小型特殊自動車免許(小型特殊免許)をご存知でしょうか。マイナーな免許ですが、本コラムでは小型特殊自動車免許を取得するための費用や試験の難易度、取り方の流れなどについて紹介をしていきます。
小型特殊自動車免許(小型特殊免許)とは
小型特殊自動車免許は、小型特殊自動車を公道で走れるようにする免許です。小型特殊自動車は、農業用トラクターやコンバインなどが該当します。
なお、小型特殊自動車免許は、原動機付自転車免許以外の免許を取れば自動的に付与される免許となっています。そのため、普通自動車免許を取得している人は、小型特殊自動車免許も同時に取得していることになります。現在では、小型特殊免許のみを取得するという人は、非常に少ないというのが実情です。
免許の取り方は、運転免許試験場に赴いて学科試験を受験し、合格する必要があります。学科試験は原動機付自転車免許のような問題ですが、小型特殊自動車免許独自の問題も存在しています。そのため、学科試験の際には十分な準備が必要と言えます。
小型特殊自動車免許(小型特殊免許)を受験するための資格・条件
小型特殊免許受験資格のある年齢は何歳から?学生でも取れる?
年齢は、満16歳から免許の取得が可能です。年齢が若いうちから取ることができる免許と言えます。また、学生でも取得することは可能となっています。
稼業である農業の手伝いをするという理由で、16歳で免許の取得をするというパターンが多いでしょう。
小型特殊免許証をとるための条件、必要な資格や経験
年齢以外に小型特殊免許を取得する受験資格(条件)として『視力が両眼で0.5以上であること。一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること』という条件があります。
もし裸眼での視力が悪いという方は、普通自動車免許と同様にコンタクトや眼鏡を使用しても構いません。裸眼での視力に不安がある方は、あらかじめコンタクトや眼鏡を用意しておくと良いでしょう。
また、免許を取得するために必要な経験はありません。何らかの車を運転した経験がなくても、一番最初に取得することができる免許となっています。そのため、業務に携わるのに必要であれば、すぐにでも取得し活かすことのできる免許と言えるでしょう。
小型特殊自動車免許(小型特殊免許)を取得する流れと取るのにかかる時間
小型特殊免許を取得するための流れと手続き
適性試験と学科試験の受験申請
小型特殊免許を取得するためには、運転免許センターに行き、試験を受験して合格する必要があります。運転免許センターに到着したら、適性試験と学科試験の受験申請を行いましょう。両方を受験して合格しなければ、免許証の交付は行われません。
適性試験と学科試験の受験申請受付は、時間が定められているので注意が必要です。各地の運転免許センターによって受付時間は異なります。午前と午後の二部制で試験を行っている所もあるため、最寄の運転免許センターの受付時間を確認するようにしましょう。
適性試験
まずは適性試験を受験します。これは、視力検査や色覚検査となります。視力が基準に満たないと、免許を取得することができません。
裸眼での視力に不安がある方は、あらかじめコンタクトや眼鏡を用意して受験しましょう。
学科試験
適性試験が問題なく終了すると、学科試験を受験することになります。学科試験の試験時間は30分となっています。とても短い試験時間ですが焦らずに試験に臨みましょう。
規定の試験時間を経過すれば、途中退室することも可能となっています。
小型特殊免許の試験を受験する人が非常に少ないために、原動機付自転車試験と同一に案内されたり、試験会場が同じであったりすることも少なくありません。職員からの案内はありますが、他の試験の説明と混同しないように注意しましょう。
また、小型特殊免許の試験の受験者が非常に少ないことで、職員も慣れていない人がいることも考えられます。十分注意して職員の説明を聞き、疑問に感じたら職員に伝えることも必要となります。
合格発表
学科試験が終了すると、合格発表を待ちます。この際も、原動機付自転車試験の受験者と同じタイミングで発表されることが多いでしょう。
ここで合格の発表がされれば、晴れて小型特殊免許を取得することができます。しかし、免許の写真撮影や発行のタイミングも、原動機付自転車試験の受験者と同じタイミングになることがあります。
実技演習
原動機付自転車試験の場合は、学科試験合格後に実技講習があります。この実技講習を受講しなければ、免許を取得することができません。
そのため、この実技講習が終了するのを待ってから写真撮影や免許の交付が行われる可能性があります。待ち時間が長くなる可能性も考慮しておくと良いでしょう。
小型特殊免許を取得するのに必要な期間・かかる時間
試験の受験申請から免許の交付まで、おおよそ3時間から4時間程は時間が掛かると考えて良いでしょう。学科試験の時間は30分と短いですが、原動機付自転車免許の受験者と同じタイミングで動くために、待ち時間が長くなる傾向にあります。
午前の試験を受験する方でも、午後の早い時間帯から他の予定を入れるのは避けましょう。
学科試験は、原動機付自転車免許の試験とほぼ同様な試験内容のため、勉強の期間は数日から1週間程あれば十分合格水準まで達成することができます。
ただし、数問は小型特殊免許試験のみに出題される問題があるので、事前に対策を行っておく必要があります。自動車学校では、小型特殊免許の取得コースを取り扱っていることが少ないために、自分で勉強を行う必要があります。
学科試験の勉強を始めてから免許の交付を受けるまで、1週間から2週間の期間があれば十分であると言えます。時間があり、勉強を要領良くできる人であれば、数日間で免許を取得することも可能です。
普通自動車免許に比べて、免許取得までの期間が圧倒的に少ない免許と言えます。
小型特殊免許を取得する人は、運転免許センターに赴くことが始めてである人が多数であると考えられます。不安な気持ちで会場に到着すると、勝手が分からずに焦ってしまうことがあります。事前に十分な情報収集を行い、不安が無い状態で試験に臨むようにしましょう。
小型特殊自動車免許(小型特殊免許)の試験内容・勉強方法・難易度
小型特殊免許の試験・テストで出題される問題
試験については、基本的に原動機付自転車免許と同様の試験内容となっています。問題は〇×式で、ほぼ文章問題ですがイラスト問題も2問程あります。
問題内容としては、交通ルール全般や安全運転についての問題が出題されます。問題数は全部で50問あり、9割以上正解すれば免許を取得することができます。
全問題数の1割程は、小型特殊自動車に関する問題が出題されます。
問題としては、小型特殊自動車の最大積載量を問うものがあったり、他の車を牽引することが可能か問うものがあったりします。小型特殊自動車の特徴や、何を行うことが可能なのかなどの出題が多くあります。
試験問題の予習をしておくと良いでしょう。
小型特殊免許のテスト勉強方法や学習法のコツ
小型特殊免許用の教本で勉強を行いたいところですが、需要が少ないために専用の教本が売っていません。
しかし、基本的に原動機付自転車免許と似たような試験内容のため、普通自動車免許や原動機付自転車免許用の試験対策本でテスト勉強を行うと良いでしょう。
そして、試験問題全体の1割程は小型特殊自動車に関する問題が出題されます。
対策としては、ネット上で過去問題を確認して、答えを覚えておくのが良いでしょう。また、小型特殊自動車の定義やスペックを覚えることも必要です。
テストの勉強方法については、テキストを一通り読んだら過去問題をひたすら解いていき、間違えた箇所をテキストで一つ一つ確認していくのが効率が良い学習法です。同じ過去問題を何度も解くようにして、答えを覚えてしまいましょう。
テキストを最初から最後までじっくりと読んで暗記しようとすると、かなりの時間が掛かってしまうために効率が良くありません。しかし、道路標識や交通法規は確実に覚えていないと、路上で走行したときに非常に危険です。実際に路上で走行する際には、道路標識や交通法規を確実に把握しなければなりません。
小型特殊自動車免許の試験・テストの難易度や合格率
小型特殊免許の試験は合格率も50%~60%と高いため、テストの難易度としては運転免許の中では最も簡単な難易度であると言えます。実技試験がないため、学科試験のみに集中することができます。
自分でテキストを確認して過去問題を行えば、比較的短期間で十分に合格水準まで達します。
しかし、免許はしっかりと勉強を行わなければ取得できないため、難易度の割に合格率が5割程というのはやや低く感じられるかもしれませんが、これは事前準備なしで無勉強で試験に臨んでいる人がいることも理由と考えられます。
事前に準備をしておけば、取得できる確率がかなり高い免許ですので、確実に勉強を行い免許を取得しましょう。
小型特殊自動車とは
大型と小型が存在する「特殊自動車」とは、自動車のなかでも特殊な使い方をするために特殊な形状をしたものを指します。例えば、作業用の業務機械をくっつけたような車両で、目的が速度を出して走行することより作業を実施することを重視したものです。
なかでも、小型特殊自動車とは農耕作業作業用の自動車が多く、他には工事作業目的の車も存在します。
大型と小型を分けているのはサイズと速度で、車両長4.7m以下、車幅1.7m以下、車両高2.8m以下で、かつ最高速度が時速15km以下であれば小型特殊自動車に該当します。
また、似た名称の自動車に「新小型特殊自動車」がありますが、こちらの運転は小型特殊免許では不可となっており、大型特殊免許が必要です。
小型特殊免許証で乗れる車と乗れない車、原付免許で小型特殊自動車は乗れる?
小型特殊免許で乗れる車は小型特殊自動車のみです。なお、取得していなくても、普通二輪免許以上の免許保有者の場合は小型特殊自動車を運転することができます。
また原付免許では小型特殊自動車には乗れない点に注意しましょう。
大型 自動車 |
中型 自動車 |
準中型 自動車 |
普通 自動車 |
大型特殊 自動車 |
大型自動 二輪車 |
普通自動二輪車 | 原動機付自転車 | 小型特殊自動車 | 牽引自動車 |
運転
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運転
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運転
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運転
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運転
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運転
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運転
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運転
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運転
OK |
運転
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小型特殊自動車免許(小型特殊免許)を取得するのにかかる費用
小型特殊免許をとるための費用・料金はどのくらい?
教習所などの費用を除くと、まず免許の試験を受験するための受験料が1,500円掛かります。そして、免許証の交付手数料として2,050円掛かります。そのため、小型特殊免許を取得するのに必ず掛かる費用・料金の合計は、3,550円となります。
また、他の費用として、試験勉強のためのテキスト代が発生します。普通自動車免許や原動機付自転車免許のテキストと問題集の値段は、それぞれおおよそ1,000円程となっています。また、免許センターに行くための交通費も発生します。
免許を取得するためのコストとしては、小型特殊免許受験料と他の費用の合計で6,000円から7,000円程の費用が発生すると考えて良いでしょう。
安く小型特殊免許を取得するにはどうすればいいの?
免許の安い取り方として、勉強のためのテキストや問題集を安価で入手することが挙げられます。新品の問題集やテキストの値段は高いですが、中古であれば値段は安くなります。免許を取得してテキストや問題集が不必要になる人がかなりいますので、中古をネットや実店舗で探してみましょう。
しかし、古いテキストや問題集の購入は控えましょう。法改正によって現在では内容が変更されている場合があります。そのため、最新版を探すようにしてください。
小型特殊免許を取得するとできる仕事
まず、農業での仕事の幅が広がります。畑を耕すための農耕用トラクターを使用することによって、広大な農地を強い力で一気に耕すことが可能となります。広い農地を小型の耕運機で耕すのはかなりの手間となってしまうため、小型特殊免許を取得することで効率良く農地を耕すことができるようになります。
また、コンバインを使用することで、作物の収穫や脱穀、選別作業を一度に行うことが可能となります。人力だけではとてつもない時間を要する農作業ですが、小型特殊免許を取得することで一気に効率化を図ることが可能となります。
そして、農業用車両の他に、ロードローラーや小型除雪車などを公道で運転することが可能となります。土木工事で地面を押し固める作業にロードローラーは欠かせません。土木工事に従事する方には必要な免許であると言えるでしょう。
また、雪が降る地域では除雪作業をしなければなりません。雪は積もると非常に重くなるため、人力での除雪は非常に大変です。そのため、除雪車での除雪作業が必要になります。小型除雪車に乗車することができれば、除雪作業に従事することが可能となります。
免許を取得して小型特殊自動車に乗車できるようになると、仕事の幅が大きく広がるようになります。
小型特殊免許のまとめ
小型特殊自動車免許の詳細や試験内容、取り方の流れなどについて紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。マイナー免許ではありますが、取得することで仕事の幅を広げることが可能となります。是非、小型特殊自動車免許の取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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