タンクローリーとは
タンクローリーの意味
タンクローリーとはガソリンや水といった液体物や高圧ガスを移送されるのに使われるトラックまたはトレーラーです。
タンクローリーで使われている”タンク”とは、楕円形または円形の荷台部分を指しており、”ローリー”もトラックと同じ意味になります。
また、消防法においては、タンクローリーのことを『移動タンク貯蔵所』と定義、表現しています。
タンクローリーの主な用途
タンクローリーの用途としては、一般のトラックでは運べないような液体物や気体物、固体物の移送に使われます。例えば、ガソリンや石油、液化天然ガス、セメントといったものが挙げられます。
形のない荷物を運ぶタンクローリーでは、取り扱いに慎重を要するものが多い傾向にあり、危険物・毒物・高圧ガスそれぞれの扱いに対して然るべき資格が必要になります。
タンクローリーの構造/仕組み
まずタンクローリーの外見ですが、楕円形と円形の2つのタンクに分かれています。
どの物質を運ぶかによって異なりますが、ガソリンなどの液体物を運ぶ場合は楕円形となります。この理由は、車両全体の重心を低くし、転倒を防止するためです。一方で、高圧ガスなどの気体物を移送する場合は、タンク内部の圧力を均等にするために円形構造となっています。
内部の構造はタンクローリーの大きさによって異なりますが、危険液体物を取り扱う大型タンクローリーの場合、最大で30klまで積載することが可能です。
また、タンク内部は仕切り板で分かれており、1室4kl以下となるように消防法で定められています。これは、移送中の液体物の揺れを軽減し、転倒を防止するためです。また、仕切り板があることにより、異なる液体物を混載することができるような仕組みとなっています。
タンクローリーの用途別の種類
粉粒体運搬車ローリー
粉粒体運搬車ローリーは粉粒体という名の通り、砂やセメントといった工業用の物質を移送するために使われたり、小麦粉や砂糖、飼料といった食品を移送する用途で使用されたりします。
このように、粉粒体を運ぶタンクローリーは非危険物を取り扱うことが多く、ドライバーは車両の種類や大きさに応じた運転免許を保持していれば移送業務を行うことができます。
危険物ローリー
危険物ローリーは、消防法で定める『危険物』としての性質を持つものを移送する用途で使われる車両を指します。火災の発生・拡大の危険性があり、消火が困難な引火性液体や酸化性液体のことを危険物とみなします。
ドライバーは危険物を扱うタンクローリーを運転する際は、車両の種類に応じた運転免許の他に、危険物取扱者の資格が必要になる場合があります。(同乗者が危険物取扱者の資格を保持している場合は、運転手が保持していなくてもよい。)
高圧ガスタンクローリー
高圧ガスタンクローリーで扱う物質の種類としては、高圧ガス保安法で定める圧縮ガスや液化天然ガスといった爆発の危険性があるものです。
これらの高圧ガスを移送する用途で使用されるタンクローリーを運転する際、ドライバーまたは同乗者が必要な運転免許の他に、『高圧ガス移動監視者』の資格を持っている必要があります。
タンクローリーには様々なサイズのものがある
タンクローリーをサイズ分けすると、小型・中型・大型の3種類に分けられます。
- 小型の場合、近距離の灯油・軽油の配送に使われることが多く、狭い住宅街でも走行可能なサイズとなっています。
- 中型の場合は、重機の燃料補給車や給水車としての役割があり、中距離移送向けの車両です。
- 大型のタンクローリーになると、他の大型トラックやトレーラーと同等の大きさとなり、遠距離の移送が主な役割です。
小型タンクローリー
小型タンクローリーとは
小型タンクローリーは2t~3tまでの車両のことを指し、軽トラックなどの車両も小型タンクローリーに分類されます。
小型の場合、2~2.5klの積載量を持っているトラックが一般的とされていますが、4klなどの大容量サイズのタンクを保有している車両もあります。
また、タンクも1室または仕切り板のある2室を完備しているものがあり、車種やメーカーによって様々です。
小型タンクローリーの主な用途
小型のタンクローリーの主な用途は住宅街への灯油や軽油の移送です。車両を小型にする目的は、狭い道路でも通行できるようにするためであり、特に冬季間の住宅街への灯油の配送は需要があります。
つまり、私たち一般の個人消費者向けに使われる車両が小型のタンクローリーと言ってもよいでしょう。
小型タンクローリーの運転に必要な免許
小型タンクローリーを運転する際には、普通免許または準中型免許があれば運転できますが、乗務する車両の大きさや積載量によって必要とされる免許が異なります。
下記のグラフは、2020年6月現在の道路交通法における免許制度の一部です。
免許区分 | 普通免許 | 準中型免許 |
車両総重量 | 3.5t未満 | 3.5t以上7.5t未満 |
最大積載量 | 2t未満 | 2t以上4.5t未満 |
2017年に道路交通法の改正があり、新たに準中型免許が新設されました。普通免許で運転できる車両が制限されると同時に、準中型免許新設によって、18歳以上でも中小型クラスのトラックを運転できるようになりました。
例えば、2tの小型タンクローリーであっても、普通免許で運転するためには、上記の車両総重量と最大積載量の条件を満たしている車両の運転が可能です。小型であったとしても、必ずしも普通免許で運転できるとは限らないため注意が必要です。
主な小型タンクローリー
三菱ふそう『キャンター』
三菱ふそうのキャンターは車体の長さの選択肢が多く、中型車さながらの積載量を持ち合わせる車種です。
一つ例を挙げると、車両総重量6t、積載量3klの温泉水運搬用の小型タンクローリー車両があります。この車両を運転する場合は、準中型免許以上の免許が必要になります。また、キャンターは燃費性能が良く、乗用車感覚で運転できるのも特徴の一つです。
いすゞ『エルフ』
いすゞのエルフには、衝突回避・衝撃軽減機能が備わっています。前方の検知機能に優れ、早めに前方の危険性を警告してくれる特徴があります。また、衝突の危険が高まると、強力な自動ブレーキで衝突時の衝撃を軽減してくれる機能もあります。
エルフも小型タンクローリーの分類ですが、車両総重量・積載量共に普通免許で運転可能な車両サイズを超える車種が多く、準中型免許以上の免許が必要とされるでしょう。
日野『デュトロ』
日野の小型トラックであるデュトロは乗用車として使っているユーザーも多いことから、ドライバーファーストを掲げて、運転のしやすさを追求している車種です。また、前進誤発進抑制機能も備えられており、安全性も十分に考慮されている点も特徴の一つです。
日野のデュトロにおける小型タンクローリーの場合は、2室に分かれているものが多く、軽油の移送に使われることが多いようです。
中型タンクローリー
中型タンクローリーとは
中型タンクローリーとは主に3t~4tの車両のことです。車体の長さも箱型の荷台を持った3~4トンの中型トラックと類似しています。
中型タンクローリーにおけるタンクサイズはメーカーによって異なりますが、3kl~8klまで幅広いサイズの積載タンクがあります。
内部も2~3室に分かれている構造のものが多く、同一県内や同地域内の中距離配送に適しているサイズの車両となります。
中型タンクローリーの用途
中型タンクローリーも小型同様に、重油や灯油・軽油移送の需要が非常に大きく、建設現場で使われる重機への給油車として使われることもあるようです。
また、求人サイトを見ると、飲食店や小売店などへの食用油配送の仕事や小麦粉や砂糖といった粉粒体を工場へ移送する仕事もあります。中型タンクローリー車では液体物だけでなく、さらに幅広い用途で使われていることが伺えます。
中型タンクローリーの運転に必要な免許
2020年6月現在の免許制度では、中型のタンクローリーを運転する際は準中型免許または中型免許が必要になります。これは車両の総重量や積載量によって異なります。
免許区分 | 準中型免許 | 中型免許 |
車両総重量 | 3.5t以上7.5t未満 | 7.5t以上11t未満 |
最大積載量 | 2t以上4.5t未満 | 4.5以上6.5t未満 |
2007年の道路交通法の改正では中型免許が新設されましたが、それ以前では、普通免許と大型免許の区分しかなく、普通免許でも中型サイズのトラックが運転可能となっていました。
そのため、2007年の法改正以前に普通免許を取得している人は、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満の条件を満たしている車両に限って運転することができます。
例を挙げて説明すると、車両総重量7.7t・最大積載量が4.3klの中型タンクローリーがあるとします。
上記の図を見ると、最大積載量では準中型免許の条件を満たしていますが、車両総重量においては満たしていません。準中型免許で運転するためには、2項目ともにクリアしている必要があるため、この車両の運転には中型免許が必要となります。
主な中型タンクローリー
三菱ふそう『ファイター』
三菱ふそうのファイターには中距離走行を想定した機能を備えているのが特徴です。車線逸脱警報システムと車両安全制御装置によって、ドライバーの異常な運転操作に対して注意喚起を行い、車両を安全な方向へと導いてくれる機能があります。
中古トラック市場でファイターを見てみると、最大積載量5~6kl前後の中型タンクローリーが流通しています。石油移送の用途の他に、ミルクローリーと呼ばれる、生乳運搬用に使用される車両もあるようです。
いすゞ『フォワード』
いすゞのフォワードにおける大きな特徴は、エコを重要視した低燃費トラックであるということ。いすゞによると、中型ディーゼルトラックの中でも第1位を誇る燃費の良さを謳っており、重量税・取得税を75%も削減できるとしています。
中古トラック市場を見ると、最大積載量3~5tの中型タンクローリーが流通しています。内部も3室に分かれている構造のタンクが多く、中型タンクローリーであっても複数種類に分けて移送することが可能となっています。
日野『レンジャー』
日野自動車のレンジャーの特徴は、多方面からの安全性を追求しているところです。ドライバーの運転負担軽減のため、車間距離を自動で確保する機能があり、車両のふらつきに対しても警報で知らせてくれます。
また、わき見運転や居眠り運転防止のために、ドライバーの顔の向きや目の動きを検知して危険な運転を抑制してくれる機能もあります。
中古市場では最大積載量4.5~6.5klの中型タンクローリーが出回っており、レンジャーにおいても石油移送の用途で使用されることが多いようです。
大型タンクローリー
大型タンクローリーとは
私たちの生活の中で最も目に入りやすいのが、大型のタンクローリーです。一般的に4~10tトラック以上の大きさの車両は全て大型扱いとなります。
大型サイズになると、タンク部分がトレーラー車両となることもあり、別々のトレーラーヘッドで移送することも可能です。
大型タンクローリーの積載容量は6kl~20klですが、トレーラータンクローリーになると最大で30klまで積載できる車両もあるようです。内部の室数は3~6に分かれているものが一般的です。
大型タンクローリーの主な用途
大型のタンクローリーの用途は中型クラスよりも更に幅が広がります。大型タンクローリーと聞いてイメージしやすいものは、ガソリンスタンド間のガソリン移送です。
よほど小さなスタンドでなければ、大型のタンクローリーが定期的に出入りし、地下のタンクへと補充を行います。
また、大型タンクローリーは長距離移送で使用される場面が多く、例えば工場間の液体物・粉粒物の移送に使われることもあります。
大型タンクローリーの運転に必要な免許
大型タンクローリーを運転するためには大型免許が必要となります。大型免許取得要件は『21歳以上かつ普通免許運転経歴3年以上』とされているため、まずは普通免許での経験がが要求されます。併せてトレーラーを運転する際には大型免許の他にけん引免許が必要です。
また、大型タンクローリーに限ったことではありませんが、石油などの危険物、薬品等の劇物、圧縮ガスといった高圧ガスを移送する際には、それぞれ運転免許とは別に取り扱いの資格を持っていなければなりません。
主な大型タンクローリー
三菱ふそう『スーパーグレート』
三菱ふそうスーパーグレートの特徴は車両周辺の状況をドライバーに知らせるシステムが備わっていることです。
例えば、左折時の巻き込み事故防止のため、車両の左側に歩行者や自転車が近づくと、ドライバーに警告してくれる機能があります。また、前方の道路標識を検知して、ドライバーによる標識等の見落としを防止させるシステムもあります。
スーパーグレートにおける大型タンクローリーは積載量13~16klの車両が多く流通しています。また、7室20klのタンクを備えた車両もあり、同じメーカーでも積載量は様々です。
いすゞ『ギガ』
いすゞのギガにおける特徴はドライバーから見えづらい場所の補助機能が充実しているところです。ブラインドスポットモニターにより車両周辺の状況をレーダーで感知し、交差点での出会い頭の衝突を回避してくれる機能があります。
ギガの場合は、積載量10kl前後の比較的容量の少ない大型タンクローリーが流通しているようです。
日野『プロフィア』
日野のプロフィアは中型車のレンジャーと特徴が類似しており、危険運転の回避機能があります。高速道路などの幹線道路の走行を想定して車線のはみだしやふらつきを警報によって注意喚起し、ドライバーの集中力を散漫にさせないための機能があります。また、運転手の負担を軽減し、集中力を維持できるよう、車間距離を自動で制御するシステムも備わっています。
プロフィアは三菱ふそうのスーパーグレート同様に14kl前後の積載量を持つ大型タンクローリーが多く流通しています。
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