10tトラック(大型10トン車)とは
トラックの中でもっとも大きい規格である「大型」に分類され、その代表とも言える存在の10トン車。そんな10トン車、標準の寸法は一体どのくらいだと思いますか?
まずトラックの長さとなる全長が11,900mm。次に車の幅である全幅は2,490mm。そして地面からの高さである全高が2,860mmあります。
ミリメートル単位だと少し見づらいですが、幅と高さはほとんど3m、長さに至っては12mもあります。3mというと1mの子どもが3人、12mは一階層3mある建造物の4階建てに相当します。これなら非常に大きく感じるのにも頷けますね。
しかしここまで巨大と、「こんなに大きくして平気なのか」という疑問が生まれますよね。実は10トンもの荷物を載せて走れるほどの車両になると、その寸法は道路交通法に定められた規定値ギリギリに設計されているものばかりです。
ちなみにその値は全長・全幅・全高がそれぞれ、12,000mm、2,500mm、3,800mmです。
ショート・ロング・ワイドの規格区分
トラックには規格ごとにさまざまなサイズや機能の違いがあり、その一つが長さです。10トン車もそれは同様で、ショート・ロング・ワイドなどと分けることができます。
しかし他とは異なる点もあり、一例として、「ショート」の意味する部位に違いがあります。小型や中型の場合「ショート」というと単純に車体が標準より短いものを指します。それに対して10トン車では、「ショートキャブ」を指すのが一般的でしょう。
この二つ、一体何が違うのでしょうか。注目して頂きたいのは「キャブ」という言葉です。トラックにおける乗用自動車と異なる点の一つは運転席です。乗用車の場合後部座席と一体になった形状を取っていますが、トラックの場合荷台の部分と運転席でくっきり分かれていますよね。横から見ると分かりやすいあの運転席の部分を「キャブ」と言います。
10トン車の「ショート」はキャブ、つまり運転席が短いモデルを指すのです。そしてショートタイプといえど全長は変わらず12mほどと長いものを意味します。これだけ長いとそれだけ容積のある荷物を沢山載せることができますよね。ですが大きく重い荷物を支えるには車自体がしっかりとしていなければいけません。
その名の通り10トンの荷物を支えて走ることのできるものを10トン車と呼びます。そして20トンから25トンくらいが車両総重量の規定値なので、荷物を含めた車両全体の重さがこれを超過してはいけません。中ではは14トンほど積めるモデルもありますが、それでも10トンを超える荷物を支えて運ぶには、同じく10トンもある強くずっしりとした車体が必要なのです。
そのため、10トントラックは新品を購入しようすると1,000万円ほどになります。ですから車体を短かくしてしまうと容積を減らしてしまうため、そういった大型車はおのずと少なくなるのでしょう。また大型車の需要の都合上大きいものを運ぶことが多いこともこれを助けているのです。
10tトラックの使われ方
10トントラックの需要の大半は建築・土木に関わる現場です。中型のトラックが軽めで体積の大きいものの運搬に適しているのに対して、大型トラックは重く大きい貨物を運ぶのに適しています。ですから建材や鉄材などの材料が大量に必要になる建築現場で大活躍するのです。しかし10トン車の用途はそれに留まりません。
10tトラックの種類
トラックにはさまざまな形態のものがありますが、大きさに関して言えば10トン車は基本的に規定ギリギリのサイズで作られているので、さほど変わりません。形態が変わってくるのは「上に載せているもの」です。
トラックというのは「シャシー」というタイヤがついていてキャブに繋がる土台の部分と、その上に載る荷台やメカなどの「上物」という二つの要素により成り立っています。10トン車において豊富なのは上物の方で、私たちの生活に慣れ親しんだ箱型荷台のバンの他にもそれぞれの役割に特化したものがあるのです。
平ボディ
まずオーソドックスなものとして挙げられるのが「平ボディ」です。このタイプはその上に木材や鉄材など資材をそのまま載せて、固定して運ぶために使われます。その汎用性の高さが昔からどの規格でも愛されるゆえんでしょう。
ウイング
次にウイングタイプです。バンタイプの荷台には通常後ろに扉がついていますが、これは側面から大きく開けるようにできたものです。後ろからよりも荷物が積みやすく、また出し入れもしやすいので、沢山の荷物を隙間なく詰めて一度に運ぶ場合には大変使い勝手のいいタイプです。その名のウイングとは、開く側面のボディの形状が羽のように変化するからでしょう。
ダンプ等
他にも土木系に特化したものとして有名なダンプや、コンクリートミキサー車も上物の一種です。ダンプは土砂の運搬の他に、建設中に出た瓦礫や工場で排出される産業廃棄物を運ぶのも大切な役割です。ミキサー車に関しては道路工事現場の傍だと見かけることもありますよね。その他に動物の運搬に使われることもありますし、消防車として走っているものも元は朱く塗られたトラックだったりします。
10トントラックは少し特殊なシーンにも多用できる、専門性を兼ね備えていると言えます。
10tトラック(10トン車)を運転するために必要な免許
10トン車のドライバーを目指す方は、そのために必要な免許にも興味があると思いますので、ここではどの免許なら10トン車を運転できるかご説明致します。
10トン車の大型トラックを運転するためには「大型自動車免許」が必要になります。これには第一種と第二種とがあり、その違いでやらなければいけないこととできることが異なります。
また、二種免許を取ると、バスの運転手として働くことができます。バスを運転したりトラックドライバーとして働いたりする分には一種免許で問題ありません。しかしバスの運転手のように「人」を運び、その対価として運賃をとれるのは二種免許を持ったドライバーだけなのです。
大型一種免許の取得方法
さてトラックドライバーになるために必要なのは大型第一種の方ですが、自動車免許の中でかなり難易度の高いものになり、それゆえにこれを取得してしまえば幅広い車両を運転できるようになります。
こちらは普通免許以上の免許を既に持っていて、運転経験が3年以上ある21歳以上であることが受験資格になります。ハードルの高い挑戦になりますが、近年では職の幅を増やすために取得する人も増加してきています。
まず大型免許をとるなら自動車教習所に通い、コースを受講することをおすすめします。方法としてはもう一つあり、それは自力で試験に臨む一発試験の方法です。一発試験は総合的に費用が安く上がるというメリットがありますが、手間や試験の難易度を考えると避けたい道ではあります。さらに言うと、教習所に通えば授業を受講することにより免除になる学科試験も、一発試験では受験が必要になります。
教習所を通して免許を取るとなれば、あとはひたすら頑張るのみです!技能実習や仮免のための修了検定そして卒業検定に合格したのちに、最後の関門が待ち構えます。それが「適性検査」です。
実は大型免許を取るためには、満たさなければならない基準や条件で普通免許に比べ優れた機能を求められます。聴力検査をクリアできなかったり、運転に支障をきたすような身体障害があると卒業検定合格しても免許を交付してもらえません。また信号の色を正しく見分けられる色彩識別検査や深視力検査の他、両眼で0.8以上と片目で0.5以上の視力が求められます。もちろん普通免許と同様に眼鏡の使用も可能です。ご自身の視力に自信のない方は一度眼科を受診し、必要に応じて眼鏡を作ってから試験に臨みましょう。視力は生活習慣や加齢により気づかないうちに低下してしまうものです。眼鏡を作ったりレーシックの施術を受けたりするとなれば受診は必須になるので、視力に自信がある人でもためらわず一度見てもらうことを強くお勧めします。
この適性検査で落とされてしまった場合には再度別の日に検査を受けることも可能です。視力や聴力はその日の体調によって左右されることもありますので、再検査で合格できる人もいます。ですがもしそれで合格できても不安の残る方は、眼鏡・コンタクトや補聴器の購入を検討してください。
10トントラックの運転のコツと注意点
これから10トンドライバーになる方に、絶対に覚えておいて頂きたいことがあります。それは、「自分が乗っている車がいかに大きいか」の自覚です。10トン車は一番大きい規格の部類に入り、道交法の基準スレスレの寸法であることは冒頭でも説明致しました。利便性と好効率を兼ね備えた造りではありますが、その分だけ危険性も高まっています。
中型の代表である4トントラックに乗ったことのある方にはご理解いただけると思いますが、車というのは大きさが変わるとその分だけ運転は難しくなっていきます。小型との境である4トン車は、乗り換えをした人がその違いに戸惑うことも有名です。
ですからスーパーロングの4トンを運転したことがあるならまだしも、大型規格の運転経験がない方は慎重な運転を心がけ、細心の注意を忘れないでください。大型免許を取れたことは「=大型を乗りこなせる」ということにはなりません。
大型トラックは免許や危険度の問題から、いつでもどこでも人手が足りない状態であると言えます。運送会社によっては運転経験がなくても免許さえ持っていれば採用することも少なくありません。
ただし免許はドライバーになるための第一歩に過ぎません、油断は禁物です。また中型やオバケ4トンのドライバー経験がある方にも、気を付けていただきたい具体的なことがありますのでご紹介致します。
まずすべての大型、車体の長いモデルに共通して言えることですが、カーブの際は後続車への接触がないか、気を付けて運転しましょう。車体が長いとおのずと後輪から後ろのオーバーハングが長くなり、慣れるまではその感覚が掴みづらいです。
次にブレーキです。大きく重い車両になるほどブレーキは鈍く効きづらくなります。そのタイミングを誤ると大きな事故に繋がりかねません。
最後はスピードです。昔は時速100km以上の速さで走っていたこともありました。ですが事故に繋がる危険性を高めることから、現在では2003年に義務付けられた「スピードリミッター」の装着により速度制限がかかるようになりました。おおよそ時速80km程度に抑えられるので、運送にかかる時間は増えますが、悪いことばかりではありません。スピードメーターを頼りに一定の速度を保ち走り続けることによって燃費が良くなり、コストを下げることができるのです。
これから10トントラックのドライバーになる人に向けて
いかがでしたか?10トン車がどんなトラックで、そのドライバーがどんな職業か、少しでもご理解の助けとなれましたら幸いです。繰り返しますが10トン車のドライバーは万年人手が不足しています。ですのでご興味のある方はこれからでも目指してみてはいかがでしょうか。
大型免許があれば採用もされやすくなるでしょうが、「ゆくゆくは大型のドライバーになりたい」という意思がある方であれば、それを後押しして補助金を出してくれる運送会社もあります。そしてその意思があればこそ、小型や中型のドライバーとしても雇われやすくなるでしょう。
運転できるトラックの数が多ければ幅も広がり、給料の増加にも繋がっていきます。ドライバーでトラックを運転するにはどうしても経験を切り離すことはできません。ご自分に一番合った方法を選び、素敵なドライバーになってください。
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