今回の転職経験談のドライバーさんのプロフィール
- お名前:N.Oさん
- 年齢:46歳
- ドライバーの仕事をスタートした時期:1992年
- 第一種中型自動車免許 平成3年取得。
- 車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満、乗車人員11人以上29人以下の自動車の運転が可能。
- 第一種大型自動車免許 平成11年取得。
- 車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車人員30人以上の自動車の運転が可能。
- フォークリフト運転者資格 平成19年取得。
- 最大積載荷重 1t以上のフォークリフトの運転が可能。
- 運行管理者資格 平成25年取得。
- 運転手の管理、安全運行の指示など、事業用自動車の運行の安全を確保する責任者の資格。
- 現在の職業:自営業
- ドライバーのタイプ:ワンボックス、中型トラック、大型アルミバン
- 新卒/中途:新卒からドライバー
- インタビュー時期:2019年
ドライバーさんの転職経験談
ドライバーになる前の経歴・職歴
学校卒業後16歳から親が経営していた大衆食堂を手伝う。
19歳の時、自動車免許を取得してドライバーの仕事が始まる。
ドライバーになってからの経歴・職歴
ワンボックスの車で、お得意先(主に自営業の店、会社、パチンコ店、ゴルフ場。)に置いてある清掃用具の交換、深夜清掃の業務(主にビジネスホテル、コンビニ。)を行う会社に就職。
24歳の時、コンビニの弁当、パンをルート配送する会社に就職。主に夜間の配送を担当。
27歳の時、大型自動車免許を取得。大手運送会社(特積み)の路線部門を担当している子会社に就職。最初は4tトラックで、都内の夜間幹線輸送を担当。1年後11tトラックで、1都6県の夜間幹線輸送(1日運行)を担当。
32歳の時、本線ドライバー(長距離)を募集していた運送会社に就職。最初は1日運行のローカル便を担当。
1年後本線ドライバーとして夜間幹線輸送を担当する。主に東京から東北、上越、中部地方を運行。(3日運行)
40歳の時、物流部門の人手不足により、現場業務に配置転換。
41歳の時、運行管理者資格を取得。物流施設に発着する大型トラックドライバーの管理、安全運行の指示をする。
ドライバーとしてもらっている給料・年収・手当・ボーナスなど
正社員としてコンビニのルート配送会社へ入社したときの給料は手当込みで約25万円。ボーナスは年2回支給。支給額は10万円以下。手当は安全運転手当1万円を支給。
正社員として大手運送会社(特積み)へ入社したときは、大型トラックの路線ドライバーの給料は約30万円。繁忙期や閑散期によって、支給額の変動あり。この会社は年1回のボーナスを3ヶ月に渡り支給。支給額は約15万円。手当は特に無し。
正社員として中小の運送会社(特積み)へ入社したとき、大型トラックの本線ドライバーの給料は手当込みで約35万円。繁忙期や閑散期によって、支給額の変動あり。この会社は荷物の個数よりも、荷物の重量が重いほど給料に反映する。ボーナスは年2回支給。支給額は10万円以下。手当の種類は、現場業務手当、運行手当、整備手当等、いくつもの細かい手当を支給。支給額は約1万円以下。
ドライバーのノルマ
ノルマは特にございません。あえていうならプロドライバーとして「安全運行」を課せられてました。
ドライバーになった理由
全国津々浦々、旅感覚で仕事ができる「長距離トラックドライバー」に憧れ、運転手になろうと思ったことがきっかけです。
しかし現実は、時間がキッチリ決められ、時間に追われる仕事なので、高速道路のサービスエリア巡りも出来ないし、「今日は天気が良いからちょっと遠回りして帰ろう」なんてことは絶対出来ない仕事です。
ドライバー職に対して、自由を求めた思いは早くも打ち砕かれましたが「仕事とは、お金を稼ぐことである。」という仕事に対する初心の気持ちをクールに教えてくれたのが、トラックドライバーの仕事だと思います。
長距離ドライバーを志す人はどこか風来坊気質があるので、毎日家に帰らなくても、枕が変わっても、平気な人はいますが、早朝出発して、夕方に帰ってくるトラックドライバーは、とにかく早く仕事を終わらせて、家族と一緒にご飯を食べたいという「マイホームパパ&ママ」が多いと思います。
「前職がトラックドライバーです」と言う時、映画「トラック野郎」のイメージを持つ人がいますが、今の時代そんなドライバーは皆無です。
大手運送会社と中小企業のドライバーのお仕事を比較
大手運送会社で正社員として働くメリットはズバリ「安定」です。
物流の仕事には繁忙期や閑散期があるので、取り扱い荷物が少ない時、給料が少なくなる時もありますが、生活が厳しくなるほど、給料が削られることはまずありえません。
勤務時間は昔に比べてかなり厳しくなったので、不安定な勤務時間は少なく、残業なしの定時で上がれる時もあります。
大手運送会社は全国に拠点がありますので、会社主催のドライバーコンテストやスポーツ大会など催しが開かれるので、日々一人で黙々と仕事をこなすよりも、会社員同士の交流を活発に求めてる人にはメリットがあります。
中小の運送会社で働くメリットは「やればやるだけ稼げる」ことです。
勤務時間は法令に基づいて厳しく管理されてるので、大手も中小も労働時間は変わらないと思いますが、中小の運送会社はとにかく色々な仕事を会社が取ってくるので「仕事の空白時間」があまりないと思います。
今はトラックドライバー だけど、将来店を持ちたい、会社を作りたい、世界旅行に行きたい、という人にとって「軍資金稼ぎ」のメリットはあると思います。
昔は大手運送会社が、そのような役割をしていたし、会社も奨励していたと思いますが、今の時代は会社も人も「安定」を求めるニーズが多くなったかもしれません。
ドライバー仲間や知り合いのツテ
トラックドライバーの仕事は基本一人で仕事をして、運転する時も一人ですが、運送会社の仕事全般を見れば、グループごとに別れて働いているので、ドライバー同士の連絡は他の職種よりも緊密にする方だと思います。
仕事中に何度も連絡し合っていれば、仕事以外の悩みや相談など、プライベートな話もする間柄になるので、ドライバー仲間も自然と多くなると思います。
知人のツテで転職したことはございません。
退職をした理由と転職をした理由
学校卒業後、実家の食堂で働いていたのですが、仕事中はずっと店内にいるため、とにかく外に出て仕事がしたい、という理由で、親の知人が経営していた「リース清掃用具の会社」に転職しました。仕事内容はワンボックスの車で、得意先を訪問する外回りの仕事です。
コンビニのルート配送に転職したいと思った理由は、誰もが知っている有名なコンビニ関連の仕事なので安心感もあるし、24時間営業しているコンビニや、弁当とパンを作っている食品工場の裏側、夜間のトラック運転に興味があったので転職しました。
大手運送会社(特積み)に転職した理由は、大型トラックに描かれた有名な運送会社の看板を背負って走りたい、という思いや、大手ならではの安心感、給料アップを求めたことが主な理由です。荷物はどのように集荷されて、どのように発送するのか?という「物の流れ」も興味があったので、取り扱い荷物が多い有名な運送会社を選択して転職しました。
大手運送会社は、本線ドライバー(長距離)としてキャリアアップが出来ないため、中小の運送会社(特積み)へ本線ドライバーとして転職しました。大手運送会社の本線ドライバーになれなくて残念でしたが、中小の運送会社は物流部門があるので、以前から興味があった「物流」の勉強ができたり、運行管理者資格を取得できたので、結果的には良い転職でした。
転職についての考え
転職する理由は様々だと思いますが、大手運送会社から中小の運送会社へ転職する理由で多く聞いた話は「大手運送会社のトラックドライバーでは、お金が稼げないから、中小の運送会社へ転職する。」という話です。
大手運送会社の良いところは、荷物が少ない閑散期も、極端に給料が少なくなることはないし、福利厚生もしっかりしてるので、何かあればすぐサポートしてくれる体制や、全国に拠点があるため、お互い支え合ってる安心感があると思います。
しかし多所帯のため「あまり冒険をしない堅実な仕事」のみを取り扱う傾向があるので、中小の運送会社みたいに「何でも運びます!」というバイタリティーやフットワークの軽さが、大手運送会社には無くなったと思います。
「やればやるだけ稼げる」という仕事を求めるドライバーは「大手の安定」よりも「中小の自由」を求めていると思います。
運送会社同士の競争が激しかった時代の時は、大手運送会社でも「やればやるだけ稼ぐ」事ができたと思います。
今も昔もトラックドライバーの転職は一般的だと思いますが、将来お店を持ちたい、会社を作りたい、世界一周の旅行がしたい、という時の「軍資金」稼ぎのために働いていた昔のドライバーと違って、将来のビジョンは特にないが「やればやるだけ稼げる運送会社」を彷徨いながら探して、転職するのが今の時代は一般的だと思います。
ドライバーのお仕事の探し方と転職方法
トラックドライバーへ転職するときは、当時有名だった求人情報誌を読んで探しました。
ハローワークでトラックドライバーの求人も探して面接を受けたこともありますが、求人情報誌のように写真がないので、トラックのデザインや、作業服が当日の面接までわからない時がありました。
中小の運送会社は知人紹介が多い気がします。運送会社の配達ドライバーは一般公募で募集してると思いますが、大型トラックの幹線ドライバーは、元自衛隊員が多いです。自衛隊を退職する人の求人案内には、大型トラックドライバーを募集してる運送会社の求人が多いらしいです。
私の場合はトラックドライバーをしていた時代、インターネットがそこまで普及していなかったので「転職サイト」を利用することはございませんでした。トラックドライバーとして転職したい、と思った時は直接運送会社に電話して、現在ドライバーを募集しているか尋ねたり、街の中を配達しているドライバーに直接相談をしてました。
他の職種から初めてトラックドライバーに転職しようとするのであれば「転職サイト」も便利ですが、まずは地元にある老舗の運送会社にトラックドライバーとして転職したい、と相談してみるのが良いと思います。老舗ならではのアドバイスが受けられるかもしれないし、上手くいけばそのまま就職したり、知り合いの運送会社を紹介してくれるかもしれません。ただし、入ってみるまで実情がわからないという点はあるかもしれません。
最終的に結局は「大手の安定」か「中小の自由」を選択することになると思いますが、インターネットがない時代の時は、直接交渉することは当たり前でした。最近では職業紹介のサービスなど便利なサービスも出てきているようですね。
周りのドライバーの転職方法
トラックドライバーをしていた時代、他の職種へ転職する同僚のドライバーは、ほとんど居ませんでした。
同業他社のトラックドライバーとして「より良い条件の運送会社」を「知人のツテ(他社のドライバー)」で紹介してもらい転職する人が多い気がします。
ドライバー職といっても、バラ積みの仕事は嫌なので、ダンプ、平ボディー、海コン、ローリ等に転職したり、二種免許をとって、タクシーやバスの運転手に転職する人もいました。
転職の情報は「転職サイト」や「職業紹介サービス」を主に使っているそうですが、そのサイトを見て、なかなか転職先が決まらない時は、転職したい会社へ直接電話をかけて交渉してる人もいました。
希望する条件が細かいときは人材紹介サービス、まずは色々見たい場合は時間はかかりますが求人広告をみたり電話をかけたりする人が多いようです。
ドライバーの仕事を選んだときの決め手
トラックドライバーをしていた時代、運送会社を3社渡り歩きましたが「転職の決め手」は給料や福利厚生、休みなどの労働条件ではなく「キャリアアップ」でした。
大型トラックで幹線輸送するコースは、担当者が大体決まっているので、ベテランのトラックドライバーには「良いポジション」が与えられてます。
たとえば東京ー大阪間の本線ドライバーを希望をしても、今担当してるドライバーが退職、もしくは配置転換しない限り、東京ー大阪間のコースを担当できません。
ある程度ドライバー年数を重ねれば「良いポジション」は巡って来ますが、大手運送会社ほどその競争率が高いので、なかなか希望するコースの担当にはなれません。
家族持ちのドライバーは腰を据えて末長く続けているので「いつか巡ってくる良いポジション」をのんびりと待っていますが、独身ドライバーは「今すぐ良いポジション」に就きたいと思うので、枠がなければ、他社へ転職を考えると思います。
労働条件はもちろん「転職の決め手」になりますが、最終的にはトラックのデザインが格好良いとか、制服のデザインが格好良いと言うことではなく「大手の安定」か「中小の自由」のどちらかを選択することになると思います。
周りのドライバーが仕事を選んだときの決め手
トラックドライバー時代の同僚は、独身ドライバー、家族持ちドライバーの両方が働いて居ましたが、独身ドライバーの決め手になる会社はやはり「給料が良いところ」家族持ちドライバーの決め手になる会社は「福利厚生」です。
家族持ちの方は、家や車のローン、子供の学費等、支出が多いので、特に閑散期になると転職を考える話をよく聞きました。
でも「やればやるだけ稼げる」中小運送会社に転職するよりも、福利厚生がしっかりしていて、家族持ちのドライバーに対して、手厚い手当を与えてくれる会社に結局は落ち着いてると思います。
ドライバーとして今後どうしようと思っているか
トラックドライバーをしていた時代、「より良い条件の運送会社」を求めて彷徨ってしまいますが、ドライバー職はなにもトラックドライバー だけではなく、軽自動車やワンボックス、タクシーや代行タクシー、路線バスや長距離バス、海コンやローリー等。トラック以外の自動車で仕事ができるので、体力が続く限りドライバーでやっていけると思います。
しかし昨今、高齢ドライバーによる重大な事故が起きてる現状を見聞きすると「プロドライバー」とはいえ、年齢の衰えによる運転ミスが起きる可能性はあります。
手に職をつければ一生食っていける、というのは、どうやらドライバー職には当てはまらない言葉なので、いずれどこかで見切りをつけて、ドライバーを降りる日が来ると思います。
今は健康で体も調子が良いので、ずっとドライバーでやっていける、と思っていても、残念ながらやっていけないのが現状だと思います。
異業種や初心者からのドライバー転職
トラックドライバーをしていた時代、大手運送会社(特積み)の路線ドライバー(ローカル便)に所属していた時期がありました。
この会社は昔「やればやるだけ稼げる」体育会系の会社として全国的に有名だったので、トラックドライバーの経験がないけど、金を稼ぐために入社する人もいました。
そのなかで一番多い職種は元自衛隊員です。自衛隊員は国から補助を受けて、大型自動車免許、大型けん引免許等を取得できるので、退職後は運送会社に就職する人が多いそうです。
ドライバーを辞めて他の職種に就いてゼロから出発する人は少ないと思います。特に家族持ちのドライバーは「より良い条件の運送会社」に転職するのが一般的だと思います。
昔は、将来お店を持ちたい、会社を作りたい、世界一周の旅行がしたい、という時の「軍資金稼ぎ」をするためにトラックドライバーの仕事をしていた人が多かったと思いますが、今は「安定」を求めて働くスタイルに変わったと思います。
将来の理想
トラックドライバーをしていた時代、長く勤めていれば、毎年新卒のドライバーや中途採用のドライバーが入社してくるので、去年まで新人だったのに、今年は新人を教育する立場になったり、ドライバーの班長としてグループをまとめる立場になる時もあります。
つまり2t車から4t車、4t車から11t車というように、常にステップアップして行くのがドライバーの将来像だと思います。
他の職種や、自営業に魅力を感じなければ、体力が続く限りドライバーでやっていけると思います。
しかし「プロドライバー」とはいえ、年齢の衰えによる運転ミスが起きる可能性はあるので、いずれどこかで見切りをつけて、ドライバーを降りる日が来ると思います。
しかし運送会社の仕事は何もドライバー職だけではありません。現場業務職や事務職もあるので、運送会社に勤めていればドライバーを降りても失業することはないと思います。
今回のドライバーさんの転職経験談まとめと他のドライバーさんの体験談
今回のドライバーさんは、率直にはっきりと今のドライバー業界の実情や昔と今との違いを語ってくれました。
安定を目指した会社を求める人が多いというのは物流業界に限らず言えることかもしれませんね。
いずれにせよ、ドライバーさんのみなさんが自分に合ったお仕事を見つけられることが一番であることは、昔も今も変わらないと思いますので、とことん探すべきなのかもしれません。
「働いても給料や条件があまりよくならない」、「体力的にも労働時間もしんどくなってきた」、「将来が不安」、でも”いい仕事ってないよなぁ”と感じたりしていませんか?
もしそうなら、ドライバー不足の今は絶好のチャンスです!
ご存じかもしれませんが、ドライバー不足でどこの企業も人を欲しがっているため、これまで考えられなかったような高年収・好待遇の案件が増えてきています!
なので、もしあなたが最近になっても「あまり年収や待遇がよくならないなあ」と感じるなら転職すれば年収・条件アップの可能性はかなり高いです!
【LINEでドライバーの転職相談】
もちろん転職やお金が全てではありません。慣れた環境や仕事があれば長時間労働や低い年収も気にしないという考えもあります。
ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
ただ、ドライバーの仕事は忙しいのでじっくり探す時間はなかなか取れないものです。ホームページに書いてあることが本当かどうかあやしいと感じるドライバーさんもいます。
それなら、ドライバーズジョブの転職サポートサービスに仕事探しを任せてみませんか?
- 転職するしないに関係なく完全無料でサポート
- 電話で希望条件を伝えて待っているだけで好条件の仕事を探してもらえる
- もし応募したくなったら、履歴書や面接のサポート、条件交渉も手伝ってもらえる
ので、仕事を探す方にはメリットしかないようなサービスです!
ドライバーズジョブはドライバー専門のお仕事探しサービスなので運送業界や仕事内容に詳しく、ドライバーや運送業界で働こうと考えるみなさんを親身になってサポートします!
登録はもちろん無料で、気軽な悩みから仕事探しまで何でも相談してみてください。
また、「ちょっともうドライバーは疲れたなあ」「他の仕事もやってみたいなあ」という方もいらっしゃると思います。
今の世の中はどの業種も人手不足で年齢に関わらず未経験者も積極活用中です。ドライバー経験者の方は体力もある方が多く採用でも有利なため、全く別の業界で活躍される方も多くいらっしゃいます。
人材紹介サービスはどの会社も転職希望者に費用は発生しないので(採用企業がコストを支払うため)、気になった方は話だけ聞いてみるのもアリでしょう。