自動車の部品の中でも比較的簡単にセルフ交換できるパーツのひとつであるファンベルトですが、劣化に気が付かず走行中に断裂してしまうこともあるのです。出先で走行不能にならないよう、劣化の症状や交換のタイミングを覚えておきましょう。
ファンベルトって何?
ファンベルトは原動機の軸につけられた滑車にかける平らな形状のゴムベルトで、発生させた動力を伝達させるのに重要な役割を担います。ゴムの素材により価格も様々ですが、このベルトに使用される素材はかつて主流だった「CRゴム」から耐久性などの性能が向上し、ひび割れが軽減されたのが特徴の「EPDMゴム」が多いです。CRゴムは劣化すると内側にひび割れが発生し、横に断裂します。EPDMゴムはそのひび割れに耐久性を持ち、劣化してくると溝にそってとがってくる性質があり、縦にさける形で劣化が見られます。いずれも消耗品であることには変わりはありませんので、耐久性から交換時期をみて速やかな対応が必要です。
ベルトの種類
ボンネットを開けると見えるベルトにウォーターベルト、オルタネーターベルト、エアーコンプレッサーベルトなどがあり、1本から数本です。ブレーキを司るタイミングベルトは見えない場所に設置されています。それぞれ切れてしまうとエンジンやブレーキに甚大な影響を及ぼす重要な物です。
ゴムは主に3種類で、昔の車によく使われていたVベルト、今主流のVリブドベルト、ストレッチベルトなどがあります。ゴムの内側には溝があり、表面がモサモサしているのが特徴です。エンジンの動力を伝達し、ラジエーターの冷却ファンを回すという役割からファンベルトと呼ばれるようになりましたが、現在ではベルトを使用しない電動ファンが多いことや、すべてを1本で駆動させるコンパクト設計の車種も増えていることから、その周辺のベルトを総称して指すことも多いです。
ファンベルトに異常があるときの症状と原因は?
異音の種類
経験を積むとエンジンを始動させた際のファンベルトからの異音は音の違いで症状を聞き分けることも可能になります。まず、一般的な異音がキュルキュルキュルという音、これは緩すぎたりたわんでいたり摩耗が進んでいる現れです。カラカラという音はプーリーにも関係があります。ヒュンヒュンという音はベルトの摩耗や劣化のほかにミッションの不具合があったり、ウィーンという音は足回りに多く組まれているベアリングの劣化などの場合があります。専門家に見てもらうのにも音の種類を聞き分けておくと良いでしょう。
ベルトの劣化とファンベルトスプレーの効果
ベルトはゴム製なので経年劣化も必須です。新品と比べれば一目瞭然ですが、経年劣化の場合、周囲も経年の傾向にありますので注意して確認しましょう。表面がひび割れていたり、茶褐色に変色している場合にはゴムが硬化している証拠ですので早めに交換したほうが良いでしょう。
乾燥が続いている時期では異音が出やすい環境にあります。原因がそれだけの場合、湿度が上がることで異音が消えることもありますし、異音が続くようであれば他にトラブルが見つかる可能性もあります。
ファンベルトスプレーという鳴きを止めるスプレーがホームセンターやカー用品店で手ごろな価格で購入できます。スプレーするだけで数日間は気になる異音を止めることができるので、すぐに交換の手配が取れない緊急時などにとても便利です。
ファンベルトが切れるとどんな問題が起こるの?
切れた時の症状
切れてもすぐにエンジン停止にならないので、何も気にせず走行していると切れるのに気が付かず走行してしまう人もいるようです。ただ、断裂の瞬間から冷却ファンが停止し、オルタネーターからの充電が途絶えます。充電が途切れた状態になると警告灯パネルに一斉に警告灯が点灯します。オーバーヒートへと急速に進行していきますので注意が必要です。
また、切れたベルトの端が接触し、他のベルトを脱線させる2次災害の可能性もありますので、切れる前に新しいベルトへ交換するのが断然お得です。
切れるまでに現れる症状
エンジンのかかり具合が悪くなったり、かからなくなったり、バッテリーが上がるのもファンベルトの異常が原因の場合があります。ベルトが正常に作動しないことにより、動力が各パーツまで充分伝わらないことで起きる症状なのです。他にも、バッテリーが充足していないと、ヘッドライトが点滅したりカーオーディオなどの電装品に不具合として現れることもあります。
また、ハンドルがいつもより異常なほど重いなど、パワーステアリングの調子がおかしいときには、パワーステアリングポンプが停止することによりパワステオイルが循環しなくなっているかもしれないことも考えなければいけません。さらに、エアコンが冷暖房ともに効かなくなる現象もありますので修理の参考にしてください。
ファンベルトが切れたときの応急処置はどうすればいいの?
代用になるものはある?
バッテリーが弱っていなければ、切れても20kmから30kmは走行可能な場合があります。ですが、走行中に切れた場合、ベルトは飛んで紛失してしまいます。応急処置であればストッキングをベルトの代用として使用することがメディアでも取り上げられた手法ですが、耐性に富んではいませんので、継続して長く走行するのは難しいでしょう。
ファンベルトが切れた場合の処置方法
バッテリーが続く限りの最寄の地点にガソリンスタンドや修理工場などがあればそこで緊急に交換してもらうのが妥当です。自分でも交換できるパーツではありますが、走行中の路肩での交換は工具がそろっていなかったり、不安定な環境だったりしますので厳しいかもしれません。無理をせずロードサービスを使うなどしましょう。
ファンベルトの修理・点検の費用・価格や工賃は?
ファンベルトの交換方法
工具があれば比較的容易に修理や交換作業が簡単です。きっちり締め上げる事が出来るように、ラチェットレンチやメガネレンチを用意しましょう。交換前に張り具合を指で確認しておくと張りの調整の目安になり、便利です。張り調整用のボルトをそれぞれ緩め劣化したベルトを取り出します。新しいベルトはプーリーに異物や破損がないか目視で確認してから装着すると良いでしょう。念のため、外した物と交換用の新しい物を比べてみて、長さや幅が同じかどうか合わせてみると間違いを防ぐことができます。また、ベルトにはオイルや冷却水が付着しないよう注意しましょう。
交換後は緩めたボルトを締め直し、馴染ませるためにエンジンをかけ、エアコンをONにして1分くらいテンションをかけましょう。後日ベルトを増し締めすることも忘れてはいけません。
ファンベルトの交換費用
ベルトは2千円程度で購入出来るものもあります。ベルトだけを交換してもらうのであれば整備工場やカー用品店に頼んでも工賃も含めて一万円弱の費用で可能です。
定期点検を業者に依頼すれば、点検時にベルトの状態を見て交換を勧められます。走行距離に合わせて劣化が進む消耗品ですので、価格面でもいろいろなパーツに負荷が及んでしまわないように、多少時期が早めでも交換しておくと良いでしょう。
ファンベルトの異音から想定されるパーツの不具合は
まれにファンベルトからの異音でも別のパーツの交換が必要な場合がありますので点検結果をよく確認する必要があります。たとえばベアリングやパワステポンプ、ウォーターポンプなどの交換の場合には数千円から3万円程度の費用に工賃が目安です。オルタネーターやパワステコントローラー、コンプレッサーの交換が必要になると数万円程度の費用に工賃が目安です。
ファンベルトはどんな点検・メンテナンスをしておけばいいの?時期や頻度は?
日常自分で行う点検は
法令で決められた事業用トラックの点検にも項目がありますが、運転する前には状態と張り具合の確認が必要です。一番簡単なチェック方法はファンベルトを目視してひび割れや変色がないか確認することです。ゴムの中央部分を人差し指で力いっぱい押したときの圧力を目安にします。この時の力はおよそ10kgと考えますので、1cmから1.5cm程度たわむくらいがちょうどよい張り具合です。これでエンジンを始動してみて、異音がしなければ異常ありません。トラックの場合、毎日の運行前点検として実施しますが、前述の基準に比べたわみ幅が大きかったり、目視での異常や異音が見られる場合、整備管理者を通して交換や修理の手配をしなければいけません。
交換時期の目安は
ひび割れたりゴムが硬化している状態では突然断裂の恐れがあります。自家用自動車でも走行前の点検を実施すると愛車の状態を知ることができるのでお勧めです。通常の使用環境であれば、トラックでは5万kmか5年の早い方、乗用車では3万5千kmか3年の早い方を目安にした点検時や車検時が交換のタイミングです。
自動車のことに詳しくても、なかなか走行前に点検をするとなると日常的には難しいかもしれません。洗車のついでや車検のタイミングなどでチェックを心がけると安全な状態をより長く保つことができます。自動車自体もパーツも性能があがり、乗り換えまで不具合の緊急事態には遭遇しない可能性も大いにあるでしょう。日ごろ遭遇しないからこそ覚えておく必要があるのかもしれませんね。
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