1日のほとんどをトラックで過ごすドライバーは、トラブルに遭遇する機会も多いでしょう。トラブルによる異臭や発煙でパニックにならないよう、的確に対処したいものです。故障やトラブルを未然に防ぐ方法も含め、ご紹介していきます。
トラックによくある故障やトラブル・症状・原因
トラックにおけるトラブルには、発生率が高く、急に起こると重大な事故につながる危険なものがあります。なかでも、『タイヤのトラブル』、エンジンの内部が故障してしまう『エンジンブロー』、エンジン本体が熱くなりすぎる『オーバーヒート』の3点がよくある症状・故障です。
トラックが止まってしまったときのレッカー費用・料金
トラックが止まってしまったら、JAFや各企業と契約をしているロードサービスの手配を取りましょう。任意保険の特約としてロードサービスの契約がある場合があります。その場合は個人が一般で依頼するより優先して到着するなどの利点があるかもしれませんので、企業の担当者に確認してもらうと良いです。
JAFなどのロードサービスは、依頼してから現場に到着するまでに数時間かかります。止まってしまった場所が高速道路上などでは尚更です。作業車両が到着するまで二次災害に合わないように、安全に待機していられる場所に車両を移動させましょう。
作業車両の到着後は、まず自分で走行可能になるように、現場でパーツ交換など応急処置をします。走行できるようになったら整備工場まで運転していき、詳しく検査してもらうことをお勧めします。万が一応急処置できない状態の場合は、整備工場までレッカー移動になります。レッカー費用は車両総重量や積載貨物の有無などで変わってきますが、大型トラックで基本料金3万5千円、レッカー料金1万2千円、けん引料金1kmあたり1,200円で、現場で応急処置した場合は、別途部品代と作業料金が発生します。
トラックのトラブル別症状と原因
タイヤトラブルの症状と原因
タイヤのトラブルにはバーストやパンク、摩耗などがあります。
タイヤのバースト・パンク
中でも注意が必要なのは、路面温度が高い夏に起きやすいタイヤの破裂、バーストです。特にフロントタイヤで発生すると重大事故につながりかねません。
主な原因は、タイヤの経年劣化や積載重量が重いことで、急なバーストの場合、その兆候を察知することはかなり困難です。
空気圧が高い状態で夏場の路面を走行し続けると、タイヤ内の空気がさらに膨張し、バーストする危険が増します。逆に空気圧が低いと、小刻みな振動が発生し、走行しているうちに徐々に大きな振動へと変化していきます。
ゴムが焼けたような異臭は危険なサインです。そのまま継続して走行していると燃費が悪くなるだけでなく、タイヤの表面がウェーブ状になってしまう、『スタンディングウェーブ現象』が起きます。ドライバーが感じる違和感に変化はないので、バーストするまで気が付かないことが多いです。
タイヤの摩耗
タイヤの空気圧が不足したり、積載量が多いとタイヤの両端が多く摩耗します。急ブレーキや急発進、急ハンドルを繰り返したり、タイヤバランスが悪かったりしても摩耗が進みます。
空気圧が高すぎる場合はタイヤの中央が摩耗します。このように部分的な摩耗を偏摩耗といいます。偏摩耗が起きないよう、ガソリンスタンドなどにある空気圧測定器で定期的に空気圧をチェックしたり、タイヤのローテーションを行いましょう。なるべく均等にタイヤの溝が減るように使うことがタイヤを長持ちさせる秘訣です。
タイヤは走っている限り、少しずつ摩耗して溝が減ります。タイヤの溝は法令で深さが決まっており、減り具合の目安にスリップサインがあります。タイヤの側面に三角のマークが4~9か所あり、その延長線上の溝の部分に深さ1.6mmの時に現れる、タイヤと同素材の目印です。
溝が浅くなりすぎると走行機能が低下したり、ブレーキ性能が低下したり、雨天でハイドロプレーニング現象がおきてハンドル制御ができなくなる可能性もあります。
タイヤのトラブルにはタイヤの劣化と空気圧が関係しています。走行前にはタイヤに経年劣化のひび割れがないか、ゴムが硬化していないか、給油時には空気圧は適当かを確認しましょう。
エンジンブローの症状と原因
トラックの故障の中で最も重大で、エンジンの内部が故障している状態です。通常、加速が鈍かったり異音や異臭がした時点で異変に気が付く人が多く、目に見えない部分のチェックはシステム診断を採用します。
エンジンブローを起こすと、走行不能になったり、火災につながる可能性もあります。最悪の場合、エンジンは再起不能になる恐れのあるトラブルです。
エンジンの吸気と排気を司る、タイミングベルトの破損によるエンジンブローの場合、突然エンジンが停止することがあります。
ピストンと排気バルブの調整が利かず接触し、エンジンからカンカンカンという異音が出ます。異音を気にせず走行を続けていると、ピストンが破損してエンジンが停止してしまいます。
走行中に断裂することが無いよう、タイミングベルトのゴムの劣化や損傷個所がないか確認し、異常があった場合には早めに交換したほうが良いでしょう。
また、オイルが減り油圧が低下すると、オイルランプが点灯します。油圧警告灯といって、オイルの劣化などでオイルが急激に減少した時、油圧ポンプに異常がある時、オイルが漏れている等が原因で点灯する警告灯です。
オイルはエンジンの中の金属パーツの動作を潤滑にする働きがあり、量が少ないとその動きがスムーズでなかったり、エンジンを冷却できなくなってしまいます。
エンジンオーバーヒートの症状と原因
エンジンオーバーヒートは自動車のトラブルの中でも非常に発生率が高く、放置すると火災になることもある危険な故障です。エンジンの内部を循環する冷却水が充分機能しないことにより、エンジン自体の温度が髙くなりすぎるトラブルで、水温計はH付近をさします。
走行においては、加速しにくかったり、アクセルを踏み込むとノッキング音がしたり、エンジンの回転数が不安定などの症状でわかります。
オーバーヒート中期段階では水温計がHを超え、エンジンから発煙します。キイキイといった異音も聞こえるようになります。さらに症状が進むと水温計はCをさし、エンジン内部からも異音が発せられます。この最終段階の状態ではアクセルを踏んでもエンジンは動作しません。
ファンベルトが損傷するとキュルキュルという異音がし、冷却水がエンジン全体にうまく回りませんし、バッテリーが充電できなくなるので、バッテリー上がりの原因にもなるのです。
また、冷却水の品質が落ちることでも冷却機能低下につながります。
カーメーカーにより鮮やかな緑や赤の冷却水を使用しますが、錆や濁りで色あせてくることで品質が落ちていることがわかります。色あせた冷却水は、カー用品店などで購入した専用の液を補充したり、交換して品質を保ちましょう。
冷却液はウォーターポンプによりラジエーターやエンジン内部に循環されますが、ポンプのトラブルなどで冷却水が漏れると、蒸発して無くなってしまい、エンジンを冷やすのに足りなくなります。また、ポンプの経年劣化などで冷却水が流れなくなったり、異物の付着によりラジエーターが正常に作動しない時も冷却し辛くなります。
トラックの修理費用と故障防止のための予防
トラックの修理にはパーツの交換の場合から、洗浄清掃により調子が戻るもの、一式交換せざるを得ないものなど様々なパターンがあります。特にエンジンに関する故障になると修理費用も数百万円にのぼるなど、かなり高額になります。
自動車は非常に多くの部品やパーツが組み合わさってできていますので、目に見えない部分の損傷がとても多く、ドライバーが異変に気がつくころには手遅れに近いということが少なくありません。
トラックの日常点検では、毎日の確認項目としてタイヤの空気圧と損傷状況、ランプ類、ブレーキ液量、ブレーキレバーの引きしろ、ブレーキペダルの踏みしろの確認が義務付けられています。
適切な時期に点検する項目として、タイヤの溝、冷却水量、エンジンオイル量、バッテリー液量、ウィンドウォッシャー液量、ファンベルトの張り具合、ワイパー、エンジン状態の確認があります。
これらの点検を日ごろから行い、液量不足の場合は補充したり、異常があった時には企業の管理者に報告するなどして修理の手配をします。特にバッテリーは液が不足すると水素ガスが増えエンジン始動時に引火する恐れがあるので適正な量を維持するようにバッテリー液補充を行いましょう。
トラックのトラブル別修理費用と予防方法
タイヤトラブルの修理費用と予防方法
タイヤにトラブルがあった場合、早急に安全な場所を探してトラックを止めましょう。他の自動車などの妨げにならない安全な場所が確保できたらタイヤの状態を確認します。それ以上車を動かしてはいけない状況は、タイヤが破裂したようなバーストした状態になっているときです。無理に走行することで傷はホイールにまで到達します。高速道路でバーストした場合には速度を下げ、最寄りのサービスエリアまで移動し、JAFなどのロードサービスを手配します。バーストしたタイヤは修復不可能ですので、ひとまずスペアタイヤなどに交換します。
タイヤの費用はトラックの種類にもよりますが、大型トラックの場合、タイヤ1本あたりおよそ3万円、ホイール1本あたり5万円です。
トラブルを未然に防ぐには、日々の確認が重要です。まずタイヤが冷えている状態で空気圧の確認をします。空気圧は車種により異なりますので、表示されている適性値に調節します。そして、定期的にタイヤローテーションをし、同時にホイールバランスを整えましょう。タイヤのホイールボルトやナット等の部品が脱落していないか、緩みや亀裂、錆なども見てください。タイヤの側面はトレッド部より薄いので傷がついていると危険です。また、スリップサインが出ていないか、石やボルトがタイヤのトレッド部(接地面)に刺さっていないかチェックしましょう。気づかずに走行してしまうと危険です。
エンジンブローの修理費用と予防方法
オイルランプが点灯したら安全な場所に車を止め、エンジンを冷まします。
停車直後は高温の為、時間をおいてからボンネットを開けてください。
オイルの残量や異物混入がないかオイルゲージで確認します。オイルが既定量より少なかったら補充が必要です。最寄りのガソリンスタンドなどで購入しオイルの補充します。オイルが充分ある場合は、ポンプの故障やその他の異常の可能性がありますので、走行せずJAFなどのロードサービスを手配し、整備工場で診断してもらうのが良いです。
エンジンが壊れてしまったら、エンジンの載せ替えが必要かもしれません。
その費用は数百万円にもなり、代替えも視野に入ってくる状況です。丸ごと新しいエンジンを購入するのではなく、部分的にリビルトという再生部品を利用した場合、その分だけ多少の費用軽減にはなりますが、大幅な費用削減は厳しいでしょう。
修理工場などに依頼し、タイミングが合えば中古のエンジンと交換する事もできる可能性がありますが、中古のエンジンは粗悪品である可能性もありますので、注意が必要です。
また、油圧関係には異常が無く、トラックのメーターパネルの異常の場合もあります。その場合、3千円~5千円で修理可能ですが、稀な事象です。
エンジンが壊れてしまわないよう、日ごろから点検整備を行い、異変をキャッチする心を持つと良いです。まずはエンジンオイルが漏れていないか、不足していないかを日常点検で確認しましょう。
エンジンルームを洗浄・清掃しておくとエンジンオイル漏れがあった場合の場所の特定が容易になります。エンジンオイルが染み出しているのを発見したら、エンジンオーバーホールを手配します。
エンジンを分解して、空気の侵入やオイル漏れを防ぐガスケットを交換することで、エンジンの性能が回復します。
エンジンオイルは高温になりすぎると劣化が進みます。油圧計やオイルチェックランプをもとに温度が異常に上がりすぎないように注意し、エンジンを休ませます。エンジンオイルの高温化を防ぐには、冷却水を交換する事も有効です。定期的に冷却水やエンジンオイル、オイルフィルター交換を行い、品質を保ちましょう。
オーバーヒートの修理費用と予防方法
オーバーヒートがおきたら、自動車を安全な場所に避難させ、しばらくエンジンをかけたまま冷却水の循環を待ちます。
ラジエーターのサブタンクに冷却水が全く入っていない状態なら、カー用品店などで購入した冷却水を注入することで自力で整備工場まで移動できるでしょう。
ラジエーター本体のキャップは中が煮え立っている状態ですのでやけどしないように、注意しましょう。ラジエーターオイルのサブタンクに冷却水が少しでも入っていれば、自分でできる応急処置はありません。JAFなどのロードサービスを手配し、整備工場での診断が必要です。
パーツの交換費用はいくらかというと、工賃を含めラジエーターの液漏れの場合1万円~6万円、冷却ポンプの交換は2万円~6万円、サーモスタットの交換は1万円~2万円、ファンベルトの交換は1万5千円程度となります。
キャブを開け、冷却水の残量をまめに確認してください。冷却水を足すときには、充填量が減ってしまいますのでエア抜きも忘れてはいけません。蒸発している場合もありますが、赤や緑の水が漏れ出ているのは冷却水漏れです。整備工場ではファンベルトやタイミングベルトを外してウォーターポンプに錆や劣化が無いか点検してもらいましょう。
トラックによくある故障と予防方法のまとめ
日々のチェックがトラブルや故障の回避に大きな影響を与えることをご理解いただけましたでしょうか。日常的に運転しているドライバーにしか感じ取る事ができないわずかな変化もあるでしょう。トラックとよく向き合うことはとても大切です。
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