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危険物積載車両のドライバーの仕事がまるわかり

危険物積載車両とは

危険物車両とは危険物積載車両とも呼ばれ、その名の通り危険物を載せ走っている車両のことを指します。

トラックドライバーを目指す人でなくとも、日常の生活の中でその存在は意外と身近なのではないでしょうか。「高圧ガス」と書かれたタンクローリーや、ボンベをいくつも載せたトラック。ナンバープレートのそばに貼られている「危」の文字。これらに見覚えのある人は多いはずです。

危険物積載車両の仕事とは

危険物車両は実際に危険な物を運んでいます。よく見る高圧ガスの他にも、毒物や劇物なども載せて走っているのです。ですが危険物といえど、求める人がいるからこその配送業です。

そして資格をもったドライバーが規制や基準を守り運搬・移送しています。危険物車両ドライバーは危険を背負いつつも周囲の安全を守る役割を担い、顧客の期待に応えているのです。

トラックの運搬とタンクローリーの移送は違う

先ほども使いましたが、配送・運送の話を聞けばよく使われるこの言葉。同じ意味で使われることの方が多いかもしれませんが、違いがあります。

特に「危険物の輸送」に関して使う場合、その意味には大きな違いが生まれます。それは車の種類です。主に「トラック」などの車両で運ぶことを「運搬」、「タンクローリー」で運ぶことを「移送」と言います。

異なるのはそれだけではありません。「運搬」と「移送」とでは必要なことが大きく違います。トラックで危険物を運搬する場合は「消防法」が適用され、規制の中で更に沢山の決まりを守り、多くの基準をクリアして運ぶ必要があるのです。一方、タンクローリーによる移送では「免状」が発行され、消防法による規制が免除されます。

ですが移送の場合も危険取扱者の乗車は必須の上、運搬と移送の両者で同じように必要なこともあります。その中の一つがあの「危」の字。あれを危険物車両であることを周知させるため、確認しやすい所に貼るのはトラックでもタンクローリーでも変わりません。

しかしながらトラックによる運搬に「難関」が多いのは、やはりタンクローリーとの構造の違いによる安全性の差であることは一目瞭然ですね。

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危険物積載車両が運ぶ薬品・毒物・劇物

危険物はその性質を基準に「消防法」に種類を定められています6つの「分類」に分けられ、第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第6類と呼び、後述するようにこの種類によって必要な資格も変わっていきます。

具体的な違いは少し複雑ですが、それらの共通点となる言葉が「燃焼」です。どんな条件で発火するか、または発火現象を促進するかなど、同じ条件を持つものが同じグループに分けられていると考えると分かりやすいでしょう。

そんな危険物の種類を大まかに分け、薬品・毒物・劇物などと呼ぶこともありますが、それらの危険物の中には誰もが使ったことのあるものもたくさんあるのです。

例えばガソリンやエタノールがその一部です。電気自動車もかなり普及してきている昨今ですが、まだまだガソリン車の方が一般的です。車の、もちろんトラックやタンクローリーの燃料であるガソリンも、大量輸送の際には危険物として扱われます。またエタノールと聞くと、小学校で使うアルコールランプを思い出す人が多いのではないでしょうか。ですがもっと親しみを感じられるのはアルコール除菌・消毒としての役割でしょう。このように私たちの生活に密接なものも危険物として扱われているのです。

そしてその理由が、「引火性」です。先ほど身近なものとしてアルコールランプを挙げましたが、そもそもアルコールランプにエタノールが使われるのは「引火性」があるからですよね。適切な分量で便利な道具として扱えるものも、大量になればそれは、慎重に丁寧に扱うべき「危険物」になるのです。

危険物積載車両の運転と必要な危険物取扱者資格

危険物の分類と対応する資格

危険物を扱うには、膨大な知識と、それに伴う経験が必要です。ですが危険物はまだまだ人の手による管理が必要で、それらと関わる人は意外にも沢山います。ですから必要な人が必要なだけの知識と資格が得られるように、危険物取扱者の資格は細かく分類されています。

まずこの資格は甲種・乙種・丙種の三つに分かれており、それぞれ内容や試験される知識量が異なります。

危険物取扱者の乙種

まず乙種です。先述したように、危険物はその性質によって6つに分類されます。そして乙種の資格も同じように第1類から第6類まであり、乙1類の資格を取れば第1類の危険物が、乙5類を取れば第5類の危険物が扱えるようになります。

つまり、乙種の資格は危険物の種類に対応しているのです。例えば石油やガソリンが分類されている乙種4類の資格は、「ガソリンスタンドでの仕事でもっと活躍したい」と考える人にとって、スキルアップができる内容になっています。

ですから、今の業務内容やこれから務めたい仕事に合わせた、適切な資格を部分的に無理なく取ることができると言えるでしょう。

危険物取扱者の甲種

これに対して甲種は乙種のすべての知識を求められますですから甲種の資格を持っている人は危険物のエキスパートと呼べるでしょう。そうなると資格の活かせる職の職の幅も広がりますので、スキルアップだけでなく、大幅な収入アップにも繋がるでしょう。

危険物取扱者の丙種

最後に丙種ですが、こちらは前述した乙種4類の中の限られた危険物を扱えるようになるものです。

乙4類はガソリンスタンドに務める人に向いていると言いましたが丙種の資格でできることはそれよりも限られますし、ガソリンスタンドで資格を活かしたい人は丙種の資格だとできることが限られますので、ご注意下さい。

このように同じ危険取扱者の資格でもさまざまな種類があります。自分がその資格を何に活かしたいのかをしっかりと考え、自分にあったものを受験しましょう。

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危険物取扱者の資格は年収アップにつながる

危険物をトラックで運搬する際、気を付けなければならないことの一つが「混載」です。この知識は危険物車両ドライバーを目指し、危険物取扱者の資格を取るとなれば必ず覚える要項ですが、有名な覚え方の一つとして「足して7になる2類一組の組み合わせは混載できる」というのがあります。

一つ資格を取るというのは確かに大変なことですが、こうした工夫を施すことで、資格取得で得た知識を長く確実に覚えておくことができますね。そうすることはより良いドライバーになるための近道に繋がっていると言っても過言ではありません。

ここまで危険取扱者の資格について説明してきましたが、資格があればいきなり危険物車両のドライバーになれるのか?残念ながらそうではありません。必要なことは資格だけには留まらず、ましてトラックドライバーとしての経験がない人となると、大変さはひとしおです。興味のあるひとは焦らず、まずトラックドライバーとしての経験を積み、技術と知識を身に着けた方がよいと言えるでしょう。

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危険物を運ぶトラックドライバーになるには

危険物といえど私たちにとって身近な物を載せる危険物車両はなくてはならない存在。ですがやはり危険なものは危険。それを扱うドライバーは配送物が大切な荷物であることの他に、自分や周囲に危険が及ぶ可能性のあるものだという意識をしっかりと持つことが求められます。そして意識ある行動をとらなければいけません。

では意識ある行動とはどのようなことでしょう。危険物に共通している言葉は「燃焼」。そんな物を運んでいるドライバーが火の元を作るなどということがあってはいけません。

例えばタバコ。ドライバーでなくとも疲れたときには一服したくなる人も多いでしょう。ですが危険物車両ドライバーにとってみれば、そんなことは言語道断です。「マッチ一本火事の元」とはよく言ったものです。タバコがマッチになることだって十分にありえるのです。

ではタバコを吸わなければ大丈夫か?いいえ、そんなことはありません。危険物として運ぶこともありますが、それ以前にトラックの燃料でもあるガソリン。故障による想定外のオイル漏れがあったらどうでしょう。オイルが火花に引火すればたちまち火は広がり、配送物にまで引火してしまったら取り返しもつかない大爆発が起こってしまいます。

危険物を運んでいる以上、事故やトラブルの種は尽きません。ドライバーは自分の行動が危険を招くことがないか、トラックに何か少しでもおかしなところがないか、正しい配送物の規定を守って積んでいるか、いつも気を配ることが重要です。

そしてその配慮が配送物や周囲、何より自らの命を守ることに繋がります。危険の「芽」を見つけたら、必ず摘み取るよう心がけましょう。

危険物ドライバーの難しさと取得のメリット・デメリット

危険が常に付きまとい、ドライバーの職の中でも責任が重大と言える危険物車両ドライバー。ここまで読んだ方の中には、「自分には出来なさそう」「諦めようかな」と思った人もいるでしょう。

ですが危険がゆえに手を挙げる人が少なく、必要とする現場の多い職業でもあります。

少しでもこの仕事に興味のある方は、まずは必要な資格を取ってみてもいいかもしれません。見事トラックドライバーとなることができれば、資格を持った貴重な人材を欲しがる会社が沢山あるはずです。

私たちの生活に密接に関わるものを運ぶ仕事、それが危険物車両ドライバーです。危険物を担当することになったら、自分が大きな「危険」と、沢山の人の「安全」の手綱を握っていることを忘れずに、配送物と安心を届けてください。

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