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排気ブレーキの仕組み・使い方と故障時の修理

大型トラックの運転手であれば、自分のトラックに毎日のようにお世話になっている排気ブレーキがついていない状態なんて考えられないでしょう。ちなみに大型のみではなく1tトラックにも排気ブレーキはついていることが多いのですが、意外とその存在に気付いていなかったり「このマークは何だろう?」と気にはなりながらも使い方を知らないということがあります。この便利なブレーキの存在を知らないのはとてももったいないので、この記事でくわしくご紹介します。

排気ブレーキって何?

トラックドライバーにとっては当たり前のことかもしれませんが、名前からも分かる通りブレーキの一つです。ちなみに自動車の構造上、排気ブレーキが乗用車に設置されることはまずありませんので、基本的に知らない人は知らない仕組みでもあります。ただ、これを一度でも使う経験をしてしまうと、「乗用車用にも排気ブレーキがあれば良いのに」と思ってしまうほど便利な機能なので、是非一度使ってみていただきたい装置です。

排気ブレーキをカンタンに説明すると

ちなみにご存知かもしれませんが、乗用車にも足で踏むフットブレーキとは別にエンジンブレーキがついています。感覚的に言うと、排気ブレーキという存在はこのエンジンブレーキによく似ていて、大雑把に言ってしまえばエンジンブレーキを強化するような装置なのです。

こちらもざっくりとした使ったときのイメージとしては、普段はエンジンブレーキだけ、そしてスイッチを入れると排気ブレーキが効いてエンジンブレーキが強くなるという感覚です。つまり意図的にスイッチをつけてエンジンブレーキを強化することになるための装置なので、機能上・区分上としては補助ブレーキという枠に属することになります。

ちなみに少し思い出してみると、皆さんはどんな時にエンジンブレーキを使っているでしょうか?

地方の道路などでスピードを出しているときに、前に車が見えてきたため、ちょっとだけ速度を緩めたいけれどもわざわざフットペダルを踏むほど減速したいほど距離が差し迫っているわけではない時、もしくは見通しの悪い路上などを走っているのでほんの少しだけスピードを落として様子を見たいという時ではないでしょうか?

あるいは、長い下り坂が続いているときに安全のためにブレーキを何度も何度も踏むのがわずらわしい時、一段階だけギヤを下げてみたり、ATのSやBのモードを使ったりしてブレーキを効かせることでゆるやかに速度を少しだけ落とすことになるのではないでしょうか。

よく知っている道を走っている時は特にそうかもしれませんが、例えば次の信号がそろそろ赤に変わるとか、もうすぐきついカーブが来るのがわかっている時とか、この後にどんな道路状況になるのかということについて長年の勘でわかってくるので、ブレーキを踏んでしまうよりもエンジンブレーキで緩やかに速度を落とそうとすることが多いでしょう。

さて、そこでこのブレーキの真の価値が発揮されるときです。例えば、もしもそのエンジンブレーキの強さをゆるやかに、つまり二段階に加減することができるとしたらどうでしょうか?

少し大げさな話になってはしまいますが、排気ブレーキさえあればフットブレーキは、本当に急ブレーキが必要な予想外の時以外は踏むことがなくなるくらいに、この排気ブレーキは非常に使いこなすと便利な存在なのです。

トラックやバスのドライバーは、運転することが毎日のように発生する日常業務なので、ブレーキを踏むこと自体が煩わしくなりがちです。そのため、アクセルをオン/オフと切り替えるだけで速度をコントロールできると昨日いうのは、それだけでとても便利な装置なのです。

排気ブレーキとブレーキランプ

ちなみにエンジンブレーキとは違い、補助ブレーキは速度を落とす力がかなり強いので、車によっては排気ブレーキの作動と連動してブレーキランプがつき後続車への警告をするものもあります。以前に街中で「補助ブレーキ作動時もブレーキランプが点灯します」と書いてあるトラックの後ろについたことがあるかもしれませんが、前を走るトラックが異様にブレーキを踏むなと思ったら、実は排気ブレーキを作動させているということもあり得るのです。

排気ブレーキの仕組みはどうなっているの?

エンジンブレーキの基本的な構造と仕組み

排気ブレーキの仕組みを知るには、まずエンジンブレーキの仕組みを知る必要があるため、順を追って説明いたします。

まずよくありがちな誤解なのですが、そもそもエンジンブレーキとは、エンジンに何かブレーキがついているわけではありません。

基本的な部分でいうと、そもそもエンジンは動き続けるために、燃料をもらって燃焼を繰り返す必要があります。しかし、そのエンジンが動き続けるにはかなりの力が必要で、そのためには燃料の燃焼で起こる爆発力を使って動き続けます。

ところが、運転手がアクセルを踏みはなすことによってそれまで送り続けていた燃料が止まってしまうと、エンジンは動き続ける力がなくなり少しずつ止まっていきます。

これがエンジンブレーキの基本的な構造と仕組みなのです。

排気ブレーキの基本的な構造と仕組み

これに対して排気ブレーキは、燃料を送ってあげないだけではなく、アクセルをオフにするのと同時にマフラーの方もを塞いぐことによって排気ガスをエンジンから出さないようにするのです。

エンジンが回り続けるためには、まず空気を吸い込み、それを強い力で圧縮して爆発させて、それがさらに排気される、と言う一連の複雑な流れがスムーズに行われる必要があります。こうした流れが起こっているものにたいして、そこに蓋をしてしまうと、閉じ込められた排気ガスがエンジンのこの一連の行程を妨げてしまうことになるので、エンジンはより一層早く止まってしまいます。

その結果として、エンジンは動き続けようとする、でも排気ガスを強制的に閉じ込めてその動きを妨げる。こうした機能はエンジンが頑丈な場合に限ってはじめて採用できる仕組みなのですが、乗用車のエンジンにはそれほどの強度がありませんので、先に述べたようにこうした機能を取り入れることが出来ないのです。

つまり、桁違いに頑丈なエンジンを持つ大型車、バスやトラックにしか排気ブレーキがついてない理由はそこにあります。

ちなみに、自動車の大型化に伴って補助ブレーキが後付けで取り付けられることがありますが、この中には少し珍しい装置として『リターダ』というものもあります。

これはプロペラシャフトに取り付けられる装置ですが、イメージとしましてははエンジンブレーキ、排気ブレーキと同じで、負荷抵抗を掛けて自動車の速度を落とすような装置です。

減速量も大きく、装置自体が重く、価格もかなり高額になるため、リターダは大型のトラックのために、しかも大抵はオプション装備として用意されています。

排気ブレーキの使い方は?

排気ブレーキの使い方はとても簡単で、たった1つだけ、それはシンプルにアクセルを放すことです。

排気ブレーキのスイッチの入れ方は、車種によって異なりますが、多くの場合において、ワイパーのレバーにスイッチがついています。

なかにはワイパーのレバーを軽く手前に引くとスイッチが入ったり、下にさげるとスイッチが入ったり、そのレバーにスイッチがついていて、それを押すことで排気ブレーキが入るイレギュラーなケースもありますが、機能上、入り切りを頻繁に繰り返すものですので、運転手から遠い場所や操作しにくいところについていることはめったにありません。なぜなら、そうした場合、実際に使用する際にとても不便だからです。

まずは取扱説明書の『排気ブレーキ』の項目を参照して、ご自身の自動車の排気ブレーキスイッチの場所をご確認ください。

排気ブレーキの異常があるときの症状と原因は?

減速が出来ないときに注意

排気ブレーキの故障で、最もトラブルとして大きなものは、排気ブレーキが全く効かなくなってしまうという現象で、それまではアクセルを放せば落ちていた速度が落ちなくなってしまうといった症状がでます。

なお、この排気ブレーキは先ほど説明したように排気ガスを利用した機能となっているため、排気量が大きい自動車ほど効果が出ます。それはつまり、車が大型になるほど排気ブレーキの故障は気付きやすくなってくるという特徴があるということなのです。

逆にいえば、1t車くらいの車で空荷の際などは、エンジンブレーキは効いているために排気ブレーキの異常にほとんど気付かないということもあります。その場合は、車に異常がないか日々注意して定期的な点検をしておく必要があるでしょう。

異音に注意

もう一つ排気ブレーキの異常を知る方法として音に注目する方法があります。

排気ブレーキが作動するときには、車種によって差はあるものの、独特の大気解放音が出ます。

排気ブレーキは、閉じ込めた排気ガスが再びアクセルを踏むのと同時に解放されるときに「プシュッ」という大きな音を出しますが、その音が出なくなるため排気ブレーキの異常にはすぐに気づけるはずです。

アイドリング状態でも、アクセルのオンとオフに合わせて排気ブレーキの弁は反応しているので、よく耳をすませていると、オンオフしているのがカチッという音で聞き取れます。

この音が聞こえなくなったらスイッチの異常です。異常を感じたらただちに整備工場にもっていったりした方が無難でしょう。

黒煙は関係あるのか?

排気ガスに関係する問題に黒煙が出てきてしまうという異常が事例として出てくることがありますが、トラックからの異常な黒煙が発生する場合はどちらかというとエンジンに問題があり、排気ブレーキそのものには直接的に関係ないことがほとんどなので、たまに勘違いしてパニックになる方もいるようですが、その場合は別の原因を探る必要があります。

排気ブレーキの修理・交換の費用・価格や工賃は?

排気ブレーキの修理となってくると、基本的な工程としては部品の総取替えが必要になります。

排気ガスを閉じ込める弁の役目をしている部分と、その開閉を司るアクチュエーターの交換がいずれも必要になってくるため、小型のトラックの場合で、工賃も含めて10万円前後になります。

調整などで付け焼刃的に治してしまえることもあるのですが、それぐらいで治る症状は大抵はおそかれはやかれ再発しますので、全交換してしまった方が後々のことを考えると経済的です。

当然ですが、大型車ほど排気ブレーキの大きさも大きくなり、修理費用も部品代も大型車ほど高くなります。

排気ブレーキを使うことのメリット

排気ブレーキの大きなメリットの一つはスムーズな運転が可能になる点といえます。

バスなどの大型車両の場合は特に、フットブレーキを多用すると乗客を不快にさせる運転になることでしょう。その結果、運転が評価されやすくなる可能性もあります。

その点、排気ブレーキを含めた補助ブレーキを有効活用した場合なら、従来よりもなめらかな運転が出きるようになります。

その他にも、補助ブレーキを使うことでブレーキパッドを使う頻度が相対的に少なくなってくるため、結果的に交換スパンが長くなってコストが抑えられるなど経済的なメリットもあります。

またフットブレーキの使いすぎは乗用車でさえベーパーロック現象やフェード現象などの問題もお越すので、トラックなどの大型車は特に補助ブレーキを上手に使うことで車を労わり、余計な問題を招かないようにできます。

 

排気ブレーキはトラックドライバーでないとあまり馴染みがないものかもしれませんが、もしもトラックに乗る機会があれば是非その機能を実際に使ってみて、実感してください。

例えば引っ越しを自分でするときにレンタカーで小型トラックを借りたりすれば、そのトラックにもきっと排気ブレーキがついていますから、是非体感してみてください。

きっとその素晴らしい機能に感心し、自分の自家用車にも取りつけたいと思うことでしょう。

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