ドライバーは比較的「休みが少なくて不規則」というイメージを持たれた方も少なくないのではないでしょうか?具体的にドライバー別の休みの状況などについてご案内しますので、これからドライバーの仕事を検討している方は是非参考にしていただければと思います。
トラックドライバーの労働時間における休憩ルールと休息ルール
休憩時間・休息時間という用語を聞いたことがありますか?ドライバー業界特有の労働基準に関する用語ですので、聞きなれない言葉だと思います。
トラックドライバーの休憩ルール
連続して運転をすることは不可能ですし、非常に危険な行為です。労働条件の基準書には、4時間が連続運転の上限と規定されています。そして連続運転をし、その上限を超えてしまうと、30分以上の休憩を取らなくてはいけません。
10分以上であれば、分けて休憩してもいいのです。つまり4時間のうちに、10分以上の休憩を度々とることも認められているようです。例えば、60分走って10分休憩、また60分走って10分休憩、といった方法も可能ということになります。
長距離の運転は集中力が欠如したり、知らず知らずのうちに疲労がたまりますので、休憩をとってリフレッシュするという狙いからの規定です。
そして当然ですが、休憩時間も労働時間に含まれます。また休憩時間を取っていれば、その分長く運転ができるわけではなく、運転可能な時間にも制限があります。
トラックドライバーの休息ルール
休息期間は、まとまって8時間以上でなければなりません。分割では休息期間とみなされません。
ドライバーは、事故を未然に防ぐために、勤務中にこまめに休憩をとることが推奨されていますが、休息期間については、休憩よりももっと重要視されています。休息期間とはあまり聞きなれない言葉ですし、休憩時間と同じでは、と誤解されがちです。
勤務から離れて、次にハンドルを握るまでの期間を休息期間と言い、8時間以上あけなくてはいけません。言い換えれば、ドライバーが運転席から離れている時間ということです。
例を出して説明しますと、前日に12時間運転したとすれば、次の日は残りの6時間しか運転できません。2日のうち、実質運転することが出来るのは18時間だけということです。残りの時間は休憩したり、食事をとったり、仮眠の時間となります。
トラックドライバーにおける休憩時間・休息時間の違い
休憩時間は、労働時間内に食事や仮眠のためにとるものですが、休息期間とは、勤務と勤務の間の時間のことを言います。なお、呼び出しを待つ待機の時間は、休息期間ではありません。
ドライバーの休息ルールの特例措置
トラックドライバーを過酷な労働環境から守るための基準として休息時間存在するものの、多岐に渡る商品と目的地の組み合わせによっては、常にこの条件内に当てはまるとは限りません。そういった場合のための対応策としていくつか特例も策定されています。
道路事情で休息が取れない場合の例外
例えば、道路事情等でどうしても休息期間を8時間確保出来ない状況下では、規定の休息期間を取らなくてもいい場合があります。その代わりに、その業務が終わった後の、一定の勤務時間は半分の時間勤務とし、休息を分けて確保することで、条件をクリア出来ます。この場合は合計して10時間以上設定する必要があります。
トラックドライバーが2名いる場合の例外
また、交代しながら運転できるようドライバーが2人乗車することがあります。1台のトラックに2名のドライバーが乗車していれば、2人分の労力とみなされて1日20時間まで走行することが出来ます。
つまり労働時間を7時間まで延長することが出来、休息期間は半分になります。ドライバーの負担は軽くなりますが、人材不足ではなかなか二人を同時にという設定は難しい場合が多いようです。
トラックドライバーが隔日勤務の場合の例外
またシフトが隔日勤務になっている場合は、さらに細かい条件が設定されていて、条件をクリアすれば21時間の労働が可能となります。またフェリーに乗船中は休息期間とみなされたりします。
上記のように、トラックドライバーは商品の特性や目的地などの設定で多種多様な状況が生じやすいので、例外措置も多様く、複雑な面があります。就労してから、自分の身を守るためにも、内容をしっかり把握しておくことをおすすめします。
フェリーや船にのっている場合の例外
さらに、休息期間とは、勤務を終わらせてから、という定義でしたが、例外の場合もあります。それはフェリー移動している時間です。
フェリー乗車中は、運転していないとみなされて休息期間として取り扱われます。しかし、その場合でも、決まった休息期間が下船してから求められます。
勤務が終わったら、まとまった休息を取ることで、条件を満たすことになるのです。そして、条件を満たす時間の仮眠などがとれたら、再度勤務することができます。
トラックドライバーの休息時間の特例は様々です
以上のように、条件となる状況や時間設定は厳密に事細かく決められており、代わりの代案を提示することで、ドライバーの労働環境を守ろうとしているのです。
基準がけっこう厳しいと思った方もいるかもしれませんが、色々な状況が考えられますので、特例もまた多いのです。
トラックドライバーの休息時間に違反すると罰則はなくても労基からチェックが入る
ドライバーに関する先ほどのルールは行政が決めた基準であって、罰則はありません。ですが、違反すると労働基準監督署からチェックが入ります。
ブラック企業であると判断されたら、違反の対象となります。今後トラックドライバーの仕事に関心のある方は、これらの基準をきちんと把握して、各企業の労働環境を調べてみることをお勧めします。
トラックドライバーの休日のルール
そして、休日についても、ドライバーの体力を回復させるために規定があります。最低32時間の休日がなければなりません。
ちなみに身体の回復時間を考慮してか、数時間ずつ分けて取ることはできません。そして丸1日休みの場合でも休息時間は加えなければなりません。つまり休日をとった場合でも最低でも32時間は休まないといけないのです。
そして休日出勤は2週間に1回のみしかできません。ただし、休日の曜日についての規定はありません。会社の商品の種類によって、週末が休日だったり、平日が休日となる勤務形態になります。
トラックドライバーの安全のための運転に関するその他のルール
2日連続勤務であれば、平均9時間以内、2週間の平均が44時間以内、など細かく設定されています。これらはごく一部の規定ですが、命の危険と隣り合わせのドライバーを事故から守るために細かい規定が設けられているのです。
ただ、乗車する時間帯については、特に規言及されていません。乗車時間は、その会社の商品の種類などで変わってきます。長距離の移動の商品は、道路状況などを考慮して、深夜の時間帯がどうしても多くなってしまう傾向があるようです。
トラックの運転は、命の危険と隣り合わせの業務なので、たとえ労働時間とはいえ、その時間ずっと運転することは非常に危険な行為です。
いくら基準書の規定を守ったからといっても、事故を防げるわけではありません。体調管理などの自己管理もトラックドライバーに求められる資質ともなります。
ドライバーの種類によって休日の取得状況が異なる
一言にドライバーと言っても様々な仕事があります。休日の取得状況をご案内するうえで、ある程度分けて考える必要があるため、ドライバーのジャンルを大きなくくりで分けて説明します。
物流ドライバーの休日
車のサイズ(大型トラック、軽貨物)や業務のために走行する距離などで違いがありますが、宅配や物品輸送貨物などがこれに該当します。休みの状況を考えるうえでは、「物流」であり「距離が近いか遠いか」が影響するものとしてご案内したいと思います。
長距離の物流ドライバーの休日
少し前のデータになりますが、厚生労働省の行った調査によると、長距離ドライバーは休みが取りにくく不定期になりやすいとの結果が出ています。何故このような状況に陥るのでしょうか?大きな理由の一つは、「運転距離が長い=労働時間が長時間化しがち」ということ。労働時間が日をまたぐというケースも珍しくないため、勤務日がわかりにくい・休みが取れない・取りづらいという実態につながっているようです。
また、生鮮物や食品輸送の仕事になると、年間どの時期でも頻繁に輸送を行う必要があることから、世間一般が休みになるお盆・お正月・ゴールデンウィークなどでも仕事が入るのが一般化しつつあるのも課題に挙げられています。長距離ドライバーの場合、出発地点と目的地が県をまたがることが多いことから、地方別のデータで見ると更に問題が露見しているかもしれませんね。
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短距離の物流ドライバーの休日
短距離ドライバー、例えば宅配便の場合で考えると、担当エリアが固定されていたり、会社の業務日が決まっている場合などもあり、長距離に比較すると休みが取れる傾向にあります。但し、個人宅への配送が主な会社などは休日指定の荷物の取扱いも多くあることから、土日確実に休めるといった状況にはないといえるでしょう。
また、昨今社会問題にもなっているように、物流業界の人手不足を助長しているインターネットを介した買い物の問題などもあり、地域や会社によっては短距離ドライバーといえど休みの取得が厳しいという場合もありそうです。
旅客ドライバーの休日
物流に対して、人を乗せる車両のドライバーのことを指します。タクシードライバーやバスのドライバーがこれに含まれることになりますが、特にバスでは路線バスの運行を仕事とするドライバーと、観光バスのドライバーとで休みの取り方に違いが見えてくると思います。
タクシードライバーの休日
タクシードライバーの休日は、勤務形態が日勤、夜勤、隔日勤務かで変わります。
日勤/夜勤の場合、それぞれ8時間の勤務時間となりますが、実際には途中1時間の休憩時間を挟むため、9時間をドライバーとして過ごす形です。お分かりのとおり、一般的な会社員の標準労働時間と等しい形態のため、週に2日ほどの休みを確保することができます。余談ですが、夜間の方が公共交通機関が動いていないことや、夜間割り増しなどがあることから稼げると言えるでしょう。
隔日勤務の場合、20時間前後の勤務をする特異な勤務形態です。途中の休憩時間も長めで3時間程度はとることになります。勤務日の次の日は20時間以上の休息を義務付けられているため、勤務日翌日は休みとなります(明番というそうです)。このことから、勤務日と休日(明番)が交互にあるイメージですので、比較的休み自体はとれると言えそうです。但し、一回の労働が長い形態ですので、体調を整える点も含めて休日の過ごし方が重要とも考えられるでしょう。
大きくは以上の形態が主なタクシードライバーですが、定時型とよばれる勤務もあるのをご紹介しておきましょう。短時間労働(パートやアルバイト)をイメージしていただければわかりやすいと思います。スキマ時間を活用したい女性ドライバーや、年金受給の傍ら収入を得たいと考える高齢者ドライバーなどに最適な形態です。
バスドライバーの休日
バスというと大きく2つ。先ずは路線バスなどの短距離ドライバーについてお話します。こちらは路線が決まっていることもあり、週休2日程度の休みは確保できるのが一般的。但し、公共交通機関の場合は土日祝関係なく走らせる必要がある大切な仕事でもあり、休み日自体は平日取得などの不規則になることは否めません。
一方、観光バスなどの長距離ドライバーの場合はどうでしょう。休みに関しては平均して4週8休を採用している企業が多く、一ヶ月の日数で考えると週休2日と同等になると言えそうです。但し、長距離物流ドライバーと同じく、移動時間が長いことから日をまたいでの運行などのケースもないとは言えまず、路線バスなどの短距離バスドライバーに比べればハードなお仕事と言えるでしょう。しかし、長距離バスドライバーの仕事も人出不足の業種であり、近年ではドライバーの長時間労働に起因する痛ましい事故なども報道されています。
このことから、法律の遵守のみならずドライバーの健康維持のために休日もしっかり取得するよう取り組んでいる会社が増えています。
ドライバーは休みが取れないというイメージについて
以上のように、ドライバーという職業を更に細分化してみると、休みが取れているドライバー職と、そうでないドライバー職が鮮明になったのではないでしょうか。物流であれ、旅客であれ、長距離は休みが取りにくいということが分かってきたと思います。ただ、勤務日数の考え方などを知れば決して決して休みが無いというわけではないのです。また、いずれも大きな事故に発展しかねない職業ですので、国としても安全運行に関しての決め事を義務付けています。ドライバーを志す方は、これまでのようなブラックなイメージを改めていただければと思います。
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