大型トラック(10トントラック)とは
大型トラックに限らず貨物車は車の重さやサイズで規格が変わります。大型トラック(10トン)は、道路交通法において最大積載量6.5トン以上、車両総重量11トン以上のトラックの規格全般を言います。
なお、大型トラックを含めてトラックのサイズ条件は車両制限令において、全長12,000mm以内、全幅2,500mm以内、全高3,800mm以内と定められており、一般的な大型トラックの車両総重量は20,000㎏(最大25,000kg)となっています。
大型トラックのサイズと4tトラック・2tトラックとの寸法比較
メーカーによってサイズが少々異なりますが、大型トラックの荷台全幅は2,100mmから2,400mm程度になります。
その他にも大型トラックには、ロングボディやショートボディ、ワイドロングという全長と全幅が長い車まで存在しています。車によっては、設計上の関係から睡眠ができるスペースがなく、長距離の運転には不向きになっているものもあるので、注意が必要です。
下記がトラックのサイズと最大積載量・車両総重量の条件の比較表になります。大型トラックと中型トラックを比較すると、重たい荷物や長距離の輸送では効率性や積載量の観点から大型が使われることが多いです。
全長 | 全幅 | 全高 | 最大積載量 | 車両総重量 | |
2tトラック(小型) | 4,700mm以内 | 1,700mm以内 | 2,000mm以内 | 2t未満 | 3.5t未満 |
4tトラック(中型) | 12,000mm以内 | 2,500mm以内 | 3,800mm以内 | 4.5t以上6.5t未満 | 7.5t以上11t未満 |
大型トラック(10t) | 12,000mm以内 | 2,500mm以内 | 3,800mm以内 | 6.5t以上 | 11t以上25t未満 |
車両総重量と積載量とは
大型トラックは、公共の道路を利用して機材を運ぶため、道路を利用するときの路面への被害や損傷を与えないように大きさや重量などについて道路運送車両法や道路交通法で様々な規定があり、車両総重量、車両重量、積載量とはどのように計算されるのかを知っておく必要があります。
車両重量と車両総重量とは
まず、車両重量は車そのものの重さのことを指しています。人や機材、予備タイヤの重さは含みません。そして、車両総重量は車全体の重さのことを表すため、車両重量も含みます。
大型トラックと中型/小型トラックの車両総重量
大型トラックは車両総重量が20t程度とされ、中型トラックが11t未満になることと比較すると、約2倍以上の重さが許容されていることがわかります。
なお既定の重量以上になってしまうと過積載になってしまい、法律によって罰則や罰金の対象になってしまうため、出発前に荷物の積載量や比重等を計算しておきましょう。
大型・中型・小型トラックのサイズ別の車両重量の規定は以下の通りになります。
小型トラック(2t) | 車両総重量3,500kg未満 |
中型トラック(4t) | 車両総重量11,000kg未満 |
大型トラック(10t) | 車両総重量25,000kg以下 |
最大積載量とは
最大積載量の基準と計算方法
最大積載量とは車に積むことができる荷物の重さの最大値を指します。車には、サイズの大きさだけでなくタイヤにかかる負担等も計算して最大積載量が決定します。
車両総重量=最大積載量+車両の重量+(乗車定員×55㎏)
最大積載量の算定で重要なポイントは道路運送車両法の保安基準で下記のように定められているのでこちらもしっかり確認しておきましょう。
- 軸重10トン以内
- 輪荷重5トン以内
- かじ取り車輪荷重割合が空車および積載状態で20%以上
大型トラックの積載量
大型トラック(10トントラック)の最大積載量は道路交通法で6.5トン以上とされています。また、全日本トラック協会によると車両総重量は通常20トンとされています。
なお、最大積載量とは目安に過ぎず、10トントラックと呼ばれていても必ずしも10トンまでの荷物を運べるわけではありません。大型10トントラックは、通常の車よりも設置されている機器が多く、車両重量が重くなる傾向があります。例えば、トラックの運転席(キャブ)と骨組み部分(シャーシ)以外にも走行装置・制動装置・灯火機の重量も加算されます。
ここで先ほど紹介した計算方法を変形すると下記のようにになります。
最大積載量=車両総重量-車両の重量-(乗車定員×55kg)
よって、大型トラックも先ほどの機器に加えて重量のあるクレーンなどが架装されると車両の重量が増えてしまい、乗車定員が増えたりすると結果的に運べる量が減少するのです。
一般的には大型トラックの最大積載量は、そのように計算した結果として10t程度になるため10トントラックと呼ばれることが多いようです。
中型トラックの積載量
中型トラックの最大積載量は道路交通法で4.5 トン以上6.5 トン未満とされています。また、車両総重量は11トン未満までとなっています。
また、近年では道交法が改正したことによって、中型の自動車はそれまで車両総重量が8トン未満となるように製作されてきたものが、車両総重量が11トンまでと緩和されたことより積載量が4トントラック以上の中型トラックもあります。
コンビニへの定期配送や、引っ越しの荷物、精密機械や金属の加工材料など、さまざまな物を運ぶ際に利用されます。
小型トラックの積載量
小型トラックの最大積載量は2トン未満となっています。
小型トラックは、トラックの中で最も車両総重量が低くコンパクトな車体をしているため、積める量も少ないです。積める物が少ないため、主にガスボンベの配送や自動販売機の補充、野菜や冷凍品の食材運送の仕事で使用されます。
トレーラーの積載量
トレーラは、通常のトラック以上に大量の荷物を運ぶため、特殊車両として位置づけられています。そのため、積載量によっては公道を運転する際に国土交通省に申請許可を取らなければいけません。
トレーラーの最大総重量は28トン、最大積載量は約20トンです。しかし、台車の軸を増やすことで積載量をあげることができます。
主に、石油などの液体や自動車の他にも、ブルドーザーやショベルカー等の重機を運ぶ際に使用されます。
10トントラックの才数(m3)計算方法
10tトラックの最大積載量は『車両総重量-車両の重量-(乗車定員×55kg)』で計算しましたが、トラックの積載量を計算するときに貨物の体積を表す「才数」という運用業界特有の単位があります。コンテナは規格寸法や大きさが決まっているため、この計算式を換算重量に変換することが出来るのです。
ここで、1才=1尺(30.3cm)×1尺(30.3cm)×1尺(30.3cm)=0.028立方メートルなので、1才は8kgに相当するため、それぞれの単位の換算結果は下記のようになります。
1㎥=35才~36才
1才=8㎏
1㎥=280㎏
さらに、運ぶものの比重を知ることで、正確に容積と重量を計算することが可能です。トラックの主要運搬物を例にとると、下記のようになります。
- コンクリート1m3=2.3t
- 土1m3=2.0t
- 砂1m3=1.9t
大型トラック(10トントラック)の形状と積載量の目安
大型トラック、バン、ウイング車
トラックには形状や装備に応じて運べる量が異なりますが、大型トラックのバンやウィング車の最大積載量は10トン程度になることが一般的です。ただし、架装や乗車定員や装置部品によって車重が増えると実際に積める量は8トン程度になることもあります。
なお、バンボディとは屋根に固定された箱型の貨物室を持つ形状の車で、ウィングボディとはバンの両方が開く車です。開いた時の形状が羽のように見えることから翼(ウィング)と呼び、機器や材料等の多くを積卸しやすい特徴があります。
大型ダンプ
大型ダンプとは、荷台を傾けて積荷を下ろすための機械装置を備えた車です。主に土砂や産業廃棄物等の物資を運ぶ際に利用します。
大型ダンプでは車両総重量20トン、最大積載量10トン程度となることが一般的です。
大型トレーラー
大型トレーラーは、トラクター(トレーラーヘッド)で、けん引して積み荷を運びます。普通の車では運べないブルドーザー等の重い重機や石油などの大量の液体を運搬するため、大型のセミトレーラーの最大積載量は約20トンです。また、トレーラーはバラ積み緩和にもとづきトレーラーの台車の軸を増やすことで最大積載量を28トンまで上げることが可能です。
なお、バラ積み緩和は、積み荷の量や運送する場所などによっては国土交通省の通行許可を貰わなくてはなりません。
積載量の特殊な大型トラック
増トン車とは
増トン車とは通常よりも積載量を増やしたトラックですが、増トンする車の大半は中型トラックの積載量を増やした車を指します。
部分補強によって車両総重量が上がり、最大積載量を増やすことが可能です。大型に比べ、維持費や本体価格が安く、出費のコストを抑えることが可能なため、コストダウンを目的として増トン車にする方もいます。
増トン車には大型トラックも存在しますが、サイズが大きく維持費がかかり、中型に比べると補強費用も高い為、中型の増トン車よりも台数は少ないです。
減トン車とは
減トン車とは最大積載量以下で登録するトラックのことです。
積載量以下で登録するのは自賠責保険料と自動車税を節税するためで、自動車税は積載量で決まるため積載量を抑えることで節税に繋がります。
また、自賠責保険料に関しても自動車税と同様に積載量で決まります。保険料は、2tを境目に料金が変わるため、積載量を2t以下にする方が多くいます。
ユニック車という、クレーン装置を取り付けているような車は、装置をメインとして使うため積載量が減ることのデメリットも少なくて済むので、業務に支障を出さずに経費を抑えることが可能です。そのため、減トン車のほとんどが取り付け装置で業務をする貨物車です。
軸重と輪荷重とは
軸重と輪荷重は、最大積載量の規定基準を決める2つの項目です。
- 軸重とは、車軸1つにかかる重量で、最大で10トンまでと決められています。通常の車と違いトラックでは複数の車軸があります。そのため、車軸にかかる重さが分散され、大量の荷物を運ぶことが可能です。
- 輪荷重とはタイヤ1つごとにかかる重量のことを指し、最大で5トンまでと決められています。
高速道路などの料金所では軸重計があり、怪しいトラックがあれば測定され、罰則になる可能性もあります。
最遠軸距とは
自動車の最前部の車軸から最後部の車軸の中心までの水平距離を最遠軸距といいます。簡単にいうとホイールベースのことをいいます。
トラックの場合は、通常の乗用車と比べ車軸が多いため、最遠軸距が分かりにくいです。一般的には、後輪が2軸の車では、最前軸から最後軸までの距離を最遠軸距としています。
最遠軸距の距離は車両総重量に関係しており、距離が長いほど車両総重量が増えます。理由は、荷物を運ぶ際に最遠軸距が短すぎると重量が一点にかかりすぎてしまい、道路や橋に負担がかかってしまうからです。
最大積載量と車両総重量の違い
車両総重量とは乗員数を含めた車両全体の重量のことです。これに対して、最大積載量は積むことの可能な荷物の重さを指します。
車両積載量は、【車両総重量=最大積載量+車両の重量+(乗車定員×55㎏)】となるため、車両総重量は最大積載量を含めた重量となります。
積載量を守らないと過積載に
過積載とは車が決められている最大積載量を超える貨物を積載した状態で運転をすることです。過積載の場合、大型トラックは特殊車両扱いとなるため、国土交通省に道路通行許可を申請する手続きを忘れないようにしてください。
過積載で取り締まられると、積載量が超えているため、ドライバーは交通違反として罰則になることはもちろん、運送会社にも迷惑がかかります。また、罰則だけで済むならまだ良いですが、過積載によって、積んでいる荷物が落ちてしまい、二次被害が発生することやトラックの重みによって橋や道路が崩れてしまう可能性もあります。この過積載は、「運送会社から無理やり命令された。」という事例もあるため、過積載になるようであれば、しっかりと断りましょう。
過積載の罰則は、過積載割合が
- 10割以上
- 5割以上
- 5割未満
のそれぞれの場合において罰金や罰則の額が異なり、下記のように定められております。
- ドライバーが罰則として違反点数や反則金が取られます。
- 運送会社が過積載であることを知りながら、運転を指示した場合は、運行管理者の資格取り消しとなります。
- 業者や荷主側にも責任が及ぶ場合もあり、罰則の対象になる可能性があります。荷主が運送会社の過積載になることを知りながら、運送費の値引きなどの行為を行った場合、再発防止命令(10万円以下の罰金や6ヶ月以下の懲役)が下されてます。
例えば、ドライバーの罰則となる違反点数も6点、3点、2点などと異なってきます。なお、運輸支局から3年間で4回以上指導を受けている場合や、初めての違反でも過積載の行為が悪質である場合、違反車両使用停止処分や事業の停止や許可取り消しにもなりかねないため、注意して運転しましょう。
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