大型トラック運転手になる方法
運転に必要な免許/資格
大型トラックを運転するには大型自動車免許を取得する必要があります。また、大型自動車免許の取得要件は『21歳以上且つ普通免許か大型特殊免許を取得していて、免許停止期間を除く免許経歴が通算3年以上であること』と定められている他に、視力や識色などの健康的な条件もあります。
更に、大型トラックのほとんどはMT車であるため、AT車限定免許を持っている人は、MT車の教習から始まります。
運転に必要な能力
大型トラックの運転手の仕事は大口の荷物を長距離運ぶ仕事が多いため、運転には体力と集中力が求められます。
そして、体力と集中力の保持は十分な睡眠と休養から始まります。安全運転・安全作業のためには夜更かしをせず、体をしっかり休めるようにしましょう。
大型トラック運転のテクニック
まずは車両感覚をつかむことが大事
大型トラックを運転する前にまずはトラックの車両感覚を掴んでおきましょう。
まずは大型トラックの定義は以下のようになっています。
全長(長さ) | 12,000mm以内 |
全幅 | 3,800mm以内 |
全高(高さ) | 2,500mm以内 |
最大積載量 | 6.5トン以上 |
車両総重量 | 11トン以上 |
大型トラックは普通自動車よりも車体や車幅が長いため、大型トラック初心者にとっては扱いづらいかもしれません。運転していくうちに長さや高さといった車両感覚を身につけていくようにしましょう。
車間距離をとるのが基本
大型トラックを運転する際は車間距離を保つことが重要になります。
大型トラックの走行中はどんな状況でも車間距離を確保しましょう。平坦な道に限らず、上り坂や下り坂、カーブといった道でもスピードや道路状況に応じた一定の車間距離を意識しましょう。
特に大型トラックに荷物を積んでいる場合は、荷崩れを防止するために急ブレーキをかけないようにすることが大切です。そのためには、前の車との距離を十分に空け、急ブレーキのリスクを低減させることが必要です。
また、大型トラックは車体が大きいため、車間距離を縮めて運転していると『あおり運転』を受けていると思われるかもしれません。乗用車に乗っているとトラックが近づいてくるだけで威圧感を感じやすいものです。周りの車から誤解されないためにも車間距離には気をつけて運転しましょう。
後輪の位置確認が大事なテクニック
大型トラックの運転において、後輪の位置を覚えるのも必要なテクニックの一つになります。
しかし、サイドミラーなどでは後輪の位置を確認することが難しく、窓から顔を出して目視で確認することもできません。そのため、後輪の位置は運転をしながら位置感覚を掴んでいくしかありません。
しっかりと後輪の位置を掴めないまま公道で運転を開始すると、脱輪や巻き込み事故などの大惨事を招きかねません。
まず最初は、サイドミラーから見える位置に後輪の位置を示した目印をトラックの荷台に付けておきます。運転練習の中でおおよそ後輪の位置を把握できるようになったら、目印をとって慣れていくようにしましょう。
自動車/自転車/歩行者の動きを先読みするテクニック
大型トラックに限らず、普通自動車を運転する際にも相手の行動を予測することが運転の基本です。
大型トラックは車体が大きいため、歩行者や自転車に接触するだけでも大惨事です。周りの状況をすぐに把握できないと、事故につながりやすくなるでしょう。
予測のテクニックはトラックを運転していないところでも身に着けることができます。自分が歩行者として歩いている時や乗用車を運転している時でも予測する力を養うことができますので、普段の生活の中から意識しておくと良いでしょう。
ミラーを上手に使う
大型トラックは車体が長いため、目視で確認できる範囲が狭く、周囲の確認はミラーに頼るしかありません。そのため、大型トラック運転の上達テクニックとしてはミラーをうまく使えるかがポイントとなります。
大型トラックは普通乗用車よりも死角が多いため、死角確認を補うためにのミラーが多く取り付けられており、ミラーのサイズも大きくなっています。
そのため、まずは運転する前に取り付けられているミラーを眺め、一つ一つのミラーがどのような役割を果たしているのか確認しておくことが必要です。
運転のテクニックを動画で視聴するには
大型トラックの運転をイメージするためには実際に運転している姿を見るのが良いでしょう。もし、機会があれば大型トラックの助手席に横乗りさせてもらって、経験のある人が運転している姿を見るのが良いですが、そのような機会がない場合はトラックの運転動画を視聴して覚えていきましょう。
有名な動画コンテンツには『youtube』があります。youtubeの検索欄から『大型トラック 運転のコツ』などと視聴したい内容を打ち込むと多くのコンテンツが表示されます。
一覧で出た動画の中から色々と再生してみて、自分がほしい情報が入っている動画を見つけてみましょう。動画ではベテランドライバーによる運転テクニックを見ることができるので、気に入った動画があればチャンネル登録などして、何回も繰り返し見ることをおすすめします。
大型トラック運転のコツ
まずはシフトチェンジがコツ
多くの大型トラックはMT車であるため、運転中はシフトチェンジを絶え間なく行います。特に発進時のシフトチェンジは普通乗用車とは少し感覚が異なるので注意が必要です。
大型トラック発進時は1速ではなく2速からスタートしましょう。1速ではかなりノロノロとしか進まないので、急な上り坂以外などではあまり実用的ではありません。
そしてシフトアップのタイミングはエンジンの回転数を十分に上げてから行うのがコツになります。大型トラックは普通乗用車とは異なり、アクセルを緩めても回転数が落ちにくいため、すぐにシフトチェンジをする必要がありません。
運転席の高さを覚えることがコツ
大型トラックの運転席の高さは普通乗用車よりも高くなっており、一般的な運転席の高さは2,400mm程とされています。
そのため、運転中は前方の視界が開けるので、前方の道路状況を確認しやすい上に、長時間運転していても疲れにくくなるメリットがあります。
しかしその反面、スピード感覚が鈍くなります。スピードを出していてもゆっくり走っているように錯覚してしまうため、常にスピードメーターで速度を確認することがコツになります。
スピードとブレーキが大事
大型トラックにおける全ての操作は非常時以外はゆっくりと滑らかに行うのが基本です。アクセルやブレーキ操作も例外ではありません。
『急』が付く操作をしてしまうと、荷崩れや交通事故の原因となってしまいます。スピードを抑えた運転を常に心がけ、ブレーキも早めに踏むことがコツになります。
また、道路運送車両法では大型トラックに90km以上のスピードが出ないようにするリミッターの取り付けが義務付けられており、高速道路などでも90km以上のスピードを出すことができないようになっています。
これは大型トラックによる事故が過去に多かったため施行されたものです。常に危険と隣り合わせなのだという意識を持って運転するようにしましょう。
死角の把握がコツ
大型トラックには死角が大きく分けて3ヶ所に存在するので、見えない部分を事前に把握しておくことが安全運転におけるコツの一つとなります。
1つ目の死角はフロントガラスの真下です。大型トラックは運転席が高い分、フロントガラスの真下を目視で見ることができません。発進前にトラック左側に付いているアンダーミラーで障害物がないか確認しましょう。
2つ目の死角はトラック左側部分です。トラックの左側は死角が大きく、ミラーだけではカバーできない部分が存在します。そのため、左折時や左へと車線変更する際は、十分に注意が必要です。
3つ目はトラック後方部分です。大型トラックにはルームミラーがないため、トラックの後方部分は完全に死角となります。バックの際には、ある程度の技術と慣れが必要です。
運転時の姿勢が重要
長距離運転で長時間運転することの多い大型トラックドライバーは、運転中は常に集中力を保つことが求められます。その集中力を保つためには体の健康状態に気を使うことから始まります。
まずは運転の姿勢から気をつけるようにしましょう。運転姿勢が悪いと腰痛や肩こりの原因となります。慢性的な症状になってしまうと運転に支障をきたす場合がありますので、健康管理もドライバーの仕事の一つと心得ておきましょう。
また、運転席の座席角度は90~100度ほどに調節し、座席の前後位置はブレーキを踏んだときに膝がのびきらない位置が最適なポジションとされています。
運転はバックを覚えることがコツ
大型トラックの運転の中で難しいポイントの一つとされているのがバックです。バックは駐車位置への車庫入れ等で必須の技術になるので、早めの習得がカギとなります。
バックをする際は基本的にサイドミラーを駆使してハンドルを細かく調節しながら後退していくのがコツになります。
この時に注意しなければいけないのが、後輪と荷台の位置関係です。大型トラックの場合、荷台は後輪よりもはみ出ているため、縁石に後輪が当たるまでバックしていると、壁やフェンスに荷台をぶつけてしまうことがあります。そのため、荷台の位置を感覚的に覚えておく必要があります。
カーブ(右折/左折)の内輪差に注意
大型トラックの運転において、走行中は内輪差やオーバーハングによる巻き込み事故に注意しましょう。
大型トラックは前輪と後輪の距離を示すホイールベースが長く、車幅も大きいため、右左折時に歩行者や自転車を内輪差で巻き込んでしまったり、オーバーハングで対向車の車と衝突してしまったりする事故が後を絶ちません。
右左折時やカーブを曲がる際のハンドルを切るタイミングは運転していくうちに慣れる必要があります。しかし、注意する点としては急旋回を避けるということです。右左折時やカーブに差し掛かるところではスピードを出す必要はなく、十分に減速してから滑らかにハンドルを切っていくことが上達のコツとなります。
坂道運転の注意とコツ
多くの大型トラックには上り坂における坂道発進を補助してくれるブレーキシステムが取り付けられています。
ブレーキシステムとは、坂道でブレーキを踏んで停止すると、自動でサイドブレーキがかかります。そして、アクセルを踏むと解除されます。そのため、坂道発進のときに後ろに下がってしまうリスクを抑えることができます。
しかし、何かの拍子にこのブレーキシステムがオフになっていると問題が発生します。オンになっていると思い込んでいると、ブレーキから足を離したとたんに重量のあるトラックはすぐに後退してしまい、事故を起こしてしまう可能性があります。
ブレーキシステムはなるべくその日の運転開始時にオンになっているか確認しておくことが必要です。
下り坂を運転するときのコツ
大型トラックを運転しているときは下り坂で極端にスピードを出さないようにしましょう。下り坂でスピードを出しすぎても急には止まることができませんし、荷物を積載している状態であると、その荷物にも損害を与えてしまう可能性があります。
大型トラックのフットブレーキにはエアーブレーキと呼ばれるものが使われており、エアブレーキは普通乗用車に使われる油圧ブレーキよりも強力に車を停止させる力を持っています。
そのため、下り坂でフットブレーキを使うと、思いもよらぬ急ブレーキへとつながってしまうため、運転席の近くにある排気ブレーキを使いながら、下り坂でもスピードを抑えた走行を心がけるようにしましょう。
大型トラック運転の練習方法
大型トラックの運転はブレーキ/カーブ/バックを練習しよう
大型トラックの練習をする場合、ブレーキ・カーブ・バックの3点を重点的に身につけるようにしてみましょう。
ブレーキはフットブレーキだけでなく、エンジンブレーキや排気ブレーキをうまく活用して、滑らかな減速ができるようにコツを掴んでいきましょう。
カーブでは内輪差やオーバーハングを意識しましょう。ミラーを活用しながら周囲確認を行い、曲がりくねった道路でも対応できるように経験を積んでおくと良いでしょう。
バックを練習するときは、最初のうちは経験のある人に誘導してもらいながら運転するのがが良いです。大型トラック初心者である場合、車体の長さ感覚がないため、どこまで後退したらよいのか分かりません。そのため、車庫入れなどは誰かにバックを見てもらうことで自分の感覚のズレを修正していくことができます。
大型トラックの運転の練習の場所と車両
大型トラックの運転練習には広い敷地が必要になりますので、トラックの運転練習には場所とトラックを借りて練習をすることが一般的です。
各都道府県のトラック協会や運転免許センターでは時間単位で練習場所やトラックを貸してくれるところもあるようですので、お住まいの都道府県のトラック練習場を検索してみてください。
また、運転が不安な人向けには添乗指導のコースもあるようですので、バックの際の誘導や客観的な視点でのアドバイスをしてもらうと良いでしょう。
大型トラック運転が怖いときの克服
大型トラックは車体が大きく、扱いが普通乗用車とは大きく異なるため、大型トラック初心者にとっては怖いものとなるでしょう。最初のうちは運転に怯えるのも無理はありません。
まずは実際に運転をする前に動画などを視聴し、イメージトレーニングをしておくと良いでしょう。それから、練習場などを借りて徐々に運転のコツを掴んでいきましょう。
また、プロの大型トラックドライバーの人が身近にいれば、助手席に横乗りさせてもらって、実際に運転するところを見ると良いでしょう。ブレーキのかけ方やハンドルを切るタイミングなど、感覚的なところも参考にできます。
ベテランドライバーに横乗りしてもらって、自分の運転しているところを見てもらうのも良いでしょう。問題点などがある場合はその場で指摘してもらうと良いです。
大型トラックの運転における事故防止策
ミラー・補助ミラーの確認
大型トラックには死角が多いため、事故を減らすためにはミラーや補助ミラーを上手に使うことが重要になります。しかし、ミラーの位置や角度が正常なポジションにないと、本来のミラーの役割を果たしていないことになります。
運転前にそれぞれのミラーが正しい方向に向いているか細かく調整しましょう。正しい運転姿勢で運転していることを想定して、自分に適した角度にしていくことがポイントになります。
自動音声アラームの装着
大型トラックに自動音声アラームを装着しているとトラックの行動を音声で周囲に知らせることができます。自動音声アラームとは、例えばバック時に『バックします』などと自動音声で発せられる機能のことです。
自動音声アラームを装着することにより、音で歩行者や自転車にトラックの次にする行動が伝わるため、自分が運転しているトラックを周囲に認知してもらいやすくなります。その結果、巻き込み事故などの事故のリスクを低減させることにつながります。
バックモニターの設置
バック時はトラックの後ろ部分が完全に死角となるため、バックモニターがあると非常に安心です。特に運転初心者は事故防止のためバックモニターを設置するようにしましょう。
トラック後方がモニターで見えることにより、バック時に壁やフェンスにぶつけてしまうリスクを減らすことができます。
しかし、後ろが見えるからといって油断は禁物です。トラックと同じほどの高さにある屋根などはモニターでは完全に補完することができない場合があるので、全てをバックモニターに頼ることは避けましょう。
上手な乗り方を覚えて大型トラックを運転手になろう
大型トラックの運転はすぐに上達するものではありません。運転していくうちに自分で感覚を掴んでいき、日々の運転の中で少しずつ技術を磨いていきましょう。
上手で安全な運転はトラックの全ての機能や性質を把握することから始まります。分からないことがあれば、実際のトラックドライバーに教えてもらったり、アドバイスをもらったりして、理解を深めるようにしましょう。
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