ダンプカーとは
ダンプカーの役割
ダンプカーは、ダンプトラックとも呼ばれるように、トラックの仲間です。他のトラックとダンプカーの違いは、荷台を跳ね上げて積み荷を一度に下ろせる装置を持つことです。
ダンプカーの役割は、土地や道路の整地に不可欠な土砂や砂利といった細かいものを運んだり、解体等で発生した鉄筋コンクリートや残土などの廃棄物を処分地まで運搬することです。
ダンプには、最大積載量約11トンまでの普通ダンプトラックと、鉱山やダム工事現場などで活躍する積載量数十トンクラスの重ダンプがあります。
ダンプカーの構造
ダンプカー(ダンプトラック)の構造は、他のトラックと同様に、シャーシとボディで構成されています。
シャーシは、ダンプの背骨となる強固なフレームを中心に、運転席のあるキャビンや、エンジン、トランスミッションなどの駆動部が取り付けられた集合体です。
ボディには、トラックの用途に合わせた架装が選択され、ダンプカーの場合は、油圧シリンダーの力で荷台を後方に傾けられるダンプ装置を搭載します。
一般のダンプカーで使用されているシャーシは、トラックメーカーの既成品です。そこに架装メーカーが使用目的に合わせた荷台機構を持つダンプボディを搭載してダンプは1台ずつ製造されます。
ダンプカーの種類
ダンプカーは架装ダンプ部分の荷台構造の違いで4つの種類に分類できます。
- リアダンプは、荷台を後方に傾けて後ろへと荷物を排出できる最も一般的なダンプのことです。
- サイドダンプは、荷台を左右に傾けて積荷を下ろせるタイプのダンプです。後方に排出スペースが取れない現場での作業や、道路脇へ砂利を排出したい場合などに適しています。また、リアダンプよりも荷台の跳ね上げ高が低くて済むため、高さ制限のある荷降ろし場でも便利です。
- 三転ダンプは、後方と左右の3方向へ荷台を傾けられる構造のダンプのことです。リアダンプとサイドダンプ両方の機能を併せ持ったタイプですが、可動域が広く、構造が複雑なので故障が発生しやすく、メンテナンスに気を遣う必要があります。
- リフトダンプは、荷台そのものを上げて高いところへ排出できるダンプです。リフトアップ機能に加えて傾斜機能も備えたタイプもあり、鮮魚運搬車の水槽に砕氷を投入する運搬車などに使われています。

ダンプカーの主なメーカー
国内で販売されているダンプカーのボディは、下表の大手トラックメーカーが製造を手がけています。
メーカー | メーカーの特徴 | 主要ダンプ機種 |
日野 | トラックやバスなど商用車製造 | |
いすゞ | 商用車中心 | |
三菱ふそう | 商用車や産業用エンジンを製造 |
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UD | 大型車専門 |
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ダンプカー運転手(ドライバー)の主な仕事内容
ダンプ運転手(ドライバー)の仕事の基本は、積み地まで運転して土砂や産業廃棄物などを積載し、処分場まで運搬して捨てるといったような作業を1日に何度か繰り返します。人力による積み降ろしの作業は行わないのでダンプカーの仕事は女性でも安心です。
ダンプ乗りが行う主な仕事内容
- 山砂や残土などの土砂運搬
- 建設廃材等の産業廃棄物の収集運搬
- 道路舗装工事で使うアスファルト合材の運搬
- 大型土木工事現場での資材運搬や工場内限定の横持ち輸送(重ダンプ)
ダンプカー運転手(ドライバー)の1日の仕事の流れ
ダンプ運転手(ドライバー)の仕事は、早朝から始まり夕方頃には終わるパターンが多いです。以下は一例です。
- 7:30 出社。点呼とアルコールチェック
- 8:00 空荷で出発。現場まで建設残土を積みに行く
- 9:00 現場に到着。残土を積み込み、捨て場に移動
- 10:00 捨て場に到着。荷降ろし後、現場へ戻る
- 現場と捨て場を複数回往復する
- 16:30 帰社。洗車・車両整備と日報書き
- 17:00 退社
なお、休憩や昼食は移動中の空き時間を見つけて済ませます。
女性のダンプカー運転手(ドライバー)が増えている
ダンプ乗りといえば『男の稼業』のイメージがありますが、ダンプ屋として働く女性ドライバーも徐々に増加中です。SNSでは#ダンプ女子のハッシュタグが賑わいます。
国はトラガール促進プロジェクトを通じて女性ドライバーの普及を後押ししていますし、事業者側も仕事が丁寧で評判の良い女性の採用に積極的です。女性用トイレや更衣室の整備など、労働環境の改善も進んでいます。
ダンプ運転手(ドライバー)が女性に向いている4つの理由
- 手積み手下ろしといった力仕事がほぼ無い(あったとしてもスコップでできる軽作業程度)
- 夕方に終わるので家事・育児の時間やプライベートの時間を確保できる
- 性別の差なく同じ仕事をこなせるので稼ぐ額も男性と同等
- 近距離の仕事を選べるのでトイレに困ることがない
ダンプカー運転手(ドライバー)の仕事の魅力
重い荷物の持ち運びがない
ダンプで運搬する荷物は土砂や砂利、コンクリートがらなどの重量物ばかりですが、これらを運転手(ドライバー)が人力で積むことは一切ありません。
プラントでは専門のオペレーターによる機械操作で投入されますし、現場ではショベルカー等の重機で積み込んでくれます。ダンプカーの仕事に腕力を必要としない点は高齢者や女性にとっても魅力といえます。
一人で仕事できる時間が多い
ダンプカーの仕事は運転手(ドライバー)ごとにダンプが割り当てられ、複数台で隊列を組んで目的地まで移動することが多いです。運転中は一人ですし、荷降ろしは順番に行います。
つまり、ダンプの仕事に大勢で行う作業はなく、ほとんどは一人で仕事をできる点が魅力です。だからといって孤独というわけでもありません。道中は仲間と一緒だからです。道に迷うこともありません。
ダンプカー運転手(ドライバー)の仕事のつらいところ
運転している時間が長い
片道だけの距離で考えると、ダンプ運転手(ドライバー)の移動距離はそう長くはありません。しかし、一日の距離で考えると話は変わってきます。
到着するごとに土や砂を積んでは下ろすを何度も繰り返すため、一日の走行距離は100kmを超えます。例えば、片道25kmのルートでも5往復すれば250kmです。
しかも、ダンプ機構で一気に下ろすので荷下ろしが短時間で済む上に、荷待ちも少ないため、仕事のほとんどは運転に費やされます。ダンプは短距離で楽だと甘く見ているとつらいと感じるでしょう。
勤務時間が不規則になることもある
ダンプの仕事は朝に始まり夕方終わるシフトが中心ですが、渋滞回避のために運転手(ドライバー)の判断で早出を行うこともあります。
また、夜間道路工事のアスファルト合材輸送も請け負うダンプ会社では、日勤の間に夜勤が入ることもあります。夕方に仮眠を取って夜から再び働くというサイクルは、まとまった睡眠が取りづらく、体力勝負のつらい部分でもあります。
天候に大きく左右される
雨の日はダンプの仕事はお休みです。ぬかるんだ土の上を走行するのは危険だからという理由もありますが、主な理由は、タイヤに付着した土砂で公道を汚さないようにするためです。
現場に向かっても工事が休みなら入場できません。月給保証の会社を除き、雨天時は無給です。ダンプカー運転手(ドライバー)のつらいところは天候によって稼ぎまで左右されることです。
ダンプの運転は難しい
大型ダンプは全長がショートで中型並に小回りが効きますが、運転手(ドライバー)には難易度の高い運転が求められます。
例えばバックの技術です。ダンプで現場に進入するときは、重機に荷台を接近させるために後退しながら進みます。障害物に気を配りながら曲がりくねった未整地の道を走るのは大変です。車幅が大きいので細い道での離合にも神経を使う仕事です。
無線の利用には資格が必要
ダンプの仕事に無線は必須です。仲間同士での道路状況の情報交換にはアマチュア無線を使いますし、現場に入れば他社の運転手(ドライバー)とチャンネルを共有して、出入口や積下ろし場所を教え合ったりします。
ただし、アマチュア無線を利用するには国家資格が必要です。日本無線協会が主催する国家試験を受験します。一般財団法人JARDが実施する講習会を受講すれば合格率は98%です。無許可で無線を飛ばす行為は電波法違反となり1年以下の懲役か100万円以下の罰金です。
ダンプカー運転手(ドライバー)の給料/年収
求人サイトの情報によると、大型ダンプカー運転手(ドライバー)の平均給料は月給換算で約25万円~38万円程度、年収換算で300万円~460万円程度です。初月から28万円の月給保証が付く会社もあり、20代から30万円台の給与水準となります。
ダンプドライバーの給料体系は、日給月給が基本です。勤務日が増えると稼げる一方で、休日や荒天で仕事がない日が増えると手取りは減少します。
ダンプで稼ぎたい人は道路工事の夜勤と兼務するとさらに高収入が狙えます。
ダンプカー運転手(ドライバー)の雇用形態
ダンプカー運転手(ドライバー)の求人で一番多いのは正社員です。長く安定した仕事をしたいなら、正社員での採用を目指すことをおすすめします。
一方で、アルバイトやパート雇用でダンプカー運転手を募集する会社もあります。アルバイトの場合は日給制で1日当たり10,000円~14,000円程度が支給されます。正社員への登用制度もあります。
自分のダンプを持つ一人親方の自営業者なら、契約社員雇用という形で配送を請け負います。売上は増えますが経費は本人負担です。
ダンプカー運転手(ドライバー)の労働時間/残業
ダンプカー運転手(ドライバー)は長時間労働とは無縁です。
勤務時間は一例として日勤が8:00~17:00、夜勤は21:00~3:00です。早出や多少の残業もありますが、拘束時間は長くても12時間程度とトラック業界の中では短い部類です。現場が閉まればこれ以上の仕事もできません。
それどころか、ダンプの仕事は目的地までの往復回数をこなし終えたら、そこで任務完了です。つまり、その日の仕事が予定よりも早く終われば、夕方前に帰宅することもできます。
ダンプカー運転手(ドライバー)の休日/休暇
ダンプカー運転手(ドライバー)の休日は、日曜日と祝日です。月の休みは5日程度です。これに加えてGWやお盆、年末年始には休みが取得できます。
土日休みの週休2日制や有給制度を持つ会社は、PRを兼ねて求人サイトの情報欄に明記していますので、休みを重視する人は良く読んでチェックしておきましょう。
ダンプ複数台で現場に向かう仕事なら、さらに融通が効きます。希望休暇日を事前に申告すれば、メンバー変更で柔軟に対応してくれる会社もあります。
ダンプカー運転手(ドライバー)の福利厚生
正社員のダンプカー運転手(ドライバー)には、仕事に応じた給料に加えて福利厚生が付与されます。
- 社会保険完備
- 無事故手当
- 整備手当
- 通信費(携帯手当)
- 交通費支給
- 資格手当
- 定期健康診断
- 免許取得費用補助
この他にも、ヒゲ・茶髪OK、寮・社宅完備の会社からの求人もあります。賞与や退職金が出る事業用の緑ナンバーを取得した会社もあれば、無い代わりに月給が高い白ナンバーの会社もあります。充実した福利厚生を求めるなら緑ナンバーのダンプを保有する会社を選ぶのがコツです。
ダンプカー運転手(ドライバー)に必要な免許/資格
運転するダンプに適した運転免許が必要
ダンプカーは、サイズや積載量に応じて小型ダンプ、中型ダンプ、大型ダンプの3つの車両区分に分けられます。
一方、運転免許の区分も、運転できる重量ごとに分けられています。ダンプカー運転手(ドライバー)になるには、運転するダンプに適合した運転免許が必要です。
- 小型ダンプの運転に最低限必要な運転免許は準中型免許です。ダンプは小型でも重量があるので、普通免許では車両総重量3.5tの制限を超過するからです。
- 中型ダンプの運転には中型免許でOKです。ただし積載量をアップさせた増トンダンプの運転には大型免許が必要です。
- 大型ダンプを運転するには大型免許が必要です。
さらに特殊な免許や資格を持っていると優遇される場合がある
大型免許さえあればダンプ運転手(ドライバー)の職探しを有利に進められますが、土木建設関連のダンプ運転手を目指すなら以下の資格が優遇されます。
- 大型特殊免許を取得すると、公道で大型ショベルカーや大型ブルドーザーの運転が可能になります。
- 車両系建築機械運転技能講習の資格は、整地、解体、基礎工事など工事分野ごとに区分されており、例えば整地・運搬・積込・掘削用の修了者はパワーショベルやブルドーザーなど機体質量3トン以上の重機を操作する現場作業に従事できます。
- 不整地運搬車運転技能講習の修了者は、重ダンプを含む最大積載量1t以上のキャタピラ式や車輪式など全ての不整地運搬車が運転可能です。工事現場への搬入や搬出を担当する大型ダンプカーの運転手は、大型免許に加えて当免許も必要です。
ダンプカー運転手(ドライバー)に向いている人とは
運転が好きな人
ダンプは荒れ地を走行することを考慮して腰高に作られているため、大型トラックよりも見晴らしが良い乗り物です。加えて、大型の割に全長やホイールベースが短いので操縦も運転手(ドライバー)の思いのままです。
運転好きなら一度ダンプに乗れば楽しいと感じられるはずです。また、車好きが高じて大型免許は取得したけど大型トラックはまだ怖いと敬遠中の女性にもおすすめなのがダンプカーです。力仕事がなく、好きな音楽でも聞きながら運転に専念できる環境が用意されています。
一人で仕事するのが好きな人
誰にも邪魔されずに仕事ができるのはトラック運転手(ドライバー)に共通する特権ですが、業態によっては営業を強要されたり、接客スキルが求められることもあります。
しかし、ダンプ運転手には運転以外の営業活動や交渉事がありません。不特定多数の人間と関わらずに、一人で仕事をこなしたい人には、ダンプカーの仕事が向いているといえます。
責任感がある人
同じ現場で行ったり来たりを繰り返すダンプ運転手(ドライバー)の仕事は、慣れると単調に感じられがちです。
しかし、一日の運行回数は契約どおりに実行しないといけませんし、荷降ろしにも気が抜けません。砕石を間違った場所に下ろすと土が混ざり商品価値がゼロになります。
決められた業務を最後まで責任をもってやり遂げる人がダンプ運転手に相応しいです。
ダンプカーの運転手(ドライバー)の仕事まとめ
ダンプカー運転手(ドライバー)の仕事のまとめとして、長所と短所をおさらいします。
ダンプの仕事のメリット
- 力仕事が無い
- 仕事時間は短め(朝から夕方の仕事がメイン)
- 高収入の道あり(道路工事の夜勤掛け持ち)
ダンプの仕事のデメリット
- 収入が不安定(雨天時は無給)
- 荒れた路面走行のリスク(ぬかるみ、凹凸、バック)
体力に自信が無い人でも勤まるのがダンプカー運転手の魅力です。女性でも男性並の稼ぎが得られます。さらに、プライベート重視か稼ぎ重視かで働き方を選択できます。
ダンプカーの仕事に興味が湧いたら、まずは転職準備として大型免許に挑戦してみるのはどうですか。
「働いても給料や条件があまりよくならない」、「体力的にも労働時間もしんどくなってきた」、「将来が不安」、でも”いい仕事ってないよなぁ”と感じたりしていませんか?
もしそうなら、ドライバー不足の今は絶好のチャンスです!
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