を受けるだけのものになります。費用も1万円~2万円と比較的安く抑えることができます。また受講する期間もとても短く、2日ほどで受講を終えることができるため簡単に取得することができます。
さらに『フォークリフト運転技能講習』を受講する際に学科免除や受講料が安くなるので、特別教育を修了した後に技能講習を取得するという取り方もできます。
もし業務上1t未満のフォークリフトのみ使用するのであれば、特別教育のみ修了していれば問題ありませんので出費を押さえたい場合や、あまり時間のとれない場合などはこちらだけ取得しておくのも一つの手段です。
フォークリフトの運転に必要な免許と資格
無資格でフォークリフトは運転できるの?
労働安全衛生法において、危険な作業と取扱われているため、フォークリフトに関する資格を取得した人でなければ運転する事はできません。無資格運転は違法となります。
またフォークリフト免許には種類が2つあります。総重量が1tを超えないものに乗務する場合は『フォークリフトに係わる特別教育』を修了しなければならなく、総重量1tを超えるものに乗務する場合は『フォークリフト運転技能講習修了証』を取得していなければなりません。
また、資格を持っていたとしても作業をする際は、必ず修了証を携帯していなければなりません。
フォークリフトの運転に必要な自動車免許
フォークリフトを公道で走行するためには『小型特殊自動車免許』もしくは『大型特殊自動車免許』の取得が必要であり、警察署長から許可をもらう必要があります。そのため走行して作業する範囲は、工場などの敷地内に限られます。
何も免許を取得していないにも関わらず運転をしてしまうと、懲役や罰金などの重い罰則がありますので絶対に無資格での運転は差し控えてください。
フォークリフトの免許証を取ると出来る仕事
フォークリフト免許を取得することが出来ると、倉庫内や工場内での荷役作業に携わることができるようになります。ただ荷物を運ぶだけでなくトラックへの積込や、狭い場所での作業があるためある程度の技術が必要になります。
フォークリフトの種類
フォークリフトの種類は5つあります。その中でも比較的使用頻度の高い2種類の構造について説明します。
まず代表的な『カウンタバランスフォークリフト』です。前の部分にフォークが備え付けられ、カウンタウエイトが車体の後部にあり、その中間に運転席が備え付けられています。工場や運送会社でよく見かけるのはこの仕様になります。
次に『リーチフォークリフト』です。こちらも前の部分にフォークが備え付けられていますが、立ったまま運転操作を行う仕様になっています。また旋回半径がとても小さくなっているため、狭くて動きずらい場所での作業に向いています。
その他には『サイドフォークリフト』、『オーダピッキングトラック』、『ウォーキーフォークリフト』などがあります。
フォークリフトの免許(フォークリフト運転技能講習)を受験するための資格・条件
受験資格のある年齢は何歳から?学生でも取れる?
フォークリフト免許は特別教育、技能講習のどちらとも年齢が18歳を越えていれば、社会人や学生であっても受験することができます。ですので若いうちに資格の取得ができるため、企業での即戦力として実務に携わることのできるチャンスがあります。つまり新卒で就職したばかりの若い世代の人でも、受験しようと思えば受験できるということになります。
免許証を取るために年齢以外に必要な資格・経験・条件
フォークリフト免許の年齢以外に、受験資格についての規定はありません。車の免許やその他の資格全てについて取得していなくても、年齢が18歳以上であれば問題なく受験できます。国家資格でもあるため、一度取得してしまえば永久に自分のスキルの一つとして残ることになり、就職や転職をする際に履歴書に書くことの出来る財産になります。
フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習修了証)を取得する流れと取るのにかかる時間
フォークリフト免許を取得するための受験場所と手続き
受験する場所は労働局長指定の教習機関になります。具体的には、各都道府県ごとの自動車教習所や、仕事で使われることが多い資格を取るための専門の教習所などがあります。そのため申し込みをする時は、各教習所への申し込みが必要になるので、各所で手続きの方法を確認する必要があります。
申し込みをする際に重要になるのが、現在保有している資格です。なぜかというと、取得済みの資格の違いによって受講日数や受講料に大きな差があるため、自分の受講するコースを見極めて申し込みしなければならないためです。もしもよく分からないのであれば、電話で問い合わせると教えてくれますのでそういった確認方法もあります。
フォークリフト免許を取得するためにかかる期間・時間
受講日数の違いは現在取得済みの資格や教習所によって多少のばらつきはありますが、2日~5日程の差があります。
- 『大型特殊自動車免許』を取得している場合、受講時間が11時間で2日ほどで終わります。
- 『フォークリフトの特別教育修了者』は、受講時間が15時間で3日ほどで終わります。ただし運転経験が6ヶ月以上あって事業者から証明書を発行してもらう必要があります。
- 『普通、準中型、中型、大型自動車、大型特殊(カタピラ付限定)』を保有していれば、受講時間が31時間で4日~5日で終わります。
- 何も資格を持っていない場合は、受講時間が35時間で5日で受講を終えることができます。
このように最短で2日、最高でも5日で取得することができますが、受講中には学科試験と実技試験に合格する必要があります。
学科のテストは学科講習後すぐに受けることになります。学科試験を突破すれば実技講習に進めますが、不合格だと実技講習を受けることができません。ですが難易度のあまり高くないテストになっていますので、あまり心配する必要はありません。
見事合格して実技講習に進んだ場合は、最終日に実技のテストがあります。この実技試験を突破できれば『フォークリフト技能講習修了証』の交付を受けることができます。
フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習修了証)の試験内容・難易度
フォークリフト免許の試験やテストはどんな問題が出されるの?
学科試験での回答形式はすべて4択になっており、その中から正しいもの又は間違っているものを選択する形式になっています。また、法令、力学、走行に関する知識、荷役に関する知識の4つの項目に分かれて出題されるようになっています。
テスト前の講習では、テストに出る部分を重点的に教えてもらうので、難易度は低いと言えます。注意点は正しいものを選ばなければならない問いで、間違ったものを選択してしまうことのないようにしなければなりません。またその逆で間違っているものを選択する問いで、正しいものを選択してしまうことも避けなければなりません。
こういったケアレスミスが不合格の要因となる可能性もあるため、しっかりと設問読んでその問いにあった答えを選ぶのことのできるよう、落ち着いて試験に望んでください。
フォークリフト免許のテスト勉強方法や学習法のコツ
学科講習の一日目終了後すぐに試験となるため、しっかりと講習の内容を聞くことが一番の勉強法になります。自宅で勉強することができないため、時限の間の休憩時間に復習する人も多く、そういった隙間時間にもう一度頭に叩き込むといいです。
文章ばかりで難しそうなイメージがあるかもしれませんが、全員合格できるように講師の方が教えてくださるので大丈夫です。その際はしっかりと要点を押さえてマーカーなどでチェックを入れて、どの部分が覚えてなければいけないポイントか後で見直すことができるようにするべきです。
試験やテストの難易度や合格率は99%ってホント?
合格率はおよそ99%ととても高いため、難しそうと思われている人もいると思いますが、かなり難易度は低いと言えます。よほど授業中に話を聞いていなかったりしなければ、まず落ちることはありません。
フォークリフト免許の実技試験は難しいの?
実技試験は講習の最終日に行われます。 機械操作の苦手な人でも、テスト前に何度も練習をすることができるので、難しいというイメージを払拭して望む事ができます。
テストは教習所内に設置されたコースで行います。減点方式になっており、ミスする度に100点満点から引かれていくことになります。合格点は70点とあまり高くないため、完璧にしようとして固くなりすぎず、ある程度のミスは許容範囲と捉えるべきです。そして見事合格すれば『フォークリフト運転技能講習修了証』を発行してもらえます。
こちらも合格率は99%なので、基本的には不合格になることはありません。ですがあまり気を抜きすぎると、落ちてしまう可能性も0ではありませんので、しっかりとテスト前の講習に望まなければなりません。
フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習修了証)を取得すると運転できる車
最大過重が1tを超える全てのフォークリフトに乗ることができるようになります。大きいものだと40tを超えるものもありますが、資格さえ持っていれば大きさの制限はありませんので乗ることができます。
フォークリフト免許の取得費用や補助・給付金
免許を取るためには何にどれくらいの費用がかかるの?
免許を取るための費用は、2万円~4.5万円程です。なぜこんなにも差があるのかというと、取得済みの資格によって受講するコースが違うためです。その他にかかる費用はなく受講料のみ支払えば、後は講習を経て資格取得という流れになります。また国家資格が2日~5日で取得できる上に、値段もさほど高くありませんので人気の資格になっています。
地域によって免許の取得金額に差がある
同じ受講コースでも地域によってかなりの差があります。値段が5,000円以上の差があることもあるため、少しでも出費を押さえたい場合は、比較的値段の低い教習所を探してみるべきです。もしお住まいの地域の教習所の金額が高い場合は、教育訓練給付金制度という制度で後から受講料の一部が支給される制度があるので、こういった取り方も活用してみるといいです。
教育訓練給付制度(給付金)はどうすれば利用できるの?
給付金を利用するためには、各教習所で受講の申し込みをする際に給付金制度を利用することを伝えなければなりません。資格取得後に『教育訓練修了証明書』と『支給申請書』をハローワークへ提出することにより後日、かかった費用の一部が給付金によって支給される仕組みになっています。また条件を満たしていなければ受給できませんので、事前にハローワークへ問い合わせて受給資格を満たしているか確認する必要があります。
詳しい条件として、企業に勤めている人は受講の始まる日までの被保険者であった期間が3年以上が条件であり、離職されている人は離職してからの期間が一年以内で、被保険者としての期間が3年以上が条件とされています。また初回に限ってはどちらも、被保険者の期間が一年以上あれば条件を満たしていることになります。
運送会社でドライバーになるとフォークリフト免許取得費用は負担してくれるの?
運送会社では仕事をする上で、フォークリフト免許を取得しなければならないことが多いため、会社負担で資格を取得できることがあります。お金に余裕がなくても、フォークリフトの免許が取りたい場合はこういった取り方もできます。ですが企業によってはすべて自己負担になる場合や、受講料の一部を補助してくれるだけのケースもあるので、各企業ごとに確認する必要があります。
日本以外の海外でもフォークリフトは広く使われています。私たちの住む日本では『フォークリフト技能講習修了証』は国家資格であるため、取得することができれば永久に保持することのできる力強い資格です。この記事をみなさんの起爆剤として、今後の活躍に繋げていってほしいと願っております。
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