中型トラックの代表ともいえるのが、4トントラックです。ですが大型と小型は分かりやすくても、中型となるとその用途や実態のイメージがあやふやになりがちですよね。そんな霞がかった存在の4トン車の特徴や、そのドライバーに興味がある方に知っておいて欲しいことを解説します。
4tトラック(中型4トン車)とは
中型車両というとやはりぼんやりとしたイメージが湧いてしまうかもしれません。ですが4トン車の「4トン」という重さ、実はトラックの大きさの区分をするときに基準となる、意外と重要な重さだったりします。
なぜなら、2トン車は「小型」、4トン車は「中型」、10トン車が「大型」というように分けることができるからです。正確な区分もありますが、中型といえば4トン、というイメージが一般的です。
4トンに限ったことではないですが、〇〇トン車といっても、重量などの寸法や重量の規定こそあれど、その大きさはさまざまです。ですがここでは重さよりも、4トントラックの定められた寸法の方を紹介します。
4トントラックの寸法・サイズ
まず車の長さにあたる全長は 7,600mm。2トン車と比べるとかなり変わります。
次に前から見た横の大きさである全幅が2,200mm。道路交通法に定められた全幅の最大が2,500mmですから、中型らしいサイズと言えますね。
最後に地面からの高さである全高が2,680mmです。高さに関してはどの規格のトラックも、法律に触れない範囲でバラバラですのであまり気にしないでいいでしょう。
中型が小型と大型の重さの中間にあるということは、その使いやすさに繋がっているのです。それを証明するのが、驚くほど多様性に富んだいろいろな機能を持つトラックたちの存在です。
4tトラックの種類(中型4トン車)
4トントラックほど個性豊かなラインナップのトラックは無いと言っても過言ではありません。まずは手始めに長さの違いから紹介します。その数なんと五つで、標準・ロング・ショート・ワイド・スーパーロングとなります。
4トンの標準トラック
標準は先ほど説明したサイズで、他はこれを基準に大きさが異なると思っていただければ結構です。
4トンロングのトラック
ロングは単純に全長が長くなったもので大体8,600mmほどになります。その利点はより多くの荷物が積めることでしょう。ただ載せることのできる重さの限度は変わりませんから、重いものをさらに沢山、というわけではありません。
ロングタイプが活躍するのは、大きさやそれに対する重さがまちまちであることの多い雑貨類や食品を運ぶときです。容積があればそれらをまとめて運べるので便利なのです。
4トンショートのトラック
次はショートです。文字通り短いタイプとなっていて、6,140mm程度なので2トン車のロングタイプと全長はさほど変わりません。
しかしやはり4トンを積める車両ですから、コンパクトなのに大容量を運べるのが特徴です。このショートタイプは引っ越しの際によく使われるので、見たことのある人も多いはずです。
4トンワイドタイプのトラック
次にワイドタイプ、こちらは他のものより特性を想像しづらいですよね。異なるのは車の横幅の部分になります。
長さは2,490mm、ものによっては2,500mmと道交法の規定ギリギリまで攻めたタイプもあります。
このいっぱいの幅が役立つ理由は「パレット」にあります。絵の具を広げておく方ではありません。それは荷役台とも言い、箱詰めされた倉庫の荷物を移動しやすくしたり、整理しやすくするための台です。これがあると荷台の中も整頓することができる上に、隙間なく載せることができますので、荷物と一緒にトラックに載せることも多々あります。
このパレット、四角い形をしているのですが大きいものでその幅が1,200mmにもなります。ですからトラックの幅によってはうまく並べられず、その特性を活かし切れません。
そこで相性がいいのがワイドタイプの4トンです。幅があるため横に二つが二列で計四つのパレットを並べた状態で運搬できるのです。その上4トン車ですので、ある程度重みにも耐えることができ、きっちり沢山載せることができます。
4トンスーパーロングのトラック(オバケ4トン)
まずは最後に残されたスーパーロングタイプから。こちらは別名超々ロング、あるいはオバケ4トンといいます。いかにも凄そうですよね。その名の通り「ながーい」車体が特徴です。
ですがオバケ扱いされる理由はそれだけではないのです。その理由は、「全寸法が道交法ギリギリ」に設計されたトラックであるからなのです。
全長はなんと12,000mm弱、12mにもなります。そしてオバケ級なのは長さだけに非ず、その見た目は大型トラック並に「デカい」のです。
ですのでスーパーロングのトラックは4トン車がベースの大型トラックと捉えることもあります。とはいえその実態は4トントラック。載せられる重さは相も変わらず4トンのみです。
お察しの方もいるでしょうが、このタイプのトラックは非常に乗りこなしづらいのです。図体が大きく、しかしその分詰めるわけでもないので大変風に煽られやすく、強風の日には転倒するリスクも大いにあります。
それでもこんなトラックがあるのはなにも面白がって作られたからではありません。オバケ4トンは体積が大きく軽いもの、発泡スチロールやスナック菓子、おむつを運んでくれるのです。
同じく容積が大きい大型車に比べ、車両自体のコストを安くすることができ、曲者ながら愛される存在です。
4tトラック(中型4トン車)の設備とベッド
サイズの違いを説明し終えたところで最後に紹介したいのは、4トン車の設備についてです。トラックの設備と言えばどんなものを思い浮かべますか?エアコン、ラジオ、タバコの灰皿など、乗用車と同じようなところでしょう。
実は4トン車には、ちょっと普通ではない設備がついているものがあるんです。それは「ベッド」です。
理由はいたって普通ですが、4トン車はその特性から長距離での使用もされます。ですから多くの場合ドライバーは二人、交代で睡眠を取りながら運転するのです。そのためベッドがついているモデルがあるのですが、びっくりポイントはここではありません。その位置です。
ワゴン車のように運転席の後ろにスペースがあるものもありますが、何と運転席の「上」にベッドスペースを設けたモデルがあるのです!気になる方は良ければ調べてみてください、写真をみると分かりますが二段ベッドの上のような、乗ってみたくなるような造りなのです。
では何故こんな構造が生まれたのでしょう。それは運送の効率を上げるため、少しでも荷台にできるスペースを増やすためです。トラックは乗用車にと違い運転席と荷台がはっきり分かれていますよね。その運転席の部分を「キャブ」と呼ぶのですが、より荷台を大きくするためにキャブを短くするという工夫がなされたものがあるのです。
ですが長距離の輸送の場合、ベッドスペースは必須です。助手席で睡眠を取ることもありますが、安全上問題とドライバーの睡眠を思いやると、きちんとスペースは設けるべきです。
そんな中で生まれた打開策が、キャブの上に「ルーフ」つまり天井のスペースを増やし、「屋根裏部屋」で寝るという案だったのです。この事実はSNSで話題にもなり、運転席の上の屋根の正体に大勢が驚かされました。
いかがですか?皆さんが思った以上に変幻自在な4トン車の魅力がお伝えできたことと存じます。ここまで読んでいてお気づきになった方もいるかもしれませんが、これらのトラックたちの使用用途はここで挙げたものに限りません。4トントラックはその汎用性から、物流の世界では大変重宝されるのです。
4tトラックの配送の仕事とは
4トントラックはその種類と同じく、使用されるシーンもさまざまです。
宅急便に引っ越し、大きいものから小さいもの、重いものも軽いものも運びます。工事現場に資材を運んだり、日をまたぐ長距離輸送までこなせるのです。
それはトラックを運転するドライバーも一緒です。もちろんそれぞれに違った大変さや苦労が付きまとうでしょう。
ですが多様な配送をするということは、それだけ多くの土地を見たり知ったりするということでもあります。また土地だけに限った話でなく、さまざまな現場や、家庭や、日常から非日常にまで寄り添うような仕事であると言えます。
この記事を読んで下さった人の中には新たに免許を取る必要のある人の方が多いでしょうし、難しそうで敬遠してしまった方もいるかもしれません。それでも4トントラックのドライバーが多くの場面で必要とされる、いかにやりがいのある職業であるかはお伝えできたかと存じます。
少しでも興味のある方は、この機に募集案内などを一読してみるのはいかがでしょうか。
4tトラック(中型4トン車)で配送ドライバーの仕事をするのに必要な免許
さて、豊富な種類で姿形もさまざまな中型4トンですが、載せられる重さは同じ。ですからもちろん、一つの免許でこれら全部の運転ができるようになります。
必要になのは中型免許です。名前がよく似た準中型免許もありますが、こちらでは重量の都合上ほとんどの規格の4トン車は乗れず、2・3トン車に乗るために取得する人が大半でしょう。
4トンのドライバーになりたい方には、中型かそれ以上のものの取得をおすすめします。ただし、それが2007年6月1日以前の「普通免許」を持っている場合は別です。
4トン車は車自体と荷物の重さなどを合わせた全体の重さが8トン未満のとき、5トン未満の荷物を載せられるトラックを指します。これが乗れる免許は、現在「8トン限定中型免許」と名前が変わりましたが、この「8トン」とはトラックの頭についているものとは違う重さを指し、先述しました全体の重さである車両総重量に相当します。この免許で運べるようになる重さ、つまり最大積載量は5トン。つまり4トン車の重さの基準にあてはまっており、今日から4トン車に乗ることができるのです。
またこちらは「限定」付き扱いですので、限定解除の手続きをとれば中型免許に移行することも可能です。免許を取った頃にトラックに乗ることのなかった方は、この事実をご存じでないかもしれません。
前項で登場したオバケ4トン、人によっては「普通免許」で大型サイズのトラックを走らせることができることも、その名前の理由になっています。8トン限定を持っている方は、今日から「オバケドライバー」と言えますね。しかし実際にはドライバー経験のない人が4トン車を、ましてやスーパーロングタイプを乗るのは絶対に危険です。その理由は次項でご説明致します。
4トントラックの運転のコツと注意点
4トントラックは中型の車両です。ですからドライバー経験者であっても、小型車両である2トン車からの乗り換えの場合は、その違いに大きく驚かされることになるでしょう。
スーパーロングに乗るとなればなおのことです。その大きさは大型と比肩しますし、車両自体が大型のものより軽いため、風による煽られやすさや危険度はこちらの方が増すといっていいでしょう。
他にも乗用車や小型車両とは異なる危険性はあります。具体的に説明しましょう。
車両が大きくなるごとに感覚が変わってくるのは「ブレーキ」です。車自体の大きさにより車体に受ける風の力が変わることはもちろん、荷物や車の全体の重さが全く異なります。ですから4トン車を運転したことのない人がブレーキをかけてみると、そのかかりづらさや鈍さに驚きます。
もう一つは最大の変化と言ってもいいでしょう、車体の長さです。数字で書いてしまえば大した差はないように思うかもしれませんが、実際に車を動かすとドライバー歴のある人でも感覚が掴みづらいものです。
この問題が最大に感じられるのがカーブを曲がるときです。車体が大きいため死角だらけで、車体の終わりがどのあたりなのか分かりにくく、駐車するときも慎重に、事故がないことを一番に意識することが大切です。
スーパーロングの場合はさらに厄介なのは言うまでもないでしょう。なにかと登場することの多い曲者ですが、オーバーハングという後輪より後ろの車体が中でも長いため4トンに乗りなれたドライバーしか乗れないでしょう。魅力が多いが制約も多い4トン車。確かに乗りこなすには時間がかかるでしょう。ですが、それができるようになれば得るものは大きいはずです。
「働いても給料や条件があまりよくならない」、「体力的にも労働時間もしんどくなってきた」、「将来が不安」、でも”いい仕事ってないよなぁ”と感じたりしていませんか?
もしそうなら、ドライバー不足の今は絶好のチャンスです!
ご存じかもしれませんが、ドライバー不足でどこの企業も人を欲しがっているため、これまで考えられなかったような高年収・好待遇の案件が増えてきています!
なので、もしあなたが最近になっても「あまり年収や待遇がよくならないなあ」と感じるなら転職すれば年収・条件アップの可能性はかなり高いです!
【LINEでドライバーの転職相談】
もちろん転職やお金が全てではありません。慣れた環境や仕事があれば長時間労働や低い年収も気にしないという考えもあります。
ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
ただ、ドライバーの仕事は忙しいのでじっくり探す時間はなかなか取れないものです。ホームページに書いてあることが本当かどうかあやしいと感じるドライバーさんもいます。
それなら、ドライバーズジョブの転職サポートサービスに仕事探しを任せてみませんか?
- 転職するしないに関係なく完全無料でサポート
- 電話で希望条件を伝えて待っているだけで好条件の仕事を探してもらえる
- もし応募したくなったら、履歴書や面接のサポート、条件交渉も手伝ってもらえる
ので、仕事を探す方にはメリットしかないようなサービスです!
ドライバーズジョブはドライバー専門のお仕事探しサービスなので運送業界や仕事内容に詳しく、ドライバーや運送業界で働こうと考えるみなさんを親身になってサポートします!
登録はもちろん無料で、気軽な悩みから仕事探しまで何でも相談してみてください。
また、「ちょっともうドライバーは疲れたなあ」「他の仕事もやってみたいなあ」という方もいらっしゃると思います。
今の世の中はどの業種も人手不足で年齢に関わらず未経験者も積極活用中です。ドライバー経験者の方は体力もある方が多く採用でも有利なため、全く別の業界で活躍される方も多くいらっしゃいます。
人材紹介サービスはどの会社も転職希望者に費用は発生しないので(採用企業がコストを支払うため)、気になった方は話だけ聞いてみるのもアリでしょう。