長距離トラック運転手(ドライバー)とは
トラックドライバーの仕事の一つに長距離トラックの運転手があります。その企業の仕事内容にもよりますが、1時間や2時間の走行で到着できる納品先とは違い、車内で睡眠をとったりして宿泊を絡めて走行するような長距離を運転するドライバーの仕事です。
具体的には、関東と関西の行き来や九州と関東の行き来などがあり、途中で睡眠をとることになるので車内にベッドスペースなど宿泊設備が整っている車両での運行になります。走行距離の目安はおおむね500km程度です。
長距離トラック運転手(ドライバー)の仕事内容
長距離トラックが運ぶ商品は地域の産業に特化していることが多いです。その地域で盛んな産業が荷主となることが多く、米どころであれば米菓の工場が多かったり、木工が盛んな地域からは木工家具などを運んだりします。
地方でとれる水産や農産物もありますが、冷蔵や冷凍など温度管理の必要があるか、常温の輸送で大丈夫かなど、商品の特徴によってトラックの装備との相性がありますので、企業によっても運ぶものが大きく変わります。
経験の多い運転手によっては、積み込み先の荷主を聞いただけでどのような品物でどのような仕事内容か、想像がつくことも少なくありません。その企業が何を取り扱っているかなどは求人情報やホームページなどで公表されていることが多いので長距離トラックの仕事を考えているドライバーは確認してみると良いでしょう。
一般貨物以外にも、大手工場の専属便などにでも長距離トラックがあります。日本の代表産業の一つでもある自動車工場の工場間の定期輸送などがそうです。この場合、運ぶ商品はその企業の取り扱い品である工業製品の輸送となります。
長距離トラック運転手(ドライバー)の一日
長距離トラックのドライバーは渋滞する時間帯の走行を出来るだけ避け、スムーズに走れる時間帯に走行距離を稼ぐ傾向にあります。
長距離トラックは納品指定日の朝に到着するように、かかる時間を逆算して走行しているのです。所要時間にもよりますが、大抵の長距離トラックは納品指定日の前日や前々日の日中に積込みを行い、積込が終了したら納品場所に向けて運行を開始します。
その日の指定された運行計画に沿って走行し、大きな問題が無ければ予定通りの休息地点に到着した時に運行終了になります。トラックを駐車したら会社の運行管理者に終了点呼の連絡を入れ休息時間となります。まとまった休息時間として8時間以上、「運転しない時間」を作らないといけませんので、トラックを走らせないようにしましょう。
そして出発の前に、運転手は会社の運行管理者に出発点呼の連絡を入れないといけません。その際に指示などを受け、運行開始します。
帰路には往路同様の仕事を設定することが多いので、荷卸し後は日中に積込み、帰路行程に移ります。
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長距離トラック運転手に必要な免許
長距離トラックの仕事をする運転手が必要とする免許は乗る車種によって異なります。長距離ドライバーは、中型車で長距離運行をすることもあれば大型車やトレーラーなどで運行することもあるからです。
比較的、中型車などの小さい車で長距離運行をする場合には例えば精密機械の輸送であったり、特殊な装備の必要とする車両を使用しての輸送が多いです。長距離トラックの主流となるのはやはり大型やトレーラーなどのたくさんの積載量が確保できる車となり、ドライバーの人件費や運行費を節約することも合わせて、一度でより多くの品物を運ぶことが目的となります。
大型車であれば大型の免許が、トレーラーであれば大型免許にプラスけん引免許が必要です。いずれも長距離か近距離かによって必要な免許が変わるわけではないです。中型車であれば中型免許、旧普通免許であれば8t限定でも乗務可能な場合がありますので会社に問い合わせてみると良いでしょう。
現在の保有免許により取得方法や取得のための条件などが変わってきます。例えば現在普通免許のみ保有の方であれば、大型免許の取得に当たり経験3年の普通免許保有期間が条件の一つとなり、費用は40万円前後、取得期間は自動車教習所に通学でおよそ3か月程度です。
長距離トラック運転手(ドライバー)の給料・年収
長距離トラック運転手(ドライバー)の平均年収と月収
長距離トラックの運転手は近距離ドライバーと比べ月収が高い傾向にあります。会社により異なりますが、おおよその年収は540万円~660万円程度です。運送会社は歩合で売り上げをドライバーの給与に反映させている企業が多いので、長距離運行のほうが運賃が高いことがわかります。
さらに長距離の移動ですので運転の仕方を工夫するなどすると、燃料の消費量を減らすことができますので、走行距離が長い分更に運行経費を浮かせることにつながります。
ただ一旦、運行に出てしまうと洗濯や自炊ができないので、近距離で毎日帰宅する運転手に比べると、本人の生活にかかる費用が意外と多いかもしれません。
長距離トラック運転手(ドライバー)はなぜ稼げるのか
運賃の決め方の基本は距離と重量、特別な技術や条件設定などによります。よって、長距離トラックの運転手が受け取る給与のなかの歩合の部分に、こうした内容が一定の割合で上乗せになることが多いです。
運賃を歩合として還元することはドライバーのやる気と品質の向上に繋がると考えられる傾向にあるため、この給与体系が採用されている企業が多いです。
長距離トラック運転手(ドライバー)に賞与や退職金はあるのか
長距離トラックの運転手にも賞与や退職金はありますが、ボーナスを計算せず、売り上げの歩合率を高く設定する会社も多くあります。
ボーナス分が月々の給与に分散されて支給される感覚です。賞与も退職金も業績だけで一定額の支給があるわけではなく、例えばドライバーが道路交通法違反をしたり、事故を起こしてしまったり、会社に不利益と判断される事象は減額ポイントとなってしまいます。
長距離トラックドライバーの労働時間
ドライバーのなかでも長距離に出る場合、荷主の指定時間や積待ち時間の都合で時間の制約が強く、休憩時間が充分取れないと思われがちですが、ドライバーの働き方改革により、長距離トラックの運転手も労働環境が整いつつあります。
労働時間の線引きが曖昧になりがちですが、休息期間は労働時間外と考えます。休息期間とは運行と次運行の間の時間のことを指し、原則として8時間以上の継続した時間です。
24時間から逆算すると、運行可能な時間は16時間が最長となりますが、15時間以上の運行は週2回以内とします。
その中でも運転時間は9時間以内であり、かつ、連続運転時間は4時間を越えてはいけません。4時間半の間に30分以上の休憩時間を含むことが決められています。
長距離トラックドライバーの睡眠と休憩
休憩ポイントとして立ち寄ることが多い、サービスエリアやパーキングエリア、道の駅やトラックステーションなどに宿泊施設が併設されていることもありますが、ほとんどの長距離トラックドライバーは車中泊をします。
手軽だし、費用も掛からず、自分の部屋のようで意外と快適だからです。車中泊とはいっても、座席のシートで寝るわけではなく、運転席内に仮眠設備がありますのでそこで横になることができます。足が伸ばせるか心配があるかもしれませんが、多くの場合車幅程度のスペースが確保されているので枕や掛け布団などを持ち込めば、より快適に睡眠をとることができます。休憩の度に横になっていると寝過ごしてしまう可能性がありますので要注意です。
長距離トラック運転手のつらい点・大変な点
一口に運転手の仕事といっても、長距離トラックの運転手は長距離を1人きりで走りきるわけですので、自由と自己管理が必ず背合わせになります。時間管理も体調管理も含め、管理者の指示だけでは刻々と変化する現地の交通環境などに柔軟に対応できませんので、臨機応変な対応が求められます。その上で運行計画に変更があれば休憩ポイントで管理者と情報共有の必要があります。
運転が好きな人であれば快適な仕事環境かもしれませんが、天候や道路状況、体調がよい時だけではありませんので、一度トラブルに巻き込まれてしまうと一瞬で大変な状況へと変わっていくことがあります。
天候不良も良い例でしょう。快晴でスムーズに走行できるときも、荒天でストレスが大きい走行の時も、同じように周囲の安全や時間配分などに配慮しながら運行を進めて行かなければいけません。時にはベテランドライバーであってもつらい状況があったり、きついと感じる瞬間もあるでしょう。
長距離トラック運転手のやりがいとメリット
長い時間、一人きりで状況判断を繰り返しながら運転をし続ける仕事は、大変な仕事ですが、その分やりがいも多くあります。
長距離トラックでは、仕事をしながら立ち寄った各地の文化に触れることができることが最大のメリットです。ご当地グルメや風景など、情報化社会の今、どこでも、どんな情報でも見聞きすることができますが、やはり百聞は一見にしかずでしょう。
実際に、他の地域から来た運転手や現地の方々との触れ合いがあればなおさら、貴重な出会いとなるでしょう。納品先や積込先での風土や習慣の違いはその後の人生において役に立つ場面がたくさんあります。
そのような遠方のナンバーのトラックが到着する際には、待ち焦がれている荷受人がいることをドライバーは忘れてはいけません。特に悪天候時や混雑時期など非日常な環境の時に無事届けることができ、お客様から感謝の念を受け取ることができた達成感は何より疲れを癒し、次へとつながる力となるでしょう。
長距離トラック運転手に向いている人
長距離トラックの運転手として向いている人は自分に厳しい人です。
まず、体力に自信がないとドライバーは長時間の運転に耐えることができません。そして、体力に合わせて必要なのが集中力です。集中して運転することで危険を早期に察知することができ、柔軟に回避することができるからです。
体力と集中力を使って仕事をしていると、つい休憩ポイントや連続走行時間を見逃しがちになります。ですので、もう少し走りたい気持ちを抑え、決まり通り休憩時間を作れたり、報告を怠らない自制心が必要です。
さらに、一番大切なことは、どんな場面でも休息がとれることです。休息をとらないと先述の体力も集中力もすべて発揮することができませんので、どこでもリラックスすることができる運転手になりましょう。
長距離トラック運転手は人手不足
ここまで述べてきた通り、ドライバーの中でも長距離トラックを任されているドライバーは毎日決まった時間に自宅に帰ることができませんし、様々な制約がありますので、仕事としてのやりがいを感じる人でなければなかなか勤め上げることができません。
運転手の仕事は人手不足が深刻と言われている業界の一つですので、繁忙期には荷主は長距離トラックを取り合うこともあるのです。行政もドライバー不足に対応すべく、鉄道輸送を利用するモーダルシフトや、無人トラックの隊列走行実験などを推進しています。鉄道での輸送はトラックを使わずにコンテナを積載した貨物列車で運ぶ方法ですのでCO2の排出削減に大きな効果もあります。
長距離トラックドライバーは女性でもなれるのか
近年、ドライバーとして頑張っている女性をトラガールと呼び、男性顔負けの仕事の様子を紹介しています。運送業界がきつい、大変、辛いというイメージを払拭し、若者を運送業界に取り込もうというイメージアップの動きです。長距離トラックの仕事にあこがれて運送業界に入るトラガールも少なくなく、女性仕様のトラック装備まで開発されるほどです。
活躍されている女性たちは輝いていて、きめ細かな配慮が顧客にとても好評ですが、大きな男性とは違い、重量物の運搬など工夫しないと難しい点もまだあります。積込先や納品先の環境が男性運転手に偏ってはいますが、徐々に受け入れられてきていますので今後改善される部分が多くあるでしょう。
長距離トラックドライバーの仕事の探し方
長距離トラックの仕事は転職サービスやハローワークなどのサイトを利用し、検索ワードに「長距離トラック」や「長距離ドライバー」などを用いると比較的簡単に探すことができます。ただし、こうした企業の採用サイトを1つ1つチェックしていくのは少し大変なのがネックかもしれません。
企業の求人ページを見つけたら、記載されている輸送内容や乗務車種などを確認すると良いでしょう。会社の雰囲気や業務内容が合うようなら電話などで求人担当者に業務内容を確認すると確実です。
なお、運転手の仕事は派遣などでも見つけることができますが、長距離運行の特性上、派遣のドライバーとして長距離トラックの仕事に従事することは難しいです。
最近ではスマホなどの普及で人材紹介サービスや求人サイトを使って、自分で好きな条件に合わせて転職活動をする長距離ドライバーも増えてきています。
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もちろん転職やお金が全てではありません。慣れた環境や仕事があれば長時間労働や低い年収も気にしないという考えもあります。
ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
ただ、ドライバーの仕事は忙しいのでじっくり探す時間はなかなか取れないものです。ホームページに書いてあることが本当かどうかあやしいと感じるドライバーさんもいます。
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