大型トラック(10tトラック)とは？4tや2tトラックとの寸法/サイズを比較
トラックの種類は大型トラック・中型トラック・小型トラックの3種類に分類できますが、このうち大型トラックとは一般的に最大積載量が10tクラスの車両を指します。
大型トラックの車両寸法は、下記の道路法車両制限令の一般制限値を超えてはらなず、この基準は中型トラック（4トントラック等）と同じです。
| 10tトラック（大型）のサイズ・寸法 | |
| 全長 | 12,000mm以内 |
| 全幅 | 2,500mm以内 |
| 全高 | 3,800mm以内 |
| 4tトラック（中型）のサイズ・寸法 | |
| 全長 | 12,000mm以内 |
| 全幅 | 2,500mm以内 |
| 全高 | 3,800mm以内 |
また、2t以下の小型トラックの寸法は車両法で制限があります。
| 2tトラック（小型）のサイズ・寸法 | |
| 全長 | 4,700mm以内 |
| 全幅 | 1,700mm以内 |
| 全高 | 2,000mm以内 |
車両サイズ（寸法）の制限規定は大型トラックも中型トラックも同じですが、車両総重量と最大積載量の違いによって種類が分かれているのです。
| 種類 | 車両総重量 | 最大積載量 |
| 大型トラック | 11トン以上 | 6.5トン以上 |
| 中型トラック | 7.5トン以上、11トン未満 | 4.5トン以上、6.5トン未満 |
| 小型トラック | 3トン以下 | 5トン以下 |
なお、大型トラックの中でも荷台の形状や装備によって積載量には幅があります。
バンボディやウィングボディ、冷凍冷蔵車のような箱型タイプよりも荷台がフラットタイプの平ボディの方が架装重量がない分、積載量は大きくなります。
平ボディの大型トラックであれば、最大積載量11～15tクラスの車両も見られます。
大型トラック(10tトラック)の荷台寸法と車両寸法
大型トラックの荷台寸法(幅/長さ/高さ)
車種にもよりますが、大型トラックの荷台の長さは6.5メートル～10メートル、荷台の幅は2.3メートル～2.4メートルです。
小型トラックや中型トラックの荷台長は3メートル～7メートル程度、荷台幅は1.5メートル～2.1メートル程度のため、大型トラックと小型・中型トラックの荷台寸法を比較すると荷台の長さには差がありますが、荷台の幅にはそれほど違いがありません。
| 大型トラックの荷台内寸（一般的な平ボディ） | |
| 長さ | 6,500mm～10,030mm |
| 幅 | 2,340mm～2,390mm |
| あおりの高さ | 450mm～580mm |
大型トラックの車両寸法(幅/全長/高さ)
大型トラックの車両の寸法は長さ12m以内、車幅2.5m以内、高さ3.8m以内に収まる必要があります。
標準的な大型トラックの車両寸法はおおむね下表のようになります。
| 大型トラックの車両寸法（一般的な平ボディ） | |
| 全長 | 11,810mm～11,990mm |
| 全幅 | 2,200mm～2,490mm |
| 全高 | 3,095mm～3,180mm |
大型トラックの車幅は中型トラック以下ほかの車両と比較して広いため、細い道で対向車とすれ違う場合には注意が必要です。
大型トラック(10tトラック)のサイズとボディタイプ
標準ボディ/ロングボディ/ワイドボディ/ショートボディの寸法
大型10トントラックも、ロングボディやショートボディ、ワイドボディなど様々なサイズとボディタイプに分類できます。
10tトラックの寸法の一般的なサイズ
| 長さ | 高さ | 幅 | |
| 標準ボディ | 11,900mm | 2,860ｍｍ | 2,300ｍｍ |
| ロングボディ | 12,000ｍｍ | 3,800ｍｍ | 2,300ｍｍ |
| ショートボディ | 10,010ｍｍ | 2,470ｍｍ | 2,410ｍｍ |
| ワイドボディ | 11,980ｍｍ | 3,795ｍｍ | 2,495ｍｍ |
4tトラックの寸法の一般的なサイズ
| 長さ | 高さ | 幅 | |
| 標準ボディ | 7,600mm | 2,680mm | 2,200mm |
| ロングボディ | 8,600mm | 2,680mm | 2,200mm |
| ショートボディ | 6,140mm | 4,350mm | 2,170mm |
| ワイドボディ | 8,600mm | 2,680mm | 2,490mm |
2tトラックの寸法の一般的なサイズ
| 長さ | 幅 | |
| 標準ボディ | 4,840mm | 1,890mm |
| ロングボディ | 6,000mm | 1,900mm |
| ショートボディ | 4,700mm | 1,700mm |
| ワイドボディ | 6,000mm | 2,100mm |
4tトラックの場合、標準とロングは長さだけが大型トラックと異なり、幅と高さはほぼ同様です。全長にはショートとロングで2.5メートル近く差があります。
2tトラックの場合は車長も車幅も大型トラックとは異なります。標準ボディとショートボディではサイズに大きな違いはありませんが、ロングやワイドボディはかなり違いがあります。
ロングやワイドボディの場合、4tトラックのショートボディと比較してもあまり小ささは感じません。
標準ボディ/ロングボディ/ワイドボディ/ショートボディの利用用途
大型トラックには標準ボディ、ロングボディ、ワイドボディ、ショートボディがあり、利用用途が少しづつ異なります。
10t標準ボディ
他と比べると一回り小さいタイプで、小回りがきくのが特色です。山道や道幅が狭い道路などを通るときに主に利用されます。
10tロングボディ
縦長の形をしており、たくさんの荷物を一度に積載できます。このため、長距離の運送などに利用されます。ただし小回りが利かないため、曲がりくねった道は苦手です。
10tワイドボディ
横長の形をしており、たくさんの荷物を運べるだけの積載力があります。ロングボディと比較して安定感があるので、コーナリングでもお尻が振られるような心配もないです。
10tショートボディ
サイズが小さく小回りが利き、走りやすいのが特色です。地域などを巡回したり、荷物を運んだりするときに便利ですが、車内が狭く寝るスペースが確保できないという理由から長距離の運送には不向きです。
大型トラック(10tトラック)の寸法と荷台タイプ
平ボディ/ウィング車/ダンプ/冷凍・冷蔵庫の寸法
大型トラックの中でも平ボディ、ウィング車、ダンプ、冷凍・冷蔵庫でサイズが異なりますが、ここではメジャーな車種を例に解説します。
| 大型トラック：平ボディーの寸法（UDトラックス クオン） | |
| 荷台の長さ | 5,100mm |
| 荷台の幅 | 2,200mm |
| 荷台の高さ | 500mm～730ｍｍ |
| 大型トラック：ウィング車の寸法（いすゞ ギガ カーゴ） | |
| 荷台の長さ | 9,550mm |
| 荷台の幅 | 2,350mm |
| 荷台の高さ | 450mm |
| 大型トラック：ダンプの寸法（いすゞ ギガ ダンプ） | |
| 荷台の長さ | 5,100mm |
| 荷台の幅 | 2,200mm |
| 荷台の高さ | 510mm |
| 大型トラック：冷蔵・冷凍庫の寸法（日野 プロフィア） | |
| 荷台の長さ | 9,350mm |
| 荷台の幅 | 2,360mm |
| 荷台の高さ | 2,300mm |
平ボディ/ウィング車/ダンプ/冷凍・冷蔵庫の利用用途
大型平ボディー
大型トラックにも存在する平ボディは、荷台が平らで屋根がついていないシンプルなボディが特徴です。
積み込みが容易で汎用性があり、建築資材や家具、土砂など荷物の大小関係なくかなり幅広いものを積んで運ぶことができます。このような使い勝手の良さが重宝され、多くの業界で利用されています。
大型ウィング車
バンボディの両側が開くようになっているため、物を積みこむときに、側面からスムーズに作業できます。高所まで重たい荷物を持ち上げなくてよいなど積み下ろし作業の負担が軽減され、効率化が図れます。
どのような環境にも適応するためこちらも多種多様な業種で活用されます。
大型ダンプ
ダンプトラックは油圧ポンプを使って荷台を傾けられるため、土砂や砂利を落とす作業が効率化できます。このような特徴を持っているため、建築現場や工事現場でこの車両が多く見られます。そのほかにも産業廃棄物などのいわゆるごみを運搬する目的で使用される場合も少なくありません。
大型冷凍・冷蔵庫
冷凍と冷蔵の機能がついているので、生鮮食品などを運搬するのに有効です。冷凍食品や生ものなどを、腐らせることなく運搬できます。
冷凍車になると、マイナス25度程度まで冷やせる車種もあります。このため、アイスクリームなども溶かすことなく運搬できるのもこの車種の強みです。
大型トラックのメーカー別のサイズ・寸法
いすゞの大型トラック「ギガ」の車両/荷台の寸法と特徴
ギガ：カーゴ 8×4
いすゞの大型トラック「ギガ」は販売開始から20年以上の歴史があります。大型トラックの中でも、高い人気と信頼性があります。燃費も良く、ランニングコストの良さも人気の理由です。
特にカーゴ8×4は耐久性と軽量化、そして低コストを高い次元で融合しているトラックです。
| ギガ：カーゴ8×4の車両寸法 | |
| 全長 | 9,600mm～11,985mm |
| 全幅 | 2,330mm～2,495mm |
| 全高 | 2,450mm～3,035mm |
| 車両総重量 | 13,600～24,975㎏ |
ギガ：強化ダンプ 6×4
いすゞのギガ：強化ダンプ6×4は、荷台部分の床板を丈夫なものにした「強化ダンプ」と呼ばれるトラックです。
| ギガ：強化ダンプ6×4の車両寸法 | |
| 全長 | 5,100mm～7,735mm |
| 全幅 | 2,200mm～2,490mm |
| 全高 | 2,200mm～3,400mm |
| 車両総重量 | 19,905㎏～19,995㎏ |
日野の大型トラック「プロフィア」の車両/荷台の寸法と特徴
日野自動車の大型トラック「プロフィア」は燃費性能の良さが高く評価されています。ダウンサイジングによって燃費をセーブする一方で、走行するのに十分なパワーが確保できています。
車間距離を自動的にコントロールできるスキャニングクルーズや歩行者検知機能のあるPCSなど、安全装備も充実しています。
プロフィア：FS 6×4
| プロフィア FS6×4の車両寸法 | |
| 全長 | 9,600mm～11,990mm |
| 全幅 | 2,390mm～2,490mm |
| 全高 | 2,580mm～3,115mm |
| 車両総重量 | 15,400㎏～24,840㎏ |
プロフィア：カーゴ 6×2
プロフィアカーゴは、長距離運送するドライバーのことを考えて設計されています。高機能シートによって、業界でもトップレベルの座り心地で運転しやすいと評判です。
フロアトンネル部分をフラットにしたことで、スムーズに車内を移動できるつくりにもなっています。
| プロフィア：カーゴ 6×2の寸法 | |
| 総重量 | 20～25t |
| 全長（ホイールベース） | 5250～7050mm |
日野の大型トラック「ドルフィン」の車両/荷台の寸法と特徴
日野の大型トラック「ドルフィン」は現在では販売中止となり、「プロフィア」へと引き継がれてます。中古市場などでは取り回しのしやすさから現在でも人気があります。
| ドルフィンの車両寸法 | |
| 全長 | 10,350mm |
| 全幅 | 2,490mm |
| 全高 | 3,360mm |
| 車両総重量 | 19,885㎏ |
| ドルフィンの荷台寸法 | |
| 全長 | 7,500mm |
| 全幅 | 2,440mm |
| 全高 | 不明 |
| 最大積載量 | 6,750㎏ |
三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」の車両/荷台の寸法と特徴
三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」には3種類のタイプがあり、用途に合わせて選べます。運転アシスト機能などの特徴を備えたトラックです。
スーパーグレート：カーゴ 6×2
一般的なスーパーグレート：カーゴ 6×2はshiftpilotと新型エンジンの相乗効果によって低燃費を実現したトラックで、エンジンの重量を抑えることで積載量も増やせるように設計されたトラックです。
| スーパーグレート：カーゴ6×2の車両寸法 | |
| 全長 | 9,635mm～11,990mm |
| 全幅 | 2,410mm～2,490mm |
| 全高 | 2,470mm～3,790mm |
| 車両総重量 | 10,000㎏～20,000㎏ |
スーパーグレート：強化ダンプ 6×2
スーパーグレート：強化ダンプ 6×2はエンジンが他のトラックと比べて軽量であり、低燃費で走行性能も高く評価され、人気があります。積載量も十分あり、荷物をたくさん積み込めます。
| スーパーグレート：強化ダンプ6×2の車両寸法 | |
| 全長 | 6,350mm～9,060mm |
| 全幅 | 2,340mm～2,490mm |
| 全高 | 2,450mm～2,990mm |
| 車両総重量 | 13,300㎏～21,880㎏ |
UDトラックスの大型トラック「クオン」の車両/荷台の寸法と特徴
UDトラックスの大型トラック「クオン」は全60か国にて販売をしている人気車種です。低燃費にこだわり扱いやすいトラックの開発を続けていて、高い評価を受けています。
クオン：ダンプ 6×4
| クオン：ダンプ6×4車両寸法 | |
| 全長 | 7,630mm |
| 全幅 | 2,490mm |
| 全高 | 3,200mm～3,330mm |
| 車両総重量 | 19,970㎏ |
大型トラック(10tトラック)のサイズ・大きさ・寸法のまとめ
今回は大型トラックの寸法やサイズについて紹介しましたが、ここまで見てきたように、大型トラックの種類は多岐にわたります。
特にサイズや寸法は重要な項目です。同じ規格であってもメーカーによってサイズが違う場合もあるため、諸元表などでどのくらいのサイズなのかということを確認をしておくことが大切になります。
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