昨今、オンラインショップの発達により、物流の要である陸送、特に配達を行うトラックドライバーは深刻な人手不足になっています。なかでも、直接お客様に配達することの多い中型トラックと準中型トラック、小型トラックについてお話をさせていただきます。
- 中型トラックとは
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事内容
- 中型トラックのドライバー(運転手)の具体的な業務
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事が向いているタイプ
- 中型トラックのドライバー(運転手)の平均的な給料・年収
- 中型トラックのドライバー(運転手)の手当(深夜・残業など)・賞与
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事でたくさんお金を稼ぐには?
- 中型トラックのドライバー(運転手)の働き方
- 中型トラックのドライバー(運転手)の雇用形態
- 免許の種類と乗れるトラック
- 中型トラックのドライバー(運転手)が仕事で必要な資格・免許・試験
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事に必要な免許や資格をもっていない場合はどうする?
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事に就職・転職するための求人募集を探す方法
- 中型トラックのドライバー(運転手)の転職サイトに登録・検索・応募する方法は?
- 中型トラックのドライバー(運転手)の仕事まとめ
中型トラックとは
トラックは最大積載量もしくは車両総重量によって区別され、増加するにつれて車格も大きくなっていきます。中型トラックは4トン車格よりも大きく、大型トラックよりも小さいイメージです。小型トラックは軽トラックや2トン未満といった小さい車格になります。準中型トラックはそれ以上から標準の4トン車格まで。
足回りやタイヤなどを強化することで、中には小さくても積載量が多いものもあり、一見しただけではどの車格か判断が難しい車両もあります。逆に中型トラックで4トン車格のトラックの荷台部分に大型トラック用のコンテナを搭載した、『お化け4トン』なども存在します。
また、中型トラックに限らず、お店などに荷物を卸しやすいように、足場となるステップや、電動の油圧ポンプで稼動するパワーゲートなどを搭載した車両も多くあります。
運転するにあたっての特性としては、中型トラック~小型トラックは大型と比べると非常に小回りが利きます。コンビニなどでも乗用車と同じ場所に駐車することが可能で、その点での不自由さはあまり感じません。一部、増トンと呼ばれる足回りを強化した車両や中型トラックは、タイヤの角度に限界があり、小回りが利きにくくなっています。
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事内容
中型トラック、準中型トラック、小型トラックにはそれぞれ車格があり、仕事の用途に応じて使用する車両が変わっていきます。
近距離、中距離の運行を主とし、小型車、小型トラックは地場配達、主に0~50km圏内がメインで、準中型トラックや中型トラックは地場でも物量の多い取引先や、50~150km離れた場所などの配達をすることもあります。
主にスーパーやコンビニ、飲食店、宅配便など、大型トラックでは配達のできない狭い場所を担当します。大型トラックによる倉庫間輸送、工場間輸送と違い、直接お客様に接する機会の多いお仕事です。
そのため、愛想の良い挨拶や振る舞いが自然にできる方は、お客様とのやり取りもスムーズに問題なくこなすことができます。もちろん運転をすることで給料をもらうお仕事ですから、普段自家用車のハンドルを握っているときとはまったく違います。運転のプロだという意識を持てる人材が歓迎されます。
中型トラックのドライバー(運転手)の具体的な業務
準中型トラックや、中型トラックは、スーパーなどの大きめの店舗が配達先になってきます。小型車、小型トラックの仕事内容になると、主に近距離の配達です。住宅地や商店街などの狭い場所に配達することが多いです。
荷物の積み込みは、個別の手積み、台車単位の積み込み、フォークリフトによる積み込みなどです。
配達の方法は、手卸しからの手渡し、車両に取り付けられたパワーゲートを使用した台車での納品などです。
基本的に作業として難しいことはなく、指示内容に沿うように決められた商品を決められた数だけ納品して作業は終了します。
準中型、中型トラックになるにつれて、距離が少しずつ伸びますが、そのサイズで長距離の輸送になることは滅多にありません。その分、大型トラックに比べ、直接お客様に商品を届けることが多く、ただトラックを運転していればいいということは少ないです。
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事が向いているタイプ
どんな職業にも言えることかもしれませんが、お客様に接する機会の多い仕事なので、愛想がいいのは必要不可欠です。
また、単独の作業が多いイメージをもたれやすいですが、事故やトラブルに巻き込まれることも多々ありますので、自分だけがよければという考えではなく、みんなで助け合っていこうという考えを持っているほうが絶対的に良いです。
当然のことですが運転することが仕事となりますので、プロ意識を持って常に安全運転を心掛けられることは必須条件です。
しかしながら、トラックを運転している車内は完全に自分だけの空間です。常に誰かと顔を突き合わせているようなストレスはありませんので、その点では他の職業にない良さがあります。
中型トラックのドライバー(運転手)の平均的な給料・年収
会社や運ぶもの、また地域によって変動はしますが、大体年収は320万円~400万円辺りが相場です。
大手ほど運行の管理をきっちりと行い、拘束時間と給料のバランスがよく、多少ではありますが賞与も出ます。
月収にすると、総支給が28万~32万円ほどが一般的です。
給料の計算については、時給計算で決まる会社もあれば、基本給にプラス歩合制、日給月給に諸手当を加えたものなど、会社によって色々な給料体系にになっています。
昔によく言われていた、運送業はがむしゃらに働けばいくらでも給料がもらえるという仕事ではなくなってきています。その要望を叶えてくれるかは難しくなってきてはいますが、昔に比べコンプライアンスの遵守が進められてきて、ドライバーの体調面等から判断すると、働きやすい環境になってきていることは間違いありません。
ただし、毎日が残業時間なしの定時で終業するような会社はほぼないといわざるを得ないのが現状です。
年収 | 400万円程度 |
月収・月給(※賞与は別) | 320万円程度 (手取りベースの月収は25万円程度) |
日給 | 16,000円程度 ※一か月あたり20日働いた場合で計算 |
時給 | 2,000円程度 ※一日あたり8時間働いた場合で計算 |
中型トラックのドライバー(運転手)の手当(深夜・残業など)・賞与
近年はコンプライアンス遵守という声が大きくなってきており、深夜手当も残業手当も支払われるようになってきています。ただし、歩合制を採用している会社についてはその限りではありません。
賞与に関しては、業績に応じてというのが一般的ですが、金額は給料の2か月分などが通常通り支給されるわけではなく、10万円以下やまったく支給されない会社もあります。
また、36協定といわれる労働基準法第36条に定められた協定を結んでいる会社が大半で、残業時間に関して基準よりも多くの時間残業させても良いということになっており、繁忙期にはかなりの時間残業を余儀なくされてしまうこともあります。
ただ、大手の運送会社などでは月の残業時間が60時間を越えた分に関しては、しっかりと時間給の5割を上乗せした給料を支払う等、法律の遵守が徹底されています。
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事でたくさんお金を稼ぐには?
少し前であれば、走れば走るだけ給料がもらえるという夢のある職業でしたが、コンプライアンスの面からそういった働き方は減少傾向にあります。
その分、しっかりとした運行の管理を行い、時給による給料の計算や、明確な基準に沿った給与体系に移行してきています。
たくさん稼ごうと思った場合には、業務をミスなくこなし、昇給による時給単価をあげることや、資格を取得することによる資格手当といったものが給料に反映される会社もあります。
中型トラックのドライバー(運転手)の働き方
会社によってさまざまです。24時間稼動している会社であれば、24時間どの時間からの出勤もありえますし、逆に8時出勤の17時終業という会社もよくあります。
小型車や小型トラックによる配達の場合は後者の方が多く、中型トラックになってくると、中距離の運行をすることもあるために働き方配送会社や運ぶ商品によってかなり変わってきます。
スーパーや商店街などに配達する会社ですと、お店の開店前に納品を済ませてしまわないといけないわけですから、当然朝は早いです。
勤務時間・休憩 | 運ぶものや取引先によって、準中型トラックや中型トラックはどのような時間帯もありえますが、小型車や小型トラックの配達に関しては、8時~17時(多少残業あり)などが多いです。
休憩については、会社の運行管理者が細かく指定する場合もありますし、特に指定がなく自分のタイミングで休憩してもよいとしている会社もあります。 注意すべき点として、労働基準法では連続で運転をしてもよい時間が定められて、4時間の運転時間の間に運転から離れる時間を10分以上累積30分以上とらなければいけないとされています。 |
運送・配送エリア | 小型車、小型トラック、準中型トラックは地場が多く、中型トラックは少し広くなりますが、基本的に日帰りが可能なエリアしか配送は行いません。 |
移動距離 | 一日を通して、小型50~150km 準中型100~200km 中型150~300km ほどが一般的ですが、会社によって異なります。 |
通勤方法 | 車通勤が多いです。トラックと場所を入れ替えて駐車します。 |
研修の有無 | トラックの特性を知るための基礎講習や、運転者としての適正を判断する適正診断テスト、外部機関による特別な講習があります。 |
その他 | 近年、大手は会社による安全に対する取り組みを強化しており、社内教育に力をいれている会社が増えています。 |
中型トラックのドライバー(運転手)の雇用形態
最近では特に人材確保の観点から、有期雇用よりも無期雇用の方が人材が集まりやすいこともあり、正社員として初めから採用することが多いようです。
ただし、試用期間として3ヶ月から半年等の期間を設けている会社が多く、試用期間中はアルバイト扱いであったり、給料の面で一定額差し引かれていることがあります。
これはドライバーに向いているか否かの判断をする期間であり、経験者であればそれよりも早く通常の社員同様の扱いをするようになります。逆に適さないと判断された場合、採用を見送られることや正社員であっても乗務停止と判断されることもあります。
アルバイト等で入社した場合でも、働きぶりや実績を積み上げることで正社員として雇用して貰えることもあります。
形態: | アルバイト | 契約社員 | 派遣社員 | 正社員 | 業務委託 |
募集: | あり | あり | なし | あり | まれにあり |
中型トラックのドライバーの雇用形態で一番多いのは正社員となっているようです。有期雇用の契約社員よりも、昨今の人材不足の中で長期的にドライバーを育成していくねらいから、正社員採用が増えているというのが背景にあります。
ただし、正社員の場合も一般的に試用期間は存在し、その期間が過ぎると通常の正社員となります。もちろんその他の雇用形態での募集もあるため、詳しくは募集企業に問い合わせてみるとよいでしょう。
免許の種類と乗れるトラック
普通免許で乗れるトラック
- 18歳以上
- 最大積載量2t未満
- 車両総重量3,5t未満
- 2017年3月12日以降に取得した場合これに該当します。
準中型免許(5tに限る)で乗れるトラック
- 最大積載量3t未満
- 車両総重量5t未満
- 2007年改正から2017年改正までに取得した場合これに該当します。
準中型免許で乗れるトラック
- 18歳以上
- 最大積載量4.5t未満
- 車両総重量7.5t未満
- 2017年改正で作られました。
中型免許(8tに限る)で乗れるトラック
- 最大積載量5t未満
- 車両総重量8t未満
- 2007年改正の前に普通免許を取得していた場合これに該当します。
中型免許で乗れるトラック
- 20歳以上で、普通免許取得後2年経過していることが条件
- 最大積載量6,5t未満
- 車両総重量11t未満
- 2007年改正で作られました。
大型免許で乗れるトラック
- 21歳以上で、普通免許取得後3年経過していることが条件
- 最大積載量6.5t以上
- 車両総重量11t以上
中型トラックのドライバー(運転手)が仕事で必要な資格・免許・試験
通常の2トントラックであれば、改正後の普通免許でも運転することが可能ですが、それ以上の大きさになるとそれに応じた免許が必要になってきます。
そのため、募集に応募しようとする際は、どんなトラックに乗ることになるのか、それに必要な免許はどれかを確認する必要があります。
応募欄に、資格取得補助制度あり等記載があることもあるので、今現在持っていないからといって諦めず、一度担当者に確認をしてみるといいかもしれません。
また、自分が免許の改正前か後かも知っておく必要があります。免許の改正は2007年6月2日と、2017年3月12日に行われています。
経験についてですが、やはりないよりはあったほうが圧倒的に採用はされやすいです。それも今までの実績になりますから、雇う側としてはドライバーとしての適正を見極める上での大事な判断基準になります。
車種: | 原付 | バイク | 軽貨物 | バン | トラック | バス |
使用有無: | なし | なし | あり | あり | あり | なし |
車種: | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 | 特殊車両 | その他 |
使用有無: | まれにあり | あり | なし | なし | なし | なし |
原付免許 | 二輪車免許 | 普通免許 | 準中型免許 | 中型免許 | 大型免許 | |
必要性 | なし | なし | あり | あり | あり | あれば尚良し |
その他必要な免許 | フォークリフト免許 |
免許以外に必要な資格 | なし |
必要な経験 | 必須ではないですが、トラック乗務経験。 |
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事に必要な免許や資格をもっていない場合はどうする?
運送業に従事しようとした場合、普通免許は必ずといって良いぐらい必要です。
MT免許であるかどうかに関しては、使用するトラックによってはAT仕様のものが存在するため、必ず必要というわけではありません。しかし、MT車の方が圧倒的に多いので、これから取得しようとするのであればMT一択です。
フォークリフト免許や準中型、中型免許に関しては、会社が一部費用を負担してくれる場合があり、業務の必要に応じて取らせてくれることがあります。
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事に就職・転職するための求人募集を探す方法
インターネットサイトを利用して探す他、求人情報誌、新聞広告にも記載されており、多種多様な場所から情報を得ることができます。
そのなかで自分の希望に合った内容の求人があれば、とりあえず一度電話やメールなどで連絡をとり、詳細な話を聞いてみることが大切です。
また、その会社のホームページなどがあれば、そこでも求人募集をされていたりと非常に参考になりますので、気になる企業があればそれと合わせて企業規模や取り組みなどを調べてみると良いです。
インターネットサイトの発達により、さまざまな求人サイトが存在しています。
また、新聞広告にも求人情報は載っている他、求人情報誌、ハローワークなどでもドライバーの募集はされています。その他気になる企業があれば、ホームページを探しそこから求人情報を取得することもできます。
中型トラックのドライバー(運転手)の転職サイトに登録・検索・応募する方法は?
大手の転職サイトだと、個人情報を細かく登録することで、自分の好みにあった求人情報を得ることができます。
求人サイトには、メールアドレスや、電話番号が記載されているので、そちらに連絡をすることで相手の会社と連絡をとることができます。
検索する方法は至って簡単で、インターネットで『求人 トラックドライバー』等で検索すると、すぐにたくさんのサイトを見つけることができます。
就職したい地域があれば、検索ワードにそれも併せて入力すると良いです。
転職サイトではありませんが、ハローワークにもトラックドライバーの求人は載っておりますので、そちらで探すことも可能です。
中型トラックのドライバー(運転手)の仕事まとめ
トラックドライバーという職業は、拘束時間が長く、辛い仕事で、世間ではいまだに学歴が低い者、それ以外に就ける職業がない者の就く仕事だというマイナスイメージが根強く残っています。
しかし、物流の9割は陸送のトラックドライバーが担っていることも事実です。また、大手を中心に給与や待遇、そして労働環境は昔よりもはるかに改善されてきているため、過去のイメージは捨てた方がよいでしょう。
また、大型トラックが物流の拠点間輸送を担い、準中型トラック、中型トラックがそれを小さい規模の拠点に輸送し、またそれを小型車、小型トラックが個別の配送を行うというのが物流の流れです。よって運転しているトラックが大きいからすごい、小さいからすごくないということはまったくありません。小型車や小型トラックがなければ物流は成り立たないのです。
近い将来、自動化はますます進んでいくことになるでしょう。しかし、まだまだ人の手によって運ぶ時代は続いていきます。今回、この記事を読まれた方がどのような理由であれ転職を検討されているのであればぜひ参考にして頂いて、転職を決められたときにはプライドを持ってトラックドライバーになって頂きたいと思います。
「働いても給料や条件があまりよくならない」、「体力的にも労働時間もしんどくなってきた」、「将来が不安」、でも”いい仕事ってないよなぁ”と感じたりしていませんか?
もしそうなら、ドライバー不足の今は絶好のチャンスです!
ご存じかもしれませんが、ドライバー不足でどこの企業も人を欲しがっているため、これまで考えられなかったような高年収・好待遇の案件が増えてきています!
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ただ、そこまで本気で転職を考えたりはしてないけど、「一応、ドライバーの年収や労働条件って世の中的にはどの位がアタリマエなのか興味はある」、というのであれば情報収集するのは得はあっても損はないでしょう。
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