フルトレーラーの構造
フルトレーラーとは
フルトレーラーとは総重量をトレーラだけで支えるように設計され、先端にけん引具を備えたトレーラーのことです。
基本的な構造として、荷台と運転席の切り離しができます。この構造の貨物自動車はけん引自動車と呼ばれ、前方の運転席側をトラクター(けん引車)、後方の荷台側をトレーラー(被けん引車)と言います。
フルトレーラーのトラクターはフルトラクターと呼ばれ、一見は普通の大型トラックに見えますが、後ろに連結器があり、トレーラーをけん引する構造です。
トラクターとトレーラーの違いは、エンジンが搭載されていて自走できるのかどうかにより分けられており、けん引する装置を持ちエンジンが搭載されている方をトラクター、けん引されるための装置を持ちエンジンを搭載していない方をトレーラーと呼びます。
ドリー式とセンターアクスル式
ドリー式とは、ドリーと呼ばれる台車を前方に備えたフルトレーラーです。このドリーはターンテーブルみたいに回転するので、運転時に曲がる際にはドリーのタイヤも連動して左右に曲がります。ドリー式のトレーラーは、両端に車軸があります。
センターアスクル式は、車軸(アスクル)が中央(センター)にあるフルトレーラーです。中央の車軸が全体の荷重を支える構造になっていて、ターンテーブルがないので運転しやすく、トレーラーとトラクターの距離が近いので荷台を長く作ることができます。
フルトレーラーとセミトレーラーの構造の違い
フルトレーラーとセミトレーラーではトラクター部分に大きな差があります。
セミトレーラーのトラクターには荷台がなく、トレーラーヘッドが荷台をけん引する構造に対し、フルトレーラーはフルトラクターを有し、トラクター自体に積載できます。
全長では、けん引部分も含めた全体の一般的な長さが、セミトレーラーが16.5m以下なのに対し、フルトレーラーは18m以下となります。
連結部分にも違いがあり、セミトレーラーの場合はセミトレーラーに装着したキング・ピンとトラクターに装着した大5輪カプラにより行いますが、フルトレーラーの場合はフルトレーラーの先端であるルネット・アイとトラクター後部に備えたピントル・フックにより行い、さらに安全のためセフティ・チェーンも装備されています。
フルトレーラーの長さと寸法
フルトレーラーの全長基準
国土交通省の保安基準によりフルトレーラーの寸法は決められており、全長は最大で21mとなっています。そしてトレーラー部分、トラクター部分はそれぞれ12m以下と決められています。
ただし、車両制限令第3条3項及び通達において通行する道路種別ごとに長さを規制する特例があります。
道路種別ごとのフルトレーラーの全長規制
- 高速自動車国道:18m
- 重さ指定道路・首都高速・阪神高速他:12m、許可限度19m
- バラ積みフルトレーラー等5車種については平成25年11月に長さが21mに緩和。首都高速・阪神高速は19mまで。
日本トレクスのフルトレーラーの寸法
日本トレクスのフルトレーラーは連結全長が19mです。その他の寸法や積載量は下表の通りです。
日本トレクスのフルトレーラー(トラクター・トレーラー)の寸法 | |||||||
内寸長 | 内寸幅 | 内寸高 | 車両重量 | 最大積載量 | 車両総重量 | 庫内容量 | |
トラック | 9,605mm | 2,400mm | 2,650mm | 12,370kg | 12,500kg | 24,980kg | 61.09㎥ |
トレーラー | 5,940mm | 2,400mm | 2,625mm | 4,930kg | 12,200kg | 17,130kg | 37.42㎥ |
全車にエアサスペンションを標準装備し、スタビライザー効果により高い走行安定を発揮します。さらに連結回転軸が1か所のため、セミトレーラーと同等の運転操作が可能です。
またセンターアスクルフルトレーラーなので、ドーリー指揮と比較した際に連結すき間を900mm縮小し、荷台スペースを拡大したことにより、大型車一台分のCO₂排出量で中型車一台分多くの荷物を運ぶことができます。実際に輸送効率は約62%UPしており、環境に優しく、省エネルギー法にも効果的です。
東邦車両(新明和工業)のフルトレーラーの寸法
東邦車両株式会社が提案する『スマートウイング』はセミ・フルトレーラ仕様となっており、どちらとしても使うことができるトレーラーです。
2017年に東京モーターショーに出展した際の資料によると、フルトレーラーとして使用した際は全長が9,020mm、ドリーまで含めると全長が10,780mmとなります。その他の寸法や積載量は下表の通りです。
東邦車両(新明和工業)のフルトレーラーの寸法 | ||||
荷台長 | 荷台幅 | 内法高 | 車両総重量 | 最大掲載量 |
8,720mm | 2,410mm | 2,355mm | 19,610kg | 12,800kg |
『スマートウイング』は輸送の効率化・経費低減・環境配慮を掲げており、大型トラック2台で運ぶものをフルトレーラー1セットにすることで、『人件費』『高速代』『CO₂』を低減することができます。
実際に集荷輸送時にはセミトレーラーとして使用し、集荷ターミナルからの拠点間輸送では他の大型トラックに連結させフルトレーラーとして使用することでそれが可能となります。
さらにドリーにエアサスペンションを採用していることで、走行中の衝撃を緩和し、積載物の安心輸送に貢献します。また電子制御エアサスペンションなので、ボタン1つで車高調整することもできます。
フルトラクターの長さと寸法
いすゞのフルトラクターの長さと寸法
いすゞの代表的なトラクターのギガの寸法は下表のとおりです。
ギガGカーゴの寸法 | ||||
全長 | 全幅 | 全高 | 最大掲載量 | 総重量 |
11,985mm | 2,495mm | 3,795mm | 13,800kg | 24,965kg |
ギガはいすゞの中で『五つ星トラック』と言われ、5つの視点で磨き上げられています。
- 快適な運転環境の実現:セミラウンドインパネにより使いやすさとゆとり空間を両立
- 低燃費の追及:地図情報を活用して省燃費を実現する『Smartグライド+g』を搭載
- トータルセーフティの追及:衝突回避支援機能や電子式車両姿勢制御システムで事故を抑制
- 高積載の確保:エアサスペンションが荷台への振動を吸収し、荷傷み・荷崩れを低減
- 情報通信による遠隔モニタリング:『MIMAMORI』を標準装備し、路上トラブルを未然に防止
三菱ふそうのフルトラクターの長さと寸法
三菱ふそうの代表的なフルトラクターのスーパーグレートの寸法は下表のとおりです。
スーパーグレートPremium Lineの寸法 | ||||
全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 |
11,990mm | 2,495mm | 3,780mm | 14,100kg | 24,930kg |
スーパーグレートには以下の特徴があります。
- 安全性:新型AMT ShiftPilotにより、先進の安全機能を搭載『アクティブブレーキアシスト』『アクティブアテンションアシスト』『アクティブサイドガードアシスト』
- 経済性:新開発のスマートエンジンで、低燃費だけでなく、パワフルな走りとスムーズな加速を実現
- 快適性:プロキシミティコントロールアシストにより、ストップ&ゴーの負担を軽くし、疲労を軽減
日野自動車のフルトラクターの長さと寸法
日野自動車の代表的なフルトラクターの日野プロフィアの寸法は下表のとおりです。
日野プロフィア標準ルーフ25トンの寸法(型番FR1EZBJ) | |||
全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 |
11,990mm | 2,490mm | 2,980mm | 13,900kg |
日野プロフィアには以下の特徴があります。
- 燃費性能:9Lエンジンによってパワーと燃費が高次元で両立
- 安全性能:歩行者検知、車間距離自動制御、警報音による注意喚起、ふらつき・車線逸脱防止
- 快適性能:高機能シートで長距離運転の負担を軽減、フロアトンネル部分をフラット化
- 積載性能:エンジンやウイングボデーの軽量化により積載量のアップを実現
- 架装性能:エンジン搭載位置を最適化やユニットのコンパクト搭載により架装性を向上
UDトラックスのフルトラクターの長さと寸法
UDトラックスの代表的なフルトラクターQuon(クオン)の寸法は下表のとおりです。
Quon(クオン)インデックスNo.1の寸法 | ||||
全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 | 車両総重量 |
5,620mm | 2,490mm | 2,945mm | 6,580kg | 15,745kg |
Quonは下記の5つの要素を一歩先まで高めた次世代トラックです。
- 運転性能:コックピットの使いやすさ、トランスミッション、ディスクブレーキなど操作性の向上
- 燃費性能:ドライブラインに磨きをかけ、輸送効率を高める燃費性能を実現
- 安全性:先進技術から生まれた安全システムを搭載
- 生産性:荷役性、架装性も考慮し、車両全体の軽量化を実現
- 稼働率:UDエクストラマイルサポートによって、車両を最良に維持して稼働率を最大限に高める
フルトレーラー連結車の全長25m緩和とダブル連結トラック
平成31年1月29日に国土交通省により規制緩和がスタートしました。
特殊車両通行許可基準(通達)の改正の概要は以下の通りです。
- ダブル連結トラックをはじめとしたフルトレーラー連結車の車両全長の限度を、現行の21mから25mへ緩和
- 走行対象路線:主たる経路は新東名区間(豊田東~海老名)
- 車両の技術要件:ETC2.0装着、車線逸脱警報装置、アンチロックブレーキシステム等
- ドライバーの要件:牽引免許を5年以上の保有および大型自動車免許を5年以上保有、2時間以上の訓練の受講等
国土交通省は『生産性革命プロジェクト』として、大型トラック2台分の輸送を1台で可能にした『ダブル連結トラック』の導入を検討し、実証実験を平成28年10月から進め、以下のような実験結果を得ました。
- 一般的な大型トラックと比べた際、約4割のCO2排出量を削減し、約5割のドライバー数を削減
- ふらつきや横揺れの発生も確認されず、カーブ区間での急ブレーキも発生していない
この実験によって、走行時の安全性であったり省人化に向けての効果が確認されたことから、特殊車両通行において許可基準を緩和し、新東名を中心にダブル連結トラックの本各導入となりました。
今後もダブル連結トラックの利用促進に向けて、物流事業者のニーズを踏まえた対象路線の拡充や、高速道路SA・PAでの優先駐車マスの整備等を実施予定です。
また、生産性の向上や、積載効率の向上を図る観点から、自動車運搬用のセミトレーラ連結車 が運搬する自動車を、通行するとき後方にはみ出して積載する場合の車両長に関する基準を新たに設定していくとしています。
全長のある特殊車両に関する法令
車両制限令第三条により、特殊車両(幅2.5m・長さ12m・高さ3.8m・総重量20トンのいづれかが超える車両)の通行には、あらかじめ道路管理者の許可が必要となるので、通行しようとする道路管理者は特殊車両の通行許可申請(特車申請)をしなければなりません。
申請方法は、インターネットでのオンライン申請か、申請事務取扱窓口に直接持参する方法があります。
違反した場合には、道路管理者に通行の中止を命じられたり、罰則を受けることになります。罰則は違反事由によりますが、『100万円以下の罰金』や『6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金』を課せられることになりますので、必ず許可申請をしましょう。
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