重機回送車とはどんな車?
建設現場や解体工事現場では様々な資材や重機が投入され工事が進められています。自走手段を持たないこれら物資はすべてトラック等によって運搬されています。
ダンプカーは土や砂利などの資材を運ぶトラックですが、重機回送車とは建機や重機といった建設機械を運ぶ用途のトラックです。
重建機だけでなく、各種産業車両から戦車まで運ぶこともある重機回送車の荷台は、幅広くかつ奥行きも十分に確保されたフラットな構造をしています。
重機回送車には大きく分けて『セルフローダー』、『セーフティーローダー』、『重機回送トレーラー』の3種類が存在します。
重機回送車の種類
セルフローダーの特徴
重機回送車の種類の一つであるセルフローダーの特徴は、キャビンと荷台の間の両脇に設置されたジャッキの存在です。
油圧制御のハイジャッキが地面に向けて力強く伸びることで、車体自身が上方に持ち上がり、その結果、荷台を傾けることができる仕組みです。その形状を人で例えると、腕立て伏せで肘を伸ばしたときの背中の傾きを想像すると良いでしょう。ジャッキ後に車両後方のあゆみ板を伸ばして接地させると、重機の運搬をスムーズに行うことができます。
サイズが大きく重量のある重機の積載に耐えられるよう、セルフローダーは中型から大型のトラックが主流です。
セーフティーローダーの特徴
荷台だけが傾斜/スライドする機構を持つ重機回送車の種類をセーフティーローダーと呼びます。
特にスライド式の車載車は、車両後方に荷台を伸長させることで、積み込み時の荷台の傾斜をセルフローダーよりも緩やかにできる点が特徴です。低傾斜角の実現により、セーフティーローダーの用途は幅広く、重機はもちろんのこと、自動車や耕うん機など農機具の運搬にも適しています。
その一方で、狭い場所での積み下ろしには難があります。荷台後ろにトラック1台分以上のスペースが必要になるからです。
輸送用機器メーカーでは場所を取らずに低スロープを確保できるスライドボディの開発を続けています。
重機回送トレーラーの特徴
重機回送車の中で最も大きな種類に属するトラックが重機回送トレーラーです。10m以上ある長い車長が特徴の重機運搬用セミトレーラーは、カプラーによって大型トラクタと連結され、大型重機の運搬を担当します。
前述したローダーが持つような荷台アクションはありませんが、その代わりに荷台そのものが低床構造となり、大型油圧ショベルやクローラクレーンを安全に積載できるよう設計されています。
重機回送トレーラーは、見た目の大きさだけでなく最大積載量も20t~32tと最大級です。巨大な重量物を支えるトレーラーの足元は2軸8輪や4軸16輪など、荷重分散を目的とした多輪構成です。
間違いやすいセルフローダーとセーフティーローダーの違い
セルフローダーとセーフティーローダーは、どちらも車載専用車であり名前も似ているため混同しやすいですが、積載アクションの違いを理解すれば区別が容易です。
セルフローダーは自身が持ち上がり車両ごと傾いて積載する重機回送車、一方のセーフティーローダーは、荷台だけがスライド可動して積載する重機回送車と覚えておきましょう。
重機回送車の運転に必要な免許
セルフローダーの運転に必要な免許とは
セルフローダーは、重くて場所を取るセルフジャッキ本体と動作装置を搭載するため、中型トラックや大型トラックのシャシーを使って設計・製造されています。つまり、セルフローダーの重機回送車運転手の仕事をするなら中型免許以上の運転免許が必要です。
中型免許を取得すると、最大積載量6.5t未満、車両総重量11t未満の中型ハイジャッキセルフが運転できます。大型免許を取得すれば、最大積載量6.5t以上、車両総重量11t以上の大型セルフローダーが運転可能です。
セーフティーローダーの運転に必要な免許とは
一方、セーフティーローダーは小型トラックから大型トラック規模までサイズバリエーションが豊富な重機回送車です。しかし、最も小さな機種でも準中型免許は最低限必要です。
その理由は車体重量にあります。乗用車1台の積載量に対応した小型セーフティーローダーですら、鉄フレームの荷台重量がかさみ、車両総重量は5t近くもあるからです。
平成29年3月以前の免許区分では普通免許で運転可能でしたが、現在の普通免許の区分では車両総重量3.5t未満しか運転できません。
重機回送トレーラーの運転に必要な免許とは
トレーラータイプの重機回送車を運転するには、2つの免許が必要です。それは、大型免許と牽引免許です。
大型免許があれば、最大積載量6.5t以上、車両総重量11t以上の大型車が運転できます。そして牽引免許は、750kgを超えるトレーラーを牽引するために必要な免許です。
牽引免許はあくまで車両をけん引するための『技能』に対して与えられる資格なので、牽引免許だけではトレーラーの運転はできず、大型免許も必要なのです。
もし、すでに中型免許と牽引免許を持つ人が、転職して重機回送トレーラー運転手を目指すなら、大型免許の取得に挑戦してみましょう。
重機回送車運転手の仕事の主な仕事内容
重機回送車運転手の仕事内容で多いのは、ブルドーザーやクレーン、ホイールローダーやショベルカーといった、公道を走行できない重機類を依頼された現場や会社まで運搬する仕事です。それと合わせて作業が完了した重機の回収作業も行います。
積み込み作業は基本的に重機を自走させて行いますが、状況によってはクレーンで重機を吊り上げて積むこともあります。クレーン操作には移動式クレーン運転士の資格が、そして荷の掛け外しには玉掛け作業者の資格がそれぞれ必要です。
重機回送車運転手の仕事の平均的な給料
運送会社や転職サイトに出ている求人情報によると、重機回送車運転手の平均的な給料は、月給約25万円~約45万円前後、年収換算で約300万円~540万円です。
ちなみに同一会社内でも待遇に差があります。なぜなら重機運搬の仕事は建設色が強く専門性が高いからです。不整地での搬入出作業や重機操作を自ら行う場合は資格が必要なため、経験や資格の有無が稼ぎに反映されます。
なかでも月給40万円以上の高収入を狙うなら、重機回送トレーラーの仕事がおすすめです。
重機回送車の仕事の求人例
ある求人サイトで実際に募集が行われた重機回送車運転手の求人事例を紹介します。
仕事内容 | 大型トラックや低床トレーラーを使用した重機等の運搬業務 |
雇用形態 | 正社員 |
希望する人材 |
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勤務時間 | 8:00~17:00 |
給料 | 日給15,000円~17,000円 |
勤務地 | 市内の資材現場に集合後、現地へ向かう |
休日 | 日曜日 |
待遇・福利厚生 |
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重機回送車の運転手に向いている人の特徴
責任感がある人
工事現場の主役は重機といっても過言ではありません。重機回送車運転手は、建設作業に不可欠な重機を時間通りに現場まで運ぶという役目を負います。重機物の輸送という専門性の高い仕事を確実に実行できる責任感のある人が望ましいです。
慎重な人
慎重な取り回しができる運転手が重機回送車の仕事に向いています。重機回送車は荷台を長くとる構造のため、リアのはみ出し(オーバーハング)も大きくなります。一般のトラックよりもケツ振りしやすく、カーブや右左折では特に気を遣います。
重機回送車運転手の仕事・求人の探し方
転職サイトで求人を探す
インターネットの転職サイトは、いつでも気軽に求人情報が得られるというメリットがあります。重機回送車運転手のような珍しい職種でも、どこの現場でどのような重機を運ぶのかといった仕事内容を簡単に情報収集できます。
検索欄には、『重機運搬車』や『重機回送車』などを入力すると良いでしょう。気に入った求人があればその場で応募できる手軽さも魅力です。
知人に仕事を紹介してもらう
ネットや情報誌に出ている求人だけがすべてではありません。特に運送業の仕事は、仕事仲間や友人のツテで良い仕事に巡り会えることも多いのです。
特に、重機回送車の仕事は経験者が優遇され求人数も限られます。すでに重機運搬運転手の仕事をしている知人が身近に居れば、まず声をかけてみましょう。信頼できる人間からの紹介であれば、会社側も採用しやすいのです。
ドライバーの人材紹介サービスを利用する
人材紹介サービスとは、国から許可を受けた事業者が職業紹介事業として実施する就職支援サービスです。希望する重機回送車の求人探しだけでなく、内定獲得を引き寄せる履歴書の書き方や面接対策まで親身なケアが受けられるメリットがあります。
重機回送車の運転手として長く働ける会社であるか状況調査も行ってくれるため、安心して就職活動に専念できます。
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