軽トラックの最大積載寸法とは
軽トラックは、道路運送車両法(車両本体の規制)では軽自動車に分類されます。したがって軽トラック本体の仕様は軽自動車の車両規定に従います。
さらに道路交通法により、軽トラックを含む全てのトラックには、積載物の大きさに関する制限も定められています。重量に関する上限が最大積載量と呼ばれるのに対して、サイズに関する上限のことを最大積載寸法といいます。
最大積載寸法には長さ、幅、高さ、積載方法の4つの項目があり、特別な許可がなければこれを超えてはいけません。
荷物のはみ出しはどの位までなら許されるのか
ときに軽トラックの荷台から荷物がはみ出た状態で走行する姿を目にすることがありますが、はみ出しのすべてが違反とみなされるわけではありません。それではどの程度のはみ出しなら許されるのか、例として全長3.4m、荷台長2mの軽トラックに3mのハシゴを積む事例で考えてみましょう。
そのまま荷台へ平らに積むと後部に1mはみ出ます。道路交通法で定められた最大積載寸法では、車両後部へのはみ出しは全長の10分の1(340mm)までなので、1mのはみ出しは違反となります。
ただしキャビンに斜めに立てかけるなどし、はみ出しを340mm以下に抑えれば違反にはなりません。
なお、車幅方向のはみ出しは原則的に許されませんので、出発前に荷台を目視して左右方向へのはみ出しが無いかチェックしましょう。
軽トラックの荷台に積載可能な荷物の長さ/幅/高さの上限
道路交通法による定義とルール
道路交通法における軽トラックに積載可能な大きさの制限事項は下記のようになります。
最大積載長さ | 全長×1.1倍まで |
最大積載幅 | 車両幅まで |
最大積載高さ | 地面から2,500mmまで |
積載方法 | 車両の前後のはみ出しがそれぞれ全長の10分の1まで |
具体的にどれくらいの大きさの荷物を軽トラックに積めるのか、実車を元に計算してみましょう。
例えばスズキ『キャリイ』の寸法スペックは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,765mmで、荷台床面地上高が650mmです。ここから最大積載寸法を計算すると、
- 積載物の長さ 3,734mm
- 積載物の幅 1,475mm
- 積載物の高さ 1,850mm
となります。
ちなみに上表の『積載方法』から計算した上限値は4,074mmとなります(全長3,395mm×0.1倍×2(前+後ろ))。しかし、この場合は最大積載長さとして算出した3,734mmを上回るので、数値の小さい方に合わせることになります。
主要な軽トラック別はみ出し量の上限
スズキ・キャリー
スズキの『キャリイ』は2009年までの39年連続で販売台数首位を記録した定番の軽トラックです。現在は日産、三菱、マツダにOEM提供中で合計4車種展開です。
キャリイの荷台に積載できる荷物の大きさおよびはみ出し上限は下表のとおりです。
標準車両寸法 | |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,765mm |
積載可能な荷物の大きさ | 車両寸法からのはみ出し量の上限 | |
長さ | 3,734mm | 339mm |
幅 | 1,475mm | 0mm |
高さ | 1,850mm | 735mm |
三菱・ミニキャップ
三菱自動車の軽トラック『ミニキャブ』は独自開発車両が発売されていた時期もありましたが、現在はスズキ・キャリイのOEMとして販売されています。よって荷台仕様もキャリイと共通です。
標準車両寸法 | |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,765mm |
積載可能な荷物の大きさ | 車両寸法からのはみ出し量の上限 | |
長さ | 3,734mm | 339mm |
幅 | 1,475mm | 0mm |
高さ | 1,850mm | 735mm |
ダイハツ・ハイゼット
1960年に発売されたダイハツのハイゼットは2019年までの10年連続で販売台数トップを記録する売れ筋の軽トラックです。トヨタとスバルにOEM供給を行い、3つのブランドで販売中です。
ハイゼットに搭載できる荷物サイズおよびはみ出し上限値を下表にまとめます。
標準車両寸法 | |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
積載可能な荷物の大きさ | 車両寸法からのはみ出し量の上限 | |
長さ | 3,734mm | 339mm |
幅 | 1,475mm | 0mm |
高さ | 1,840mm | 720mm |
ホンダ・アクティ
ホンダが発売しているアクティトラックは、ミッドシップエンジンにリア駆動方式を採用しており、他の軽トラックには見られない走りに適した構造が魅力の軽トラックですが、残念ながら2021年6月をもって生産終了し、軽トラック事業から撤退予定です。
アクティが積載可能な荷物の大きさとはみ出しの制限値は以下のとおりです。
標準車両寸法 | |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,745mm |
積載可能な荷物の大きさ | 車両寸法からのはみ出し量の上限 | |
長さ | 3,734mm | 339mm |
幅 | 1,475mm | 0mm |
高さ | 1,840mm | 755mm |
スバル・サンバー
スバルの軽トラック『サンバートラック』は、自社開発を終了した2012年以降はハイゼットのOEMモデルとして販売が続けられています。
サンバーに積める荷物の上限サイズとはみ出し量はハイゼットと同等です。
標準車両寸法 | |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
積載可能な荷物の大きさ | 車両寸法からのはみ出し量の上限 | |
長さ | 3,734mm | 339mm |
幅 | 1,475mm | 0mm |
高さ | 1,840mm | 720mm |
最大積載寸法を超えた長さの荷物を運ぶ方法と手続
警察署や交番に申請する
軽トラックで運びたい品物が最大積載寸法を超えてしまう場合は、事前に出発地を管轄する警察署や交番に申請を行うことで制限の緩和が認められることがあります。これを制限外積載の許可申請といいます。
ただし、申請を行うには以下条件をすべて満たしておく必要があります。
- 分割不可能な荷物であること
- 他に代替輸送手段がないこと
- 積載方法が適正であり、運転に支障なく、周囲の交通に迷惑がかからないこと
- 荷物の落下防止装置等の安全設備が整っていること
上記条件をすべてクリアしていることを確認できたら、制限外積載の許可申請を行います。
制限外積載の許可申請に必要な書類
- 制限外積載許可申請書(2通)
- 通行経路図
- 積載品の仕様表
- 車検証
- 運転者一覧(複数の運転手がいる場合)
- 印鑑(訂正用)
制限外積載の許可申請で認められる最大制限は下表値まで拡大されます。
積載物の長さ | 全長×1.5倍 |
積載物の高さ | 地上から3,000mm |
積載物の幅 | 車幅+1,000mm(右or左のはみ出し500mmまで) |
積載方法 | 車体前および車体後のはみ出しがそれぞれ全長の10分の3 |
制限外積載の注意点
軽トラックの制限外積載が許可される期間は、原則的に出発地から目的地までの1回分の行程です。
ただし、申請内容と同じ運転者が同じ車両、同じ荷物及び積載方法、同じ経路を反復して運転する場合は、数ヶ月から1年程度の期間で認定される場合があります。
審査方法や許可日数についての詳細は都道府県ごとに規定が異なるため、申請前に不明な点があれば管轄の警察や交番に問い合わせてください。
制限外積載の許可が出ても油断は禁物です。安全運行の妨げになるような以下の禁止事項に注意して荷積みを行いましょう。
- 積荷で運転視界が妨げられハンドル操作に支障がある
- はみ出た積荷でバックミラーによる後方確認ができない
- ナンバープレートや方向指示器等が荷物で隠れている
- 荷物の固定が甘く、荷崩れの危険性がある
軽トラックの荷台は改造できるのか
軽トラックの荷台を改造すること自体は認められています。ただし後付けされた荷台も積載物と同様に、最大積載寸法の範囲内に収まっていなければ違法となります。
つまり、改造後の荷台部分のはみ出しは車長の10%まで、幅は全幅まで、高さは地上2.5mまでです。
近年ではアウトドアレジャーの多様化を背景に、軽トラックの荷台をキャンピングカー仕様にしたり、枠や柵を設置して積載性を改良したりするなど、独自の荷台カスタムを楽しむ人が増えています。
立体駐車場を考慮すると高さはどれくらいにすべきか
市街地の中心部では青空駐車場のスペースが足りず、立体駐車場しか空いていないことも珍しくありません。
立体駐車場の天井高には統一基準がなく、自動式よりも機械式のほうが高さ制限がきつい傾向がありますが、軽トラックの車高(約1.7m)であれば、一般的な高さ制限2.1mの自走式立体駐車場には問題なく停められます。
最大積載寸法の高さ制限は2.5mですが、立体駐車場を使う予定があるならば、軽トラックの高さは最大でも2m程度に留めておくほうが無難でしょう。
軽トラックには荷物の重さに関する制限がある
軽トラックの最大積載量
軽トラックは軽自動車の寸法規格ギリギリまで拡張した荷台の広さが持ち味ですが、搭載可能な荷物の最大値である最大積載量は350kg以下の制限があります。よってうっかり積載オーバーにならないよう十分配慮する必要があります。
例えば最大積載寸法のみに注目した場合、軽トラックには1箱25kgのビールケースを60箱分積むことができますが、最大積載量を考慮すると、軽トラックに実際に積載可能なビールケースは350÷25=14箱までということになります。
軽トラックの乗員
標準的な軽トラックの乗員は2名です。キャビン後方部を拡張したハイゼットトラックジャンボ(ダイハツ)や、スーパーキャリイ(スズキ)の乗員も2名となっています。
乗員は1人あたり55kgとして計算され、乗員重量は55kgx2=110kgとなります。この乗車定員の重さは最大積載量や車両重量には含まれず、これらをすべて足しあわせたものが車両総重量としてみなされます。
つまり、
車両総重量=車両重量+乗車定員分の重さ+最大積載量
という関係になります。
過積載とは
最大積載量を超過した重量の荷物を積載して走行すると過積載の道路交通法違反となりますので、積み込み前に荷物の総重量をしっかり確認する習慣付けを行いましょう。
悪質な過積載については、荷主への罰則や事業者への資格制限措置が下されることもあります。軽トラックの過積載の罰則は下表のとおりです。
超過割合 | 違反点数 | 反則金 |
5割未満 | 1点 | 2万5千円 |
5割以上10割未満 | 2点 | 3万円 |
10割以上 | 3点 | 3万5千円 |
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