建設や土木の現場には重い資材の移動がつきもの。人の手だけでは運びきれない重量、物量の資材を運搬するのに活躍するのがユニック車です。ユニック車とはどのような車で、どんな現場で活躍しているのか、そして運転に必要な免許・資格を紹介します。
ユニック車とは
クレーン付きトラックの総称としてユニック車・ユニックトラックという名前は広く知られています。しかしユニックという単語はその車種や装置、機能を指すような、正式に認められた総称でありません。
昭和30年代、「多田野鉄工所」が日本ではじめての搭載型クレーン装置を開発。その後開発を重ねトラック搭載型に発展し、彼らの積載型トラッククレーンは「ユニッククレーン」の製品名で日本中に広がっていきます。
その後もバージョンアップを繰り返し、国内ベストセラーの地位を維持。”クレーン付きトラックといえばユニック”という認識が広まったのです。
その後社名を現在の「古河ユニック株式会社」に変更。今もなおトラック搭載型クレーン装置のトップランナーとして業界をけん引しています。
現在ではクレーン付きトラックはユニック車と呼ばれるだけでなく、トラックの一種であるという見方からユニックトラック、自分で走れることからセルフユニック、またはユニックセルフと呼ばれることもあります。
なおユニックという名称は商標登録されているため、古河ユニック以外はそれを使うことはできず、メーカーごとに個別の製品名をつけています。
ユニック車の特徴と便利な機能
ユニック車・ユニックトラックの最大の特徴は「ブーム」と呼ばれるクレーン部分です。クレーンを使い、重い荷物の移動が個人でできる点が多くの現場で非常に重宝されています。
クレーンは何段かに伸びる仕組みになっており、最低3段から始まります。4段から伸びるタイプがスタンダードとされており、このタイプが中古車市場にも最も多く出回っています。長いものでは7段まで伸びるものもあり、ビルの建築現場など、高さが求められる現場で活躍しています。
ユニック車の最大容量は何トンまで?
クレーン部分にはそれぞれ吊るすことができる最大容量が設定されています。多くのクレーンは最大容量2.63~2.93tまでとされています。
やや半端な数字に見えますが、吊れる容量が3tを超えると「クレーン等安全規則」の規制が大変厳しくなるために、意図的に3t未満とされています。
3t以上になると、多くの検査と使用・休止などに伴う届出が必要になります。管理に大変手間がかかる割には3t以上の容量が必要になる現場は建築や土木における一部の現場などに限定されるため、3t未満で十分対応できるようです。
ユニック車の種類
ユニック車にはその形状により、キャブバック型、2荷台内架装型、ハイアウトリガ型の種類に分類されます。
キャブバック型
運転手が乗車するキャブ(キャビン)と荷台の間にクレーンが設置されるタイプです。ユニック車のなかではもっともスタンダードなタイプで、現役のユニック車の中でもこのタイプが最も多く活躍しています。吊り容量は2.63~2.93tのものが多く、幅広い現場に対応できるユニック車です。
2荷台内架装型
トラックの荷台にクレーンを載せているタイプです。吊り容量は0.5t~2.2t程度とやや軽めですが、小型トラックにも対応できるため、広い作業場が確保できない都市部や、細い林道などでの作業で活躍します。
ハイアウトリガ型
車体を持ち上げて安定させるアウトリガが長く、車体が斜めになるほど持ち上げるタイプのユニック車です。ハイアウトリガ型は安定性が非常に高く、長さを生かして段差があるところでも車体を水平に保てるため、斜面の多い現場での活躍が期待されています。
ユニック車の最大積載量と大型・中型・小型の区分
ユニック車には4トンユニック、8トンユニック、増トンユニック車、大型ユニック車などの種類がありますが、それぞれ土台となるトラックのサイズによって、いくつかの区分に分けられます。
小型ユニック車
最大積載量3t程度までの2トントラックを土台としたユニック車です。2.2~2.93tの吊り容量に対応しています。荷台内架装型は小型トラックに載ることが多く、住宅地の解体作業といった狭い現場で活躍しています。
中型ユニック車
最大積載量5t程度までの中型トラックを土台にしたユニック車です。吊り容量は2.63~2.93がほとんどで、汎用性が非常に高く、ほとんど全ての現場で活躍できるのが特徴です。中型といえば、4トントラックをベースにした「4トンユニック」を指すのが主流です。
増トンユニック車
最大積載量8t未満のトラックを土台にしたユニック車です。ユニックを搭載して減った積載量を、フレームなどを補強して増加した車両を増トンユニックと呼びます。4.9tを吊るような大型のクレーンを積載することもあります。
大型ユニック車
最大積載量10t程度の大型トラックを土台にしたユニック車で、吊れる容量も重くなります。またクレーンの段数を増やせるようになり、7段まで伸ばせるクレーンは大型ユニック車にのみ載せられます。
その分安定性が求められますが、アウトリガの張り出し幅が広くなり、より高い安定性で、大規模な土木・建築現場で活躍しています。8トントラックがベースの「8トンユニック」が人気のサイズです。
ユニック車が使用される仕事や現場
建築・土木が主な活躍場所
ユニック車がもっとも多く活躍している現場は建築・土木の現場です。大小様々な資材を大量に移動させる必要があるこれらの現場では、小型から大型まで様々なタイプのユニック車が活躍しています。
石材分野でも活躍
石材の世界でもユニック車の活躍が欠かせません。小さいのに人間の手だけでは到底運びきれない重量の石材を扱うためには、高重量を細かく丁寧に扱えるユニック車は心強い存在です。
プレハブや物置の移設も
様々な現場での活躍が期待されているユニック車ですが、プレハブや物置といった、重くはないけど大きいものを運ぶのもユニック車の得意分野です。倉庫やプレハブを解体せず、引っ越し先でもそのまま使いたいときにはユニック車でそのまま持ち上げて荷台に積み、目的地で下ろせば引っ越し完了です。
ユニック車を運転するにはどんな免許や資格がいるの?取得にかかる時間と費用は?
ユニック車のクレーン操作に必要な免許・資格と取得時間
クレーンを扱うには、その最大吊り上げ荷重に応じた免許・資格が必要です。
吊り上げ荷重が0.5t~1t未満では「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」を受ける必要があります。学科講習を9時間、実技講習を4時間ほど受講することで、特別教育修了証が発行されます。
5t未満では「移動式クレーン運転技能講習」の受講が必要です。学科講習13時間、実技講習7時間を受講した後に学科試験を受け、合格すれば技能講習修了証が発行されます。
受講時点で関連した他の免許を所持している、特定分野における実務経験があるといった条件を満たせれば、学科講習が最大7時間免除されます。
5t以上の吊り上げ荷重を扱う場合には、国家資格である「移動式クレーン運転士免許」の取得が必要です。
試験は学科・実技に分かれており、学科合格の後に実技に合格することで免許を得られます。ただし、登録教習期間で特定の実技講習を受講することで、実技試験を免除し学科試験のみで免許が得られます。
クレーン操作に必要な免許・資格の一覧のまとめは下記の表をご覧下さい。
吊り上げ荷重 | 免許・資格 |
0.5t~1t未満 | 移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育の受講 |
1t~5t | 移動式クレーン運転技能講習の受講 |
5t以上 | 移動式クレーン運転士免許の取得 |
なお、これらを取得することで操作が許されるのはクレーンのみであり、クレーンのフックに吊り具を使い荷掛け・荷外しをするためには別途「玉掛け技能講習」の受講が必要です。
ユニック車の運転に必要な免許・資格と取得時間
クレーンの操作だけでなく、ユニック車を運転して現場まで移動するためには、自動車運転免許が必要です。車両の総重量、最大積載量に応じて指定の免許が必要になります。
車両総重量 | 最大積載量 | 免許の種類 |
5t未満 | 3t未満 | 普通自動車免許 |
11t未満 | 6.5未満 | 中型自動車免許 |
11t以上 | 6.5t以上 | 大型自動車免許 |
ユニック車は建築・土木をはじめとした多くの現場で活躍する、重い荷物の移動には欠かせない存在です。他のクレーンとは異なり、ユニックセルフ、セルフユニックの呼称の通り自分の力で現場まで走れるために、多くの状況に柔軟に対応できます。
また扱う必要のある現場の種類に応じて、クレーンの形状やトラックの大きさななど様々なタイプが存在し、現場にあった選択をすることで本領を発揮するといえるでしょう。
ユニック車のクレーンを扱うためには免許・資格が求められ、その多くは講習の受講により取得することができます。大きな仕事をするために、重く大きなものを運ぶユニック車。これからも日本全国各地でのユニック車の活躍が期待されます。
「働いても給料や条件があまりよくならない」、「体力的にも労働時間もしんどくなってきた」、「将来が不安」、でも”いい仕事ってないよなぁ”と感じたりしていませんか?
もしそうなら、ドライバー不足の今は絶好のチャンスです!
ご存じかもしれませんが、ドライバー不足でどこの企業も人を欲しがっているため、これまで考えられなかったような高年収・好待遇の案件が増えてきています!
なので、もしあなたが最近になっても「あまり年収や待遇がよくならないなあ」と感じるなら転職すれば年収・条件アップの可能性はかなり高いです!
【LINEでドライバーの転職相談】
もちろん転職やお金が全てではありません。慣れた環境や仕事があれば長時間労働や低い年収も気にしないという考えもあります。
ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
ただ、ドライバーの仕事は忙しいのでじっくり探す時間はなかなか取れないものです。ホームページに書いてあることが本当かどうかあやしいと感じるドライバーさんもいます。
それなら、ドライバーズジョブの転職サポートサービスに仕事探しを任せてみませんか?
- 転職するしないに関係なく完全無料でサポート
- 電話で希望条件を伝えて待っているだけで好条件の仕事を探してもらえる
- もし応募したくなったら、履歴書や面接のサポート、条件交渉も手伝ってもらえる
ので、仕事を探す方にはメリットしかないようなサービスです!
ドライバーズジョブはドライバー専門のお仕事探しサービスなので運送業界や仕事内容に詳しく、ドライバーや運送業界で働こうと考えるみなさんを親身になってサポートします!
登録はもちろん無料で、気軽な悩みから仕事探しまで何でも相談してみてください。
また、「ちょっともうドライバーは疲れたなあ」「他の仕事もやってみたいなあ」という方もいらっしゃると思います。
今の世の中はどの業種も人手不足で年齢に関わらず未経験者も積極活用中です。ドライバー経験者の方は体力もある方が多く採用でも有利なため、全く別の業界で活躍される方も多くいらっしゃいます。
人材紹介サービスはどの会社も転職希望者に費用は発生しないので(採用企業がコストを支払うため)、気になった方は話だけ聞いてみるのもアリでしょう。