ハコベルとは
ハコベルの運営会社
ハコベルはラクスル株式会社が運営するサービスの一つです。ハコベルの中でも、個人事業主ドライバーと法人向けの『ハコベルカーゴ』と、物流事業者向けの『ハコベルコネクト』の二つのサービスに分かれています。今回は、前者の『ハコベルカーゴ』を中心に解説していきます。
ラクスル株式会社のビジョンとしては、インターネットを使った既存産業の改革です。無駄が多く、イノベーションが起きにくい傾向にあるBtoB産業を中心に、インターネットの力で新しい価値を提供することを目標に掲げています。
ラクスル株式会社の設立は、2009年9月となっており、2020年5月現在の代表取締役社長は松本恭攝氏です。設立後、事業を拡大しながら2015年12月にハコベルのサービスを開始。その後、ヤマトホールディングスと資本提携し、2019年8月には東証一部上場を果たしています。
また、しばしば、ハコベルと対比されるサービスが、CBcloud株式会社が運営する『PickGo(ピックゴー)』です。CBcloud株式会社も同様に、ITの力を利用して、物流業界に変革を起こすべく、佐川急便と資本提携しながら運転手と荷主をつなぐ軽貨物配送プラットフォームの拡大を図っています。
ハコベルとヤマト
ヤマトホールディングス株式会社は、2017年7月7日付でラクスル株式会社と資本提携し、企業間物流の変革を目指すと発表しています。ヤマトホールディングス株式会社は、物流業界の非効率な問題点を背景に、『ハコベル』などのサービスで様々な業界課題にITの力で解決をしてきたラクスル株式会社と協力し、テクノロジーを使った物流業界の抜本的な改革に取り掛かるとしています。
ハコベルの仕組みは?どんなサービス?
ハコベルは荷物を送りたい企業・個人と空いている時間を利用して荷物を運びたいドライバーをマッチングさせる全国展開の配送プラットフォームです。
運転手のメリットとしては、空き時間を有効に使うことができるということ。荷主のメリットとしては、急な荷物の配送や人手不足にも対応ができるという点が挙げられます。また、ハコベルは配送にかかる中間コストをカットし、統一料金を敷いているため、ドライバー・荷主双方にメリットがある仕組みとなっています。
更に、ハコベルでは軽貨物自動車だけでなく、中型トラックや大型トラックといった車種でも登録が可能となっており、幅広い荷物の配送に対応しています。ハコベルでの発注から納品までの流れは以下の通りです。
- まず荷主はパソコンやスマホから注文を入れます。納品先やルート、荷物内容、決済方法などを入力していきます。
- 入力された内容をもとに、ドライバーのマッチングが行われます。マッチング後、ドライバーから確認の電話が入ります。確認後問題がなければ、ドライバーが注文を確定させます。
- ドライバーは指定された場所に時間通りに到着し、荷物を積み込みます。運賃の支払いは全てオンラインで行われるため、ドライバーが直接現金の収受を行うことはありません。
- ドライバーは指定された納品場所・時間に到着し、荷下ろしを行います。荷物を全て下ろし終わった後、ドライバーはスマホで配送完了の報告を行い、業務は終了となります。
- 配送後、荷主が登録したメールアドレスに領収書が送られてきます。その後、荷主はドライバーのサービスに対しての評価を入力して終了となります。
ハコベルでは荷主とドライバーのマッチング時間が平均2分ほどと非常に短く、荷主は運転手を見つける手間や負担を軽減することができます。
また、即日集荷・即日配達にも対応しているため、今までの物流業界にはないスピード感での配送が実現されています。
ハコベルのサービスエリア
2020年5月現在、ハコベルは全国エリアで展開しており、全ての都道府県で集配が可能となっています。これにより、複数の県をまたいだ配送もドライバーに依頼することができます。また、ハコベルでは軽貨物自動車よりも大きな車種を使った配送も受け付けているため、大きなロットの荷物を長距離運ぶ仕事も少なからず存在します。
しかし、運転手は受託する仕事を選ぶことができるため、必ずしも長距離運行の仕事に当たるとういわけではありません。地場稼働を専門にしている人もいるので、どのような働き方にするのかを決めるのもドライバー自身です。
ハコベルの料金
ハコベルの料金体系は距離または時間で決まっており、基本的な料金設定というものがあります。また、使用する車両によって価格も変動します。
今回は、カーゴ便・軽トラック便を使用した際の距離制料金と時間制料金の二つを見ていきます。
距離制料金のハコベルの料金(税抜価格)
カーゴ便・軽トラック便を使った軽貨物の配送をドライバーに依頼した場合は、5kmまでの最低料金で4,300円となっています。参考までに、5kmというと新宿駅~池袋駅の道のりに匹敵する距離です。
時間制料金のハコベルの料金(税抜価格)
時間制の場合、3時間の使用且つ、集荷地点から半径20km圏内での配送で6,600円と設定されています。時間制の場合は一定の圏内でいくつかの集配場所がある業務に適しているとされ、しばしばルート配送で使われることが多いようです。
更に基本的な運賃の他にも運転手に追加で支払うオプション料金が加算されることがあり、「東京23区割増」「夜間対応」「繁忙期割増」などいくつかの項目が設定されています。
ハコベルの口コミと評判
ハコベルに関する評判や口コミを荷主とドライバーの視点に分けてご紹介していきます。
荷主からのハコベルの評判
- 定期的にお願いしたい軽貨物配送の仕事があっても、毎回発注書などを作る手間がなくて良い。Web上で過去の履歴からボタン一つで発注することができて便利。
- 急な物流量の増加にも対応してくれて、依頼をかけるとすぐに複数の運送会社やドライバーにアプローチしてくれる点が魅力的。
- 荷物に保険がかけられていて、万が一の時でもカスタマーサポートが迅速に対応してくれるので安心できる。
- 運転手の対応が礼儀正しく丁寧な人が多く、しっかりとした教育を受けている印象を受ける。
ドライバーからのハコベルの評判
- 働く時間や案件を自由に選択することができるため、空いた時間を有効に使うことができる。
- 業務委託契約のため、他の事業と兼業したり、副業として働いたりすることがきる点が魅力的。
- 単発案件も多く、毎回内容の異なる仕事を請け負うことが多いため、自分で考えて行動するスキルが求められるのは大変。
このように評判や口コミを見ると、荷主にとってはとても便利なサービスであることが分かります。ドライバー視点では働き方の自由度を強調する口コミが多い一方で、慣れるまでは苦労や工夫が必要だとの意見もあります。
ハコベルは稼げるという意見
ハコベルで実際に稼いでいる人の意見をまとめると、2つのポイントに集約されます。
仕事の受託は早い者勝ちであり、初心者でも稼ぐことができる点
ハコベルでは仕事の受託は早い者勝ちとなっています。アプリで表示される仕事に対して、一番早く受託した人が仕事を請け負うスタイルとなっています。
つまり、ハコベルが自動的にドライバーを選ぶわけではないので、ベテラン・初心者運転手に関わらず、平等に仕事を獲得できるチャンスがあるのです。
1件の単価が高く、仲介手数料も安い
ハコベルが稼げると言われるもう一つの理由は、1件あたりの単価が高く、ハコベルに払う仲介手数料も安いということです。
ハコベルは『Amazon Flex』のように小口の荷物を1日の中で数百個も配送する宅配便の仕事ではなく、ある程度まとまった個数の軽貨物を運送することがメインの仕事です。
そのため、1件当たりの単価も高く設定されており、業務を効率的にこなすことで、収入を上げることができる仕組みとなっています。
また、ハコベルでは報酬から差し引かれる仲介手数料が5%と安く、他の配送シェアリングプラットフォームよりも安い価格設定となっています。
ハコベルは稼げないという意見
一方でハコベルでは予想していたよりも稼げないという声もあります。その理由は2点あります。
まず、全体の仕事量が他の軽貨物配送シェアリングエコノミーよりも少ないということ。
案件一つあたりの単価が高くても、ハコベルにおける案件自体の量がpickGoなどのプラットフォームと比べても少ないという意見があります。また、時期によって発注量の増減があり、1年を通して安定した量の依頼があるというわけではないようです。
次に、案件の受注が早い者勝ちであるということ。
案件の受注が早い者勝ちであるということは、稼げる要因の一つでも挙げていました。しかし、裏を返せば自分から積極的に受注していかなければ稼げないということでもあります。ハコベルはシステムによって自動的に案件が振り分けられる仕組みにはなっておらず、発注者が依頼をかけた時点で、全てのドライバーが受注できるようになっています。
そのため、運転手の多くはハコベルのアプリを注視していなければならない時間が多く、常に気を張っている状態でいなければならないようです。
ハコベルの登録方法
ハコベルで軽貨物配送を始めるまでには運転手登録と審査の手順を踏む必要があります。ここでは登録の方法をご紹介します。
まずはハコベルのドライバー新規登録のページからパソコンやスマホを使って必要事項を記載していきます。
- 法人/個人事業主の選択
- 法人名・営業所名・屋号の記入
- 住所
- 電話番号
- 車両保有台数(カーゴ・軽トラックの中から選択)
- ハコベルを知ったきっかけ
- 担当者お名前
- 携帯電話番号
- メールアドレス
- パスワード
上記の必要事項を記載したのち、送信ボタンを押すと、次は必要書類の提出画面に移ります。
具体的には、
- 免許証の画像を提出
- ナンバープレートを含めた車両全体の画像(事業用にナンバー登録をした車両)
この2点をスマホなどで撮影し、そのまま必要書類として提出します。ハコベルでは任意保険証や自賠責保険証、車検証の提出は求められません。
上記の2点を提出し終えたら、次は電話での審査に移るため、ハコベルからの折り返し電話を待ちます。
ハコベルにはどんな審査があるのか
ドライバー新規登録が終了しても、ハコベルによる審査を通過しなければ実際に稼働することができません。電話による審査項目は下記の通りです。
- 本人確認(住所・氏名・電話番号が一致しているかどうか)
- 使用する車両の確認
- ハコベルを知ったきっかけ
- 任意保険の内容確認
- 軽貨物配送の経験年数
- 過去の軽貨物配送の仕事内容について
- 過去の交通違反状況について
- 反社会的勢力との関わりの有無について
上記はあくまでの一例です。人によっては聞かれる内容が多少異なる場合もあります。
ハコベルにはどんな案件があるのか
ハコベルでは軽貨物配送を中心とした案件が多いですが、その中でもどのような案件があるのかをご紹介します。
ハコベルの依頼内容の中でも多いとされているのがまとまった数のお弁当配達です。飲食の配達では『UberEats』が有名ですが、UberEatsではまとまった数の食べ物を配達することはできません。そこで、注目されたのが、素早くドライバーをマッチングしてくれるハコベルなのです。配達先は会社のオフィスや会議・イベント会場が多く、飲食店としても配送にかかる負担や運転手にかけるコストを削減することができるのです。
もう一つ例を挙げると、イベント会場への機材運搬です。テナントブース設置の際などに必要な機材や荷物を配送する際にハコベルのドライバーを使って、安く効率よく運搬する事例があります。
ハコベルのメリット
ハコベルには荷主とドライバー双方に多くのメリットがあるサービスです。
荷主側の大きなメリットは、運びたいときにすぐに車両をマッチングしてくれるシステムにあります。荷主側から運送会社に対して一件一件依頼の電話をかける必要がありません。また、ハコベルでは明瞭な統一料金が設定されているため、見積もりなどを取る必要もありません。
ドライバー側のメリットは大きく分けて2つです。
- 経験年数に関わらず、全てのドライバーが平等に案件を受注できる仕組み。
- 報酬から差し引かれるハコベルへの仲介手数料が5%と安い。
このように『安く今すぐ送りたい』という需要に対してサービスを提供しているのがハコベルであり、同時に『効率よく仕事をしたい』というドライバーの需要にも応えているのです。
ハコベルはなぜ副業に向いているのか
ハコベルの運転手が副業として向いている最大の理由は、空いた時間を効率よく収益化できる仕組みにあります。
個人事業主としてハコベルに登録している場合、決まった勤務時間が存在しませんし、自宅からの直行直帰が基本のワークスタイルです。簡単に言えば、働きたいときに働けるのがハコベルの魅力の一つです。
例えば、平日の日中に会社員として働いていたとしても、帰宅後や休日を利用して軽貨物ドライバーとして働くことができるのです。
また、ハコベルが副業として人気の理由の一つに、締日を待たずに報酬を受け取れる制度があることです。具体的には、配送が完了した3日後に、売上げ総額の80%をすぐに現金化できるというシステムです。
ハコベルとピックゴーの違い
先ほども紹介しましたが、ハコベルと似たような物流サービスにピックゴー(pickGo)というものがあります。この2つはいずれも配送シェアリングプラットフォームであり、基本的なサービス内容は類似していることろが多いですが、異なる点がいくつかあります。
- ピックゴーでは軽貨物車両を使った配送が主流:ハコベルでは軽貨物車両の他に、中型トラック以上の車両を取り扱う案件もあります。しかし、2020年5月現在ピックゴーでは軽貨物車両以外の取り扱いがありません。(今後、ピックゴーでも取扱い予定)
- ピックゴーでは運転手と荷主の間で料金の交渉ができる:ハコベルでは距離や時間、オプションに応じて統一的な料金体系があります。ピックゴーでも料金表があり、それに準じて料金が計算されますが、作業内容に負荷がかかる場合は、ドライバーが直接荷主と料金交渉を行うこともできるのです。ピックゴーでの料金交渉時は電話ではなく、メッセージでのやり取りが基本となります。
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