長距離トラック運転手の過酷できつい仕事内容とは
トラック運転手の仕事と言っても、その職種はさまざまあり、宅配の仕事やルート配送、路線便の仕事など一概にトラック運転手と言っても本当に多様な仕事があります。
そのトラック運転手の仕事の中でも長距離トラック運転手の仕事は、特にきつい・過酷と言われています。長距離トラック運転手という職種は良くも悪くも昔ながらの運ちゃんの仕事そのものであり、昔のトラック運転手のイメージをいちばん引きずっている仕事です。
長距離トラックの仕事がきつい・過酷と言われる要因はさまざまあり、長時間労働、不規則な勤務時間、バラ積み・バラ降ろしなど挙げたらキリがありません。
ただその一方で、近年では行政が進める働き方改革やホワイト物流推進運動が少しずつ浸透し、労働環境の改善が進みつつある業界でもあります。
長距離トラック運転手の仕事がきつい理由
家になかなか帰れない
長距離トラックの運転手がきつい・過酷と言われる理由の中で、一番大きな理由になるのが家に帰れない点です。長距離トラック運転手の仕事は基本的には一日で仕事から帰って来る事ができません。
1日の走行距離が500キロを超える事も珍しくない長距離トラック運転手の仕事は、一度配送に出てしまうと2〜3日家に帰れないことは当たり前、長ければ1週間出ずっぱりと言う事もあります。
これは家族がある方、特に小さなお子さんのいる家庭では大きな負担となり、長距離トラック運転手の仕事がきついと言われる理由になっています。
基本的に大型免許が必要
長距離トラック運転手の仕事は基本的には、大型トラックが中心で大型免許が必要になります。中型トラックを使った長距離の仕事もありますが、近年では運賃との兼ね合いで減ってきています。
長距離トラック運転手の仕事は3K(きつい・汚い・危険)仕事などと言われて敬遠される一方で、人間関係がなく気楽で、旅感覚で仕事ができると言ったメリットもあり、長距離トラックの運転手をすすんで志望する方も多くいます。
そう言った方で大型免許を保有していない方は、まず大型免許の取得から考えなければならず、それは精神的にも、費用の面でもきついと言う事になってしまいます。
連休がとりづらい
連休がとりづらいのも長距離トラックの運転手がきついと言われる理由になります。配送先の納期時間の兼ね合いもあり、長距離トラック運転手は日曜日から出発しなければならない事が多く、まず土日にしっかり連休をとるのが難しいといった現実があります。
また近年ではトラック業界の人手不足が問題視されていますが、その中でも長距離トラックの運転手不足はとても深刻です。運転手にまとまった連休を与えようとすれば、代わりの運転手を確保しなければなりません。しかし代わりの運転手を立てる事も難しく、会社も運転手にまとまった連休を与えたくても与えられないという事情があります。
勤務時間が不規則
長距離トラックの仕事では渋滞や混雑を避けて、あえて深夜や早朝に走行する場合も多く、一般的なサラリーマンからすれば信じられないくらい勤務時間が不規則になります。
長距離トラック運転手の仕事は、荷主によって始業時間が極端に早い場合もあれば、その逆でゆっくりな場合があったり、終業時間が深夜になる事もあれば、昼間に仕事が終わってしまい、出先で暇を持て余す場合もあったりと状況によりさまざまです。
長距離トラック運転手の仕事で時間が不規則なのは宿命のようなもので、きつい、過酷と言われる由縁にもなっています。
睡眠時間と休憩時間
トラック運転手の仕事に睡眠不足はつきもの、なんていう時代もありましたが、現在では、コンプライアンス、働き方改革の影響もあり、昔に比べればトラックドライバーも睡眠時間や休憩時間は確保できるようになってきています。
ですが、長距離トラック運転手の仕事は深夜や早朝に走行する場合が多く、昼夜逆転を引き起こして寝不足になってしまったり、配送先の着時間が差し迫っている為に睡眠時間を確保する事ができず、過酷できつい運行を迫られるといった事も起こったりします。
また高速道路のサービスエリアやコンビニの駐車場は混雑している上に、大型トラックの駐車スペースも限られています。休憩したくてもトラックを停める事ができず休憩できないといった状況は、長距離トラックの運転手なら必ず経験した事のある、きつい状況と言えるでしょう。
トイレにいけるタイミングが限られる
長距離トラックの運転手が乗務するトラックの多くが大型トラックであり、その巨大な車体を駐車するスペースはサービスエリアやコンビニ、ガソリンスタンドなど非常に限られてきます。長距離トラック運転手にとって、トイレにいけるタイミングは非常に限られているのです。
それに加えて、着時間に追われ、そういった施設に立ち寄る余裕がない場合や、混雑で駐車スペースに駐車する事ができない場合などあり、長距離トラック運転手は生理面でも過酷できつい環境で仕事をしています。
荷主のプレッシャーと到着時間
運送会社にとって荷主は絶対的な存在で、神様のようなものです。運送会社は取引している荷主に何時までにこの荷物を届けて欲しいと指定されれば、たとえそれが過酷できつい運行を伴う場合でも簡単に断ることはできません。
近年では荷主に対しても運送会社に一定の配慮を求める、ホワイト物流推進運動の影響もあり、荷待ち時間の緩和や余裕のある配車計画に協力的な企業も出てきている一方、延着に対して厳しいペナルティーを課す荷主もあります。
現場の最前線にいる長距離トラックの運転手はそういった荷主のきついプレッシャーを肌で感じながら頑張っているのです。
長距離トラック運転手の仕事が過酷な理由
長時間の運転が続く
長距離トラックの運転手が走る一日の走行距離は500キロを超える事は日常茶飯事で、一運行(出発してから会社に戻ってくるまで)の走行距離は優に1000キロを超える事もあります。
トラック運転手の連続走行時間は4時間と決められており、その間に30分の休憩を取るよう法令で定められてはいますが、それでも一般のドライバーからすると考えられないような距離を走行する長距離トラックの運転手は非常に過酷で、きつい労働環境で仕事をしていると言う事になります。
一般道を走る事が多い
長距離トラック運転手は、月の売り上げが自分の給料に大きな影響を及ぼします。長距離トラックを扱う運送会社は高速道路を使った場合、その高速代を運転手の売り上げや給料から天引きするところが多く、運転手の多くは高速代節約のため、一般道を走る事が多いのです。
400〜500キロのきつい道中でも、高速道路を走行すれば運転手の負担は軽減されますが、多くの長距離トラック運転手は少しでも給料にプラスになるならと、きつくてもあえて過酷な一般道を選択して走行しています。
速度制限装置とデジタコがあるので飛ばせない
現在の大型トラックには速度制限装置の装着が義務付けられており、速度が90キロ以上出ないようになっています。また、多くの運送会社がデジタコを導入して運転手の管理を行っています。
これらの装置があるため長距離トラック運転手は、渋滞や事故の影響で納品時間に余裕がない場合でもスピードを出す事ができず、運転で時間を短縮する事ができません。安全の為についている装置ですが、場合によっては逆に運転手をつらくて過酷な状況にしてしまう場合があるのです。
会社からはスピードを出すなと言われ、一方で納品時間は守らなければならない、結果寝る間を惜しんで走行する、多くの長距離トラックの運転手がそんな過酷な板挟みに合いながらも、日々必死に戦っています。
荷待ち時間なども長い
近年、トラック運転手の長時間労働が問題視されていますが、この工場や倉庫で待たされる時間、荷物を積んだり、降ろしたりする際に発生する荷待ち時間が長距離トラック運転手の過酷できついと言われる労働環境に拍車をかけている現状があります。
この荷待ち時間は荷主によっては2〜3時間に及ぶ場合もあり、長距離トラック運転手の大きな負担となっています。運転手は暑い日も寒い日もせまい車内の中で、荷待ち時間を過ごさなければならない上に、出発時間が遅れる事で、配達先に向かう時間的な余裕がなくなり、満足に休憩も取れない過酷な運行を強いられる場合もあります。
腰痛になりやすい
トラック運転手はバラ積み、バラ降ろしなど過酷な作業があり、腰痛は職業病のようなものと言われていますが、長距離トラック運転手の場合は特に気をつけなければなりません。
宅配の仕事やルート配送の仕事であれば、乗ったり降りたりの繰り返しが、適度な運動にもなるため、まだ良いのですが、長距離トラック運転手の場合、3〜4時間同じ姿勢で運転する事が日常茶飯事です。さらにトラック自体の振動や突き上げを長い間体に受ける事になるので、腰痛になりやすい環境にあるのです。
配車係次第で過酷なルートも
配車係は最近では配車コーディネーターとも呼ばれていて、運送業界にはなくてはならない存在です。その配車係の配車一つで長距離トラック運転手のルートが楽にもなり過酷にもなります。
多くの配車係はトラック運転手のルートが平等になるように心がけていますが、配車係も人間です。時には好き嫌いが配車に出てしまう事があるかもしれません。
配車係のご機嫌とりをする必要はありませんが、日頃からコミュニケーションをとっておく事もトラック運転手の技量なのかもしれません。
事故のリスクといつも隣り合わせ
長距離トラックの運転手がきついと言われる一番の理由は、事故のリスクといつも隣り合わせだからではないでしょうか。大型のトラックが一つ間違えて事故を起こせば、その被害はとても大きなものになります。自らの命を失うリスクはもちろんのこと、事故の加害者に対して大変な責任を負うことになってしまいます。
また、長距離トラック運転手の仕事は自然との戦いでもあり、台風や雪などに見舞われれば、事故や災害に巻き込めれる恐れもあり、その運行は大変過酷なものになってしまいます。
手積み手降ろしがあるとさらに過酷できつい
近年では物流の効率化が進み、バラ積み(手積み)の荷物は減って、パレット積みの仕事が増えてきています。しかし運ぶ荷物によってはバラ積み、バラ降ろしの仕事もあり、長距離トラック運転手の仕事をしていると、過酷できつい手積み、手降ろしの仕事がまわって来る場合もあります。
大型トラックの大きな荷台に1車分の荷物をバラ積み、バラ降ろしともなれば積み込みだけでも2時間以上かかる場合があります。
それでも涼しい季節ならまだマシですが、真夏ともなると過酷でとてもきつい作業になり、熱中症になる恐れがあったりと、長距離トラックの運転手の大きな負担になっています。
長距離運転手が楽しいという意見もある
長距離トラックの運転手は一般的には、過酷できつい事の多いブラックな仕事というイメージがあります。確かに長時間労働が当たり前の職種であり、事故のリスクを考えればそういったイメージがあるのはしょうがない事なのかもしれません。
しかし長距離トラックの運転手を選択する人のほとんどは自ら望んでその仕事についています。それはこの職種ならではの魅力があるからに他なりません。
長距離トラック運転手の仕事は一人で仕事をする事がほとんどで、わずらわしい人間関係とは無縁で気楽な仕事です。安全に気をつけてさえいれば自由で誰にも文句を言われる事はありません。
荷物の積み込みさえ終われば、あとは運転するだけなので楽という意見もあります。また日本全国の名所に立ち寄る事ができ、長距離の仕事は楽しいという人も多くいます。
長距離トラック運転手の仕事は、なりたくてなる仕事です。長距離トラック運転手の多くはトラックを運転する事が大好きで自分の仕事に誇りを持っています。
長距離トラック運転手は歩合で稼げる職業
長距離トラック運転手は歩合で稼げる職業です。長距離トラック運転手の年収は450〜750万前後と言われており、歩合制で仕事をした分だけ給料に反映されます。
また年功より、やる気や経験が重視される業界ですので、仕事さえ慣れてしまえば、手っ取り早く稼ぐ事ができる事もこの職業の魅力になります。
また近年では女性の社会進出も進んできていますが、まだ多くの職場で待遇など男女差が顕在する現状があります。その点、長距離トラックの仕事では男女の待遇差はないに等しく、実際、男性の運転手並の年収を稼いでいるトラガールもいます。
きつくて過酷な長距離トラック運転手の仕事に耐えられるタイプ
体力があってメンタルが強い
長距離トラック運転手の仕事は長時間の運転、またバラ積みやバラ降ろしなど過酷できつい仕事もありますので、体力はないよりあった方が良いのは間違いありません。さらに長距離トラックの運転手は仕事中に事故のリスクや渋滞、荷待ち時間や納品時間のプレッシャーなどさまざまな困難に見舞われます。
そういった困難に打ち勝てるだけのメンタルの強さが長距離トラックの運転手には必要になります。体力がありメンタルが強い人が、過酷できついと言われる長距離トラック運転手の仕事に耐えられるタイプになります。
長時間の運転と孤独に耐えられる
長距離トラック運転手の仕事では丸一日を運転に費やし、休憩をのぞいて1日中車内で過ごす事もある仕事です。そうなると下手をすれば一日二日、まったく人と会話をしない、といった事もあります。
これは孤独が苦手な人にとっては耐えられない事であり、そういった過酷できつい状況に耐えられるメンタルを持っている事も長距離トラック運転手に必要な才能といえるでしょう。
長距離トラック運転手の仕事は、他のトラック運転手の仕事と比べても少し特殊な職種であり、長時間の運転と孤独に耐えられることが長距離トラック運転手の仕事に向いているタイプの人になります。
責任感があって時間を守れる
長距離トラック運転手の仕事は、人間関係のわずらわしさがなく、自由で気楽な面がある一方で、ひとたび事故を起こせば、事故の相手はもちろん、会社や荷主、また家族に大変な迷惑をかける事になります。
また長距離トラック運転手の仕事には納品時間が決まっている場合がほとんどです。もし万が一、寝坊などして延着してしまえば、最悪の場合、荷主から取引停止や賠償を請求される事もあり、会社に大変な迷惑をかけてしまう事になります。
こういった過酷できつい労働環境にある長距離トラックの仕事に耐えられるタイプの人は、責任感があって時間を守れる人なのは間違いありません。
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