長距離トラック運転手(ドライバー)の仕事
トラックドライバーの基本的な仕事内容は指定された場所へ荷物を運ぶことです。その中で長距離トラック運転手は片道数日かかるような遠方地へ荷物を届ける仕事をしています。
運ぶ荷物は食品や生活雑貨、大型家具といったものから薬品や家畜まで幅広く、物や案件によっては納品先でドライバー自ら荷下ろしを行ったり、新たな荷物をトラックに積み込んだりすることもあります。
ただし短距離・中距離トラック運転手に比べると、荷積みや荷下ろしをする機会は少なく、長距離トラック運転手は勤務時間のほとんどを運転して過ごします。
一人の時間が多くマイペースに仕事ができる反面、納期を守るために夜通し運転しなければならないこともあるなど、責任感が非常に大切な仕事です。
長距離トラック運転手(ドライバー)になるために必要な免許
長距離トラック運転手の求人には中型トラックドライバーの募集もあるため、中型免許を持っていれば長距離トラック運転手になることが可能です。
しかしそういった求人はほんの一部であり、ほとんどの長距離トラック運転手の求人は、大型トラックドライバーの募集のみとなっています。したがって、一般的に長距離トラック運転手になるために必要な免許は大型免許であると言えます。
ただし運送業界のドライバー不足が深刻化している現在は、資格・免許取得支援制度などで入社後に大型免許を取得させてくれる運送会社もあるため、入社時に大型免許を持っていない場合でも、長距離トラック運転手になることができるようになっています。
トラック運転手(ドライバー)の年収
トラック運転手の年収は運送会社や歩合などの給与形態によっても異なりますが、運転するトラックによっても大きく異なります。
職種 | 平均年収 | 月収(賞与除く) | |
男性運転者平均 | 450.0万円 | 34.0万円 | |
区分 | トレーラードライバー | 516.0万円 | 39.0万円 |
大型トラックドライバー | 482.4万円 | 36.6万円 | |
中型トラックドライバー | 406.8万円 | 30.3万円 | |
準中型トラックドライバー | 381.6万円 | 29.4万円 | |
普通車ドライバー | 380.4万円 | 29.1万円 | |
女性運転者平均 | 379.2万円 | 28.9万円 | |
区分 | トレーラードライバー | 439.2万円 | 34.5万円 |
大型トラックドライバー | 414.0万円 | 31.6万円 | |
中型トラックドライバー | 361.2万円 | 27.3万円 | |
準中型トラックドライバー | 351.6万円 | 27.1万円 | |
普通車ドライバー | 343.2万円 | 26.3万円 |
トレーラーなどを運転するけん引運転者や、長距離トラックなどを運転する大型運転者の給料が比較的高く、月収も40万円を越えてくる一方で、それ以外の運転者は世の中の平均年収とされる467万円よりも低いです。
運転するトラックによって給料が大きく変わることを、トラック運転手は理解し、自分の生活に見合った収入を得られる仕事を選ぶ必要があります。
ただし給料が歩合制である場合は、固定給は低くても変動給を含めると平均年収を大きく上回る可能性もあるため、けん引車(トレーラー)や大型ドライバー以外の給料が必ずしも低いということではありません。
長距離トラック運転手の給料によくある歩合給のメリットとデメリット
歩合給とは成績や売上に応じて給料が増減する給料制度のことを言い、長距離トラック運転手に対してよく用いられています。
歩合給のメリットとしては、やはり仕事をした分だけ給料が増えることにあります。特に繁忙期のような忙しい時期の給料は、非常に高いものとなるため、仕事へのやる気ややりがいも高く保つことが可能です。
反対に歩合給のデメリットとしては、仕事がない月に給料が著しく減ってしまう点と、毎月の収入が安定しないせいで生活が不安定になる点が挙げられます。
長距離トラック運転手を含む運送業界で働くドライバーは、繁忙期と仕事がない時期がハッキリしていることが多く、歩合給では収入が月ごとに大きく変動するため、しっかりお金を管理していないと月々の支払いや生活費のやりくりが難しくなるときもあります。
トラック運転手(ドライバー)の歩合
トラック運転手の歩合は、運搬の売上や走行距離の長さによって変動します。そのため積める荷物が多く走行距離も長い長距離トラック運転手の歩合が高くなる傾向にあり、下記の表においても大型運転者の歩合給は他のドライバーに比べて非常に高くなっています。
職種 | 歩合給・運行手当(円) | 歩合給・その他(円) | 歩合給計(円) | 時間外手当(円) | その他(円) | 合計(円) | |
男性ドライバー平均 | 69,500 | 19,500 | 89,000 | 67,200 | 14,300 | 170,500 | |
区分 | トレーラー運転手 | 79,100 | 12,500 | 91,600 | 86,600 | 11,700 | 189,900 |
大型トラック運転手 | 84,000 | 23,600 | 107,600 | 73,100 | 15,500 | 196,200 | |
中型トラック運転手 | 55,800 | 20,900 | 76,700 | 55,700 | 15,000 | 147,400 | |
準中型トラック運転手 | 51,000 | 10,900 | 61,900 | 54,700 | 11,500 | 128,100 | |
普通車運転手 | 33,400 | 4,100 | 37,500 | 62,300 | 9,000 | 108,800 | |
女性ドライバー平均 | 47,100 | 13,200 | 60,300 | 50,700 | 13,200 | 124,200 | |
区分 | トレーラー運転手 | 19,900 | 1,700 | 21,600 | 87,800 | 19,900 | 129,300 |
大型トラック運転手 | 63,300 | 21,900 | 85,200 | 53,900 | 15,800 | 154,900 | |
中型トラック運転手 | 46,700 | 8,500 | 55,200 | 44,600 | 12,200 | 112,000 | |
準中型トラック運転手 | 51,400 | 14,900 | 66,300 | 42,100 | 12,900 | 121,300 | |
普通車運転手 | 15,700 | 3,700 | 19,400 | 53,600 | 8,200 | 81,200 |
男性大型運転者の歩合給計107,600円を一年分に換算すると、約129万円です。大型運転者の平均年収は482万円なので、歩合給は給料全体の4分の1を占めており、仕事量次第で給料が大きく変動すると言えます。
また大型運転者以外も、歩合給や時間外手当といった変動給が収入全体の30%以上を占めているなど、トラック運転手の給料の不安定さが読み取れます。
長距離トラック運転手の給料(月収・年収)は高いのか?
長距離トラック運転手のほとんどは大型トラックに乗っているため、平均年収は大型運転者と同様の482.4万円であり、月収に換算すると40.2万円になります。
そのため、男性トラックドライバー全体の平均年収の450万円や、運操業以外も含む企業の平均年収の467.3万円を大きく上回っており、長距離トラック運転手の給料は高いと言えます。
ただし長距離トラック運転手の給料形態の多くは歩合であり、長距離トラック運転手になったからといって、必ずしも高い収入を得られるわけではありません。安定して高い月収、年収が欲しい場合には、固定給が高く設定されている運送会社を選ぶことが大切です。
また、安定よりも高額な収入が欲しいといった場合には、トラック持ち込みという個人事業主のような働き方があります。出費は増えますが、売上から高い割合で歩合給を得られるため、同じ職種のドライバーの平均年収と比べても、さらに高額な収入を得ることが可能です。
大型トラック運転手(ドライバー)の平均年齢と勤続年数
トラック運転手の平均年齢は、男性で47歳、女性で43歳と、世の中の全産業平均年齢である男性43.3歳、女性41.1歳を上回っています。反対に勤続年数は男性12年、女性7年と、世の中平均となる男性13.5年、女性9.4年を下回っています。
したがってトラックドライバーは早くに仕事を辞めてしまう人が多く、また、高齢化も進んでいると言えます。
職種 | 平均年齢 | 勤続年数 | |
男性運転者平均 | 47歳 | 12年 | |
区分 | けん引車ドライバー | 48歳 | 13年 |
大型トラックドライバー | 48歳 | 13年 | |
中型トラックドライバー | 46歳 | 12年 | |
準中型トラックドライバー | 47歳 | 10年 | |
普通車ドライバー | 47歳 | 9年 | |
女性運転者平均 | 43歳 | 7年 | |
区分 | けん引車ドライバー | 42歳 | 9年 |
大型トラックドライバー | 45歳 | 7年 | |
中型トラックドライバー | 44歳 | 8年 | |
準中型トラックドライバー | 42歳 | 7年 | |
普通車ドライバー | 42歳 | 7年 |
男性大型トラック運転手の平均年齢は48歳、勤続年数は13年となっており、男性運転者の平均同様、全産業の平均年齢を上回り、勤続年数を下回っています。
しかし勤続年数が短いながらも、大型トラック運転手は全産業の平均年収よりも高い給料を得ており、長距離トラック運転手をはじめとして勤続年数にとらわれず良い収入を得られる傾向があると言えます。
年齢別の大型トラック運転手(ドライバー)の年収
トラック運転手の年収を年齢別に見ると、多くのドライバーが40~49歳と50~59歳の時期に最も多くの年収を得ています。
職種 | 平均 | 20歳未満 | 20~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~64歳 | 65歳以上 | |
男性運転手平均 | 444万円 | 288万円 | 384万円 | 444万円 | 468万円 | 468万円 | 372万円 | 324万円 | |
区分 | トレーラー運転手 | 516万円 | – | 420万円 | 504万円 | 528万円 | 540万円 | 420万円 | 384万円 |
大型トラック運転手 | 480万円 | – | 432万円 | 480万円 | 504万円 | 492万円 | 396万円 | 336万円 | |
中型トラック運転手 | 408万円 | – | 372万円 | 408万円 | 420万円 | 408万円 | 336万円 | 288万円 | |
準中型トラック運転手 | 384万円 | 300万円 | 372万円 | 396万円 | 408万円 | 384万円 | 336万円 | 288万円 | |
普通車運転手 | 384万円 | 276万円 | 372万円 | 396万円 | 408万円 | 396万円 | 300万円 | 264万円 |
職種 | 平均 | 20歳未満 | 20~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~64歳 | 65歳以上 | |
女性運転者平均 | 384万円 | 288万円 | 336万円 | 396万円 | 384万円 | 396万円 | 288万円 | 228万円 | |
区分 | けん引車運転手 | 444万円 | – | 384万円 | 432万円 | 420万円 | 552万円 | – | – |
大型トラック運転手 | 420万円 | – | 408万円 | 420万円 | 420万円 | 408万円 | 252万円 | – | |
中型トラック運転手 | 360万円 | – | 336万円 | 396万円 | 348万円 | 396万円 | 264万円 | – | |
準中型トラック運転手 | 348万円 | 324万円 | 312万円 | 360万円 | 360万円 | 384万円 | 300万円 | – | |
普通車運転手 | 348万円 | 252万円 | 300万円 | 384万円 | 360万円 | 336万円 | 312万円 | 228万円 |
大型トラック運転手も他のトラック運転手と同様に、40~49歳が最も多くの年収を得ています。
さらに長距離ドライバー(大型トラックドライバーは)20~29歳の時点で既に、中型トラック運転者40代~50代を越える給料を稼いでいます。大型トラックを運転する長距離トラック運転手などが、他のトラック運転手に比べて、いかに若い頃から多くの収入を得られるかが分かります。
長距離トラック運転手(ドライバー)で年収や給料をアップさせる方法
長距離トラック運転手が、年収や給料をアップさせる方法としては何よりもまず仕事量自体を増やすことが挙げられます。長距離トラック運転手をはじめ、歩合制で働いているドライバーは、運搬する積荷を増やすか走行距離を伸ばすことで、給料をアップさせることが可能です。
また、運送会社から信頼を得て良いルートを回して貰うことや、けん引免許やフォークリフト免許などの資格を取得することで積荷の単価を上げることも、収入アップさせる方法になります。
そして給料の良い運送会社に転職することも一つの方法であると言えます。
ただし運送事業者の21.5%が、割増賃金の支払いに関して労働基準関係法令違反をしていたこともあるので、求人サイトの給料や、その会社の平均年収などを見て、良い会社を探すことが大切です。
長距離トラック運転手の年収・月収の例
長距離トラック運転手の年収・月収例1
年間休日108日、大型免許取得支援制度もある長野県の運送会社で、長距離トラック運転手の月給は30万円以上となっています。また、こちらの求人では昇給と賞与があり、無事故手当が2万円つきます。
長野と東海や関東、九州間を10tトラックで輸送する長距離トラック運転手として、月給30万円年収360万円は、平均を下回る給料に見えますが、それは未経験のドライバーの例であり、経験や年齢によってはさらに高い収入を得られます。
長距離トラック運転手の年収・月収例2
京都府にある、飲料や一般物をメーカーで積み込み輸送する長距離トラック運転手の年収・月収例として、繁忙期は60万円以上、閑散期でも35万円以上と求人票に載せている運送会社もあります。
賞与を除いた大型トラックドライバーの一ヶ月の給料平均は36.6万円なので、この求人では仕事の少ない閑散期でも平均月収に近い収入があり、一年を通した年収は大型ドライバー平均を大きく上回ることになります。
長距離トラック運転手の年収・月収例3
愛知県の自動車部品の輸配送を行う運送会社では、月給20万円~21.1万円ですが、原則土日休みであり、昇給金額が一月あたり800円~3500円、賞与が年3回4万円~60万円、無事故手当最大10万円という長距離トラック運転手の年収、月収例もあります。
積み込みは全てフォークリフトで行うため身体への負担は少なく、インセンティブはありませんが昇給によって毎年給料が上がるので、長年勤めることでドライバーの平均収入を上回ることも可能です。
長距離トラック運転手に賞与・ボーナスはあるのか
大型トラックドライバーの一ヶ月平均の給料は36.5万円ですが、賞与を含めた一ヶ月分の収入は40.2万円であり、平均で年間40万円以上の賞与をもらっています。
長距離トラック運転手の求人を見ても、賞与やボーナスがあると記載する運送会社は多く存在しており、賞与・ボーナスがきちんと貰えることが分かります。ただしもちろん運送会社によっては、賞与がないことや少ないことがあります。就職の際には注意が必要です。
長距離トラック運転手に昇給はあるのか
長距離トラック運転手の求人には『昇給あり』と記載されたものも多く、長距離トラック運転手にも昇給があると言えます。
しかし大型ドライバーは給料の内、歩合や時間外手当などの変動給が半分近くを占めており、固定給割合が小さい給与形態をとっていることが多いです。固定給が少ない場合は昇給額も少ない可能性が高いです。
運送会社を選ぶ際には昇給があることよりも、その会社の平均年収や年代ごとの収入を見た方が、参考になることがあります。
長距離トラック運転手に向いている人
長距離トラック運転手は、仕事量次第で大きく稼げる歩合制の仕事であるため、お金を稼ぎたいという思いが強い方に向いています。
また、片道数日かかるような遠方地へ、一人で運転して赴く孤独な仕事であり、ドライバーの中にはその孤独感が嫌だという理由で長距離トラックを断る方もいるため、孤独に強い人も長距離トラック運転手に向いています。
さらに納期に間に合わせるために必要な、スケジュール管理の能力や責任感、運転を継続できる体力がある方も、長距離トラック運転手に向いています。
しかし最も大事なことは、安全運転の意識があることと、車中泊でもきちんと眠れることです。それらが欠けていると、事故を引き起こす可能性が高まってしまうため、それら二つを持ち合わせている人が、長距離トラック運転手に最も向いている人だと言えます。
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