タンクローリー運転手の仕事とは
タンクローリー運転手の仕事内容
タンクローリー運転手の仕事内容は、荷台に積まれたタンクの中にある石油などの運送物を運ぶことです。一般的なトラックと同様、荷物を積み込む、目的地へ運ぶ、荷下ろしをする、といった仕事の流れになっています。
タンクローリードライバーの仕事で扱うのは燃料である重油やガソリン、液状食品素材の液糖類やミネラルウォーター、酒などの液体のほかに高圧ガスなどの気体があります。
配送ルートは近距離がメインで、配送先はガソリンスタンドや工場が多いです。灯油やガソリンを扱うタンクローリーの場合、製油所で燃料を積み込みガソリンスタンドへ配送、荷下ろしをして製油所に積み込みに戻るといった流れになっていて、この作業を1日に2~3回繰り返します。
一般的なトラックでは運べない燃料や劇薬といった特殊な貨物を運ぶのがタンクローリーの大きな特徴と言えます。
タンクローリー運転手の給料/年収
タンクローリー運転手の給料は月収で30万~35万円の求人が多く、年収はおよそ400万~500万円となっています。
タンクローリー運転手の場合、取り扱う貨物の種類によって年収にも差があり、ケミカル製品の場合は年収600万円を超えることもあるため、タンクローリーの種類を事前に調べておくことも大切です。
同じドライバー職で比較すると、大型トラック運転手の年収が約460万円なので同等か少し高い水準となっています。
タンクローリー運転手の楽なところ
タンクローリー運転手の楽なところといえば、積み下ろし作業で体力を使わないところです。タンクローリーは一般的なトラックの仕事のように手積み手下ろしやフォークリフト、クレーンでの作業が必要なく、機械によって行うことができます。そのため、体への負担が少なく、荷物の持ち運びで肩や腰を傷めるリスクが低いなどのメリットがあり、体力的に非常に楽なため年齢関係なく長く働くことができます。
また、ドライバー全般に当てはまることですが、人間関係を気にせず働けるメリットもあります。ドライバーは1日の大半を一人で過ごすので、職場の人たちと接する時間も短く人間関係でぎくしゃくすることがほとんどありません。そのため、余分なストレスを抱えずに働けるので精神的にも楽な状態で毎日を過ごすことができます。
この他には、長距離運転が少ないことも楽な点として挙げられます。タンクローリー運転手の場合1日の走行距離が200kmほどで、長距離運転手のように泊まりで数日かけて走行することがないため負担が少ないです。
タンクローリー運転手のきついところ
タンクローリー運転手のきついところのひとつに拘束時間の長さがあります。1日の拘束時間は大体12時間から長い場合だと15時間に及ぶこともあり、一般の会社に比べるとかなり長いと言えます。これは人手不足によって一人当たりの負担が大きくなってしまうのが原因で、運送業界全体に共通して言えることです。
このほかに、危険物を取り扱うためにルールが厳しい点、燃料の入れ間違いを起こさないよう細心の注意をしなければならない点など、タンクローリー特有のきつい部分としては体力的なことよりも精神的なものが多くあります。
特に燃料の入れ間違いに関しては、ガソリンと灯油を間違えてしまうようなことがあれば火災の原因にもなりかねないうえに、早い段階で気づいてもタンクの燃料を抜き取って洗浄しなければならないため莫大な費用がかかります。
このようなひとつのミスが起こると大きな損失になるため、プレッシャーが非常に大きい仕事と言えます。
タンクローリー運転手に転職するために必要な資格
大型免許
タンクローリー運転手の転職を考えるなら大型免許は持っておくのがおすすめです。まれに中型や小型の求人もありますが、多くの求人が大型免許を募集条件としています。
ドライバー不足のため、入社後に取得制度を設けている会社もなかにはありますが、できることならあらかじめ取得しておくことをおすすめします。
理由としては、複数の応募があった際に有利に働くからです。ドライバー経験者ならともかく、未経験の方の場合はよりハンデとなるため、真剣に転職を考えるならなるべく取得しておく必要があります。
牽引免許
牽引タイプのタンクローリーを運転するには牽引免許が必要になります。
転職では大型免許ほど必要性は高くなく、会社によっては大型免許は必須で牽引免許は有れば尚可としていることが多いです。もちろん、取得していれば仕事の選択肢が増えますし、面接においても有利になるので損はありません。
ただし、免許取得費用に10万円以上かかるので取得支援を行っている会社を探して取得させてもらうというのもひとつの方法です。
危険物取扱者の資格
タンクローリーは積載物の種類によっては危険物を扱うため、求人の応募条件に危険物取扱者免許が記載されている場合があります。なかでも乙種4類は保有しておくと便利で、
- ガソリン
- アルコール酸
- 灯油
- 軽油
- 重油
- 動植物油類
などタンクローリーで運ぶ機会が多いものが対象となります。よって資格を取得しておくと転職の際に有利になり、費用も4,600円と安いのであらかじめ取得しておくのもよいかと思います。
高圧ガス移動監視者の資格
タンクローリーの積載物には高圧ガスや液化ガスなどがあり、輸送するためには高圧ガス移動監視者の資格が必要になります。
危険物取扱者免許と同じく求人の応募条件に記載されている場合があるので、高圧ガスを取り扱う会社への転職を検討するなら早い段階で取得しておくと面接で有利になるためおすすめです。
毒物劇薬取扱責任者の資格
毒物劇薬取扱責任者は危険物と高圧ガス同様、タンクローリーの積載物として取り扱う場合に必要となり、転職時に取得していると有利になる資格です。
毒物劇薬取扱責任者の試験は各都道府県で実施されていて、受験費用に関しては東京都の場合12,900円で受験することができます。年に1回しか実施されないため、受験する際は事前に試験日を調べておくのがおすすめです。
タンクローリー未経験者でも転職できるのか
運送業界全体が人材不足ということもあり、タンクローリーの求人においても未経験者の採用を積極的に行っている会社が数多くあります。そのため、業界未経験者にも転職のチャンスはあります。
ただし、採用されるためには最低限、大型免許は取得しておく必要があります。理由としては、やはりドライバー経験者と面接で競合した場合に不利になりやすいからです。
会社によっては資格取得制度や研修制度を設けていることもありますが、費用のことを考えると会社側も支出はなるべく抑えたい思いがあるので、経験者や免許取得者のほうが有利になります。
未経験者のハンデを補うために、できることなら大型免許以外にも危険物や高圧ガスの資格など取得できるものはなるべく取得しておくのがおすすめです。
タンクローリー運転手の転職経験談
未経験からタンクローリーに転職したAさん
高校を卒業してから10年間地元の町工場で溶接工として働いていました。
ドライバーへの転職を考えるようになったのは、元々車の運転が好きだったことと工場の閉鎖的な環境から解放されたかったのがきっかけです。
ドライバーになるなら大きいトラックに乗りたいと思っていたので、工場で働いている時に休日を利用して大型免許を取得していました。
業界未経験でしたが、求人には割と未経験者の募集もあったのでそれらの求人から優先的に応募していきました。
大型免許を取得していたこともあって、3社目で内定を貰うことができ、思っていたよりも早く就職先を決めることができたので良かったです。
タンクローリーの運転に最初は不安もありましたが、研修がとてもしっかりしていたのですぐに慣れることができました。
将来的には牽引免許を取って今よりももっと大きいトラックに乗れるようになりたいと思っています。
40代でタンクローリーに転職したBさん
以前は配管を扱う会社で中型トラックのルート配送ドライバーとして働いていました。
仕事自体に不満はなかったのですが、給料が低く幼い子供もいたため、将来への不安が大きくなり転職を決意しました。
大型免許はもともと持っていたので、より稼げる大型トラックの仕事を探していましたが、年齢的にも長距離ドライバーはきついと思い、負担の少ないタンクローリーをメインに転職活動をはじめました。
ドライバーの経験と大型免許を持っていたこともあり、3社から内定を貰うことができました。
転職して収入は以前よりも増え、積み下ろしの負担もなくなり長年の腰痛もすっかり回復するなど非常に満足しています。
40代で未経験でしたが、ドライバーの経験があれば採用される余地は十分あるので、私と同じような境遇の人には諦めずに挑戦して欲しいと思います。
タンクローリー運転手に転職するためにするべきこと
大型免許だけでなく牽引免許や危険物取扱者の資格もとる
タンクローリーには必要な資格がたくさんあるため、転職前にたくさん資格を取っておくのがおすすめです。
資格取得支援を行っている会社もありますが、あらかじめ資格を持っていたほうが面接でアピールできて有利になるからです。とくに業界未経験の人が免許も資格も持っていないとなるとかなり不利です。費用はかかりますが、自己投資だと思って積極的に行動することをおすすめします。
ドライバーとしての経験を積む
ドライバーとしての経験があればタンクローリーの転職に有利です。なぜなら業界未経験の人を採用するよりも、ドライバー経験がある人のほうが一から教育する手間がなく即戦力になりやすいからです。
タンクローリーは大型車なので、ドライバーとしての経験を積むなら小型・中型にとどまらず大型トラックへとステップアップしていくのがおすすめです。
求人情報を集める
タンクローリーの求人情報の集め方には、ハローワーク、友人の紹介、情報誌、求人サイト、転職エージェント、など様々な方法があります。
タンクローリー運転手の転職で失敗しないためにも、求人情報はなるべく多く集めたほうがよく、これらの方法は全て試してみるのがおすすめです。
未経験OKや資格取得制度の有無、待遇についてなど多くの情報を比較しながら自分にあった求人を探すようにすることで、失敗のリスクを減らすことができます。
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ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
ただ、ドライバーの仕事は忙しいのでじっくり探す時間はなかなか取れないものです。ホームページに書いてあることが本当かどうかあやしいと感じるドライバーさんもいます。
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