長時間座って仕事をする人にとって腰痛はつきものです。タクシー運転手の勤務時間は19~21時間と長時間に及ぶため、腰痛を抱えているタクシー運転手も多数います。しかし座って仕事をしているのなら力仕事をしている人に比べて腰へ負担は少ないはずなのにどうして腰が痛くなるのでしょうか?この記事ではタクシー運転手がなぜ腰痛になりやすいかを腰痛のメカニズムとその対策について調べていきたいと思います。
座り仕事やドライバーにはどうして腰痛が多い?
一見、座っている時は腰に負担がかかっていないように見えますが、じつは座っている姿勢は上半身の負担が腰に集中しています。どの位負担がかかっているかというと、座っているだけで、立っている時より約40%も腰の負担が増加します。さらに背中や腰を丸めるような座り方をすると、約95%も腰への負担は増加すると言われています。
なぜここまで腰に負担が集中するのかというと、腰痛のメカニズムは体の構造に問題があります。
人間の体は骨と筋肉によって支えられています。下半身はパーツごとに骨がありますが、お腹に骨はありません。さらに腰を支えている骨は背骨だけです。よって腰を支えるのに筋肉が非常に大切な役目を果たします。
しかし、長時間座っていることによって筋肉は凝り固まってしまいます。すると血流が滞り、老廃物が貯まってしまいます。そのため筋肉が疲労してきてしまい腰を支えられなくなり痛みが生じてしまうのです。
タクシードライバーは足腰が弱りやすい職業?
タクシー運転手の中には、常日頃から運動習慣があり鍛えている方もいるかもしれまsんが、タクシー運転手は運動不足に陥りやすい職業の一つです。狭いタクシー車内の中で何時間じっと運転しています。
もし同じ座り仕事のデスクワークだとしても時々コピーを取りに行ったり、ファイルを探しに行ったりと仕事中に立ち上がる機会があります。しかしタクシーの運転中は立ち上がる機会はありません。また夜勤で仕事をしている人であれば昼間は疲れてずっと就寝している人が多いでしょう。こういった仕事環境ゆえに、タクシー運転手は運動不足に陥りやすいのです。
あなたの運転中の姿勢は腰痛になりがちじゃない?
では運転中に腰が痛くならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?まずは運転中の姿勢を見直しましょう。
まずシートとペダルの位置が適切か確認しましょう。極端にシートが離れていると、背中をシートから離した姿勢になりやすく背中の筋肉が過度に緊張した状態になります。背中がシートに着くことによって体がリラックスして筋肉が緩みやすくなります。
逆にシートが近づきすぎると、足を曲げすぎて股関節が動かなくなります。股関節を動かさないと腸腰筋という股関節にある筋肉が固くなります。この腸腰筋は骨盤と大腿骨を継げている筋肉なのですが、これが固くなると骨盤が前傾姿勢になり腰が曲がりやすくなります。
またAT車はMT車に比べて腰痛が発生しやすいようです。これはAT車が右足しか使わないので姿勢に左右差を生じてしまうようです。
運転中の腰痛対策はシートにクッションがおすすめ
タクシー運転手に限らず長時間運転をする人の腰痛対策として座席用クッションはいかがでしょうか。背中から腰にかけてサポートするものや、座面に置くクッションがあります。また暑い夏対策に送風機能がついたものもあります。クッション選びのポイントは座った状態で出来るだけ背骨と骨盤を真っすぐに保てることです。いろいろなクッションが売られているので実際に座って試してみましょう。
また動くことの少ないタクシー運転手の中には冷えを感じる方もいらっしゃると思います。体の冷えも腰痛の大敵。冷えにはヒートテックの衣類を着たり、腰や足首にカイロを張るなどの対策が必要です。
重度の腰痛なら整体や整骨院で施術をうけるのがおすすめ
クッションでは治らないレベルにかちかちに硬くなってしまったドライバーさんの腰をほぐすのなら整体や整骨院です。最近は格安マッサージでりらくるやみんなのてもみ、ほぐしの達人、てもみん、RIRAKUなどがありますが、どちらかというと対症療法に近いです。
それよりもしっかりした整骨院や整体にいってカイロプラティック、マッサージ、鍼灸を受けた方が効果は持続しやすいでしょう。保険適用の場所もあるみたいですので、お近くの良い先生を見つけてみてください。
タクシー運転手の運動とストレッチのススメ
やはり腰痛を起こさないためにはストレッチと運動が効果的です。運動中はもちろんのこと常日頃から運動を心がけましょう。また休憩時間にストレッチを行いましょう。ここでいくつか運転中に効くストレッチを紹介します。
ハムストリングスのストレッチ
- 脚を腰幅に開き、右足を半歩前に出します
- 胸を張ったまま、お尻を後ろに引きながら左膝を曲げ、背中と右足で「く」の字を作ります。手は太ももの中央部に置き、太ももの裏側を伸ばします
肩甲骨周囲のストレッチ
- 手のひら顔の前に持ってきてから軽く握ります。そのまま脇を軽く絞めて、肘を90度に曲げて肘同士がくっつくようにします
- 肘を曲げたまま、腕を両サイドに広げます。この動作を数回繰り返します。
広背筋のストレッチ
- シートに浅く座り、ヘッドレストを持ちながら右側にゆっくりと体をひねります。気持ちいいと感じるところで止めて10秒キープします
- 同じように左側にゆっくりと体をひねり、10秒キープします
腰への負担は日々蓄積していきます。腰が痛くて長時間座っていられない!とういことになれば仕事に支障が生じます。タクシー運転手に腰痛は付き物と諦めずに日々の運動とストレッチを心がけましょう。
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