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冷凍車や冷蔵車の特徴と配送ドライバーの仕事とは

冷蔵・冷凍トラックを運転するドライバーを目指す方が知りたいことと、目指す方に知っておいて頂きたいことを広く深く説明していきます。大きく3つに分けて、詳しい情報も挟んでいるので、特に気になる見出しは、ぜひ読み込んで見てください。

冷蔵車・冷凍車とは

冷蔵車とは商品を10℃以下に保ち届けることができるトラックのことで、冷凍車では-15℃以下での輸送が可能です。

冷蔵車・冷凍車の温度

冷凍車・冷蔵車の温度はJAS法(食品保存基準)に定められており、-15℃以下という微生物が増殖できない安全な温度を基準とする食品基準法に基づいています。

しかし冷凍便の温度基準を-15℃以下でなく、-18℃以下に設定している運送会社もあります。というのも特に冷凍食品に関しては、冷凍食品自主的取扱基準も作成されているのです。

これは良好な品質を維持するため、関係する行政と各団体で構成する冷凍食品関連産業協力委員会によるもので、この中で温度は-18℃以下を保持することが定められ、現在まで一貫して守られています。 また、国際標準であるCodex規格でも-18℃以下とされており、その安全性を裏付けています。

こう詳しく知ると、誰しも、普段自分が受け取る冷蔵・冷凍品やその運び手に明るい印象を受けるのではないでしょうか。適切な温度を保った商品を運ぶ冷蔵・冷凍ドライバーは商品そのものだけでなく、安全性が守られたその品質や作り手が込めた真心も載せて運んでいるのです。

冷凍車・冷蔵車の仕事と配送する商品

冷蔵車や冷凍車は幅広い商品を適切な温度で運びます。よって一口に冷蔵・冷凍といえど、ドライバーが仕事で取り扱うものは多岐にわたります。

冷凍車で配送する商品

例えば庫内温度が-18℃以下の冷凍トラックでは冷凍食品や冷凍魚・冷凍肉を運べますが、-25℃で保つことができるトラックではアイスクリームも運びます。

冷蔵車で配送する商品

冷蔵トラックだと同じ魚や肉でも生の鮮魚や精肉、品質のために一定の温度を必要とする野菜や果物の、いわゆる生鮮三品を扱います。冷蔵・冷凍車は走る冷蔵庫と言えるでしょう。「チルド」や「氷温冷蔵」など、家庭用冷蔵庫内にある機能と同じ温度帯の区分もあるのです。これらの温度では牛乳やチーズなどの加工済み乳製品や、ちくわやはんぺんなどの練り物を運ぶのに適しています。

こうして具体的な配送物とその適正温度を挙げていくと、商品に合わせたさまざまな温度帯区分があることも分かります。更に具体的にどんなものを運ぶのか興味のある方は、一度ご自分の冷蔵庫を開けて見てみると理解が深まることでしょう。

その他の冷蔵車・冷凍車の仕事

ですが冷凍・冷蔵車の仕事は食品を載せることだけではありません。観賞魚や生花も冷蔵車が運ぶこともあるのです。配送物というより乗客と呼ぶべきかもしれませんね。

冷蔵車とそのドライバーたちは、過酷な夏場の暑さが苦手な彼らを守りながら送り届けているのですから。もっとも観賞魚に関しては必要な知識や措置が多く、専門の業者が行うことが多いですので、一般配送会社のドライバーはあまりお目にかからないでしょう。

冷凍車と冷蔵車の仕組み

冷凍車・冷蔵車の普通のトラックとの構造が異なるのは、トラックの後ろの部分、架装部分と呼ばれる荷物を載せるところです。

何が違うか、それはもちろん温度です。「冷蔵・冷凍車は走る冷蔵庫」と先述したように、架装部分が冷蔵庫の役割を果たしているのです。ですが家庭用の冷蔵庫とは違うところがあります。それは「コンセント」の有無です。

一般的な冷蔵庫はコンセントから電力供給を行い冷却しています。では冷蔵・冷凍車はどうでしょう。コンセントを繋げたまま走るわけにはいきません。実は同じ冷蔵・冷凍車を、大きく二つに分ける違いがあります。それが、冷却のための動力供給方法です。

冷却のための動力、それはズバリ「エンジン」です。そしてその供給方法で冷蔵・冷凍車は二つに分かれると言いましたが、ここで一つ目の方法をA、二つ目をBとします。

まずAの方法です。これはトラックドライバーでなくとも、車を利用する人なら誰もが使ったことのある機能、「冷房」と同じやりかたです。車のエンジンがついていれば使える庫内冷却です。

次に二つ目のB。こちらでは車のエンジンは使いません。ではどうするか、「冷房」専用のエンジンを配送物と一緒に積み、そこから動力を得るのです。つまりAとBの違いは、トラックに載っているエンジンが「一つ」か「二つか」ということなのです。

冷凍車と冷蔵車はエンジンが切れないってホント?

2つのエンジンがあれば片方を切ることが出来る

「冷蔵・冷凍車はエンジンを切ることができない」というのを聞いたことがありませんか?なぜなら、いかなる時も配送物である商品の温度を保たなければいけないからです。積み荷を降ろす時、配送の合間に休憩を取る時などがそのタイミングです。

ですが先ほどの文章を読んで頂くと、「そうでもない」ことが分かるのではないでしょうか。

実は冷蔵・冷凍車でもエンジンを切ってもいいのがBのトラック、切ってはいけないのがAのトラックです。

例えばエンジンが2つ付いているBタイプではトラック自体のエンジンを切ってしまっても、冷却用のエンジンが動いているので庫内の温度はきちんと保たれたままです。

しかしAの場合はどうでしょう?車のエンジンを切ってしまえば「冷房」は使えません。乗用車でも同じですね、車内のエアコンをつけたままにするため、車を止めるときにアイドリングにしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ですが実際、多くの冷蔵・冷凍トラックのドライバーは車を止める時はアイドリングにしています。一般の配送会社では、Bの方法を使わない場合が多いのです。

最大積載重量の関係でエンジンは1つの場合も多い

Bの方法をよく考えてみると、その理由が見えてきます。冷却専用のエンジンをトラックに載せるとなると必要なものが出てきてしまうのです。

それは場所と、最大積載重量です。

最大積載重量とは読んで字のごとく、どれだけの重さを載せられるか。当然のことながらそれぞれのトラックには、荷物を載せることができる容量と重さの許容範囲があります。そのなかでエンジンをもう一つ積んで走るとなると、その他に載せることができる配送物の量は大幅に減らさなければいけないのです。

そのためBの方法は主に容量と最大積載重量が大きい、大型トラックで採用されることが多いです。

効率を考えれば一つのトラックにはなるべく沢山の配送物を積みたいものです。ですからAのトラックに乗って走るドライバーたちは「エンジンは切らないで」配送物を降ろしたり、休憩を取ったりするのです。

これから冷凍車と冷蔵車の配送ドライバーになる方に向けて

商品温度を保つことこそが冷蔵・冷凍車の最重要ポイント

冷蔵車や冷凍車にとっての死活問題とは何だと思いますか?

それは想定外の出来事、つまりアクシデントにより庫内の温度が保てなくなることです。配送物の適切な温度を守るための冷蔵・冷凍車。これができなくなってしまったとなれば普通のトラックと変わらない訳ですから、まさに死活問題と言えます。

そしてそれはトラックの問題だけでなくドライバーの問題、運送会社の問題へと繋がります。例えば冷蔵車の冷却機能が壊れてしまったとしましょう。運ばれるはずだった商品を予定通りに運ぶことができず、運送において大切な流通を滞らせます。

ドライバーや運送会社は管理責任を問われ信用問題にも関わります。トラックの死活問題はドライバーや運送会社の死活問題でもあるのです。これは冷蔵・冷凍車に限らず、すべてのトラックドライバーに共通していることですね。

トラックは大事に使いましょう

当たり前に聞こえる見出しのこの言葉ですが、その重要性を前段落で察して頂けるのではないでしょうか。

トラックを大事に扱えば、不慮の事故の可能性もグッと低くなります。ドライバーにとってトラックとは、商品を載せている以前に自らの命を載せて走るものです。何か異常がないか、常に気を配りましょう。そしてドライバーを目指す方は第一に安全性を重視した環境を見つけることが大切です

。多くの運送会社では事故を未然に防いだり、流通の停滞を減らしたりするために定期的な検査を行っていますが、より精度が高く丁寧な管理・措置を施す運送会社を選ぶと良いでしょう。「トラックを大事にする」環境は、自分自身を大切にできる環境であるとも言えるのです。

より良い環境でより良いドライバーになるために

「良い野菜は良い土壌から」であるように、良いドライバーとして長く安定して務めるには、より良い環境選びは非常に重要です。

まず注目すべきなのはトラックの管理方法や使用年数、検査の頻度やその精度です。

ですが確認すべき点はそれだけではありません。ドライバーの希望をきちんと汲み取ってくれる、無理なく働ける会社であるか。自身のスキルアップを目指せるかや、今の自分に合わせた働き方ができるかなどの点にも留意しましょう。

普通免許の所持だけではかなり限られるトラックドライバーとしての仕事も、中型、大型免許を取得することができれば、仕事の幅も広がり、当然収入を大幅に増やすことにも繋がります。運送会社の中には、そういったスキルアップを目指すドライバーが支援を受けつつ働くことのできる会社もあるのです。

またお子さんがいらっしゃる方にとってはお子さんとの時間をなるべく優先したいでしょう。そんな人たちが働きやすいように託児所を設けている運送会社だってあるのです。

ドライバーとしての職を探される方は、自分がどんなことを優先したいかを明確にし、条件を満たしてくれる職場を根気強く探しましょう。

そしてそんな環境でドライバーとなれたあかつきには、仕事のパートナーであるトラックを思いやってください。オイル漏れはないか、動作時に異音がしていないか、何か気になることがあれば放置せず、つぶさな対応ができるドライバーとして、末永く働いて頂ければ幸いです。

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