トラック運転手に休みはあるのか?
トラックドライバーの年間休日の平均はどれくらいか?
トラック運転手の年間休日は所属する運送会社、扱う荷物、また小型トラック、大型トラックなど、乗車するトラックで変わってきます。また地場(短距離)トラック、長距離トラックなど、走行する距離でも変わってきます。
全産業の平均年間休日はおよそ114〜112日と言われています。一方、運送業界は年間休日120日以上・土日祝日完全休みとする運送企業もあれば、小規模な物流会社では週休2日どころか週に1日休みがあれば、といったところもあるのが現状です。
大企業を中心としてトラックドライバーの働き方改革は進んできていますが、運送業界にはコンプライアンスの意識が低い零細運送会社も未だに多くあり、行政が進める働き方改革が充分浸透していないのと、慢性的な人手不足が続いている為、満足に休みをトラック運転手に与えられないといった現状があります。
この状況は人手が特に不足している大型トラックのドライバーが顕著で、トラック運送状況の実態調査結果のデータから見ても、長距離を走る大型トラックの方が、比較的短い距離を走る事の多い小型トラックよりも休みが取りづらい状況になっています。
トラックドライバーに土日休みはあるのか?
トラック運転手の休みは週に2日必ず休日があったり、完全に土日休み(完全週休二日制)という会社は大手を除くと多くはありません。中小運送会社は、隔週や月一回だけ土日が休みになる場合(週休二日制)がほとんどで、中には日曜日しか休みが取れない会社や、週に1日すら休みがもらえないといった運送会社もあります。
また宅配便や食品を扱っている運送会社などでは、シフト制でドライバーを交代させて平日休みにしている運送会社が多いので、土日休みにこだわりたい方や平日休みでも良いが完全週休二日制がいいという方は情報収集を行い、コンプライアンスがしっかり守られていたり、ドライバー人員の安定した運送会社を選ぶ、そういった目を養っておくことが重要になってきます。
トラックドライバーに年末年始はあるのか?
一般的な大手企業は年末年始はきっちり休みといったところが多いですが、運送業界のなかでも特に中小運送会社では、荷主の要請に応えなければならない関係上、年末年始が完全に休みといったところは少なく、年末年始のうち何日かは出勤しなければならないトラックドライバーが多いです。
その一方、大手企業専属の運送会社や大手運送会社の自社便など、人員が豊富な運送業者は、年末年始はしっかり休みが取れるところもあります。また年末年始に休みが取れなくても、違う日に年末年始の休みの代わりとして、まとまった休みを取得できる大手運送会社もあります。
トラックドライバーに休日出勤は多いのか?
トラックドライバーが休みに出勤する割合は他の職種よりも多いです。もちろん扱う荷物や乗務するトラックの大きさ、所属する運送会社によって休日出勤の頻度は変わりますが、ある程度の割合、2週間に1回位で休日出勤はあると考えておいた方が無難でしょう。ただ大手運送会社の方が中小運送会社より休日出勤の割合は少ない傾向があります。
この休日出勤は悪い事ばかりではなく、全ての時間が残業扱いになる運送会社もあり、さらに賃金の割増率がアップするなどメリットもあるため、トラックドライバーになってしっかり稼ぎたい方にとっては貴重な収入源になっている現状もあります。
トラック運転手の休み方
シフト制で休みが不規則になるパターン
食品を扱う運送会社などでは土日も取引先が営業しており、土日も対応しなければならない関係上、シフト制で休みは不規則な場合が多いです。
もちろんあらかじめ希望を出しておけば希望した日に休みをとる事も可能ですが、工場勤務や事務仕事のように固定で土日休みといった環境ではない事は確かです。
宅配のトラック運転手の休みも多くの会社がシフト制を採用しており、休みは平日休みもあったりと不規則なパターンになっている事が多いです。
ただ平日休みはレジャー施設も空いているといったメリットもあり、そういった部分にメリットを感じているトラック運転手も多いです。
週休2日のパターン
トラック運転手という仕事で安定して週に2日、土日にしっかり休みがある完全週休2日制の会社は大手を除くと多くはありません。
大手企業の専属の運送会社や規模の大きな運送会社では下請けの運送会社を使って土日は自社トラックを休みにするところもありますが、ほとんどの運送会社は隔週で土日が休みであったり、平日に2日、ないし1日の休みで、月にして6日〜9日程度の休日となっている場合がほとんどです。
週休2日制となっている場合、月に一度でも週に2日休みがあれば週休2日制と謳う事ができるため、確実に週に2日休みたいと思うのであれば、完全週休2日制と謳っている会社を探す様にしましょう。
週休1日のパターン
今、運送業界は人手不足の影響もあり週休1日の休みで頑張っているトラック運転手も多くいます。
長距離の大型トラック運転手を例にあげると、金曜日の遅くに仕事が終わり次の日、土曜日、1日の休みで日曜日の昼、ないし夜には,また長距離に出発、なんて事も普通にあります。
ただ運送会社の中には長時間勤務は当たり前、1週間に一度の休みも満足に取れないブラックな運送会社もいまだに存在しているので、週休一日でもしっかり休みがあり給料など、他の条件が揃っていて業務内容に魅力を感じるのであれば、週休1日の運送会社も十分選択の余地があるといえるでしょう。
トラック運転手の種類ごとの休み
小型2トントラック運転手の休み
小型の2トントラック運転手の仕事は、宅配便や小さい荷物を積んで決まったコースを配達するルート配送の仕事が多いため、毎日決まった時間で仕事ができるメリットがあります。
小型トラック配送は休みも週休二日はもちろん、土日休みの会社が多い点も魅力です。
小型の2トントラック運転手は準中型免許で運転する事ができるため、比較的人員が確保しやすい事から、休みの融通が利きやすいといった事情もあります。
デメリットとしては集荷や荷降ろしが殆どが手積み、手降ろしになり、小型の2トントラック運転手の仕事は体力勝負の仕事が多いといった事があります。このあたりは休みの多さとのトレードオフといったところでしょうか。
中型4トントラック運転手の休み
中型の4トントラックは運送業界では主力のトラックです。その仕事は多岐にわたり、中型4トントラック運転手は様々な現場で活躍しています。
中型4トントラックを扱う運送会社は数多くあり、その数の多さから、休みの形態も様々です。
中型4トントラックは長距離から近場のルート配送までなんでもこなす事ができるため、運送会社が扱っている荷物によって、週休二日の会社もあれば長距離で全く休みがない会社もあるなど、中型4トントラック運転手は選択する幅がある分、会社選びにはしっかりした事前調査が必要だといえます。
長距離トラック運転手の休み
長距離のトラック運転手の仕事は、長ければ1週間近く帰ってこれない場合もあり、労働時間や休みは当然不規則になります。
また現在では免許制度が変わり、中型免許、準中型免許が新設され、大型免許取得のハードルが上がった事もあり、長距離トラックの運転手は慢性的な人手不足が続いています。
そういった事から、急な休みやまとまった連休などが取りにくいといったデメリットが長距離トラック運転手にはあります。
その一方で収入が小型、中型トラックのドライバーに比べ高い傾向にある事や、いろいろな場所に行けて旅感覚で仕事ができるなど、そういった事に魅力を感じる事ができるならば、たとえ休みが少なくても長距離のトラックドライバーはやりがいのある仕事といえるでしょう。
タンクローリードライバーの休み
タンクローリーのドライバーの仕事としては、ガソリンなどの燃料を運ぶ危険物の大型タンクローリーや、牛乳などの乳製品を運ぶタンクローリーなどがあります。
タンクローリードライバーの仕事は取引先が大手である事が多く、決められたルートを走る事が多いためタンクローリーのトラック運転手の労働時間はしっかりしていて、休みも週休二日のところがほとんどです。よってタンクローリーを扱う会社はホワイト企業が多いといった特徴があります。
大型のトラック運転手を目指していて、なおかつしっかり休みも欲しいという方はタンクローリーのトラック運転手を目指してみてはいかがでしょうか。
トラック運転手の休日のルール
ドライバーの拘束時間と休息期間とは
トラック運転手の仕事は一般的なサラリーマンと違って時間が不規則になりがちです。トラックドライバーは荷積み、荷降ろし、渋滞や手待ち時間など、トラックドライバー特有の作業が発生するため、それらに一定の歯止めをかけなければ、トラックドライバーの働く環境は悪化の一途を辿ってしまいます。
それを防止するためにトラック運転手には拘束時間や休息時間、休日などにさまざまなルールが設けられています。
拘束時間とは、始業時間から終業時間までの会社に拘束されている時間のことをいい、休憩時間もこの拘束時間に含まれます。1ヶ月の拘束時間は原則293時間(労使協定を結んだ場合を除く)、1日の拘束時間は原則13時間以内となっていて、延長する場合でも16時間が限度(15時間を超えていいのは週2回まで)となっています。
休息期間は拘束時間と拘束時間の間、終業してから次の始業時間までのことで、この休息期間は最低でも8時間以上は与えなければならない事になっています。
休憩時間と休息期間と休日の違い
休憩時間、休息期間、休日の意味合いの違いはトラック運転手が働く上でとても重要なので、しっかり押さえておきましょう。
休憩時間は、仕事の始業と終業の間(勤務時間)の中で身体を休める時間のことをいい、トラックドライバーはこの時間に昼食をとったり、仮眠とったりしています。あくまで業務中ですので、休憩時間は拘束時間に含まれます。トラックドライバーの労働法では、6時間以上8時間以内で45分、8時間以上の勤務で1時間は取らなければならない事になっています。
休息期間とはドライバーがその業務から開放されて次の業務に着くまでの間、つまり終業から次の始業時間までの時間のことをいい、業務から開放されて自由な時間になるため拘束時間にあたりません。この休息期間は原則8時間以上開けなければならないとされています。
休息期間が『拘束時間と拘束時間の間の時間』と定義されるのに対して、休日とは『時間と時間の間に縛られない、丸一日以上しっかり休む事ができる時間』ということになります。
トラック運転手の具体的な休日のルール
トラック運転手の休日にもルールが定められています。
休日とは『休息期間より長い休み』として定められており、休息期間(8時間)+1日(24時間)となっています。つまり休日には32時間以上の連続した時間が必要という事になり、最低でも連続した時間が30時間を下回ってはいけない、と改善基準でも定められています。もし下回った場合は休日とは認められず休息期間の扱いになり、法律に抵触する可能性が出てきます。
休日には『1週に1回もしくは4週に4回ある最低限の休み』として法律で義務付けている法定休日と、『労使間の取り決めで与える法定休日以外の休日』となる法定外休日があります。
よくあるパターンは、企業が土日休みの週休二日制を導入している場合、日曜日を法定休日、土曜日を法定外休日としている場合です。法定休日は柔軟に定める事ができるため、例えば平日のどれか1日を法定休日に定める事も可能です。
トラック運転手の休日出勤の時の給料
トラックドライバーにとって重要になって来るのは休日出勤の割増率です。
仮にドライバーが休日に出勤する場合、法定休日の割増率は『1.35』、法定外休日の場合は『1.00』、ないし『1.25』となり法定休日に出勤した方が割増率が高くなります。休日に関してはその会社の就業規則に内容が記されているため確認してみると良いでしょう。
トラック運転手の休日出勤ルール
原則、従業員には1日8時間、1週間に40時間(法定労働時間)を超えて労働をさせてはいけないとされています。とはいえ、この時間内ではトラック運転手は現実的には仕事を終える事は難しいです。
そこで労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者と時間外労働協定(36協定)を結ぶ事でそれ以上の仕事、また残業や休日出勤をする事ができるようになります。
トラックドライバーの休日出勤は、ローテーションを組んで順番に休日出勤をさせるのが一般的です。これは休日出勤が法律で2週間に1回以内と決められている事や、しっかり休みたいと思うドライバーがいる反面、休日に出勤してガッツリ稼ぎたいドライバーもいて、個々の事情で出勤を決めていては、仕事が回らなくなるためです。
トラックドライバーの有給休暇
トラック運転手の有給休暇は他の職種と同様で法律上の日数が与えられます。与えられる日数は以下のようになります。
勤続年数 | 有給休暇の付与日数 |
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
1年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月 | 20日 |
有給休暇は労働者に与えられた権利ですので、当然トラック運転手はいつでも使う権利を持っています。ですが現実には使いづらい状況にある運送会社はとても多く、使えたとしても年に数回がいいところで、自分の好きな日に有給を取得するのは難しい環境にあるといえます。
例えば、長距離のトラック運転手が有給休暇をだそうと思っても、代わりに走るドライバーが見つからずに却下になってしまったり、中小の運送会社ではドライバーに有給休暇を取らせたくても取らせる余裕がない場合があるからです。人員や企業体力に余裕があり、規模の大きい運送会社の方が有給休暇を使う事ができる体制が整っているといえます。
トラック運転手の休日の過ごし方
トラック運転手という職業は他の職種に比べて拘束時間が長い傾向にあります。
そんなトラック運転手の休日の過ごし方はまず睡眠をガッツリとって、身体の疲れを癒す事です。トラック運転手の休日はまずガッツリ寝る事から始まります。
それ以外はトラック運転手は普通のサラリーマンと休日のルーティンは変わりません。家族サービスや趣味に休日を充てる者などさまざまです。ただトラック運転手の朝は早いので、ハメを外しすぎて次の日の仕事に影響がでないようにしなければなりません。
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トラック運転手には休日が少ないことのメリットもある
トラック運転手の仕事で休日が少ないと聞くと、過酷なイメージが頭をよぎるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
トラック運転手を志す人は、トラック運転手という仕事で稼げると考えている方もかなりいます。稼ぎたければ、休日が少ない方が売り上げも上がり残業が増えてお金を稼げるといった具合です。
また休日に仕事をする事で休日出勤扱いとなり、割増率もアップしますので、より稼げます。トラック運転手にとって休日がないという事はメリットにもなりうるのです。
会社が休日のルールを違反していた場合
会社に休日の相談をする
近年の働き方改革の影響もあって、トラック運転手の休日は昔に比べて多くなってきています。その一方、まだドライバーの休日のルールが守られていない運送会社があるのも事実です。
自分が所属する運送会社の休日ルールが守られていない場合は、会社の上司や社長に休日のルールが守られていない事について相談してみるのもひとつの手です。
コンプライアンスはこれから会社が生き残っていく上でとても重要なものです。会社も何らかの対応をしてくれる可能性があります。
労働基準監督署に休日の相談をする
会社に休日のルールに関して相談をしても取り合ってもらえない、またドライバーから会社に直接話をするのは言い出し難い、そういった場合は労働基準監督署に休日について相談するという手もあります。
労働基準監督署は労働基準法に沿って企業の運営がなされているか監督、及び指導する行政の機関です。トラック運転手の相談も受け付けてくれますし、会社への立ち入り調査、是正勧告を行ってくれる可能性もあります。
休日ルールを守る運送会社に転職する
会社に相談しても対応してもらえなかったり、労働基準監督署に相談しても改善には時間がかかりそう、そんな場合は、休日ルールを守る運送会社に就職・転職する事を考えてみてはどうでしょうか。
最近ではコンプライアンスの流れや働き方改革の影響もあり、以前の運送業界に比べ、休日ルールを守る運送会社は確実に増えてきています。
探せばドライバーの休日、給料などの待遇面がしっかりしている運送会社に巡り合えるはずです。できれば入社したい運送会社のトラック運転手に直接話が聞ければ確実です。
休みが取りやすいトラック運転手の種類とは
短・中距離配送のドライバーは休みが取りやすい
トラック運転手の休みは短距離、中距離のトラックドライバーのほうが長距離のトラックドライバーより安定した休みが取りやすい傾向にあります。これは運転距離が長く、一度会社を出発したら、何日も家に帰ってこれない大型の長距離ドライバーより、比較的運転距離が短く、毎日家に帰宅する事ができる短距離、中距離ドライバーの方が、休みのシフトスケジュールが立てやすいためです。
また大型トラックドライバーの成り手が昔に比べ少なくなり、大型トラック運転手の人材が不足していてる事で、安定した休みを取らせられない事情もあるためです。
もちろん例外もあり、大型トラック運転手の休みが安定している会社もありますし、短距離、中距離トラック運転手なのに安定した休みがなかなか取れない、といった事もあります。
大手運送会社の方が休みを取りやすい
トラック運転手の休みは中小運送会社より大手運送会社の方が取りやすいといった傾向があります。
企業は大きくなるほど、社会的責任が大きくなり、コンプライアンスの意識も高くなっていきます。働き方改革も早くから取り組んでいるところが多く、ドライバーの数が多い事もあり、休みを取らせやすい環境が整っています。
一方、中小運送会社の中にはコンプライアンスの意識、働き方改革が充分に浸透していない会社もあり、ドライバーの数も不足していたりと、休みを充分に与えられないブラックな運送会社がまだ多くある実態があります。休みが多い運送会社を希望するなら、大手運送会社を中心に転職、就職を考えていきましょう。
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