宅急便、引っ越し、コンビニ配送など、近距離の配送や配達業務中心に利用され、普通免許で運転出来る小型トラックの1つが2トントラック。2トントラック運転手の仕事内容や給料、必要な免許や仕事のメリットを解説します。
2トントラックとは?
2トントラックの寸法
2トントラックとは道路運送車両法における小型トラックの分類の1つです。2トントラックの中でも更に種類分けはされますが、一般的な2トントラックの寸法は以下の通りです。
全長 | 4,700mm以内 |
全幅 | 1,700mm以内 |
全高 | 2,000mm以内 |
また、2トントラックにおける最大積載量は2トン以下と決まっており、積むことができる荷物の最大の重さを指しています。
2トントラックの種類と特徴
2トントラックは3つの種類に分けることができ、ショート、ロング、ワイドロングに分かれています。
メーカーによってトラックの幅や長さは異なりますが、まず2トンショートにおける特徴は、小回りが効き、狭い道でも十分に機能するところです。
ロングやワイドロングはショートよりも幅が広く長いため、サイズが大きい荷物を運ぶ時に最適なトラックです。
2トントラックの仕事の特徴
2トントラックにおける仕事の大きな特徴は、近距離の配送や配達業務が多いということです。対照的なものとして高速道路などを使って大口の荷物を泊りがけで配送する長距離ドライバーの仕事があります。
2トントラックドライバーの勤務時間帯は様々で、日中のうちに完結する仕事もあれば、夜中配送する仕事もあります。しかし、長距離配送の業務が少ないため、トラックで寝るということは少なく、自宅で睡眠をしっかりとることができます。
イメージしやすい仕事を1つ挙げると、街中でよく見かける宅急便のトラックです。これらは2トントラックを使用していることが非常に多く、住宅街に小口の荷物を配送する業務がメインなので重宝されています。
別の例を挙げると、コープ(生協)による個人宅への配達や引っ越し業者による家財の移動の際にも2トントラックが使われることが多く、私達の生活の大きな支えとなっています。また、コンビニやスーパーなどにもトラックが出入りする光景を見たことがあるのではないでしょうか。特に食品を扱っている小売店では定期的に商品を仕入れる必要があり、どこの小売店に何時に納品するといったルートが決まっています。この場合、工場から納品場所まで決められた量の商品を配送することが運転手のとしての責任になります。
上記の内容より、2トンのトラックドライバーの仕事は長い時間運転をするというより、比較的近い距離で多数の納品を的確に行うことが主な業務と言えるでしょう。
2トントラックの運転手に必要な免許
2トントラックを運転するには普通免許と略される『普通自動車第一種運転免許』があれば問題ありません。しかし、どの時期に普通免許を取得したかによってどの大きさのトラックを運転できるかが決まっています。
平成29年3月12日以降に取得した普通免許の場合 | |
最大積載量 | 2トン未満 |
車両総重量 | 3.5トン未満 |
平成19年6月2日~平成29年3月11日の間に取得した普通免許の場合 | |
最大積載量 | 3トン未満 |
車両総重量 | 5トン未満 |
平成19年6月1日までに取得した普通免許の場合 | |
最大積載量 | 5トン未満 |
車両総重量 | 8トン未満 |
2トントラックの場合は、普通免許を取得した時期に関わらず、ショートやロング、ワイドロングを運転することができます。
しかし、保冷車といった重量物を積載し、車両総重量が大きい場合は普通免許では運転できない場合があるので注意が必要です。
つまり、2トントラックの運転手としての仕事は普通免許があれば概ね問題ありませんが、普通免許を取得した時期や車両総重量によっては準中型免許が必要になる場合があるということです。
2トントラック運転手の給料
2トントラックの運転手に限らず、運輸業界全体での年齢別の給料は以下の通りです。(厚生労働省 H30年 賃金構造基本統計調査)
年齢 | 月収(ボーナスを含まない) |
全体平均 | 28万9千円 |
~19歳 | 17万7千円 |
20~24歳 | 21万4千円 |
25~29歳 | 24万1千円 |
30~34歳 | 27万5千円 |
35~49歳 | 29万8千円 |
40~44歳 | 30万8千円 |
45~49歳 | 31万5千円 |
50~54歳 | 32万2千円 |
55~59歳 | 31万6千円 |
60~64歳 | 24万4千円 |
65~69歳 | 22万円 |
70歳~ | 20万8千円 |
会社の規模によって異なりますが、運輸業界全体で見ると、H30年の平均月収は28万9千円となっています。また、50~54歳をピークに給料は減少傾向にあるようです。
しかし、運輸業界は昨今のドライバー不足の問題もあり、運転手をはじめ、運輸業に関わる人の給与が上がりつつあります。
更に、勤怠管理や運転手の運行管理も厳しくなっているため、大企業を筆頭に労働環境の是正がなされはじめています。
2トントラックのドライバーになったばかりの方に
2トントラックを運転する難しい点
2トントラックを運転する上で、特にブレーキとバックの2つが乗用車とは異なるので、運転に慣れていない人は難しく感じるでしょう。
トラックに積荷を積んでいる場合、当然トラック全体の重量は重くなるので、ブレーキを踏んでから完全に停止するまでの距離が長くなります。そのため、車間距離を十分に取り、早めにブレーキを踏むことが求められます。
また、バックの際も乗用車と異なり、見えない死角が多くなります。バックする際は周囲に人や物がないことをしっかり確認した上で後退するようにしましょう。
2トントラックをはじめて運転するときの注意点
2トントラックを運転する際に初心者が注意するべきポイントが大きく3つあります。
1つ目は、トラックの高さです。自分が乗っているトラックの高さは常に頭に入れておくようにしましょう。高さを把握していないと、誤って高架下やトンネルに激突してしまうおそれがあるからです。
2つ目は内輪差・外輪差です。左折の際は内輪で人を巻き込むおそれがないか注意し、右左折時には外輪差で自動車やバイクに当たる恐れがないか常に注意を払う必要があります。
3つ目はカーブ時の減速についてです。積荷を積んでいる状態でカーブを曲がる際は十分に減速するようにしましょう。乗用車の運転感覚で曲がってしまうと、最悪の場合、遠心力でトラックが転倒してしまう恐れがあるからです。
2トントラックのドライバーのメリット
2トントラックの運転手としての仕事には2つのメリットがあります。
1つ目はトラックに乗ったことがない初心者の人でも運転しやすいという点です。2トントラックは特殊な車両でない限り、普通免許で運転することができ、準中型免許や中型免許を新たに取得する必要がありません。将来的に4トンや10トンのトラックに乗りたい方でもまずは2トンでトラックとしての運転感覚を掴んでいくと良いでしょう。なぜなら、2トントラックでもトラック運転時の気をつけるべきポイントの基本を抑えることができるからです。
2つ目は近距離配送が多いため、ほぼ毎日自宅に帰宅することができるという点です。長距離トラックのドライバーは荷物の配送で全国を駆け回っていることが多いため、数日間自宅に帰ってくることができないという状況が普通です。対して2トントラックの仕事は近距離配送が多いため、仕事を終えると自宅へと帰宅することができます。家庭のある人であれば子どもや奥さんといった家族と過ごす時間を多く取ることができるのも魅力になります。
2トントラック運転手(2tドライバー)の仕事情報まとめ
普通免許で運転することができ、初心者でも運転しやすいのが2トントラックドライバーの大きな利点です。トラックの運転には乗用車と異なり、注意するべきポイントがいくつかありますが、運転のコツなどは自分で運転しながら習得していく必要があります。物流業界全体を見ると、人手不足のため待遇の改善が大企業を中心に進められています。日本の生活基盤を支える物流の需要はますます高まっており、そこで働く人のニーズも更に高まってくるでしょう。
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