トレーラーの運転手はなぜかっこいいのか
トレーラーとは
トレーラーはけん引されて多くの貨物を運ぶための車両です。町中ですれ違うトレーラーは、けん引車に繋がれた状態で走っているので、ひとまとめにトレーラーと呼ばれることも多いですが、正式にはトラクタ(けん引車)とトレーラ(被けん引車)というように呼び分けられています。
トラクターは別名トレーラーヘッドもしくはヘッドと呼ばれており、中型から大型自動車の区分になります。一方のトレーラーはシャーシに荷台と車輪が付いた構造で自走はできませんが、貨物自動車の区分になります。
トレーラーの連結はカプラーと呼ばれる穴にキングピンの突起を差し込んで行います。切り離しと接続が簡単にできるので、目的地で別のトレーラーとつなぎ替えることも短時間で行えます。
トレーラーの運転手は技術とテクニックが高くてかっこいい
一度にたくさんの荷物を運搬できるトレーラーですが、それだけ車体が大きいです。特に長いものだと連結時で全長が20mを超えることもありますし、連結部分が独特の動き方をします。
よって右左折や車庫入れといった基本動作でも高い運転技術やテクニックが必要になるのです。加えてけん引免許が必要な点も難易度を高めています。狭き門であるがゆえに、大型トラックの運転手ですら、いつかはかっこいいトレーラーに乗ってみたいという憧れを持つ人も多いのです。
トレーラーの運転手はトラックドライバーの中でも給料が高くてかっこいい
種別 | 平均年収(概算) |
小型トラック、中型トラック | 300~400万円 |
大型トラック | 450~550万円 |
トレーラー | 500~600万円 |
運転技術が難しいトレーラー運転手の平均年収は約500~600万円台で、他の物流ドライバーと比べて高い給料となっています。
これはけん引免許に該当する技能手当が加わるからです。加えて長距離手当や、運搬物によっては危険物手当も期待できますので、中には750万円以上稼ぐ人もいます。
また昨今では大手の物流会社を中心としてコンプライアンスの強化に取り組んでいるので、昔のように残業代が支払われないといったトラブルも減りました。荷待ちの待機時間が長くなりがちなトレーラー運転手にとっても、プラスの材料と言えるでしょう。
トレーラーの運転手は男らしくてかっこいい
長大な車両を思いのままに操るトレーラー運転手の仕事は、大変な一面もありますがとてもかっこよく見えます。交通状況に配慮しながら特殊な車体を事故なく目的地へと導くには集中力が欠かせませんし、長時間運転できる体力も必要です。
トラックと比べて積み下ろしをする機会が少ないので、女性のトレーラー運転手も増えつつありますが、性別を問わずトレーラー乗りが凛々しく感じられるのは努力と経験の積み重ねによるものでしょう。
運転しているとかっこいいトレーラー
かっこいいトレーラーのメーカー
国産車のトレーラーもかっこいいですが、珍しい外車のトレーラーの中では、スカニアの機種が人気です。スカニアはスウェーデンの重工業メーカーで、大型トラックの生産台数が世界第3位です。
大きく目立つ『SCANIA』のロゴ、3mを超える高い車高と見晴らしのよい運転席が特徴です。丈夫なボディに加えてパワフルなエンジンも魅力で最大で730馬力を誇ります。日本国内の規制に縛られないので、迫力のあるデザインと中身に仕上がっている点が魅力です。
かっこいいトレーラーのカスタム
手軽にできるかっこいいカスタムで人気なのは灯火類です。流れるようなウインカーを演出するコンビネーションランプ、トレーラーの荷台や足回りに両面テープで貼るだけのテープライトなどがあります。いずれもLEDなので消費電力が少なくて明るいのがメリットです。トラックやトレーラーに対応した直流24Vタイプを選んで下さい。
車検のときに光量チェックで引っかからないよう、車検対応の商品であるか確認することも大切です。
トレーラーの運転手に必要な免許/資格
大型免許とは
車両総重量が11t以上、最大積載量が6.5t以上の車両を運転するのに必要なのが大型自動車免許です。トレーラーで運搬する貨物の重量は10tを軽く超えることが多いので、早めに取得しておくようにしましょう。
受験資格は21歳以上であること、普通免許や中型免許などを取得して3年以上経過していることです。
ドライバーは視力検査に加えて、正しい遠近感を持ち合わせているかをテストする深視力検査もあります。これに合格しなければ技能教習に進めません。
けん引免許(牽引免許)とは
750kgを超える車両をけん引するときに必要な運転免許です。こちらも大型免許と同様にトレーラードライバーになるには欠かせない免許といえます。
受験資格年齢は18歳以上なので、大型免許より先にけん引免許を取得できます。普通免許と同様に教習所や合宿に通うパターンが一般的で、深視力を含む適性検査と技能講習および試験が行われます。
なお学科の試験はありません。取得にかかる費用は10~15万円程度を見ておくと良いでしょう。
けん引2種免許(牽引免許)とは
連結バスなど、客を乗せて走るトレーラーバスのドライバーになるには、大型免許に加えてけん引2種免許も必要です。
ただし国内では運転する乗り物がほとんど無いので受験者は少ないです。しかも通常のけん引免許と比べて合格ラインが10%高いこともあり、年に数百人程度しか合格者が出ないレアな運転免許です。
けん引2種免許を取得するには運転免許試験場で直接技能試験を受けてパスしなければなりません。教習所などでの技能講習は行われません。
危険物取扱者免許とは
トレーラーが運ぶ重量物の中には、引火性や爆発の危険があるものも含まれます。よって消防法で定められた危険物を積んだ車両を運転するときには危険物取扱者免状の携帯が義務付けられています。
この免許は甲種、乙種、丙種の3種類あり、甲種を取得すれば乙種の6分類すべての取扱いが出来ます。
タンクローリーのドライバーになるには、ガソリンや灯油などを取り扱う乙種4類を取得しておくのが望ましいです。
トレーラーの運転技術とテクニック
トレーラーに必要な基本的な技術
数ある乗り物の中でも特に運転が難しいとされるトレーラーですが、運転をする上でまず大切なのは、ヘッドと連結した車両の長さを把握しておくことです。長いといっても10mなのか20mなのかで挙動は全く変わってきます。
後述するバックのときはもちろんのこと、最も基本的な動きである直進でも油断は禁物です。けん引されているトレーラーの動きはハンドル動作に対して反応が遅れるからです。この傾向は長いトレーラーほど、そして車軸が多くなるほど顕著に出ます。
運転感覚を養うには、ヘッドの向きそのものがトレーラーの前輪であるというイメージを持つようにしましょう。これはトレーラーを走らす上での基本技術になります。車体が大きければ死角が増えることも覚えておきましょう。
右折の運転技術とテクニック
トレーラーで右折するには、まず対向車の存在を確認し、安全に右折できる余裕があるかを見て下さい。全長が長いので一般車よりも右折し終わるのに時間がかかるからです。
左折時より大きくカーブできるので運転技術としては難しくありませんが、十分に減速してからハンドルを切るようにしましょう。スピードが乗った状態で急ブレーキをかけるとタイヤがロックしてしまい、制御ができなくなる恐れがあります。安全な右折には特別なテクニックよりも慎重さが求められます。
左折の運転技術とテクニック
トレーラーで左折をするには技術が必要です。自家用車を運転するのと同じタイミングでハンドルを切ってしまうと内輪差で後輪が縁石にぶつかってしまうからです。
上手にカーブするテクニックとしては、運転席が交差点内に進入してからハンドルを切り始めると良いです。ただしこのときに大きく旋回しすぎてしまうと左折方向の対向車線で信号待ちをしている車と接触してしまうのでこれにも注意が必要です。
サイドミラーや目視で巻き込み確認をして左側を通り抜ける自転車やバイクが無いか確認することも忘れないようにしましょう。横断歩道の通過時はアンダーミラーを使って車両の真ん前を渡る人がいないかチェックするのが望ましいです。
トレーラーのバック運転(後進)の運転技術とテクニック
トレーラーの運転で一番難しい動作の一つがバックです。ヘッドとの連結部を介して動きが伝わるため、ハンドルを切らずに直進バックをしているつもりでもトレーラーに折れ角が生じます。ここが乗用車のバックと違って技術を要する部分です。
思い通りにバックをするテクニックは以下の2点です。
- トレーラーが右『左』に折れ出したらハンドルを少し右『左』に切って調整する
- ゆっくり、慌てないこと。分からなくなったら一度前に出る
補足するとハンドルを右に切りながらバックすることでヘッドの後輪は左を向くことになります。そうするとトレーラーは左舵を切ったかのように左に向きを変えるのです。『バックのときはハンドルの切る方向と反対方向にトレーラーが折れる』と覚えましょう。
トレーラーの車庫入れと方向転換の運転技術とテクニック
トレーラーの運転テクニックで最も難しいとされる車庫入れや方向転換ですが、まずは周囲の安全を確認することが第一です。窓を全開にして目視ができる状態にしておきましょう。
右バックで説明すると以下のような流れになります。左バックはこの逆になります。
- まずは内輪差分だけ右側のスペースを確保して停止
- ハンドルを左に切って少しバックし、トレーラーを右に少し折る
- ハンドルを少し戻して右に折れたトレーラーを押すようにバックする
- 舵角を調整しながら右の角にトレーラーの後輪が当たらないよう目視する
- 車両と車庫の右側面が平行近くになったらハンドルを右に切ってヘッドを起こす
後方視界確保と技術向上のためにバックカメラやモニターも有効活用しましょう。
トレーラーの運転で気を付けなければいけない現象
トレーラーのジャックナイフ現象
トレーラーを運転中に強いブレーキを踏むとヘッド側の後輪がロックし、それにトレーラーが付いて行けず、連結部を中心にして慣性の力で『くの字』に強く折れ曲がってしまう現象のことを言います。重量物を積載したトレーラーのブレーキ反応が鈍ることが原因です。
このジャックナイフ現象を防ぐには急ブレーキやスピードの出しすぎに注意するのはもちろんですが、積雪時などの滑りやすい路面状態でも発生するので用心しましょう。
トレーラーのロック現象
トレーラーロックはカーブを走行中に急ハンドルや急ブレーキをかけることで、トレーラーの後輪がロックし、コントロールを失った荷台が遠心力で外側に流されてしまう現象のことです。上から見るとまるで振り子のように見えることからトレーラースイング現象とも呼ばれています。
重くて長いトレーラーの場合はロック現象が出ると姿勢回復が難しいため、強すぎるブレーキ操作を行わないような運転操作を心がけて下さい。
トレーラーのプラウアウト現象
急ブレーキが発端となる点では上記の2つの現象と同じですが、ヘッドとトレーラーが一直線の状態のまま制御不能に陥る点が特徴です。原因はヘッドの前輪がロックすることでハンドルが効かなくなるからです。よってトラクターフロントロック現象とも呼ばれています。兆候に気づいたらブレーキを緩めてロック解除を願うしかありません。
トレーラーの運転者を対象に行ったアンケートでは、プラウアウト現象の認識が低いという結果が出ており、注意喚起が必要です。
トレーラーのスネーキング現象
スネーキングは、後ろから見るとトレーラーが蛇行運転をしているかのように荷台が揺れる現象のことです。スネーキング現象の主な要因としては以下の点です。
- スピードの出しすぎ
- トレーラーの重量バランスが悪い
- トレーラーの重心が高い(強風に煽られやすい)
- 路面の轍や凹凸
スネーキングの初動は小さな振れ幅から発生しますが、ブレーキを急制動させることは厳禁です。ドライバーが異常に気づいたらアクセルから足を離して揺れが落ち着くのを待ちましょう。
スタビリティコントロールを搭載した機種ならスネーキングを感知すると自動でブレーキを調整してくれます。
速度超過をせず急な運転操作を行わないこと、そして適切な空気圧をキープして路面状況にも常に注意することがポイントです。
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