軽トラックとは
軽トラックの規格・排気量・最大積載量
『軽トラ』の愛称でも親しまれる軽トラックの車両区分は道路運送車両法における『軽自動車』に属します。よって軽トラックの主な規格は以下の軽自動車規格と共通です。
軽自動車(軽トラック)の規格
- 全長3,400mm以下
- 全幅1,480mm以下
- 全高2,000mm以下
- 排気量660cc以下
- 最大積載量350kg以下
軽トラックの歴史は古く、軽自動車が誕生した昭和24年までさかのぼります。以降は『庶民が買えるトラック』として日本の高度経済成長期を支え続け、現在の軽トラックは省エネルギー性や省資源性をも兼ね備えた『小さな優等生』に成長しました。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)によると、2018年度の軽自動車新車販売台数は約192.2万台(前年比+3.4%)、うち軽貨物車の台数は約43.7万台(同+8.0%)を占めます。そこからバンタイプを除いた軽トラックの台数だけを見ても18.6万台(同+2.6%)と底堅い需要があります。
すなわち、国内販売された軽自動車の約10台に1台が軽トラックとなる計算です。


軽トラックの特徴と人気
軽トラックの特徴とメリットは、車両価格と維持コストが安く、丈夫で使い勝手が良いことです。
割安な価格
頑丈なボディと汎用性の高い荷台を持つにも関わらず、ベースグレードで100万円を切る価格で販売できるのは、利益を削ってまでも庶民に手が届く価格帯を維持する企業努力の賜物です。
維持費が安い
軽トラックの車検や重量税、任意保険等は軽自動車と同等の区分になるため、小型トラックよりも維持コストを大きく削減できます。
なお、平成28年度から軽自動車税の値上げに伴い、自家用軽トラックの軽自動車税は5,000円(旧税率4,000円)になりましたが、それでも普通車の数分の1の額ですし、自家用軽乗用車税(10,800円)と比べても半額以下と格安です。

高い耐久性
ボディ底は耐久性に優れた鋼板フレームで作られており、長期の使用や除雪剤にも耐えられるようサビに強い塗装が施されています。
燃費の良さ
軽トラックはリッター当たり10~15km以上走るものが多く、トラックの中では燃費が圧倒的に優れているといえます。

小回りの良さ
軽トラックの旋回半径はカタログ値で3.6mと軽自動車の4.7m前後と比べても大幅に小さいです。車体もコンパクトなので狭い農道のきついカーブも楽々です。
軽トラックの主な使用用途
軽トラックは農業や漁業など一次産業が盛んな地域を中心に、出荷物の運送用に使用されているほか、働く人々の日常の足代わりとしても欠かせない車です。
軽トラックの需要は農山漁村だけに留まらず、工務店が資材運びに使用したり、表具店が畳やふすまの納品に使ったりと自営業者の仕事にも大活躍しています。
都市部の狭い路地でもスイスイ走れる軽トラックは、軽貨物運送業向けの需要もあります。
軽トラックの寸法(全長、車幅、高さ)
軽トラックの規格変更前
1949年に軽トラックを含む軽自動車の寸法規格が初めて定められました。
そこから最近の規格変更(1998年)が行われる前までの、軽トラックのサイズ(長さ、車幅、高さ)と排気量の大きさの時代別変化を下表にまとめました。
1949年~1950年 | 全長 | 2,800mm以下 |
全幅 | 1,000mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 150cc以下 | |
1950年 | 全長 | 3,000mm以下 |
全幅 | 1,300mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 300cc以下 | |
1951年~1954年 | 全長 | 3,000mm以下 |
全幅 | 1,300mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 360cc以下 | |
1954年~1976年 | 全長 | 3,000mm以下 |
全幅 | 1,300mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 360cc以下(2サイクルと共通化) | |
1976年~1990年 | 全長 | 3,200mm以下 |
全幅 | 1,400mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 550cc以下 | |
1990年~1998年 | 全長 | 3,300mm以下 |
全幅 | 1,400mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 660cc以下 |
軽トラックの規格変更後(1998年~)
軽トラックの規格は1998年の規格改定後の下表値が現行規格となります。
1998年~現在 | 全長 | 3,400mm以下 |
全幅 | 1,480mm以下 | |
全高 | 2,000mm以下 | |
排気量 | 660cc以下 | |
定員 | 2名(軽自動車は4名以下) |
これまでの規格変更は主に車両寸法と排気量を中心に行われてきました。
車両の大きさは高度化する自動車の安全基準に合わせるように徐々にサイズアップを続けましたが、それに伴い車体重量も増加しました。
そこで積載量維持のためエンジン出力向上を狙い、排気量は1990年に550ccから660ccへと引き上げられました。
特に1998年からは、軽自動車にも普通車と同等の衝突安全基準が採用されることになり、車両の高さは据え置きで長さと車幅が更に一回り大きくなりました。
2000年に施行された平成12年排出ガス規制(排気ガス中の有害物質を70%低減)は、軽トラックにも適用され、新燃費基準に適合しなければグリーン化税制による減税が受けられないなど、より環境に配慮したクルマ作りが求められるようになったのです。
軽トラック以外のトラックの寸法(全長、全幅、全高)
小型トラックの全長/全幅/全高
下表は国内の主要小型トラック『日野デュトロ』、『三菱ふそうキャンター』、『いすゞエルフ』の各諸元表からまとめた一般的な平ボディ小型トラックの車両寸法です。
車両寸法 | |
全長 | 4,685mm~4,690mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,965mm~1,980mm |
最大積載量 | 2,000kg |
車両総重量 | 4,315kg~4,595kg |
- 小型トラックの車両寸法はいずれも道路運送車両法に基づく小型自動車に属する『全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下』の範囲ギリギリに収まる設計のため、トラックメーカーによる車両サイズにほとんど違いは無いと言えます。
- 最大積載量は3車種とも横並びで2tですが車両総重量が3.5t以上になるため、運転には準中型免許が必要です。

中型トラックの全長/全幅/全高
『日野レンジャー』、『三菱ふそうファイター』、『いすゞフォワード』の各諸元表を元にした平ボディ中型トラックの車両寸法は下表のとおりで、小型トラックより格段に大きくなります。
車両寸法 | |
全長 | 6,875mm~7,265mm |
全幅 | 2,230mm~2,255mm |
全高 | 2,400mm~2,540mm |
最大積載量 | 4,150kg~4,300kg |
車両総重量 | 7,930kg~7,990kg |
- 別名4tトラックとも呼ばれるとおり中型トラックは最大積載量4t前後の荷物を搭載できます。
- 中型トラックの荷台長は小回りの効くショートから、かさ高い貨物向けの超ロングまであり、積み荷に合わせて選択可能です。
- 中型トラックの多くは中型免許で運転可能ですが、増トンで最大積載量が6.5t以上になれば大型免許が必要になります。

大型トラックの全長/全幅/全高
『日野プロフィア』、『三菱ふそうスーパーグレート』、『いすゞギガ』の各諸元表からまとめた平ボディ大型トラックの車両寸法概要は下表のとおりです。
車両寸法 | |
全長 | 11,810mm~11,990mm |
全幅 | 2,490mm |
全高 | 3,095mm~3,180mm |
最大積載量 | 15,800kg~16,000kg |
車両総重量 | 24,790kg~24,880kg |
- 大型トラックの車両寸法にトラックメーカーごとのバラつきが少ないのは、道路法車両制限令に基づく一般制限値である『全長12,000mm以下、全幅2,500mm以下、全高3,800mm以下』に収まりきるように設計されているからです。
- この一般制限値を超えると特殊車両の扱いとなり、通行許可が必要になります。


軽トラックの荷台寸法(大きさ)の比較箇所
荷台フロア長
荷台フロア長は荷台床面の長さ(奥行き)のことです。具体的には前面パネルの下部付け根からリアゲートまでの長さを指し、荷台が取り得る最大の長さとなります。
軽トラックの車体枠に制限がある中で少しでも多く荷台フロア長を確保するため、前面パネルの下部をキャビン側にえぐり、2,030mm程度に拡大した軽トラックの荷台が現在の主流です。
(参考:スズキ『キャリイ』の荷台寸法)

荷台長
荷台長とは実際に荷物を積み上げる部分の長さのことで荷台有効長とも言います。軽トラックの荷台長は1,940mmで共通です。
荷台フロア長は前面パネルをえぐることで数値を稼げるのに対し、荷台長はパネルの出っ張りを含む分、荷台フロア長より短くなります。よって前面パネルの張り出しが小さければ、荷台の上方までズレずに荷物を積み上げやすいです。
ガードフレーム荷台長
ガードフレーム荷台長とはガードフレームからリアゲートまでの長さのことです。荷台長とほぼ同じ長さと捉えてよいです。神社の鳥居と形状が似ているため、鳥居荷台長とも呼ばれます。
ちなみにガードフレームとは、軽トラックのキャビンと荷台との間に存在するフレームのことで、積み荷が万が一、後部窓を貫通した際にキャビンへの侵入を防ぐための安全設備です。
(参考:トヨタ『ピクシス』の荷台寸法)

荷台幅
荷台幅は荷台床面の幅のことですが、現行軽トラックの荷台幅はすべて1,410mmで横並び状態です。なぜなら全幅がすでに軽トラックの規格ギリギリの1,475mmで設計されているからです。
そこからアオリの厚みを引いた値である荷台幅が取り得る数値としてこれ以上の余地は残されておらず、現行規格における荷台幅1,410mmが事実上の限界値です。
荷台高
軽トラックの荷台高とはアオリの高さのことです。アオリは荷台の両側面と後方を囲む板のことで、積み荷の落下を防ぐ役割があります。軽トラックの荷台高はメーカーを問わず285mm~290mmとほぼ同じです。
アオリは開閉式で解放すればフラットになるものが主流なので、荷台高が290mmあっても積み込みの障害にはなりません。
荷台床面地上高
荷台床面地上高は、地面から荷台床面までの高さです。低いほうが重量物の積み込みが楽なため、軽トラックは一様に650mm~660mmの低床構造になっています。
一方、最低地上高は農道などの悪路走行を考慮し160mm~185mmとやや高めに取られています。シャシーには足回りや駆動装置も搭載するので、これ以上の引床化は難しいでしょう。
各メーカーの軽トラックのサイズ/荷台寸法と特徴
ダイハツ『ハイゼット』
ダイハツ『ハイゼット』は1960年に発売された最も歴史あるトラックです。
機動性とパワーに優れた走行性能を持ちつつ、エコ楽モード燃費は業界最高の21km/Lと低燃費です。現在はトヨタとスバルにOEM供給しており、3兄弟車とも荷台寸法は同じです。
UV&IRカットガラスなど女性が喜ぶ快適装備や全8色のカラー展開を用意し、新規顧客層の獲得にも意欲的です。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | 1,945mm |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 285mm |
荷台床面地上高 | 660mm |
参考:ダイハツ『ハイゼット トラック主要諸元表』

スズキ『キャリイ(キャリー)』
キャリイはスズキが誇る使い勝手の良い人気軽トラックです。
乗り降りしやすい間口レイアウトや積載性に優れた荷台の低さ、通常回転域で扱いやすいトルク特性が強みです。
マツダ、三菱自動車、日産自動車が生産する軽トラックのOEM供給元でもあり、4兄弟車としての展開です。つまりハイゼットとキャリイの系譜が国内軽トラックの2大勢力といえます。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,765mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | – |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 290mm |
荷台床面地上高 | 650mm |
参考:スズキ『キャリイKC主要諸元』

ホンダ『アクティトラック』
ホンダが1977年から発売を続けていたアクティトラックですが、2021年6月に生産終了しました。
他社がダイハツやスズキからのOEM供給に切り替え、販売を継続する中で売上が伸び悩み、開発費用の捻出が困難と判断しました。OEM化も未定です。
アクティトラックは通常は座席の下に配置するエンジンを荷台下部に搭載することで後輪の接地荷重を確保し、悪路でも安定した走行性能が魅力です。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,745mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 1,940mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | 1,920mm |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 290mm |
荷台床面地上高 | 660mm |
参考:ホンダ『アクティトラック主要諸元』

スバル『サンバートラック』
サンバーは2012年までスバルが自社開発・生産を行っていましたが、現在はハイゼットのOEMとして発売されています。
基本仕様はハイゼットに準じますが、ボディの耐久性アップと軽量化を目指して高い防錆効果のある3層塗装を施し、軽量化のために樹脂製フロントパネルを採用するなど、スバルのこだわりが光る作りです。荷台部分を含めたサビ保証が付いている点もポイントです。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | 1,945mm |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 285mm |
荷台床面地上高 | 660mm |
参考:スバル『サンバートラック主要諸元』

日産『NT100クリッパー』
NT100クリッパーは2003年9月から2013年までは三菱自動車のOEMとして、2013年12月以降はスズキ『キャリイ』のOEMを受けて販売されています。
キャリイが持つ動力性能の高さを活かし、燃費向上やエマージェンシーブレーキ等安全装備の充実、エアコン全車標準装備などの仕様変更を経て現在に至ります。国が推奨する安全運転サポート車『サポカーSワイド』に該当します。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,790mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | – |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 290mm |
荷台床面地上高 | 650mm |
参考:日産『NT100クリッパー主要諸元』

三菱『ミニキャプトラック』
三菱自動車のミニキャブは1966年5月に登場して以来、自社製造を続けていましたが、2014年2月のフルモデルチェンジ以降はスズキ『キャリイ』のOEMとして販売されています。
サポカーSワイドに準拠する衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制機能を搭載した三菱e-Assistの安全装備を選択可能です。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,765mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | – |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 290mm |
荷台床面地上高 | 650mm |
参考:三菱『ミニキャブトラック主要諸元』

トヨタ『ピクシストラック』
通称『ピクトラ』とも呼ばれるトヨタのピクシスは、ダイハツ『ハイゼット』のOEM版です。
2011年の発売開始以降は燃費の改良などを重ね、2018年にはダイハツが開発した衝突回避支援システム『スマートアシストⅢt』を採用して安全面も充実しました。
エアコン・パワステレス仕様や、農業従事者に適した4WD・5MTモデルが選べるなど、ユニークな仕様展開が特徴です。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | 1,945mm |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 285mm |
荷台床面地上高 | 660mm |
参考:トヨタ『ピクシストラック主要諸元表』

マツダ『スクラムトラック』
かつてはポーターキャブの名で軽トラックを自社製造していたこともあるマツダですが、1989年に登場したスクラムトラックはスズキ『キャリイ』のOEM販売です。
エアコン・パワステ装備の標準仕様の他、4WDとデフロック機構を搭載した農繁スペシャル、先進安全技術を搭載した上級グレードが用意され、用途や予算に合わせたトラック選びができます。
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,765mm |
荷台寸法 | |
荷台フロア長 | 2,030mm |
荷台長 | 1,940mm |
ガードフレーム荷台長 | – |
荷台幅 | 1,410mm |
荷台高 | 290mm |
荷台床面地上高 | 650mm |
参考:マツダ『スクラムトラック主要諸元』

最大積載寸法とは
軽トラックは小さなボディながらも広々とした荷台を持ちますが、道路交通法によって積載限度が規定されています。
まず、最大積載量350kg以下という重量制限があるため、トン単位の荷物は運搬することができません。
加えて、荷台に載せられる大きさや積載方法についても道路交通法で定められており、これを最大積載寸法と言います。
最大積載寸法には、積載物自体の大きさに課せられた長さ、幅、高さの規定に加え、車体前後へのはみ出しという『積載方法』についての規定もあり、積荷はそのどちらも満たす状態でなければいけません。
仮に許可無く最大積載量もしくは最大積載寸法を超える荷物を積んで運転した場合は制限外許可条件違反に該当し、反則金4,000円、違反点数1点の行政処分となります。

荷台にのせてよい荷物の大きさ(長さ/幅/高さ)の上限
下表は道路交通法で定められた軽トラックにおける積載物の大きさに関する制限事項です。
最大積載長さ | 車両全長の1.1倍まで |
最大積載幅 | 車両幅と同じ |
最大積載高さ | 地上から2,500mmまで |
積載方法 | 前後のはみ出しがそれぞれ車両全長の10分の1まで |
これを元にダイハツ『ハイゼット』(全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,780mm、荷台床面地上高660mm)の荷台に積載できる長さ、幅、高さの上限を計算すると、
- 積載物の長さ 3,734mm
- 積載物の幅 1,475mm
- 積載物の高さ 1,840mm
となります。なお、『積載方法』の基準から算出した積載物の長さは4,074mmとなりますが、小さい方の数値をもって上限とします。
最大積載寸法を超えてしまう荷物を運ぶ方法
警察署や交番に申請する
もし最大積載寸法を超える荷物を軽トラックで運びたい場合は、それが分割不可能な単体物であり、他の輸送手段の選択肢が無い場合に限り、制限外積載の許可申請ができます。
制限外積載の許可申請が承認されると、許可された最大制限の範囲内での積載が可能になります。
制限外積載の許可申請を行う方法は、出発地の最寄りの交番もしくは管轄する警察署の交通課に出向き、記載済みの制限外積載許可申請書と必要書類とを揃えて申請します。
制限外積載許可申請時に用意しておく書類
- 制限外積載許可申請書(2部)
- 運転経路図
- 積載物の仕様書
- 車検証
- 運転者一覧表(運転手が複数の場合)
- 印鑑(訂正時に必要)
制限外積載の許可制限の最大値は下表のとおりです。
積載物の長さ | 車両全長の1.5倍まで |
積載物の高さ | 地上から3,000mmまで |
積載物の幅 | 車幅+1,000mmまで(左右のはみ出しはそれぞれ500mmまで) |
積載方法 | 前後のはみ出しがそれぞれ車両全長の10分の3まで |
制限外積載許可の注意点
制限外積載許可は原則的に1運行に限り認められる措置ですが、同じ運転者が同じ車両、貨物、積載方法、ルートで継続して運転する場合は数ヶ月から1年程度の継続許可が与えられます。
ただしその期間や許可条件については各都道府県によって基準が異なりますので、あらかじめ申請時に警察や交番で確認しておくことをおすすめします。
また、制限外積載で走行する時は禁止事項に触れないよう、以下の点に注意を払いましょう。
- バックミラーで後方視界を明瞭に確認できる状態であること
- 荷物が運転視野を妨げることなくハンドル操作に支障が出ないこと
- ナンバープレートやランプ、指示器類が荷物で覆われていないこと
- 走行中に荷崩れしないようロープや専用金具で積み荷を十分固定すること
軽トラックに必要な免許
軽トラックに必要な免許の概要
軽トラックは軽自動車と同じ車両区分となりますが、軽自動車免許やトラック免許といったものは存在しません。よって、普通自動車免許を持っていれば軽トラックを運転出来ます。
現行の運転免許には特殊自動車関係を除くと普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許の4種類があり、それぞれ車両総重量と最大積載量によって区分けされています。
つまり運転したいトラックの車両総重量と最大積載量を満たす区分の運転免許を保有していれば、乗用車と同様に運転可能ということです。
ちなみに運転免許制度は平成19年と平成29年に改正され、平成19年には中型免許、平成29年には準中型免許が新設されました。それらに押し出されるように普通免許の区分は都度縮小され、現行の普通免許で運転可能なトラックは軽トラックと一部の小型トラックに限られます。
普通免許の取得方法は教習所で取得する方法と、免許合宿で取得する方法、そして運転免許試験場で直接試験を受ける方法の3通りがあります。
取得条件は18歳以上で上限はありません。ただし70歳以上の免許更新は通常の5年から3年ごとへ短縮されますので注意してください。
ちなみに余談ですが、過去には軽自動車限定免許というものがありましたが、こちらでは軽自動車運転は無免許運転ではなく、条件違反となる旨の判例が出ています。


軽トラックは普通免許で運転することはできる?
結論から述べると、普通免許で軽トラックの運転は可能です。実車の車両総重量と最大積載量が分かれば、免許条件から判断できます。
車両総重量については以下の計算式で求められます。
車両総重量=車両重量+最大積載量+乗車定員×55kg
- 例えばスズキ『キャリイ』の2WD、5MT仕様の車両重量は690kg、最大積載量は350kg、乗車定員は2名です。
- これを上式右辺に代入すると、690+350+2×55=1,150となり、キャリイの車両総重量は1,150kgであることが計算で分かります。
一方、普通免許で運転できる車両は車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満であり、キャリイは両方の条件を満たしているので、普通免許で運転可能なトラックに該当します。この判別方法は他のトラックに対しても同様に有効です。
なお、普通免許はMTとAT限定の2種類がありますが、軽トラックはギアを選べるMT車の需要が根強く、AT車よりも軽量で低燃費かつ価格も安いというメリットもあるため、できればMT免許の取得がおすすめです。

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