フルトレーラーとは
フルトレーラーとはエンジンなどの原動機を持たない被けん引車です。自走することは出来ませんが、フルトラクターにけん引されて貨物輸送などに活躍しています。連結した状態そのものを指してフルトレーラーと呼ぶこともあります。
フルトレーラーは荷重をトレーラーだけで支えられる構造になっている点が特徴で、その一部をトラクターが支えている構造のセミトレーラーとの違いでもあります。連結部分は容易に切り離しが可能で、短時間で繋ぎ変えることもできます。
ドリー式とセンターアクスル式のフルトレーラー
ドリー式とは
ドリー式のフルトレーラーは後軸に加えてドーリー(dolly)と呼ばれる前軸台車がついている点が特徴です。フルトレーラーだけに接続するドーリーは固定式になっていますが、中には取り外しができるタイプもあります。
もう一つの特徴はドーリーの取り付け部がターンテーブルになっていて、回転軸を中心に車軸ごと旋回できるようになっている点です。これはヘッドの回頭性を良くして回転半径を少しでも小さくし、タイヤにかかる横向きの力を逃す目的があります。
このターンテーブルは重量物の積載に適しており、耐久性も高いので一見扱いやすそうに見えますが、運転の難易度は高いです。なぜならフックやピンなどで連結された部分が2か所あるので、特にバックをするときには思うようにコントロールができなくなるからです。
センターアクスル式とは
センターアクスル式のフルトレーラーとは車軸(アクスル)が中央(センター)に集められた構造になっているものです。
ドリー式との違いを見分けるには車両を真横から見ると良いです。センターアクスル式は車軸が荷台の真ん中に付いているのですぐに判別できます。
車軸にはターンテーブルは付いておらず回転軸を持たないため連結箇所は1か所となります。このためセミトレーラーの操縦と近くなるので、ドリー式よりもセンターアクスル式の方がフルトレーラーは運転がしやすいとされています。
ただし、ブレーキを強く踏んだり急なハンドル操作を行ってブレーキがロックしてしまうとフルトレーラー部が遠心力で振られてコースアウトしてしまう、危険なトレーラースイング現象が出やすいので油断は禁物です。
ドリー式のフルトレーラーの仕組み
台車が前方に設置されている
ドリー式は前軸台車のおかげで積載状態のまま連結を切り離しても、補助脚を使うことなく姿勢を維持できる点がポイントです。目的地で他の車両との繋ぎ変えが素早くできるようになるメリットがあります。
ターンテーブルを軸にドーリーをけん引する
ドーリーは車軸ごと回転する仕組みなので、ドライバーがハンドルを切ってからその向きに追従するまでに時間差が生じます。よってタイヤがどの方向を向いているかを意識しながら運転する必要があります。
連結部分が2か所ある
ドリー式の連結部分は『トラクタ後端部と連結器の間』と『ドリーとフルトレーラの間』のあわせて2か所あります。これらは可動性を良くするために点接触で繋がっていて、あえて遊びを持たせています。
ドーリーをルネットアイで連結する
ドリー式の連結方法はフルトラクターの後面に付いているピントルフックにリング(ルネットアイ)を引っ掛けて行います。万が一、外れたり器具が壊れたりしたときに備えてセーフティチェーンも繋ぎます。
ドーリーの分離
ドーリー非分離式のフルトレーラー
ドリー式にはドーリーを分離できるものと、できないもの(非分離式)があります。非分離式はフルトレーラー専用に設計されているので、セミトレーラーとつなぎ替える用途には使えません。常に前後4輪のタイヤが接地した状態になるので、補助脚(ランディングギア)は付いていません。
現在は非分離式のほうが多く出回っていますが、効率化が求められるようになった現在は分離式が普及しつつあります。
ドーリー分離式のフルトレーラー
ドリー式の中で取り外しができるタイプは、接続できるけん引車の機種をある程度選べるので、活躍する機会も増えます。
例えば物流拠点間の大量輸送時にはドリーを付けてフルトレーラーとして走行し、拠点から支店などへの配送はドリーを取り外し、扱いやすいセミトレーラーとして使うなど融通の効いた運用ができるメリットがあります。
セミトラクターと連結できるようにキングピンとランディングギアが標準装備されています。
ドリー式のフルトレーラーの特徴
荷重が均等にかかる
ドリー式のフルトレーラーは車軸が中央に寄っているセンターアクスル式と違って前軸と後軸に分かれているので、すべてのタイヤに等しく荷重が分散されるという特徴があります。
これにより物品を積んでもトラクター側が負担する垂直荷重がほぼないので重量物のけん引が可能になりますし、タイヤにかかる負担を軽減できるメリットがあります。
ただし走行中は遠心力でバランスを崩しやすいので注意してください。
運転が難しい
フルトレーラーの運転は主に熟練者が担当するくらい難しいのですが、その中でも一番技術が必要とされるのがドリー式です。
2か所の連結部分であるピントルフックとキングピンを支点として、ある程度の自由度を持って動くようにできているので、右左折をするときのコース取りも慎重に行わなくてはいけません。
特にバックをするときはさらに複雑な動きをします。ターンテーブルの回転を固定できるタイプであればバックをするときにその機能をオンにしておくことをおすすめします。
重量変化にも気をつけてください。実車時(積載時)は空車時より車重が増えて慣性力が働きますので、ブレーキの効きが悪くなります。スピードを抑えて早めのペダル操作を心がけましょう。
ドリー式のフルトレーラーの注意点
ドリーが付いたフルトレーラーはピントルフックを介して牽引車と連結器が接続され、キングピンを介してドリーとトレーラーが接続されています。
まるで関節が2か所あるように自由に曲がるのは取り回しを良くする工夫なのですが、これが原因で引き起こされる危険現象があることを頭に入れておく必要があります。
ブレーキロックが発端となり、連結部分で90度以上折れ曲がってしまうジャックナイフ現象、そしてスピードの出しすぎや重量バランスの偏りが原因でウネウネと蛇行してしまうスネーキング運動が有名です。
トレーラーはブレーキやハンドル操作に1歩遅れて付いてくるという意識を持って安全運転に努めてください。バックの練習も欠かさないようにしましょう。
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