普通二輪免許は400㏄までのバイクを運転するための免許です。俗称として中型免許、中免と呼ばれることもあります。普通自動車免許よりは持っている人が少ないだけに、取得できる年齢やかかる費用、実際にどんなバイクが運転できるようになるかはあまり知らないという人もいるのでは。ここでは普通二輪免許の取得方法や費用、どんな仕事に生かすことができるか、なぜ中免と呼ばれることがあるのかなどをまとめました。
普通二輪免許(普通自動二輪免許)とは?
ざっくりまとめると
普通二輪免許は仕事上必須になるということはあまりありません。普通二輪免許を活かした仕事はバイクメーカーやバイク小売店の整備業、バイク便などです。
二輪車の免許というとよく中型免許という言葉がでてきますが、実際には現在は中型免許というものは存在しません。中型免許とは普通自動二輪車免許の俗称です。以前は自動二輪免許(中型限定)という免許があったため、いまも中型免許という呼び方が残っています。中型免許、つまり普通二輪免許を取得すると排気量400㏄までのバイクに乗ることができるようになります。普通二輪免許で乗れるバイクであれば高速道路を走行することも、二人乗りをすることもできます。
原付二種と呼ばれることもある小型自動二輪車は高速道路を走ることはできません。しかしタンデムといわれる二人乗りは可能です。原付と違って小型自動二輪車は普通運転免許を持っていても運転することはできません。
この免許証を取るとこんなお仕事が出来るように
普通自動二輪車免許が必須の仕事は決して多くはありません。普通二輪免許を活かしてできる仕事はバイクメーカーやバイク小売店の整備業、首都圏や大都市を中心に活動しているバイク便などがあります。特にバイク便はその名の通りバイクに乗れなければ始まりません。毎日バイクに乗ることができるので、根っからのバイクファンにとっては天職ともいえるかもしれません。
普通二輪免許が必須ということはありませんが、バイクに関わるメーカーや小売店、バイク用品店の店員も普通二輪免許を持っているとバイクが好きと思われて就職に有利になる可能性もあります。これらの仕事は業務上バイクの知識が大いに越したことはありませんので、バイクの免許が仕事に役立つといえます。
ただし、会社によってはバイクでの通勤は安全性や置き場所などの都合で規約で制限されていることもあります。もちろんバイク免許自体の取得が禁止されているということはほぼないようです。バイクは休日やアフターファイブに楽しみましょう。
俗にいわれる中型免許(中免)って何のこと?
バイクの免許のことで会話をしているとよく「自分は中型免許を持っている」「中免があるからビッグスクーターも乗ることができる」などと、中型免許、もしくは中免という単語が出てきます。確かに自動車については普通自動車免許に対して中型免許、もしくは準中型免許があります。しかし実はバイクには中型二輪免許というものはないんです。
ではバイクでの中型免許とは何のことなのか。答えは普通自動二輪車免許、普通二輪免許のことです。もちろん免許証には普通自動二輪車免許、普自二と記載されるだけで中型とはどこにも書いてありません。教習所の申し込み時にも中型二輪免許取得ではなく普通自動二輪車免許取得で申し込むことになります。
ではなぜ普通二輪免許を中型免許と呼ぶのでしょうか。それは1996年までバイクの免許に【自動二輪免許(中型限定)】という区分があったため。いまもその名残で中型免許、中免という通称が残っています。
中型免許を持っていると排気量400ccまでのバイクが運転できます。125㏄から400㏄までのバイクを一般的に中型バイクと呼びます。中型バイクと言っても侮るなかれ。400㏄のバイクは見た目はかなり大型バイクに近いものも多いですし、高速道路を走ることもできます。条件を満たせばバイカー憧れの二人乗り、タンデム走行も可能です。バイクといえば大型というイメージを持つ人も中にはいるかもしれませんが、中型バイクでもバイクに乗る楽しみは十分味わえるはずです。またバイク本体の値段も大型バイクよりも抑えられるので初期費用が安く済むのも魅力的。
ビッグスクーターという中免で乗れるスクーターもありますが、こちらは一般的にイメージするスクーターよりもかなり大きく、ある程度大きな荷物を乗せて走るのにも便利です。このビッグスクーターも高速道路を走行できればタンデムもできるんですよ。
また中型バイクは小柄な女性でも扱いやすいサイズです。小柄な女性にとって大型バイクは無理ということはありませんが、やはり慣れるまで少し扱いが大変なようです。中型バイクの方が自分にフィットしていて乗りやすいという女性ライダーの声も多い様子。
小型自動二輪車って何のこと?
小型自動二輪車とは排気量が50㏄~125㏄のバイクを指します。原付二種と呼ばれることもあります。正直に言って、ぱっと見では原付とあまり区別がつきづらいかもしれません。小型自動二輪車と原付の大きな違いは二人乗りができるかできないかです。小型自動二輪車は条件を満たせば二人乗りができます。原付と小型自動二輪車は高速道路を走ることはできません。
小型自動二輪車を運転するためには小型二輪免許が必要になります。普通自動車免許があれば原付や50㏄までのスクーターは運転できますが、小型自動二輪車は運転できません。たまに思い違いをしている人がいますので、注意が必要です。
普通二輪免許(普通自動車二輪免許)を受験するための資格・条件
受験資格のある年齢は何歳から?学生でも取れる?
普通二輪免許は16歳以上であれば受験することができます。16歳の誕生日を迎えてさえいれば高校生でも法律上は問題がありません。ただし学校によっては年齢が16歳を超えても校則で普通二輪免許を取得すること、もしくはバイクに乗ることを制限している場合があります。普通二輪免許の取得は可能でも、バイク通学はダメという学校もあるようです。バイクの免許を取る前に各学校に確認するようにしてください。
免許証をとるために年齢以外に必要な資格・経験・条件はある?
普通二輪免許を取るためには年齢以外にもいくつかの条件があります。
まず視力両眼が0.7以上、かつ、1眼がそれぞれ0.3以上であること1眼の視力が0.3に満たない者、若しくは1眼が見えない者については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること。
色彩識別能力として、赤・青・黄の区別が出来ること。
聴力では、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること。(補聴器により補われた聴力を含む)
運動能力は
(1)自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと
(2)自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障を及ぼす恐れが無いと認められるものであること
が求められます。
条件について記載された条文を読むと難しく感じられるかもしれません。でも要するに、例え多少障害があっても運転に支障さえなければ普通二輪免許は取得できるということ。もちろん性別の条件はありません。
普通二輪免許を取るために必要な資格や経験はありません。ただし二人乗りは普通二輪免許を取得してから1年、高速道路での二人乗りは3年が経過していなければ違反になります。
普通二輪免許(普通自動二輪車免許)を取得する流れと取るのにかかる時間
免許を取得するためにどんな手続きや試験があってどれ位の期間・時間がかかるの?
普通二輪免許の取り方には2つの方法があります。一つ目は自動車教習所に通って技能や知識を学んだあとに運転運転免許試験場で適性検査や学科試験を受ける取り方、もう一つは自動車教習所に通わずに運転免許試験場で適性検査、学科試験の他実地試験を受ける取り方です。後者を一発試験と呼びます。それぞれで手続きや期間は異なります。
自動車教習所に通う場合:
自動車教習所に入校→実技・学科を学ぶ→卒業検定を受験・合格→自動車教習所を卒業→運転免許試験場で本免学科試験を受験・合格→免許を取得
法律で普通二輪免許を取得するために必要な授業の時数が定められています。ただし、普通自動車免許などを持っている場合は学科、実技ともに一部免除されるのでそれだけ自動車教習所に通う期間が短くなることもあります。合宿コースの場合は8泊9日程度、通学の場合は10日間~9カ月程度となることが多いようです。まとまった時間が取れるなら合宿コースに申し込むと効率的に教習を受けることができます。
自動車教習所に通う場合は自動車教習所に入校する手続きが必要になります。必要書類は各自動車学校によって異なりますが、本籍を確認できる戸籍か、すでに免許を持っている人であれば運転免許証は必ず用意することになります。
一発試験の場合:
運転免許試験場で学科試験・実技試験を受験→合格後、応急救護講習を受講→免許を取得
自動車学校に通う取り方と比べるとかなり工程が少なくなります。普通免許等を持っていれば学科試験や救護講習は免除されるので、さらに簡単になります。
それなら一発試験の方が教習所に通う方法より主流になってもよさそうですよね。でも現実は多くの人が自動車学校に通って実技試験を受験、合格した後で運転免許試験場の学科テストに挑戦しています。
一発試験が主流になりにくい理由は、一発試験の実技試験は教習所の実技試験より難易度が高いとされているため。教習所では教官が丁寧に技術を教えてくれます。しっかりと時間をかけて技術を身につけた後、慣れた教習所のバイクで、親しんだ教官が試験官となる実技試験に挑むことになります。技術はもちろん、精神的にも落ち着いて実技試験にトライできるんです。対して一発試験は初めて乗るバイク、初めての試験官、初めてのコースでの試験。考えただけで緊張しそうですよね。また、一般的には教習所での実技試験よりも一発試験の方が採点が厳しくなるといわれています。
一発試験のメリットは時間とお金の節約になるという点です。でも一発試験で1回で合格する人は本当に稀です。多くの人は2回、3回と挑戦することになります。どちらかというと、以前バイクの免許を持っていたけれど何らかの理由で失効してしまったという人におすすめの取り方になります。
普通二輪免許(普通自動二輪車免許)の試験内容・難易度
試験やテストはどんな問題が出題されるの?
普通二輪免許を取得するためには運転免許試験場で学科試験を受ける必要があります。ただし、すでに普通免許を持っている人などは学科試験が免除されます。
普通二輪免許の学科試験は交通マナー、運転に関する法律についての問題が出題されます。出題形式は〇×形式。ちなみに学科試験は普通免許やその他の運転免許と同じ問題が出題されます。試験問題集で勉強したいというときには、普通免許の学科試験用問題集を使いましょう。
どうやってテストの勉強をすればいいの?学習法のコツはある?
教習所に通っている人の場合はまずしっかりと教習所の学科教習を集中して受講しましょう。効率よく勉強することができます。自分で学習する時にも教習所で使っているテキストを使うのがベターです。分からないことがあったときに教官に確認しやすいですよ。
一発試験を狙っている人は市販のテキストを利用して勉強しましょう。前述しましたが、学科試験は普通運転免許と問題は共通です。本屋さんなどでテキストを探す時には普通二輪免許用を探すとなかなか見つかりません。普通免許用の問題集を使って勉強しましょう。また、過去のテストを集めたスマホアプリやホームページもあるので上手に活用してください。
なお、普通運転免許と問題が共通なので、バイクに関する問題だけでなく普通自動車についてなどの問題も出題されます。バイクの問題だけを勉強することがないように注意してください。
試験やテストの難易度や合格率はどれくらい?
普通二輪免許の学科試験は90%以上正答で合格です。9割以上テストの点を取らなければならないと聞くとハードルが高いように感じられますが、裏を返せばそれだけ基本的な問題が多く出題されるということ。きちんと勉強をしていけば恐れることはありません。
普通二輪免許の合格率は年によっても違いますが、おおよそ73%程度です。これは教習所に通った人と一発試験に挑戦した人、どちらも合わせた合格率です。一発試験は学科試験だけでなく実技試験も運転免許試験場で受けることになりますが、一発試験の合格率は8%程度。年によっては3%台ということも。これを考え合わせると、学科試験の合格率はかなりの高さになります。合格のための必要点数は高いものの、難易度は決して高くはありません。
普通二輪免許を取得すると運転できる車
この免許証を取得して乗れる車・乗れない車は?
名称 | 大型自動 二輪車 |
普通自動 二輪車 |
小型自動二輪車 | 原動機付 自転車 |
定義(総排気量) | 400cc超 | 125cc~400cc | 50cc~125cc | 50cc以下 |
運転可否 | 運転NG | 運転OK | 運転OK | 運転OK |
【備考】
普通自動二輪車であれば高速道路が走行できる。小型自動二輪車以上は二人乗りが許される(免許を取得してから1年以上経過している等の条件がある) |
普通二輪免許(普通自動二輪車免許)を取得するのにかかる費用
免許をとるために全部でどの位のお金や費用がかかるの?
教習所に通った場合:8万~15万円程度
一発試験の場合:2万5千円程度~
普通二輪免許を取得するために必要な費用は教習所に通うか、一発試験に挑戦するかで大きく変わります。また、教習所に通う場合は普通免許などの免許を持っていると受講する講習が減るので値段が安くなります。
安く免許を取得するにはどうすればいいの?
安く普通二輪免許を取得したいなら一発試験が一番です。ただし、一発試験の難易度はかなり難しいです。挑戦するたびに試験料と車両レンタル料の合計約5000円が毎回掛かります。さらに運転免許試験場までの交通費、テキストの値段などを考え合わせると、結局は教習所に通った方が安上がりになるケースもあるようです。自分のバイクの運転スキルや金銭状況などを考えて、どちらがいいか選んでくださいね。
あとがき
普通二輪免許、通称中免を取ればバイクの楽しみは存分に味わえます。普通免許に比べれば免許取得に掛かる日にちが少なく、費用も安く済むのも普通二輪免許の魅力。バイクの中型免許は直接仕事に結びつくことは少ないかもしれませんが、あなたの人生を豊かにしてくれること間違いなし。普通二輪免許を取ってバイクのある生活を楽しんでみるのはどうでしょう。
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