生活していく上で、移動手段というものは重要です。都市部に生活拠点を置いていれば電車やバスがあり、移動に困ることはそうそうありません。しかし、都市部を離れていくと、どうしても駅までが自転車では遠い、とはいえ自動車を買う余裕や置いておける場所がないといった諸問題に悩まされることが多々あります。ここでは、そんなときの選択肢のひとつとして原動機付自転車を紹介します。
原付免許(原動機付自転車免許)とは?
ざっくりまとめると
原付とは、正式には原動機付自転車(以下、原付バイク)といいます。いわゆる原付バイクや原チャリ、原チャなどと言われ、道路交通法でしっかりと排気量50cc以下の原動機を備えた二輪車と定義されています。世間の認識ではスクータータイプのものが一般的ですが、実際はHONDAのカブというオートバイタイプの車種も排気量が50cc以下で原付バイクの定義に当てはまるので、原付バイクの一種と言えます。原動機付自転車免許(以下、原付免許)は、それを運転するために必要な免許で、満16歳以上になれば取得することが可能です。また、普通自動車免許を取得すれば自動的に原付バイクも運転することが可能となります。
さて、スクータータイプ、オートバイタイプと記述しましたが、一般的な認識としては、スクータータイプとは足を平らなステップ部分に楽に置いておける形状で、無段変速(ギアがないもの)を採用しているものが多く、原付バイクの中では主流となっています。20年~30年ほど前からビッグスクーターと呼ばれる大型のスクーターも見られるようになりましたが、これは排気量の多いスクーターで、原付免許では乗ることができませんので記述はここまでにしておきます。オートバイタイプのものは、前述したHONDAのカブなどの一般的な二輪車を小さくしたような、変速ギアのあるものというのが一般的な認識です。ぱっと見た感じ、知識のある人ならばわかりますが、素人や興味のない人間が見ると、原付バイクであるのかそれ以上の中型二輪車に該当するのか、わかりにくい形状です。どちらのタイプも原付バイクは原付バイクですので、道路交通法で制限速度が決められており、時速30kmまででしか走行することが許されていません。
この免許証をとるとこんな仕事が可能に
主に新聞配達やデリバリーサービスなど、原付バイクを使用した宅配系の仕事があります。アルバイトなどでも募集をしているお店は多く、インストア業務よりも待遇面で高い時給が設定されていることが多いです。また、車での配達ではむしろ時間がかかる都市部などの地域では、バイク便と呼ばれる配達員を募集している会社もあり、所有していると色々と仕事探しをする上で選択肢が広がります。
原付免許(原動機付自転車免許)を取得するための条件、資格
受験資格のある年齢は何歳?学生でもとれる?
受験資格となるのは主に年齢で、満16歳以上となっています。満というのは、現状の年齢のことを言いますので、誕生日がきて16歳になったとき、初めて受験資格を得ることになります。学生であっても、16歳になれば免許を取得することは可能ではありますが、学校の規則で禁止されていたり、取得すること自体は禁止されていなくても通学に使用することが禁止されている場合が大半ですので、そのあたりはしっかりと確認してからにしましょう。
免許を取るために年齢以外に必要な経験、資格、条件はある?
よく言われる条件は満16歳以上というものですが、それ以外にも実は必要な条件があります。それは視力です。両眼で0.5以上あることが最低条件で、片方でいくつという条件はありません。片方の眼が見えない方については、左右の有効視野が150度以上で視力が0.5以上となっています。また、色彩識別能力として、赤色、青色、黄色が判別できることが必要とされています。聴力に関しても、10メートルの距離で90デシベルの音が聞き取れることと規定されています。
原付免許(原動機付自転車免許)を取得する流れと取るのにかかる時間は?
免許を取得するためにどんな手続きや試験があってどれくらいの期間、時間がかかるの?
原付免許を取得するためには、都道府県にそれぞれ設置されている運転免許センターで受験します。運転免許センターでは平日のみ、予約不要で試験が実施されていて、時間は各免許センターごとに微妙に違っていたりするので、ホームページなどで確認が必要です。また、手続きには住民票が必要なのですが、注意点として住民票のおいている都道府県以外では受験することができません。大まかな流れをざっと説明しますと、まずは運転免許センターで受験申請書に必要事項を記入します。それを受付に提出し、案内にしたがって受験者の列に並びます。そのまま適性検査へと案内されますので、そのまま係員の指示通りに検査を受けていきます。次はいよいよ学科試験です。合格となるボーダーラインが設定されていて、制限時間は30分、46問と危険予測2問、50点満点中45点以上獲得すると合格となります。試験が終わると、待合室で合格発表を待ちます。そこで不合格となれば、残念ながら帰宅となります。合格した方は、次に原付技能講習で実際に原付バイクに乗り、基本的な運転方法や技術を学びます。技能講習の所要時間は1.2時間ほどで、よほど手こずらない限りは大体の方がこの時点である程度乗れるようになります。基本的にこの技能講習で落ちるといったことはありません。次に短時間の座学の講習を受け、ようやく免許の交付となります。ここまでの所要時間はおよそ半日と少しほどで、丸一日はかかりません。つまり、原付免許は一日あれば取れてしまうのです。
ここで必要なものを挙げていきます。まずは受験申請に必要なものとして、本籍の記載のある住民票の写し(コピーはダメです)、受験申請用の顔写真(背景が白であればコンビニで簡単に印刷できるもので大丈夫です)、受験に必要な費用(後に記述します)、学科試験に使用する筆記用具など。書くものについてはシャーペンでもかまいませんが、マークシート方式の解答になりますので、鉛筆があったほうが良いでしょう。適正診断には眼鏡やコンタクトレンズなどの普段使用している視力、聴力の矯正用具を持っていく必要があります。技能講習を受けるときのために、動きやすい服装と靴も準備しておいたほうがいいでしょう。
原付免許(原動機付自転車免許)の試験内容、難易度
試験やテストはどんな問題が出題されるの?
正誤の2択を選択するマークシート方式の試験が実施されます。問題数は全部で48問。1問1点うち2問が危険予測のイラスト問題で、配点が2点×2となっており、合計50点満点となっています。合格ラインは45点と、9割の正答率が求められます。試験問題の内容についてですが、主に交通ルールやマナーに関して出題されます。『~しなければならない』『~してもよい』『~してはいけない』、以下と未満の違い等、意地が悪いと思われても仕方のない出題の仕方なので、文章をよく読み、一部にひっかからないように注意して読むようにしましょう。あと注意することとしては、マークシート方式なので、マークの塗りミス、ずれミスがないように丁寧に解答していくことです。
どうやってテストの勉強をすればいいの?学習法のコツはある?
基本的には原付免許対策の本などで勉強をするのが一番良いですが、最近ではインターネットにも様々な情報が出回っていますし、試験対策用のアプリなどもダウンロードすることができます。過去問題を配信しているホームページもありますので、勉強をしようという思いがあればどこからでも情報は得ることができます。
学習のコツについてですが、対策本を何の気なしに眺めていても大した成果は望めません。本気で覚えるつもりで勉強をするか、もしくは過去問や模擬テストなどを繰り返し解いていくことで、試験の問題というものがどういった出題のされ方をしているのか、その傾向を掴むことが一番の近道です。テストではどんな問題の出し方をしてくるのか、どこで引っ掛けようとしてくるのか、繰り返し問題を解いていくと、なんとなくわかるようになってきます。ただ、道路標識や基本的なものの名称などについては完全に覚える必要がありますので、しっかりと記憶に残すようにしましょう。特にイラスト問題に関しては、1問2点という配点になっていますので、取りこぼさないように傾向をしっかり掴んでおきましょう。
試験やテストの難易度や合格率はどれぐらい?
学科試験だけ受ければ間単に取れそうなイメージのある原付免許ですが、実は全国平均での合格率は2人に1人と言われています。簡単に取れるというイメージを持ったまま、あまり勉強をせずに受ける方の多さからこの結果になったものと推測されますが、9割の正答率というのはそれなりにテストのハードルは高く、きちんとおさえる部分はおさえておかないと、勉強をしていたとしても落ちることは十分ありえます。
原付免許(原動機付自転車免許)を取得すると運転できる車
この免許証を取得して乗れる車・乗れない車は?
名称 | 大型自動 二輪車 |
普通自動 二輪車 |
小型自動二輪車 | 原動機付 自転車 |
定義(総排気量) | 401cc~ | 126cc~400cc | 51cc~125cc | ~50cc |
運転可否 | 運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転OK |
【備考】
排気量が50cc以下のものであっても、四輪バギーなどは普通自動車免許が必要であり、原付免許では運転することはできません。 |
大型 自動車 |
中型 自動車 |
準中型 自動車 |
普通 自動車 |
大型特殊 自動車 |
大型自動 二輪車 |
普通自動二輪車 | 原動機付自転車 | 小型特殊自動車 | 牽引自動車 |
運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転NG | 運転OK | 運転NG | 運転NG |
【備考】
なし |
原付免許(原動機付自転車免許)を取得するのにかかる費用
免許をとるために全部でどれくらいのお金や費用がかかるの?
受験に必要な講習受講料や受験料、学科受験料は各都道府県によって若干の違いがありますので、事前に確認しておくことが必要です。大きく違うということはないと思いますが、下記はあくまで参考例としての金額ですので、絶対にその金額ということはありませんので注意してください。まず、役場で住民票の写しを発行して貰うのに300円、受験申請用の写真をコンビニなどで印刷するのに100円、原付講習受講料に4200円、学科受験料1500円、免許交付料2050円、試験会場までの交通費で、試験勉強に必要な本などを1000円で購入したとしてもトータル1万円は超えません。ただし、試験に不合格となってしまった場合は再受験料として1500円かかってきますので、何度も落ちてしまうとその都度会場までの交通費や受験料がかかってしまい、結果として費用がそれなりに膨らんでしまいます。
免許を安く取得するための取り方はあるの?
先にも述べましたが、必要なお金は絶対にかかってきます。費用を安く済ませようと思うならば、いかにお金をかけずに勉強をし、試験会場までは徒歩や自転車で行き、一度の試験で合格するかにかかっています。試験会場に着いて移動だけで体力が奪われていては集中力もなくなってしまい元も子もないので、移動手段で無理に節約することはお勧めできません。ですので、インターネットを利用して費用をかけずに勉強をして、アプリ等を使って過去問題や模擬テストをこなし、一度の試験で合格すれば原動機付自転車免許の取り方としては最安値となります。
あとがき
原付免許は人生で一番最初に取得可能な国家資格です。試験も1日で済ませることができますし、他の免許に比べて非常に安価で取得することができます。持っていると身分証明書にもなりますし、それだけで取得しようとする人がいるぐらいです。それまでの徒歩や自転車による人力から、原動機を搭載したものに乗ったときの感動はすさまじいものがあります。しかしそれだけに、危険も責任も多くなるということを自覚しなければなりません。所詮原付免許などという軽い気持ちで取得してはいけません。免許というものは、あくまでその決められた車両に乗ってもいいよという許しを得るためのもので、免許を持っているからと好き放題に乗り回してもいいものではありません。決められたルールの中で使用することができる方のみ、公道で走ることを許されます。しかしながら、原付バイクは渋滞等にも巻き込まれにくく、利便性の高いものであるのは間違いないので、ルールを守り、マナーを守り、安全に使用さえできれば、よりよい環境になっていくでしょう。免許を取得しようと考えている方はぜひ、その辺りを考えた上で取得を目指してください。
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