タンクローリーとは
タンクローリーとは気体や液体、固体を運搬するための特殊用途自動車のことを言います。トラックと同じ貨物自動車の一種ですが、特に液体や気体を運搬するのに適しています。
またトラックの種類のうちタンクローリーの種類は、用途によって、危険物を運搬する危険物ローリー、非危険物を運搬する粉粒体運搬車、ローリー、高圧ガスを運搬する高圧ガスローリーなどに分かれます。
大きさも同様に用途によって、大型のセミトレーラー型ローリーから、軽自動車規格に収まる小さなタンクローリーまで様々あります。

タンクローリー乗りという仕事とは
タンクローリー運転手の主な仕事内容
タンクローリー運転手の主な仕事内容は、一般的なトラックドライバーとあまり変わりません。運搬する荷物を積み、納品先まで運搬し、荷下ろしを行う、この作業を1日に数回繰り返すことが、タンクローリー運転手の仕事内容です。
しかし運搬する荷物が一般的なトラックドライバーと大きく違い、気体や液体状、または小麦粉のような粉粒体であるため、荷物の積み込みや荷下ろしをドライバーが手作業で行う仕事は少なく、肉体的疲労はあまりありません。

タンクローリー運転手の走行距離
タンクローリー運転手の仕事にも、一般的なトラックドライバーと同様に、地場ドライバーから長距離ドライバーまで様々な仕事があります。したがってタンクローリー運転手の走行距離は職種によって異なりますが、おおよそ300kmから500kmと言われています。
タンクローリー運転手の労働時間と残業
タンクローリー運転手の労働時間と残業は、その日の配送件数や道路状況によって大きく変動します。閑散期ならば16時に終わっていた仕事でも、繁忙期には20時を過ぎるようなこともあります。
また24時間稼動のタンクローリーを10時間交代で運転する仕事もあるなど、シフト制がよく用いられるタンクローリー運転手の仕事は、労働時間や残業時間が企業によっても大きく異なります。
タンクローリー運転手の休暇/休日
タンクローリー運転手の仕事には、シフト制が用いられていることが多いです。その場合、休日が変則的になる可能性が高く、土日や祭日も仕事となっていることがよくあります。
またガソリンスタンドなどの、お盆にも営業をしている企業へ配送を行うタンクローリー運転手は、お盆にも仕事をする必要があります。そのため休暇の時期もずれていることが多いです。
タンクローリー運転手の福利厚生
タンクローリー運転手の福利厚生には、昇給や賞与、社会保険完備や通勤手当など様々なものがあるため、他業種に比べて少ないといったことはありません。またタンクローリー運転手に対しても、ドライバー仕事の福利厚生に多い、無事故手当や免許取得支援行っている企業もあります。
タンクローリーの仕事の種類
タンクローリーの仕事にはトラックドライバーと同様に、近郊や隣接県に配送を行う地場ドライバーから、数百km離れた納品先へ数日かけて配送を行う長距離ドライバーまで、様々な仕事の種類があります。
また運ぶものによっても、タンクローリーの仕事は種類が異なります。牛乳や小麦粉のような、非危険物の運搬であれば特殊な資格は必要ありませんが、高圧ガスを運搬する場合には高圧ガス移動監視者講習の修了が、危険物を取り扱うのなら対応する危険物取扱者の資格が必要です。
タンクローリー運転手の1日の仕事の流れ
タンクローリー運転手の1日の仕事の流れは、一例を挙げると、まず5時に出社し、配車内容の確認やアルコールチェックなどを行うことから始まります。
点呼終了後の5時半から油槽所で積込を行い、積込終了後納品先に向けて輸送を開始します。これを1日に数回繰り返します。
11時半から昼の休憩があり、帰社は15時半です。しかしこれで仕事が終了するわけではなく、アルコールチェックや車両点検、ミーティングなどを行うため、仕事の終了時間は16時半頃となります。
タンクローリー運転手の給料/年収
タンクローリーは、牽引免許が必要なトレーラーか、大型免許が必要な大型トラックであることが多いです。
牽引運転手の平均の給料は、月収では43.0万円、年収では516.0万円であり、大型運転手の平均の給料は、月収では40.2万円、年収では481.8万円となっています。どちらもトラック運転手の平均の給料である、月収37.5万円、年収449.4万円を上回っています。
またタンクローリー運転手には、危険物の運搬の仕事もあります。特殊な資格が必要な仕事は、さらに高い年収を得られる傾向があります。

タンクローリー運転手の仕事は楽だとよく言われる
給料水準が高い
一般的に、トラック運転手の平均年収は449.4万円と、世の中の全業種の正規社員の平均年収である503.5万円に比べて少ないです。
しかしタンクローリーは危険物を運んだり、牽引免許が必要なトレーラーであったりするため、運転には特別な資格や免許が必要な場合が多いです。そのため、その分給料水準が高くなっています。給料が高い分、タンクローリー運転手は、他のトラック運転手に比べると生活を楽に送ることができます。
重い荷物の積み下ろしがない
タンクローリー運転手は、運搬するものが液体や気体、または粉粒体であることが多いです。そういった場合、荷物の積み下ろしは、タンクローリーと荷物を貯蔵している層とをホースやアームで繋げ、待つだけとなります。
したがって重い荷物の積み下ろしをすることはなく、一般的なトラックドライバーに比べると体力的に非常に楽です。また、積み下ろしを行う荷物の種類や数量は、コンピューターで管理されていることもあります。積み間違えや下ろし間違えが起こることもほとんどないため、そういった意味でも、タンクローリー運転手の積み下ろしは楽と言えます。

長距離輸送でない仕事もある
タンクローリー運転手の仕事の中には、長距離輸送もありますが、地場ドライバーとして近郊や県内を納品先とする仕事も多くあります。地場ドライバーは、決まった時間に仕事を終えられたり、慣れた道を走ることができたりするため、長距離ドライバーに比べると体力的にも精神的にも楽と言えます。
人間関係上のトラブルが少ない
1日に何十件も配送するなど、人と関わる機会が多い場合には、人間関係でトラブルが発生することもありますが、タンクローリー運転手は基本的に、1日の配送件数が概ね2件から4件と、非常に少ないです。
したがってトラック運転手の中でも、特に人と関わる機会が少なく、人間関係上のトラブルも少なく精神的に楽です。
高いコミュニケーション能力を必要とされない
トラック運転手の中には、自社製品の販促活動や新規荷主の獲得などの営業活動を行わなければならないドライバーも多く、高いコミュニケーション能力が必要とされることもあります。
しかしタンクローリー運転手に営業活動を求める企業は少ないです。したがって高いコミュニケーション能力が必要ないことも、楽な点です。
タンクローリー運転手の仕事はきつい/激務だというのは本当?
タンクローリーの運転は難しい
仕事に用いられるタンクローリーには、大型やセミトレーラー型が多くありますが、大型の車両や、トラクタとトレーラが分かれているトレーラーは、運転が非常に難しいためミスを起こしやすく、事故を発生させてしまう危険性が高いです。運転中常に気を配らなければいけない点が、タンクローリー運転手の仕事がきつい、激務だという理由の一つです。
運転のルールが厳しい
タンクローリー運転手の仕事が激務だという理由には、運転のルールが厳しい点も挙げられます。タンク内で動きやすい液体が積荷であることが多いタンクローリーは、一つのミスで横転してしまう危険があるため、安全速度の徹底など、定められている運転のルールが非常にきついです。
またタンクローリーは危険物を積んでいることも多く、事故を起こすと大きな被害を出してしまう可能性があります。その点でも、速度制限や作業手順などが厳しく決められています。
ミスが許されない
タンクローリー運転手が運搬するガソリンや軽油、灯油などは荷下ろし時に間違えてコンタミ事故を起こしてしまっても気づき辛く、そのまま販売されてしまうことがあります。ガソリンが混入した灯油をストーブで使用した場合、火災が起きてしまう可能性があるため、絶対にミスは許されません。
そのため、タンクローリー運転手の荷下ろし時の確認作業は非常に多く、それがタンクローリー運転手が激務であり、きつい理由にも繋がっています。
拘束時間が長い
タンクローリー運転手の仕事の中には、早朝4時から仕事を始め、終わるのが20時過ぎになるような、拘束時間が非常に長い仕事もあります。労働時間や運転時間の限度、設けなければならない休息時間は定められているため、常に仕事をしているわけではありませんが、長い拘束時間は身体的にも精神的にもきついです。
また早朝から夜遅くまで仕事をしていると、睡眠時間などが減り、疲労が抜けなくなってしまうため、拘束時間が長いことは、タンクローリー運転手が激務に感じる大きな理由です。
タンクローリーの運転が難しいのはなぜ?
タンクローリーにはセミトレーラー型が多いですが、トレーラーはトラックと比べても内輪差が大きい上に死角が広いです。またジャックナイフと呼ばれる独特の挙動などが多数あり、気をつけなければならない点が非常に多いため、運転が難しいです。
さらにタンクローリーは、液体を運搬することもあります。液体はタンク内で動きやすく重心がずれてしまうため、横転の可能性が高まります。タンクローリー運転手は、様々な特性を理解して運転に望まなくてはいけません。

https://www.youtube.com/watch?v=WwlQF696WwY
結局、タンクローリーの仕事ってどうよ?ドライバーのブログからわかる真実
タンクローリーのドライバーのブログには、タンクローリーの仕事はドライバーの仕事としては比較的楽である、ということが書かれています。
タンクローリー運転手がきつい、激務だという理由には、ミスが許されず精神的に疲れるという点や、拘束時間が長く体力がもたないという点が挙げられますが、近年ではどちらも改善傾向にあるからです。
まずタンクローリー運転手がガソリンを灯油として納品してしまうコンミスには、コンピューターで管理するという対策が取られています。コンピューターで管理している場合には、油種が違えばバルブが開かない仕様になっているため、コンミスは起こりません。
そして拘束時間は、ドライバーの仕事に定められた、拘束時間や労働時間の限度を守るように業界全体が動いています。
タンクローリーの仕事ってどうよ、という問いには、他業種に比べると長時間の運転など肉体的にきつい面もあるものの、ドライバーの仕事としては比較的楽、と言えます。

タンクローリー運転手への転職は楽なのか?
トラック業界は有効求人倍率が他業種の2倍にもなっているなど、慢性的に人手不足となっています。特にタンクローリー運転手は、大型免許取得者が少なくなっている上に、牽引免許や危険物取扱者の資格など、人材の確保が非常に難しいです。
したがって、タンクローリー運転手の仕事への転職は、牽引免許や運搬する積荷に対応した資格を持っていれば、比較的楽であると言えます。


タンクローリー運転手の仕事のやりがい
タンクローリー運転手の仕事は、資格を持っていなければできないことが多く、非常に専門性の高い替えの効かない仕事です。また運搬する積荷は、石油製品や薬品、食料など、社会にとって欠かせない物が多いです。そのためタンクローリー運転手の仕事は、社会に貢献しているというやりがいを常に感じられます。
さらにタンクローリー運転手のような牽引運転者の給料は、他のドライバーに比べて高く、給料面でもやりがいを感じられる仕事となっています。
タンクローリーの仕事はこんな人におすすめ
タンクローリー運転手の仕事も他のドライバー同様、運転する時間や1人の時間が長いので、運転が好きな人や1人が好きな人におすすめの仕事です。
またタンクローリー運転手特有の点として、積荷が液体や気体のため手積みすることがない点が挙げられます。そのためドライバーの仕事に就きたいが体力や筋力に自信がない、という人にもおすすめです。

タンクローリー運転手の仕事に必要な資格と免許
大型免許が必要
タンクローリー運転手の仕事には、中型免許や準中型免許で運転可能なタンクローリーの仕事もあり、中には普通免許で運転可能な小型や軽自動車のタンクローリー運転手の仕事もあります。しかしタンクローリー運転手の求人のほとんどが、大型のタンクローリーでの仕事であり、大型免許が必要です。
ただし大型免許を持っておらずとも、タンクローリー運転手を募集する会社の中には免許取得支援を行っている会社もあるので、入社することが可能な場合もあります。
タンクローリーのトレーラー車には牽引免許が必要
タンクローリー運転手の仕事の多くには、セミトレーラー型のタンクローリーが用いられています。トレーラーの運転は通常のトラックの運転とは異なるため、大型免許などだけでは不可能であり、牽引免許も必要となります。
牽引免許にかかる費用は、合宿や一発試験など様々なパターンがあるため一概には言えませんが、教習所に通う通常の取得方法では、12万円から15万円ほどかかるとされています。
LPガスなど積載物によってはさらに資格を要求される
タンクローリー運転手には、ガソリンやガス、劇物などの危険物を運ぶ仕事があります。その際、タンクローリーは移動タンク貯蔵所と定義されるため、運搬する危険物を管理する資格が必要になります。必要な資格とは、下記のようになります。
- lpガスなどの可燃性ガスであれば高圧ガス移動監視者です。他の可燃性ガスや、毒性ガス、液化ガスなどの運搬の際にも、高圧ガス移動監視者の資格が必要です。
- ガソリンなどを運搬する際に必要な資格は、危険物取扱者です。危険物取扱者には甲種、乙種、丙種などの区分けや、1種から6種までの分類があり、対応する危険物の資格を取得する必要があります。
- ガソリン、軽油、灯油などの運搬に必要な資格は、甲種、乙種4類、または丙種です。
- そして毒物、劇物の運搬の際には、毒物劇物取扱責任者のいる事務所から、業務上取扱者としての届け出が必要になります。
資格ではありませんが、タンク内に危険物を貯蔵する場合、危という表示や、種類や品名、最大数量などの表示も必要です。
対応する資格がないにも関わらず運搬した場合、消防法に違反することになり、罰金または懲役に処される可能性があるため、絶対にしてはいけません。

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