大型トラックの燃料タンクの設置場所
トラックの燃料タンクは主に車両の側面にあるフレームの外に取り付けられています。
その容量については車種や用途にもよりますが、大型トラックの場合は200~400Lのものが選ばれます。新車購入時に用途に応じてタンクの容量を選ぶこともできます。
燃料タンクにはディーゼルエンジンの燃料である軽油が入ります。このタンクはむき出しの状態で設置されているので、風雨や経年変化に耐えられる高い耐久性が求められます。オーソドックスなものはスチール製に黒色の防錆塗装が施されたものです。錆びにくいステンレスを使用した高級なタイプもあります。
燃料タンクは比較的容易に交換することができますし、あとで増設することも可能です。
大型トラックの燃料タンクの容量
大型トラック(長距離)の燃料タンクの容量
物流センター間の移動など、片道300kmを超える長距離輸送を行う大型トラックに搭載されている燃料タンクの容量は400Lが中心です。燃料を多く入れて走行距離を伸ばす目的で、複数の燃料タンクを積んでいる車両も多いです。
例えば400Lのタンクが2個あれば合計で800Lの燃料が入るようになります。大型トラックの燃費はおおよそ3~4km/Lですので、単純計算で3,000km前後の走行が可能になります。
大型トラック(中距離)の燃料タンクの容量
半径50~200km圏内のルートで複数の指定先を回ることの多い中距離の大型トラックの燃料タンクは200~400Lの容量が多いです。これでも前述の燃費換算で1,000km近い走行ができますので、始業時に満タンにしておけば途中で継ぎ足す必要もありません。
大型トラック(地場運送)の燃料タンクの容量
地場運送は、おおむね80km圏内の配送が多いので、中・小型トラックが活躍することが多いですが、物量が多い場合は大型トラックが担当することもあります。短距離になりますので燃料タンクの容量も少なくて済み、200Lあれば十分足ります。
大型トラック(ダンプ/ミキサー車)の燃料タンクの容量
大型トラックの中でもダンプやミキサー車といった特殊車両の場合は、まとまった距離を走ることが少ないので、燃料タンクは100~200L程度のものが一般的です。
ただし長距離を走行するダンプは大型の燃料タンクを搭載しています。他にも運搬物の種類や車両規格の関係で高速道路を走行できない車両についても燃料タンクを増設することがあります。一般道を低速走行することで燃費が極端に悪くなるからです。
大型トラックの燃料タンクの仕組み
大型トラックの燃料タンクが破損しない仕組み
大型トラックの燃料タンクはタンクバンドとブラケットで固定しただけの簡素な構造になっていますが、これには理由があります。
大型トラックは全長が長いのでカーブなどを走行していると車体のフレームに大きなねじれの応力がかかります。この力が燃料タンクに伝わらないように、あえてガチガチに固定しない工夫がされているのです。仮にフレームと一体化したような作りにしてしまうと、このねじれの力で燃料タンクが破損する恐れがあります。
走行中にかかる力を直接タンクに伝えることなく、かつ燃料タンクの固定が外れたり緩んだりしないような設計になっています。
燃料タンクの中にあるバッフルプレートとは
大型トラックの燃料タンク内部は、バッフルプレートと呼ばれる板状のパーツで仕切られています。これは燃料の片寄りを防止する目的があります。
例えば燃料が少なくなったときに急な坂道を走行すると、吸入口に燃料が行き渡らず、エンジンが焼き付いてしまう恐れがあるのです。バッフルプレートがあることで、この片寄り現象を抑えることができます。
バッフルプレートが効果を発揮するのは坂道走行だけではありません。高速でカーブを走行しているときや発進時、ブレーキを踏んだときにも片寄り現象が発生するからです。
大型トラックの燃料タンクを増設するメリット
大型トラックで燃料タンクを増設するメリットは1回の給油で走行できる距離が伸びることです。この恩恵を一番受けるのは長距離輸送時です。給油のために停車する回数が減ることで、結果的に輸送効率がアップしますし燃費の向上にもつながります。
増設した分だけ車両重量が重くなりますが、その増加分は20t以上ある大型トラックの車両総重量と比べるとわずかなものです。燃料タンクの増設をする場合、燃料と燃料タンクを合わせた重さが200kgまでと法律で決められているからです。
例えば200Lのタンクを増設した場合で考えてみましょう。軽油の比重が約0.8なので200Lの軽油の重量は約160kgになります。これとタンク自体の重さをあわせて200kgに収まっていれば増設可能とみなせます。
燃料タンクの増設によって多少の重量増加を伴ってでも輸送効率のアップによるメリットを享受したいと考える人が多いです。
燃料タンクの増設そのものは特別難しい作業は必要としませんが、燃料を扱うパーツですし、引火の恐れなど万が一のこともありますので、増設を希望する場合はディーラーなどの専門業者に委託することをおすすめします。
大型トラックの燃料タンクを増設するデメリット
燃料タンクを増設することで生じるデメリットは、その分だけ積載量が減るという点です。これにはまず最大積載量の仕組みについて理解しておく必要があります。
大型トラックの車両総重量は車両の構造にもよりますが20tを基準としてギリギリのところで設計されており、そこから車両重量と乗車定員分の重さを引いた値を最大積載量として算出しています。式に表すと以下のとおりです。
車両総重量-車両重量-乗車定員x55kg=最大積載量
車両重量には車体そのものの重量の他にも燃料やその他オイル、水などの重さも加算されますので、燃料タンクを増設して車両重量が増えると、その分最大積載量が減らされてしまうのです。
これを回避する目的で、一旦増設なしの重量で登録し、その後大幅な燃料タンクの増設を行って結果的に車両総重量の規定までもオーバーしてしまうような車両が見受けられることもありましたが、これは違反になりますのでくれぐれも真似をしないようにしましょう。
大型トラックの燃料タンクを違法にならずに増設する方法
大型トラックの燃料タンクの容量を増設すること自体は下記要件を満たせば違法ではありません。
増設できる重さ:燃料と燃料タンクを合わせて200kgまで
車両に搭載できる燃料の容量:1000Lまで(消防法による)
燃料タンクや固定金具などはネット通販でも手に入れることができますが、取り付けは業者に依頼するなどして慎重に行いましょう。
車検後に燃料タンクを増設したにもかかわらず、最大積載量を減らさずに運行した場合は積載量の水増しと判断されます。この行為は『不正な二次架装』と呼ばれ、道路運送車両法違反となり罰則を受けます。 ※
燃料タンクの増設を正しく行うためのポイントを以下にまとめます。
- 増設した燃料と燃料タンクの重さは200kgを超えないこと
- 搭載している燃料タンクの容量が1,000Lを超えないこと
- 燃料タンクを増設した場合は構造変更などの手続きを行い、最大積載量の変更も行うこと
【注】例えば燃料が半分しか入ってなくてもタンク容量が1,000Lを超えていれば違法になります。1,000Lより多く積むには特別な許可が必要になります。
トラック業界では少しでも燃料や荷物をたくさん積んで走りたいという潜在的な意識が昔から根強く残っており、車重を誤魔化して運行する会社も数多くありました。近年は取り締まりが厳しくなり、悪質なものについては罰金刑が課せられた事例もあります。
多くの燃料が入るトラックを必要とするなら、大幅な増設に頼らず、新車購入時に大きな容量の燃料タンクや複数のタンクを積んだ仕様を選んでおくことをおすすめします。
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