街中でタクシーのような黒塗りの高級車を、見かけた事がある人もいるかもしれません。よく見てみると、白い手袋に落ち着いた雰囲気の運転手が乗務しています。いったい彼らはどうやってその職を見つけることができたのか、どうすればその職に就くことができるのかを詳しく解説していきます。
- 役員運転手とは?
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事内容
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事が向いているタイプ
- 役員運転手のドライバー(運転手)の平均的な給料・年収
- 役員運転手のドライバー(運転手)の手当(深夜・残業など)・賞与
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事でたくさんお金を稼ぐには?
- 役員運転手のドライバー(運転手)の働き方
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事で必要な免許・資格
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事に必要な資格をもっていない場合はどうする?
- 普通自動車第二種免許とは?
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事に就職・転職するための求人募集を探すには
- 役員運転手のドライバー(運転手)の転職サイトに登録・検索・応募する方法は?
- 役員運転手のドライバー(運転手)の仕事まとめ
役員運転手とは?
役員運転手とは、会社役員の専属運転手の事です。企業の方針によってさまざまですが、基本的には規模の大きい会社で役員運転手を配置していることが多く、役員にとって利便性が高く職務を遂行する上で必要不可欠な移動手段です。そのため企業からしても大事なポジションになっています。
また役員運転手としての働き方にはいくつか種類があり、役員が在籍している会社に直接雇用されるケースと、タクシー会社やハイヤーを所有している会社から派遣されるケースがあります。
直接雇用されるケースでは、特定の役員の運転手を担うことになるため、その人にあった対応が求められます。
派遣されるケースでは使用する車は企業の社用車のケースが多く、運転手のみ出向するパターンがあります。また長期契約や一日だけの依頼を受けることもあるため、そういった場合はさまざまな企業の役員の方を乗せることになります。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事内容
役員運転手のドライバーは企業にとって、重要な仕事です。役員の日々のスケジュールに合わせた迅速な対応が求められ、車のメンテナンスや清掃などのきめ細かな配慮も必要になります。
相手先の企業へ送迎するだけでも、時間通りにスケジュールが運ぶように道を選んで走行したり、粗暴運転をせず、事故のない安全な運転を心掛けながら運転しなければなりません。
このようにさまざまな配慮が求められるため、企業から直接採用していただくか、タクシー、ハイヤー会社のベテラン運転手が出向する形でしか役員運転手になることは困難と言えます。
その他にも仕事柄、役員の人と一日のほとんどの時間を共にするため、社内の機密事項や口外してはならない情報が耳に入りやすくなります。
そのため秘密保持は義務であり、信頼できる口の固い人が企業から求められています。
仕事内容は主に、役員専属ドライバーとして役員の方の送り迎えがメインの仕事になります。送り迎え以外の場面では、役員のスケジュールに合わせて取引先の企業へ赴いたり、休日にはゴルフコンペ会場への送り迎えなどもしなければなりません。細かく見ると、役員の人が車の乗り降りをする際の扉の開閉や、待機時間には庶務作業や車の手入れなどの管理に加え、気配りに配慮した対応や雑務などもドライバーの仕事です。
また会社にとって重要なポジションの人物を乗せて運転するため安全運転を心がけ、スケジュール通りに運行することも重要な仕事になります。
もし事故を起こしてしまえば、その後のスケジュールに大きな影響を与えるため、運行中の事故の危険性を最小限に抑える事が役員運転手として最も注意すべき点です。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事が向いているタイプ
過去にタクシー会社に勤めていた経歴があったり、ハイヤーの運転手としての経験がある人に向いている仕事です。ドライバーとして会社の重役を乗せて運転するため、上記に記した経歴が必要になる事が多く、若い世代よりもある程度年齢の高い人の方が採用されやすくなっています。もちろん年齢が若いからといって採用対象外とはなりませんが、不利になる可能性は否めません。
また一日中役員と行動を共にするため、社外に漏らしてはいけない情報を認知する可能性が非常に高くなってしまいます。
もし重要機密を口外してしまい、その事が会社に知られてしまうと懲戒免職や若しくは法で裁かれる事にもなりかねません。そのため口外されないための予防線として、運転手と企業側との間で秘密保持契約を結ぶことがあります。
そういった事を踏まえると、時間を守り、安全運転のできる口の固い誠実な人ほど企業から求められていると言えます。
役員運転手のドライバー(運転手)の平均的な給料・年収
役員運転手の年収は400万円~600万円と、他の業種に比べると高くなっています。
その要因としてあげられるのは、採用する人物の経験や知識、スキルが高いことを想定して支払う賃金を高く設定しているためです。
また決められたスケジュール通りに動くため、予定が定時以降になる事もあり、比較的残業が多い傾向にあります。
もちろん時間外手当てが付くので毎月の収入が高くなり、月収にするとかなりの金額になることもあります。
それ以上に稼ぎたいのであれば、日頃から安全運転に努めることはもちろん、役員からの信頼を得ることが最も重要なポイントになります。
(参考:東京の役員運転手派遣・請負『
年収 | 400万~600万円程度 |
月収・月給 | 30万~40万円程度 (手取りベースの月収は25万~35万円程度) |
日給 | 16,000円程度 ※一か月あたり20日働いた場合で計算 |
時給 | 2,000円程度 ※一日あたり8時間働いた場合で計算 |
役員運転手のドライバー(運転手)の手当(深夜・残業など)・賞与
朝の自宅への迎えの時間は、基本的に同じパターンになります。
ですが業務の終了する時間に関しては、役員のスケジュールに基づいて行動するため、遅くなったりする事もあります。そういった場合は、時間外労働に対する賃金が発生するため、法律の定める賃金以上がすべて支払われるようになっています。
また賞与については、企業によってかなり違いがありますので、募集要項での確認や面接の際に確認する事が必要です。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事でたくさんお金を稼ぐには?
役員運転手の仕事で稼ぐためには、直接雇用されるケースと、企業に派遣されるケースで方法が違います。
直接雇用される場合は月給となる所が多くの割合を占めているため、役員の帰宅時間が遅くなる事が続けば残業時間が増え、給料に反映されます。
ですが役員のスケジュールの都合となる部分が大きいので、自ら収入を増やしたとは言い難い方法となります。そのため日頃の業務を地道にこなし、役員から仕事の成果を認めてもらう事が収入を増やすために最も有効な手段と言えます。
また企業に派遣されるケースでは、派遣される回数が増えれば増えるほど、月収も増えるようになります。そのため企業の役員の方に指名して頂けるようになると、自然と回数が増えていくので、仕事の成果を認めてもらうという点では直接契約の運転手と相違ありません。
つまり対応の良さや仕事への熱心さが、収入を増やすカギといっても過言ではないという事です。
役員運転手のドライバー(運転手)の働き方
勤務時間は役員の行動に合わせるよう調整されます。そのため出勤の時間が早くなる事もあれば、仕事の終わる時間が遅くなったりする事もあります。
スケジュールの都合上、勤務時間が長くなったとしても、待機時間が多くの割合を占めているため一日に運転する距離は50㎞~200㎞とあまり長くならないのが特徴です。
また運転技術向上のため、研修を行っている企業もあります。
勤務時間・休憩 | 朝は役員の自宅へ出社時間に間に合うように迎えにいきます。およそ7時前後から始業になることが多く、勤務の終了する時間は17時~20時の間になることが多いです。休憩時間はスケジュールに合わせるため、多少のズレがあることもありますが、8時間勤務の場合は最低でも1時間は休憩することができます。また待機時間が多くあるため、そういった時間を使って休憩したりもできます。 |
運送・配送エリア | 役員の自宅から会社周辺や、取引先の企業など市内近郊が主な活動範囲となります。 |
移動距離 | 役員の自宅からの送り迎えのみの場合だと、自宅から会社まで距離が離れていることが少ないため、あまり移動距離が長くなることはありません。ですが一日専属の運転手として勤務する場合の一日の移動距離は、50㎞~200㎞程になります。 |
通勤方法 | ほとんどの企業で、通勤方法は自由になっています。 |
研修の有無 | 多くの企業では研修制度を設けています。内容として運転技能指導員からの直接指導や、運転技能の適正診断に基づいての個別指導など、役員運転手としてのスキルを身に付けるよう設定されています。 |
その他 | ゴルフコンペや会食などのスケジュールが休日に入ることがあるため、プライベートにおいては、予定を立てる事が難しい傾向にあります。ですがその分、業務中の待機時間がかなり多くとれるため、デメリットがある反面こういったメリットもあります。 |
役員運転手の雇用形態は正社員、契約社員、派遣社員の3つが業界でもほとんどの割合を占めています。
固定の役員の運転手をしたいのであれば、企業に直接雇用してもらい、毎回違う役員の方の運転手がしたいのであれば、派遣会社から派遣されるといった選び方ができます。
また直接雇用と派遣社員の働き方の違いとして、業務中の待機時間にしなければならない作業内容に大きな差があります。
そのため運転業務に特化したいのであれば、派遣会社から派遣される方が雑務などがないため、待機時間に車の手入れなどの時間を多く割くことができます。
形態: | アルバイト | 契約社員 | 派遣社員 | 正社員 | 業務委託 |
募集: | まれにあり | あり | あり | あり | なし |
正社員・契約社員として雇用される場合、すなわち役員の在籍している会社に直接雇用されるケースでは、正社員や契約社員での採用があります。
稀にアルバイトでの雇用を行っている企業もありますが、基本的にはあまりありません。
給料形態は月給制になる事が多く、勤務中の待機時間には庶務作業や車の手入れなどの雑務もしなければなりません。また企業の方針によっては運転業務に加え、秘書としての業務を果たさなければならないこともあります。
派遣会社から派遣される場合、直接雇用されるケースと大きく違う点があり、車の手入れはしなければなりませんが、庶務作業などの雑務はせず運転に特化した業務内容になります。
また給料は派遣会社によって支払われるため、直接雇用されるよりも単価は低くなる可能性があります。
ですがさまざまな企業へ派遣されるため、乗せる役員が固定でない事が多く、仕事へのマンネリ化を防ぐ事もできます。また直接雇用の場合と比べると、待機時間が長くなるため自由な時間ができるといったメリットもあります。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事で必要な免許・資格
役員運転手に必要な資格は2つあります。まず普通自動車第一種免許は、運転の仕事になるため必ず取得していなければ業務が勤まりませんので必須となります。
直接雇用の場合や、運賃の発生していないケースでは、旅客自動車にはあたりませんので普通自動車第一種免許のみで運転することができます。
また派遣されて運転する場合では、人を運ぶことに対して運賃が発生した場合に、普通自動車第二種免許の取得が必要になるケースもあります。
また普通自動車第二種免許を取得するためには条件があり、普通自動車第一種免許を取得してから3年以上経過し、満21歳以上でなければいけませんので、若い世代の人からすると少しハードルの高い免許になっています。
ですがその他で必要な資格はないので、最低限の資格さえ取得してしまえば、どなたでも採用されるチャンスはあるということになります。
原付 | バイク | 軽貨物 | バン | トラック | バス | |
使用有無: | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
車種: | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 | 特殊車両 | その他 |
使用有無: | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
原付免許 | 二輪車免許 | 普通免許 | 準中型免許 | 中型免許 | 大型免許 | |
必要性 | なし | なし | あり | なし | なし | なし |
その他必要な免許 | 普通自動車第二種免許 |
免許以外に必要な資格 | なし |
必要な経験 | タクシー、ハイヤーの運転経験など |
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事に必要な資格をもっていない場合はどうする?
まず必ず持っていなければいけない免許が、普通自動車第一種免許です。ですが免許を取得したからといって採用されることはほとんどなく、最低でも10年ほどの経験が必要になります。そのため免許を持っていない場合は、運転経験が無くても採用してもらえるのか、事前に確認してから資格の取得をする必要があります。
また派遣として乗務する場合は、人を乗せて運賃が発生するケースが出てくるので、普通自動車第二種免許の取得も必要になることもあります。
雇用形態が違っていたとしても、乗用車の運転経験だけではなく、タクシーやハイヤーなどの運転経験がなければ、採用される確率は比較的低くなっています。以上の点を踏まえると、役員運転手を目指すのであれば、まずは必要な経験を積むところからのスタートとなると言えます。
普通自動車第二種免許とは?
普通免許には2つの種類があり、普通自動車第二種免許は、車で人を乗せて運賃を頂いている場合に必要な資格となります。また自家用車に付いているナンバープレートで運賃を取って走行することは法律で禁止されており、営業ナンバーと言われる緑色のナンバープレートの取得が必要となります。そのためタクシーやハイヤーを扱っている会社では、営業ナンバーを取得して許可を取って営業しています。
さらに資格取得の条件として、普通自動車第二種免許を取得してから3年以上が経過し、満21歳以上でなければ受験できない規定になっています。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事に就職・転職するための求人募集を探すには
役員運転手の求人情報を探す手段には、職業安定所、求人雑誌、インターネットを活用する方法があります。
求人雑誌では役員運転手の仕事を探すのに、少し時間がかかってしまいますが、職業安定所やインターネットを利用すれば、役員運転手の仕事をピンポイントで検索できるのでとても便利な方法と言えます。
またインターネットを利用する場合は、転職サイトをうまく活用することによりスムーズな仕事探しが可能になります。
ただし多くの人が転職サイトの情報を検索しているので、ライバルに先を越されないように条件のよい求人がアップされれば、すぐに応募できるような状態にしておく事も大切になります。
役員運転手の求人掲載情報を探すには、職業安定所や求人雑誌、インターネットなどを活用した方法があります。
職業安定所には随時更新された新着の求人募集があるため、立ち寄れる時間があるのであれば定期的に確認してみると、条件のいい求人を見つけられる可能性が高くなります。
あまり職業安定所に立ち寄る時間がないといった場合は、地元の求人雑誌を持ち帰ったり、自宅でインターネットを使って検索することもできます。
ですが求人雑誌においては、一週間に一度しか発刊されないものが多くあるため、リアルタイムで求人の情報を掴みたいのであればインターネットを活用するのがいいです。
このように、求人情報を得るためにはさまざまな手段があるため、自分の生活環境に合った方法を選んで探してみるのがベストです。
役員運転手のドライバー(運転手)の転職サイトに登録・検索・応募する方法は?
インターネットを活用して求人情報を調べると、企業のホームページや転職サイトなどが検索結果として表示されます。
転職サイトには職種ごとに分けて、さまざまな求人掲載情報があるため一覧にして見ることができます。
転職サイトから応募する際に、会員登録が不要なサイトと、会員登録が必要なサイトの2つがあります。
まず会員登録が必要なサイトの場合は、各転職サイトの登録ページから、項目を入力するだけで簡単に登録する事ができます。その後応募したい求人を選択して応募すれば、企業からの連絡を待ち、履歴書の送付や面接などが行われる流れになっています。
また会員登録やメルマガの登録を行えば、自分の探している職種の求人が更新されると、通知されるサービスを受けられるサイトもあります。
役員運転手のドライバー(運転手)の仕事まとめ
役員運転手には長年の運転経験や、地理の詳しさや安全運行が求められています。企業の役員を乗せて走る特別な職業でもあり、就職することができればその後も自分のスキルとして役立つことは間違いありません。敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、地道な経験の積み重ねによって安定した収入、生活を得ることが仕事でもあります。今後も企業では、役員運転手の必要でなくなることは想定されていません。運転手が役員の心の支えになる事によって、仕事がスムーズに進み、企業の業績が上がる可能性さえあり得ます。
この記事を読んで少しでも多くの人が、役員運転手に興味を持ち、さらには役員運転手となって活躍される事を願っています。
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