灯油配送の仕事内容
灯油配送の仕事とは
冬場の暖房、風呂や台所の湯沸しに灯油を使う家庭は多くあります。その家庭に灯油を配達するのが灯油配送の仕事です。
灯油配送を行うのは主にガソリンスタンドやホームセンターです。米穀店がこの業務を行うこともありますが、それは米屋が古くから薪や炭などの燃料を扱ってきたことに由来しています。
灯油配送で使われるのは主にトラックの荷台に燃料タンクを積んだローリー車です。積載量は2トンから4トン程度。小型、中型と呼ばれる種類のトラックです。
配送員はタンクローリーを運転し、注文のあった家庭を訪問、指定のポリタンクやホームタンクに灯油を給油します。
集金の仕方は会社によってさまざまで、まとめて月末に支払う場合もあり、配送員がその場で現金を集金する例もあります。また、タンクの点検も業務の一つとして行います。
灯油配送の配達先
灯油を配達する先は主に一般家庭です。特に冬場の需要が高く、会社によっては灯油配送を冬季限定の仕事としている例もあります。
しかし湯沸しに灯油を使っている家庭では、夏でも配達を必要としており、夏場に仕事がないわけではありません。また、工場や飲食店などを配送先にする場合にも、季節を問わず配送のニーズがあります。
灯油配送の仕事の良いところ
冬以外の時期は自分のペースで働ける
灯油配送の需要がもっとも高いのは冬です。夏場には、ホームタンクや工場などへの配達がある程度で、それをのぞけば通常業務を普段どおりこなすことができます。
また、灯油配送の仕事は、冬季限定のアルバイトでまかなわれることもよくあります。応募してくるのは夏が繁忙期にあたる海の家のオーナーや、農繁期をすぎた農業従事者などです。仕事の閑散期に自分のペースで働くことができるのも灯油配送の仕事の良いところです。
仕事上の人間関係のトラブルが少ない
灯油配送の仕事は、基本的に一人で行います。ローリーを一人で運転して家庭をまわり、一人で配達して会社に戻ります。人と接するのは、会社で指示を受けたり報告をしたりする、客先で集金を含めた接客をする、この程度でしょうか。
一緒にまわる同僚がいるわけではないので、人間関係でのトラブルは必然的に少なくなります。
灯油配送の仕事のつらいところ
力仕事が多い
一般的なポリタンクの容量は18リットルです。満タンにすれば灯油の重さが約14.5kg、タンクが約1kgですから、それなりの重量があります。
灯油配送を行う会社の中には、ポリタンクを指定の場所まで出してもらうことを条件にしていることもあります。しかしそうでない場合、配送員がタンクを配達先の家庭まで持っていかなければいけません。
灯油配送は、重いタンクを一つ、ないしは二つ運ぶ体力が必要とされる仕事です。
寒い中で仕事をしなくてはいけない
タンクは基本的に家の外に出されています。配送員は、給油と配達を外で行わなければなりません。また、燃料タンクからローリーへの荷積みも当然屋外です。灯油の需要が高まる冬の寒い時期には給油・配達の作業がつらいと感じる人も多いでしょう。
また冬の寒い朝には、路面が凍結していることもあります。ローリーの運転には十分気をつけていないと、スリップ事故を起こす場合もあるでしょう。集中力を要する仕事でもあります。
灯油配送の仕事ののやりがい
配達先のお客に感謝される
18リットルのポリタンクを灯油で満タンにすると、その重量は約15.5kgにもなります。特に高齢者にとっては運ぶのも一苦労でしょう。その点配達をしてもらえれば、それをせずに済むわけです。
配達先のお客から、よく来てくれたと感謝されることもよくあります。お客の感謝の言葉は、灯油配送の仕事のやりがいの一つです。
体が鍛えられていく
寒さが厳しい冬の時期に、屋外で働く灯油配送は肉体的にハードな仕事です。配達先がマンションの場合、タンクを持って上まであがらなくてはならないこともあります。
しかし慣れてしまえば仕事も楽にこなせるようになるでしょう。筋肉もつき、体も鍛えることができます。トレーニングに関心がある人にとっては、一石二鳥の仕事かもしれません。
担当地区に詳しくなれる
灯油配送の仕事は、決まった客先を回るルート配送です。担当地区を割り振られ、基本的にはその地区内で注文のあった家庭に灯油を配達します。冬の間、注文は何度もありますから、ローリーでそこを行き来することになります。
担当地区の道路やお店には自然と詳しくなれるでしょう。地元の人しか知らない裏道を発見することもあるかもしれません。
灯油配送の仕事の給料・年収
灯油配送の仕事の雇用形態には正社員、パート、アルバイトなどさまざまなパターンがあります。
正社員の場合、ガソリンスタンドなどの従業員が業務の一環として灯油配送を行います。月収は、手当がつく場合もあるようですが、基本的に通常月と違いはありません。
ガソリンスタンド正社員の月収はおよそ15万から25万円前後、年収は180万から300万円前後です。
パートやアルバイトの場合は給料は時給で1000円から1300円といったところが相場です。
灯油配送の仕事の労働時間・残業
灯油配送の仕事は基本的に日中に行います。求人では、8時出社17時ごろ退社という条件がよくみられます。
ただしパートやアルバイトの場合、注文がなければその日の作業は終了ということもよくあり、労働時間は雇用形態によっても大きく変わるでしょう。
夜間配送を行う会社は少なく、残業はあったとしても1時間程度とあまり多くはありません。
灯油配送の仕事の休暇
これも雇用形態によって異なりますが、正社員の場合は基本的に通常月と変わりません。
灯油配送は、平日休日問わずニーズのある仕事ですが、ガソリンスタンドやホームセンターの場合、もともとそれを計算に入れたシフトが組まれています。
パートやアルバイトの場合、出社・休暇の予定は都合に合わせて組むことができます。しかし冬場は繁忙期ですので、会社によっては配達の歩合を出すなど、出社をうながすシステムを設けている例もあります。
灯油配送の仕事に必要な免許・資格
自動車の免許
一般家庭向けの灯油配送に使われるのは、2トンから4トンのタンクローリーです。仕事をする際には、これを運転する免許が必要になります。
旧免許であれば普通免許でも大丈夫ですが、免許の取得時期によっては、普通免許では4トンローリーを運転することはできません。普通免許で運転できる範囲は以下のとおりです。
免許を取得した年月 | 最大積載量 | 車両総重量 | 運転できるローリー |
2007年6月1日以前 | 5.0トン未満 | 8.0トン未満 | 2トン、3トン、4トン |
2007年6月2日〜2017年3月11日 | 3.0トン未満 | 5.0トン未満 | 2トン |
2017年3月12日以降 | 2.0トン未満 | 3.5トン未満 |
2017年6月2日以降3月11日までに普通免許を取得した人は、2トン車の運転はできますが、3トン以上のローリーを運転することはできません。
2017年3月12日以降の取得の場合、2トン車も運転できませんので、中型免許の取得が必要です。
危険物の取り扱いに関する資格
運転免許のほかに危険物取扱者の資格を取らなければ、灯油配送の仕事に就くことはできません。灯油を含むガソリン類は可燃性があるため、消防法で危険物に指定されているからです。
危険物取扱者のうち、ガソリン類を扱う資格には甲種、乙種、丙種がありますが、灯油配送の仕事をする上では、丙種があれば問題はありません。丙種、乙種ともにマークシートの試験に合格すれば、危険物取扱者の資格を取得することができます。
危険物取扱者丙種の取得方法
- 受験資格:なし
- 試験内容:危険物に関する法令(法令)10問、燃焼及び消火に関する基礎知識(燃消)5問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消)10問
- 合格ライン:6割以上の得点
危険物取扱者乙種の取得方法
- 受験資格:なし
- 試験内容:危険物に関する法令(法令)15問、物理学及び化学(物化)10問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消)10問
- 合格ライン:6割以上の得点
いずれも市販の問題集で対応可、繰り返し解くことで6割以上の正解率を目指します。
ちなみに丙種、乙種の違いですが、丙種は自分以外の人が取り扱いの作業をする現場に立ち会う資格がありません。他人が作業をする際に立ち会うことが認められているのは乙種以上の資格です。
灯油配送の仕事のキャリアアップ
ドライバーとして配送の仕事を続けたいと考える人は、上位資格の取得を目指しましょう。運転免許であれば大型免許がおすすめです。大型免許を取得できれば、油槽所からガソリンスタンドまで灯油などの燃料を運ぶ大型ローリーの運転が可能になります。
また、マネージャーとして経営側になる道も考えられます。パート、アルバイトの管理や、店舗の売上に関わる仕事です。
営業として大口の取引先の管理をしたり、新規開拓に励むのもよいでしょう。
灯油配送ドライバーの仕事に向いている人
体力に自信がある人
体力に自信がある人は灯油配送ドライバーに向いています。18リットルの灯油が入った重いタンクを、持ち運びしなければいけないからです。
またトラックの乗り降りが多い仕事でもあります。大型車のように目的地まで座りっぱなしというわけにはいきません。もちろん大型車には大型トラックなりのの苦労があるのですが、こまめに乗り降りをして客の玄関先まで歩き、場合によってはマンションの階を上り下りというのはなかなか大変です。
体力をつけたい人にもおすすめの仕事です。
寒さに強い人
寒い日が続くと、灯油の需要は高くなります。ストーブに入れる燃料が必要だからです。
注文が続くと屋外での作業も増えるでしょう。冬でも特に寒い日などは、一日中仕事が途切れないこともあるそうです。寒さに強い体質は灯油配送の仕事には欠かせないものかもしれません。
寒さに強い人は、灯油配送ドライバーに向いています。
自分のペースで働きたい人
灯油配送は、繁忙期と閑散期がはっきり分かれる仕事です。オンシーズンは多忙ですが、冬以外の時期にはさほど仕事に追われることもないでしょう。休暇もスケジュールどおりに取ることができるのではないでしょうか。
また、繁忙期のみのアルバイトとして働く人も、冬以外の季節は自分のペースで自分の仕事をすることができます。夏は忙しく、冬には仕事が少ないという人にとっては、灯油配送は安定した収入を得られるよい仕事といえます。
灯油配送ドライバーの仕事まとめ
灯油配送ドライバーの仕事内容は、主に一般家庭に灯油を配達することです。その際タンクの点検や、会社によっては集金までドライバーが行うこともあるようです。
免許や資格は、中型車を運転できる運転免許と危険物取扱者の資格が必要です。
寒い日でも外で作業をしなければならず、重いタンクを運ばなければならないなど、つらいこともありますが、お客の感謝の言葉にやりがいを感じる人も大勢います。
また仕事中は一人なので人間関係のわずらわしさがないこと、自分のペースで仕事ができることも、灯油配送の良い点といえるでしょう。
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